ぷよっとふーどず!

いかすみそーめん

文字の大きさ
上 下
3 / 6

第一話  初登校

しおりを挟む
 時は20××年、四月。
 ぶわっと春の風が吹く。
「わっ!これが、『あいうえおいしい高校』の校舎!!きれいな校舎だなー」
(入試問題いみふだったけど、いいかも…!入学してよかった!)
 例の高校の制服を着た少女が校舎を眺める。
 彼女の名前は、いかすみそーめん。通称:いかすみ。
「えっ、マジかw見ろよ、あの制服w」
「ああ~。『異人高校』だろ?」
 通りかかった高校生がいかすみの制服を見てあざ笑う。
 そう、ここ、「あいうえおいしい高等学校」は通称:異人高校、と呼ばれているのだ。
 なぜなら、謎に能力者ギフテッドが集まってくるのだ。
 能力者、のことはギフテッドと呼ばれる。ギフテッドとは主に魔族のことを指し、能力としては、読心能力、回復能力、透明化能力…といろいろある。
(べっ、別に、おーは異人じゃないし、能力者でもないもん!)

※いかすみは火星人です、一人称は「おー」です

「あっ、やばー!HRまで残り10分だ!いそごー」
(こんなの気にしてたらキリがないよね!)
 いかすみは、あいうえおいしい高校の入り口へと駆けていった。

 わいわいと教室の中はにぎわっている。
「初日にこんなにぎわうことってあるんだー。草ー」
 教室を見渡しても知らない人ばかり。

「おー!君、見ない顔だね!!」
 話しかけてきたのはショートカットで日焼けした顔の女の子。
「…^^…。君も見ない顔だね(笑)そういえば、運動とか得意⁇」
(こういう子いい!つか、話しかけてきたらとりま、話しにのって、友達完成☆)
「ううん、私の特技は勉強とか⁇特に数学だね!」
((((わお!見た目によらず!!だったら、その日焼けはなんだ⁇))))
「へー!意外だね!もしかして、能力者ギフテッドだったりする?」
 いかすみは、本当に軽い気持ちで言ったのかもしれない。
「……。」
 日焼けした彼女の顔は一気に青ざめた。
(あ、あれ?おー、なんか失言した…?(汗)あ、もしかして、名前聞くのが先だったのかも)
 いかすみはあわあわ、と焦っている。
「あ、あのね、この学校で能力者の話はしない方がいいと思う…!」
「……?う、うん?」
 きょとんと首をかしげてから返事をする。
(あーちゃ、なんか変なルールがある感じね…。この学校でうまくやっていけるかなぁ…?退学処分とかは避けないと……)
「も、もうすぐ時間だし、じ、じゃーね!」
「…。じゃーね」
 ショートカットの女の子は自分の席に戻っていった。
(あーあ、名前聞けなかったなー。おーったら、いつもこんな惜しいところで失敗するんだよね)

新しい学校生活には不安半分、期待半分なのだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

「南風の頃に」~ノダケンとその仲間達~

kitamitio
青春
合格するはずのなかった札幌の超難関高に入学してしまった野球少年の野田賢治は、野球部員たちの執拗な勧誘を逃れ陸上部に入部する。北海道の海沿いの田舎町で育った彼は仲間たちの優秀さに引け目を感じる生活を送っていたが、長年続けて来た野球との違いに戸惑いながらも陸上競技にのめりこんでいく。「自主自律」を校訓とする私服の学校に敢えて詰襟の学生服を着ていくことで自分自身の存在を主張しようとしていた野田賢治。それでも新しい仲間が広がっていく中で少しずつ変わっていくものがあった。そして、隠していた野田賢治自身の過去について少しずつ知らされていく……。

水曜日の子供たちへ

蓮子
青春
ベンヤミンは肌や髪や目の色が他の人と違った。 ベンヤミンの住む国は聖力を持つ者が尊ばれた。 聖力と信仰の高いベンヤミンは誰からも蔑まれないために、神祇官になりたいと嘱望した。早く位を上げるためには神祇官を育成する学校で上位にならなければならない。 そのための試験は、ベンヤミンは問題を抱えるパオル、ヨナス、ルカと同室になり彼らに寄り添い問題を解決するというものだ。 彼らと関わり、問題を解決することでベンヤミン自身の問題も解決され成長していく。 ファンタジー世界の神学校で悲喜交々する少年たちの成長物語 ※ゲーム用に作ったシナリオを小説に落とし込んだので、お見苦しい点があると思います。予めご了承ください。 使用する予定だったイラストが差し込まれています。ご注意ください。 イラスト協力:pizza様 https://www.pixiv.net/users/3014926 全36話を予定しております

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

筋肉少女、最大の弱点

椎名 富比路
青春
足をマッサージしてもらう過程で、くすぐられてしまう。

魔球オナラ球

ヨッシー@
青春
僕たちの青春は終わった。 カーン、 ボテ、ボテ、ボテ、 ゆる〜いボールが転がってくる。 学校のグランドの奥の奥。 パシッ、 一人の野球部員が、ボールを掴んで内野に投げる。 「ヘーイ」シュッ、 その背には、背番号は無い⋯⋯

リコの栄光

紫蘇ジュースの達人
青春
ケルト陸軍学校の訓練生リコは、同期の心優しい男サッチと、顔はかわいいけれど気が強い女子訓練生モモと共に日々訓練に奮闘中だ。リコの父親はケルト国の英雄で、伝説的なスナイパーだった。亡き父の背中を追いかけるリコ。ある日、父の死について知っているという人物が現れ、、、。リコの内に秘めた熱い想いと、仲間達との青春を描く長編ストーリー。

タカラジェンヌへの軌跡

赤井ちひろ
青春
私立桜城下高校に通う高校一年生、南條さくら 夢はでっかく宝塚! 中学時代は演劇コンクールで助演女優賞もとるほどの力を持っている。 でも彼女には決定的な欠陥が 受験期間高校三年までの残ります三年。必死にレッスンに励むさくらに運命の女神は微笑むのか。 限られた時間の中で夢を追う少女たちを書いた青春小説。 脇を囲む教師たちと高校生の物語。

食いしん坊な親友と私の美味しい日常

†漆黒のシュナイダー†
青春
私‭――田所が同級生の遠野と一緒に毎日ご飯を食べる話。

処理中です...