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第三章 緑と黒――そして集まる五人
第102話 想いを乗せて
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千紘が魔法を纏った長剣と刀を手に、ギウスデスに向かって一気に駆ける。
すぐさま反応したギウスデスは、空いている左手を正面にかざした。すると、巨大な岩石が瞬時に出現する。
それは千紘を標的にして、まっすぐ飛んできた。
「おいおい、試させてくれるんじゃなかったのかよ!」
ギウスデスへと向けていた足を止めることなく、千紘が大声を上げると、
「『試させてもいい』とは言ったけど、攻撃も防御もしないとまでは言っていないよ」
岩石を隔てて、ギウスデスの笑みを含んだ声が聞こえてくる。
(確かにそうだけど、これをどうにかしながら近づかないといけないのかよ)
千紘は心のどこかで納得しながらも、うんざりしたように溜息を漏らした。
秋斗たちが狙われるよりはずっといいが、自分が集中して狙われるのもそれはそれで困りものだ。
相変わらず、ギウスデスは人の心を逆撫でするのが上手い。そんなことに思わず感心してしまう。
「ちっ、しょうがねーな」
諦めたように舌打ちをした千紘が、さらに加速する。そのまま真正面から岩石に向かっていった。
ひたすら逃げ惑っていた先ほどまでとは違い、変身した今は心も身体もまだ余裕がある。
飛んでくる岩石を、氷を纏った長剣で難なく上から真っ二つにすると、
「さっきよりはマシになったようだね」
斬った岩石の隙間から、ギウスデスが嬉しそうに目を細めるのが見えた。その姿は純粋に戦いを楽しんでいるようにも思える。
割れた岩石の欠片が、千紘の身体だけでなく頬も掠めていった。全身に大小問わず様々な傷ができるが、千紘はそれに構うことなくさらに進む。
(これでも一応イケメン俳優として売ってんだから、顔に傷つけるんじゃねーよ!)
ギウスデスを睨みつけながら、心の中で苛立たしげにぼやく。
顔は俳優の命ともいえるが、今はそんなことで立ち止まるわけにはいかない。ただひたすら前へと突進していく。
ギウスデスは愉快そうにまた魔法で岩石を作り出し、千紘に差し向けた。
次から次へと飛んでくる岩石の中、千紘は減速することなく、一心不乱にまっすぐ駆ける。
ギウスデスの放つ岩石をどうにかかいくぐって、ようやく千紘の攻撃が届きそうなところまで到達した。
その間に避けきれなかった岩石をいくつか斬ってきたが、両手の長剣と刀はまだ魔法を纏っている。
これも秋斗とノアのおかげだ。
(うん、二人とも今のところしっかり制御できてるな)
誰に見せるでもなく、千紘が小さく頷く。
後方では、秋斗とノアが両手を上げたままで、それぞれが必死に魔法の制御に徹していた。
(よし、ここで!)
ギウスデスの少し手前で千紘が全力で床を蹴って、高く飛び上がる。
そのまま重力に逆らうことなく、落下する勢いを乗せてギウスデスに凍った長剣を叩きつけた。
「甘いよ」
しかしギウスデスは、これまで魔法を操っていた左手でそれを容易く受け止める。
着地した瞬間、千紘がはっとした。
長剣の刀身を握ったギウスデスの手が、燃え盛る炎に覆われていたのである。
「まったく何でもありだな! 今度は炎かよ!」
千紘の口から愚痴のような言葉が零れるが、ギウスデスの思惑はすぐに察せられた。
どうやら、ギウスデスは長剣を氷ごと炎で溶かしてしまおうと考えているらしい。使える武器を一つ減らそうというのだ。
だが、こちらもそう簡単にやらせるわけにはいかない。
「秋斗っ!」
千紘が振り返ることなく、大声で秋斗の名を呼ぶ。
「わかってる!」
すぐさまそう答えた秋斗は、額に玉の汗を浮かべながら早口で詠唱をし、長剣を覆っている氷の上からさらに魔法を重ねた。
一度だけでなく、何度も詠唱を繰り返す。
秋斗の身体と精神にかかる負担は相当なものだろう。だが、秋斗はそれも織り込み済みでこの作戦を提案したのだ。
千紘の長剣には、秋斗が詠唱する度に氷が幾重にも重なっていく。
分厚い氷の塊に覆われた長剣の強度は先ほどよりも確実に高く、また溶けにくくなっていた。
すでに剣というよりは鈍器のようにも見えるそれを、ギウスデスはまだしっかりと掴んでいる。
氷を溶かそうと長剣を握りしめたままのギウスデスに、千紘は後ろに退くこともできずにいた。
何としてでも長剣を失わせようとするギウスデスと、それを拒絶する千紘が互いに睨み合う。
しばらくして、千紘は氷の塊が少しずつではあるが溶け始めていることに気づいた。
その時だ。
ギウスデスが顎で千紘の左手を示す。
「そこの刀は飾りかね?」
嘲笑を浮かべたギウスデスの表情は、どうせ左手では扱えないだろうとでも言いたげである。
だが、それに対抗するかのように、千紘もギウスデスに不敵な笑みを向けた。
「これが飾りに見えるのか、よっ!」
そう言って、ギウスデスの腹に思い切り蹴りを入れる。と同時に、これまでしっかり握っていた長剣を手放した。
蹴った勢いを利用して、そのまま後方に跳躍する。
空中で軽やかに一回転した千紘は、着地ざまに左手に持っていた刀を右手に持ち替えると、再度床を蹴ってギウスデスに勢いよく迫った。
「確かに左手じゃ上手く使えないけど、こうすればいいだけの話なんだよ! 行くぞノア!」
「任せて!」
またも千紘が振り返ることなくノアを呼ぶと、ノアは待ってましたとばかりに声を張り上げた。
ノアが秋斗の時と同様に早口で魔法の詠唱を繰り返すと、刀を覆っている炎が一段と激しさを増す。
今度は刀に乗せた炎を重ね、温度と火力をできる限り上げる。その刀でギウスデスを攻撃しようとの作戦だ。
もちろん先ほどの秋斗と同じく、ノアの負担は計り知れない。
(作戦を多少変更しようがやることは変わらない。目の前の敵を倒す、それだけだ!)
最初は氷の剣と炎の刀、両方を使って攻撃する予定だった。
しかし、やはり千紘が左手では上手く刀を扱えなかったのと、ずっとギウスデスに長剣を掴まれていたせいで攻撃がままならなかったため、急遽作戦を切り替えたのである。
香介から託された刀には、すでにノアが何度も繰り返して重ねた炎が大きく渦巻いていた。
「そんなもので私の防御を破れるものか!」
ギウスデスがすかさず両腕を胸元で交差させると、その上から青白く透き通った盾のようなものが現れる。
だが千紘はそんなことでは止まらない。さらに突き進み、滑るようにギウスデスとの間合いを詰める。
「行け、千紘!」
「頑張ってください!」
「千紘ちゃん、この一撃で決めなさい!」
「後は頼んだよ!」
背後から秋斗たちの声が聞こえてきた。
改めて表情を引き締めた千紘が、刀の柄を両手で強く握り締めながら、思い切り前へと突き出す。
「これで、終わりだぁ!」
「させるか!」
ギウスデスの盾は千紘の攻撃を受け止めるが、それもほんの一瞬のことだった。
「俺たちを馬鹿にするなよ」
刀を握ったままの千紘が声を低め、間近でギウスデスの顔を見上げる。
次にはガラスが割れるような音を立てながら、盾が粉々に砕け散った。
「何だと!?」
途端にギウスデスが驚愕した表情を浮かべる。まさか壊れるとは思っていなかったのだろう。
そのまま後ろに飛びすさろうとするギウスデスだが、千紘はそれを許さない。
「俺たちは! 絶対に負けない! スター・バーニング・クラーッシュ!!」
雄叫びが響く。
魔法だけでなく全員の想いも乗せて、炎を纏った刀は正面から一気に腕ごとギウスデスの身体を貫いたのだった。
すぐさま反応したギウスデスは、空いている左手を正面にかざした。すると、巨大な岩石が瞬時に出現する。
それは千紘を標的にして、まっすぐ飛んできた。
「おいおい、試させてくれるんじゃなかったのかよ!」
ギウスデスへと向けていた足を止めることなく、千紘が大声を上げると、
「『試させてもいい』とは言ったけど、攻撃も防御もしないとまでは言っていないよ」
岩石を隔てて、ギウスデスの笑みを含んだ声が聞こえてくる。
(確かにそうだけど、これをどうにかしながら近づかないといけないのかよ)
千紘は心のどこかで納得しながらも、うんざりしたように溜息を漏らした。
秋斗たちが狙われるよりはずっといいが、自分が集中して狙われるのもそれはそれで困りものだ。
相変わらず、ギウスデスは人の心を逆撫でするのが上手い。そんなことに思わず感心してしまう。
「ちっ、しょうがねーな」
諦めたように舌打ちをした千紘が、さらに加速する。そのまま真正面から岩石に向かっていった。
ひたすら逃げ惑っていた先ほどまでとは違い、変身した今は心も身体もまだ余裕がある。
飛んでくる岩石を、氷を纏った長剣で難なく上から真っ二つにすると、
「さっきよりはマシになったようだね」
斬った岩石の隙間から、ギウスデスが嬉しそうに目を細めるのが見えた。その姿は純粋に戦いを楽しんでいるようにも思える。
割れた岩石の欠片が、千紘の身体だけでなく頬も掠めていった。全身に大小問わず様々な傷ができるが、千紘はそれに構うことなくさらに進む。
(これでも一応イケメン俳優として売ってんだから、顔に傷つけるんじゃねーよ!)
ギウスデスを睨みつけながら、心の中で苛立たしげにぼやく。
顔は俳優の命ともいえるが、今はそんなことで立ち止まるわけにはいかない。ただひたすら前へと突進していく。
ギウスデスは愉快そうにまた魔法で岩石を作り出し、千紘に差し向けた。
次から次へと飛んでくる岩石の中、千紘は減速することなく、一心不乱にまっすぐ駆ける。
ギウスデスの放つ岩石をどうにかかいくぐって、ようやく千紘の攻撃が届きそうなところまで到達した。
その間に避けきれなかった岩石をいくつか斬ってきたが、両手の長剣と刀はまだ魔法を纏っている。
これも秋斗とノアのおかげだ。
(うん、二人とも今のところしっかり制御できてるな)
誰に見せるでもなく、千紘が小さく頷く。
後方では、秋斗とノアが両手を上げたままで、それぞれが必死に魔法の制御に徹していた。
(よし、ここで!)
ギウスデスの少し手前で千紘が全力で床を蹴って、高く飛び上がる。
そのまま重力に逆らうことなく、落下する勢いを乗せてギウスデスに凍った長剣を叩きつけた。
「甘いよ」
しかしギウスデスは、これまで魔法を操っていた左手でそれを容易く受け止める。
着地した瞬間、千紘がはっとした。
長剣の刀身を握ったギウスデスの手が、燃え盛る炎に覆われていたのである。
「まったく何でもありだな! 今度は炎かよ!」
千紘の口から愚痴のような言葉が零れるが、ギウスデスの思惑はすぐに察せられた。
どうやら、ギウスデスは長剣を氷ごと炎で溶かしてしまおうと考えているらしい。使える武器を一つ減らそうというのだ。
だが、こちらもそう簡単にやらせるわけにはいかない。
「秋斗っ!」
千紘が振り返ることなく、大声で秋斗の名を呼ぶ。
「わかってる!」
すぐさまそう答えた秋斗は、額に玉の汗を浮かべながら早口で詠唱をし、長剣を覆っている氷の上からさらに魔法を重ねた。
一度だけでなく、何度も詠唱を繰り返す。
秋斗の身体と精神にかかる負担は相当なものだろう。だが、秋斗はそれも織り込み済みでこの作戦を提案したのだ。
千紘の長剣には、秋斗が詠唱する度に氷が幾重にも重なっていく。
分厚い氷の塊に覆われた長剣の強度は先ほどよりも確実に高く、また溶けにくくなっていた。
すでに剣というよりは鈍器のようにも見えるそれを、ギウスデスはまだしっかりと掴んでいる。
氷を溶かそうと長剣を握りしめたままのギウスデスに、千紘は後ろに退くこともできずにいた。
何としてでも長剣を失わせようとするギウスデスと、それを拒絶する千紘が互いに睨み合う。
しばらくして、千紘は氷の塊が少しずつではあるが溶け始めていることに気づいた。
その時だ。
ギウスデスが顎で千紘の左手を示す。
「そこの刀は飾りかね?」
嘲笑を浮かべたギウスデスの表情は、どうせ左手では扱えないだろうとでも言いたげである。
だが、それに対抗するかのように、千紘もギウスデスに不敵な笑みを向けた。
「これが飾りに見えるのか、よっ!」
そう言って、ギウスデスの腹に思い切り蹴りを入れる。と同時に、これまでしっかり握っていた長剣を手放した。
蹴った勢いを利用して、そのまま後方に跳躍する。
空中で軽やかに一回転した千紘は、着地ざまに左手に持っていた刀を右手に持ち替えると、再度床を蹴ってギウスデスに勢いよく迫った。
「確かに左手じゃ上手く使えないけど、こうすればいいだけの話なんだよ! 行くぞノア!」
「任せて!」
またも千紘が振り返ることなくノアを呼ぶと、ノアは待ってましたとばかりに声を張り上げた。
ノアが秋斗の時と同様に早口で魔法の詠唱を繰り返すと、刀を覆っている炎が一段と激しさを増す。
今度は刀に乗せた炎を重ね、温度と火力をできる限り上げる。その刀でギウスデスを攻撃しようとの作戦だ。
もちろん先ほどの秋斗と同じく、ノアの負担は計り知れない。
(作戦を多少変更しようがやることは変わらない。目の前の敵を倒す、それだけだ!)
最初は氷の剣と炎の刀、両方を使って攻撃する予定だった。
しかし、やはり千紘が左手では上手く刀を扱えなかったのと、ずっとギウスデスに長剣を掴まれていたせいで攻撃がままならなかったため、急遽作戦を切り替えたのである。
香介から託された刀には、すでにノアが何度も繰り返して重ねた炎が大きく渦巻いていた。
「そんなもので私の防御を破れるものか!」
ギウスデスがすかさず両腕を胸元で交差させると、その上から青白く透き通った盾のようなものが現れる。
だが千紘はそんなことでは止まらない。さらに突き進み、滑るようにギウスデスとの間合いを詰める。
「行け、千紘!」
「頑張ってください!」
「千紘ちゃん、この一撃で決めなさい!」
「後は頼んだよ!」
背後から秋斗たちの声が聞こえてきた。
改めて表情を引き締めた千紘が、刀の柄を両手で強く握り締めながら、思い切り前へと突き出す。
「これで、終わりだぁ!」
「させるか!」
ギウスデスの盾は千紘の攻撃を受け止めるが、それもほんの一瞬のことだった。
「俺たちを馬鹿にするなよ」
刀を握ったままの千紘が声を低め、間近でギウスデスの顔を見上げる。
次にはガラスが割れるような音を立てながら、盾が粉々に砕け散った。
「何だと!?」
途端にギウスデスが驚愕した表情を浮かべる。まさか壊れるとは思っていなかったのだろう。
そのまま後ろに飛びすさろうとするギウスデスだが、千紘はそれを許さない。
「俺たちは! 絶対に負けない! スター・バーニング・クラーッシュ!!」
雄叫びが響く。
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