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第三章 緑と黒――そして集まる五人
第88話 教祖の部屋
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気を失った幹部二人を置き去りにして、千紘たちは城の中をさらに奥へと進む。
先ほど来た場所だ。入り組んだ迷宮というわけでもないので、迷うことなく進んでいく。
教祖だったノアが演説をしていた地下の広間を素早く通過して、その先――ノアを攫った時の場所までやって来た。
「ここまでは問題なく来れたけど……」
攫う直前にノアが入ろうとしていた部屋の前で、千紘が腕を組む。
少し離れた石壁には、ノアの炎魔法に焼かれた跡がまだ痛々しく残っていた。
「ここがノアの部屋だったのかな?」
「どうだろう?」
秋斗が疑問を口にすると、ノアは小さく首を傾げる。疑っているわけではないが、どうやら本当に記憶がないらしい。
「ちょっと部屋の中を見ておくか」
何かわかるかもしれない、と千紘が四人の顔を見回すと、全員揃って頷いた。
「じゃあ静かに開けましょう」
「ああ、わかった」
香介に言われた千紘はそれを聞き入れると、音を立てないように気をつけながら、そっと扉を開く。幸い、鍵はかかっていなかった。
少しだけ開けた扉の隙間から、黙って中を覗く。
ざっくりと見た感じではあるが、今のところ中に人の姿は見当たらなかった。
毛足の長い絨毯が広がった室内にはテーブル、椅子が二脚、そしてシンプルなベッドがあるくらいである。
一見して何も問題のなさそうな部屋だが、千紘はふとテーブルに目を留めた。テーブルの上に何かが置いてあることに気づいたのである。
「あれ、何かわかるか?」
「うーん、記憶がないから何とも……」
千紘が置いてあるものを指差しながらノアの顔を見上げる。だが、やはり記憶のないノアにはわからないようだ。
「一応、中に入って確かめてみた方がいいかもな」
「教団のこととか、何かわかるかもしれないですよね」
秋斗と律の言葉に、五人は全員で部屋の中に入ってみることにした。
開けた時と同じように、人の気配に細心の注意を払いつつ、静かに室内に踏み込む。
テーブルへまっすぐ向かうと、その上にはノートと、鍵が一つ置いてあった。鍵は現代日本にあるような複雑な作りのものではなく、昔に使われていた鍵――ウォード錠によく似ていた。
「ノートには何が書いてあるんだ?」
千紘がノートの表紙を捲ると、他の四人が揃ってその手元を覗き込む。
「これ、オレの文字だな」
「ああ、間違いないな」
ノアの呟く声に、隣にいた千紘は同意して首を縦に振った。
ノートの中にはノアの綺麗に整った文字で、毎日の予定が書かれている。ぱっと見た内容から察するに、どうやら教祖として演説をする時間のようだ。
「なるほど、やっぱりここがノアの部屋だったっぽいな。ベッドがあるってことは、ここで寝泊まりしてた可能性が高いし」
顎に手を当てた秋斗が周りを見回しながら推測していると、ノアはノートの隣に置いてあった鍵の方へと視線を向けた。
「でもこの鍵は何だろう?」
ノアの不思議そうな声音に、全員が今度は鍵の方に目をやる。
「どこかの鍵、としかわからないな」
どこだろう、と千紘たちは揃って首を傾げた。もちろん誰にもわかるはずがない。
「この部屋の鍵かしら?」
「ちょっと試してみるか」
香介の言葉に、千紘はすぐさま鍵を手に取ると扉の方へと向かう。外側から鍵穴に鍵を差し込んでみるが、上手く入らなかった。
「千紘さん、どうですか?」
背後の方から律の声が聞こえる。
「いや、この部屋のじゃないな」
振り返りながら返事をした千紘は、鍵を持って、またテーブルのところまで戻ってきた。
「どこか違うとこのものだな。これ、どうする?」
「そうだなぁ。何かの役には立つかもしれないし、とりあえず持っていくか」
千紘が鍵を指でつまんでぶら下げると、秋斗は少々考える素振りをみせてからそう答える。
「ん、わかった。じゃ俺が持ってくわ」
秋斗の意見に納得して頷いた千紘は、素直に鍵をズボンのポケットにしまった。
ノートについては、書いてあった内容は当たり障りのないものだけだったので、そのまま置いていくことにする。
そこで千紘が改めて口を開き、ノアに尋ねた。
「ノアはやっぱりこの城の内部のことも全然わからないのか?」
「残念だけど記憶にないな」
役に立てず申し訳ない、とノアはまたも残念そうに肩を落とす。
「そっか、そんなに気にすることないって。でもここは演説をしてた広間に近いし、あえてこの場所に教祖の部屋を作ってたのかもしれないな。で、他の場所にはあまり行かなかったのかもしれないし」
千紘がノアを攫った時のことを思い返しつつ、そんな想像を口にすると、
「ちょっと言い方悪いけど、多分教祖としてだけ動くようにされてたんだろうな」
きっと同じようなことを考えたのだろう、秋斗は途端に表情を曇らせる。
それは怒りなのか、悲しみなのか、あるいはもっと他の感情なのかはわからない。ただ、秋斗が何かを不愉快に思っていることだけは千紘にもわかった。
おそらくノアの置かれていた状況に対してだろうと予想した千紘は、そんな秋斗の気持ちを切り替えさせるためにも、あえて話題を変えようとする。
「で、ここを出てからはどっちに行く? 二手に分かれるか?」
言いながら、扉をしっかり閉めて、内側についている鍵をかけた。
部屋の中で相談した方が、廊下で話すよりもずっと教団側に見つかりにくいだろうとの考えである。
正々堂々と正面から入って来た割には、今は意外と慎重に進もうとしていた。
最初にうっかり幹部を倒してしまったから、さすがにその後は少し考えて行動しようとしているのだ。
今千紘が皆に問い掛けたのは、前回脱出した時に使った階段と、ノアを攫う直前に幹部たちが消えていったさらに奥の方、これからどちらに向かうかということである。
真っ先に反応したのは秋斗だった。
「戦力を分散させるのはどうだろう。危険じゃないかな?」
その表情がもう曇っていないことに、千紘は心の中でほっとする。
「それも一理あるね」
秋斗の言葉にノアが素直に頷くと、香介と律もそれに続いた。
「全員でどっちかに行った方がいいんじゃないかしら」
「だったら幹部が消えた奥が怪しくないですか?」
「やっぱそうだよな」
最後に千紘も首を縦に振り、全員の意見が一致する。
「じゃあみんなで奥に向かおう。それで何もなければ、またここに戻ってくればいいだけだもんな」
秋斗はすぐに皆の意見をまとめると、いつもと同じ、明るい笑顔を見せた。
先ほど来た場所だ。入り組んだ迷宮というわけでもないので、迷うことなく進んでいく。
教祖だったノアが演説をしていた地下の広間を素早く通過して、その先――ノアを攫った時の場所までやって来た。
「ここまでは問題なく来れたけど……」
攫う直前にノアが入ろうとしていた部屋の前で、千紘が腕を組む。
少し離れた石壁には、ノアの炎魔法に焼かれた跡がまだ痛々しく残っていた。
「ここがノアの部屋だったのかな?」
「どうだろう?」
秋斗が疑問を口にすると、ノアは小さく首を傾げる。疑っているわけではないが、どうやら本当に記憶がないらしい。
「ちょっと部屋の中を見ておくか」
何かわかるかもしれない、と千紘が四人の顔を見回すと、全員揃って頷いた。
「じゃあ静かに開けましょう」
「ああ、わかった」
香介に言われた千紘はそれを聞き入れると、音を立てないように気をつけながら、そっと扉を開く。幸い、鍵はかかっていなかった。
少しだけ開けた扉の隙間から、黙って中を覗く。
ざっくりと見た感じではあるが、今のところ中に人の姿は見当たらなかった。
毛足の長い絨毯が広がった室内にはテーブル、椅子が二脚、そしてシンプルなベッドがあるくらいである。
一見して何も問題のなさそうな部屋だが、千紘はふとテーブルに目を留めた。テーブルの上に何かが置いてあることに気づいたのである。
「あれ、何かわかるか?」
「うーん、記憶がないから何とも……」
千紘が置いてあるものを指差しながらノアの顔を見上げる。だが、やはり記憶のないノアにはわからないようだ。
「一応、中に入って確かめてみた方がいいかもな」
「教団のこととか、何かわかるかもしれないですよね」
秋斗と律の言葉に、五人は全員で部屋の中に入ってみることにした。
開けた時と同じように、人の気配に細心の注意を払いつつ、静かに室内に踏み込む。
テーブルへまっすぐ向かうと、その上にはノートと、鍵が一つ置いてあった。鍵は現代日本にあるような複雑な作りのものではなく、昔に使われていた鍵――ウォード錠によく似ていた。
「ノートには何が書いてあるんだ?」
千紘がノートの表紙を捲ると、他の四人が揃ってその手元を覗き込む。
「これ、オレの文字だな」
「ああ、間違いないな」
ノアの呟く声に、隣にいた千紘は同意して首を縦に振った。
ノートの中にはノアの綺麗に整った文字で、毎日の予定が書かれている。ぱっと見た内容から察するに、どうやら教祖として演説をする時間のようだ。
「なるほど、やっぱりここがノアの部屋だったっぽいな。ベッドがあるってことは、ここで寝泊まりしてた可能性が高いし」
顎に手を当てた秋斗が周りを見回しながら推測していると、ノアはノートの隣に置いてあった鍵の方へと視線を向けた。
「でもこの鍵は何だろう?」
ノアの不思議そうな声音に、全員が今度は鍵の方に目をやる。
「どこかの鍵、としかわからないな」
どこだろう、と千紘たちは揃って首を傾げた。もちろん誰にもわかるはずがない。
「この部屋の鍵かしら?」
「ちょっと試してみるか」
香介の言葉に、千紘はすぐさま鍵を手に取ると扉の方へと向かう。外側から鍵穴に鍵を差し込んでみるが、上手く入らなかった。
「千紘さん、どうですか?」
背後の方から律の声が聞こえる。
「いや、この部屋のじゃないな」
振り返りながら返事をした千紘は、鍵を持って、またテーブルのところまで戻ってきた。
「どこか違うとこのものだな。これ、どうする?」
「そうだなぁ。何かの役には立つかもしれないし、とりあえず持っていくか」
千紘が鍵を指でつまんでぶら下げると、秋斗は少々考える素振りをみせてからそう答える。
「ん、わかった。じゃ俺が持ってくわ」
秋斗の意見に納得して頷いた千紘は、素直に鍵をズボンのポケットにしまった。
ノートについては、書いてあった内容は当たり障りのないものだけだったので、そのまま置いていくことにする。
そこで千紘が改めて口を開き、ノアに尋ねた。
「ノアはやっぱりこの城の内部のことも全然わからないのか?」
「残念だけど記憶にないな」
役に立てず申し訳ない、とノアはまたも残念そうに肩を落とす。
「そっか、そんなに気にすることないって。でもここは演説をしてた広間に近いし、あえてこの場所に教祖の部屋を作ってたのかもしれないな。で、他の場所にはあまり行かなかったのかもしれないし」
千紘がノアを攫った時のことを思い返しつつ、そんな想像を口にすると、
「ちょっと言い方悪いけど、多分教祖としてだけ動くようにされてたんだろうな」
きっと同じようなことを考えたのだろう、秋斗は途端に表情を曇らせる。
それは怒りなのか、悲しみなのか、あるいはもっと他の感情なのかはわからない。ただ、秋斗が何かを不愉快に思っていることだけは千紘にもわかった。
おそらくノアの置かれていた状況に対してだろうと予想した千紘は、そんな秋斗の気持ちを切り替えさせるためにも、あえて話題を変えようとする。
「で、ここを出てからはどっちに行く? 二手に分かれるか?」
言いながら、扉をしっかり閉めて、内側についている鍵をかけた。
部屋の中で相談した方が、廊下で話すよりもずっと教団側に見つかりにくいだろうとの考えである。
正々堂々と正面から入って来た割には、今は意外と慎重に進もうとしていた。
最初にうっかり幹部を倒してしまったから、さすがにその後は少し考えて行動しようとしているのだ。
今千紘が皆に問い掛けたのは、前回脱出した時に使った階段と、ノアを攫う直前に幹部たちが消えていったさらに奥の方、これからどちらに向かうかということである。
真っ先に反応したのは秋斗だった。
「戦力を分散させるのはどうだろう。危険じゃないかな?」
その表情がもう曇っていないことに、千紘は心の中でほっとする。
「それも一理あるね」
秋斗の言葉にノアが素直に頷くと、香介と律もそれに続いた。
「全員でどっちかに行った方がいいんじゃないかしら」
「だったら幹部が消えた奥が怪しくないですか?」
「やっぱそうだよな」
最後に千紘も首を縦に振り、全員の意見が一致する。
「じゃあみんなで奥に向かおう。それで何もなければ、またここに戻ってくればいいだけだもんな」
秋斗はすぐに皆の意見をまとめると、いつもと同じ、明るい笑顔を見せた。
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