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第三章 緑と黒――そして集まる五人
第79話 出発準備
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「それにしても、最年長が迷子とか一体どうなってんだか」
やれやれ、と千紘が肩を竦める。
今言った通り、ノアはスターレンジャーメンバー五人の中で最年長の二十四歳である。
そのためか、ノアは他のメンバー全員の兄であるかのように、いつも皆を優しく見守っていた。もちろん、皆もノアを心から慕っている。
だが現在は、その兄が行方不明なのだ。
千紘も心中ではかなり心配しているし、きっと他のメンバーも同じく心配して、早く再会したいと思っているだろう。
「さすがにノアだって異世界じゃ迷子にもなるって。おれたちがすぐに見つけてやればいいんだよ!」
秋斗が明るい笑みを浮かべ、千紘の肩を力強く数回叩いた。
「秋斗、そんなに叩くな……」
思わず千紘が痛みに顔をしかめ、秋斗の手を払いのけようとした時である。
「じゃあちょっと待ってて」
そう告げて、リリアが立ち上がろうとした。
「あ、リリアちゃん待って。あたしが持ってくるから」
しかし香介は即座にそれを止めて、にっこり笑ってみせる。
「わかったわ」
リリアが素直に頷いて座り直したのを確認した香介は、そのまま立ち上がると、傍にあった大きな木の方へと向かっていった。
黙って様子を見守っていた千紘だが、香介がその裏側から引っ張り出してきたものを見て、途端に思い切り顔を歪める。
「何でどこからともなく荷物が出てくるんだよ……」
そこにあったのは、前回ナロイカ村まで行った時のリュックだった。
「多分こうなるだろうと思って、先に用意しておいたのよ」
座り込んだリリアがしれっと言うと、香介は笑みを深め、リュックをさらに近くまで持ってくる。
「あたしたち、準備が良いでしょう?」
「準備良すぎだろ……」
千紘は思わず顔を両手で覆いながら、大きな溜息をついた。
※※※
確かに、これからノアの手掛かりを探すために出かけるのだから、ある程度の準備は必要だ。それはよくわかっている。
だがすでに用意されていると、それはそれで微妙な気持ちになるのはなぜなのか。
そんな千紘の心中を察することのない秋斗は、今回も意気揚々と一番乗りでリュックを開けた。
「今回は何が入ってるかなーって、お?」
「どうしたんですか?」
中を覗き込んだ秋斗が目を見開くと、隣にいた律が首を傾げながら、その手元に視線を向ける。
「何か変なものでも入ってるのか?」
千紘が少し離れた場所から声を掛けると、秋斗はふるふると顔を左右に振った。
「いや、また紙袋が入ってる」
「紙袋って、前のクッキーか?」
リリアが目の前にいるので、千紘は「あの焦げたやつ」とまでは言わない。
出来がどうであれ、リリアの頑張りは認めているのである。
そこで香介が胸の前で両手を組んで、嬉しそうに口を開いた。
「あ、それはあたしとリリアちゃんで一緒に作ったサンドイッチよ。やっぱり食べ物は必要よねぇ」
どうやら、リリアと料理ができたことがかなり嬉しかったらしい。満面の笑みを浮かべた香介の言葉に、
「やったー!」
「わぁ! 嬉しいです!」
途端に、秋斗と律が瞳を輝かせる。
(へぇ、まさかこの世界で食べられるとはな)
その陰で、千紘も内心でこっそり喜んでいた。
香介は料理が得意で、たまに手作りのお菓子や軽食を撮影現場に持ってきてくれている。
あっという間に皆の胃の中に消えてしまうそれは、見た目にこだわっているだけでなく、どれもとても美味しい。
秋斗や律だけでなく、千紘もその差し入れを気に入っているのだ。もちろん、今はここにいないノアもいつも喜んで食べていた。
今回はリリアも料理に関わっているようだが、香介が一緒だったのなら味は問題ないだろう。
早くノアにもこれを食べさせてやりたい、などと千紘が思っていた時である。
「でも、まさか村長さんのお家で料理することになるとは思ってなかったわぁ」
香介が頬に手を当て、何気なく続けた言葉に、
「は? 何で村長?」
千紘は一気に現実に引き戻された。反射的に聞き返す。
「だって、リリアちゃんの家には調理器具が何にもないんだもの。聞いたら、普段は基本的に村長さんのお家にいるんですって」
そこまで言った香介は「あっ」と小さく零してから、両手で口を塞ぎ、気まずそうにうつむく。
千紘だけでなく、秋斗と律も不思議そうな表情で首を捻った。
「どういうことだ?」
「もう両親は他界してて、今は村長が親代わりなのよ。だから村長のところに住んでるようなものね」
そんな三人に向けて、リリアはいつもと変わらない様子で淡々とそう紡ぐ。
「……そうか」
千紘が静かに呟き、地面に視線を落とした次の瞬間、逆に香介は勢いよく顔を上げた。そして今度はその勢いのまま、リリアに向かって深々と頭を下げる。
「リリアちゃん、ごめんなさい!」
「私は全然気にしてないから、別にいいのよ。あんたたちも変に気を遣ったりしないで。さあ、この話はこれでおしまい」
リリアは香介に優しく笑ってみせた後、手を数回叩いて話を終わらせた。
※※※
他に用意されていたのは、すでに見慣れた千紘の長剣と、秋斗と律用のミロワールの欠片、それと二人分の小型ダガーだ。
今回はそれ以外にも、いくつか用意されていたものがある。
その中の一つが、とてもこの世界にあるとは思えない、刀だった。
「カオリの説明を元にして具現化したの」
驚きながら刀を眺める千紘たちに向けて、リリアはそう説明する。
「どう? ちゃんと再現できてると思わない? リリアちゃんの具現化ってすごいわよねぇ」
香介は自分が具現化したわけではないのに、なぜか自慢げに胸を張りながら、刀を手にした。
リリアがいつものように調べたところによると、香介は刀を扱う能力があったらしい。
ドラマの中で、香介が演じるスターブラックは刀を使っている。きっとそのせいだろう。
さらに香介が続ける。
「ちゃんと変身だってできるわよぉ。こっちに来てもピンクになれないのはちょっと残念だけど」
どうやらすでに変身を試したらしい。だが念願のピンクにはなれなかったようで、香介は少しばかり落胆する様子を見せた。
スターレンジャーのメンバーにピンクは存在していないが、もしピンクがいれば迷うことなくそちらでオーディションを受けていた、と香介はいつも言っている。
ちなみに、ノアはブラックで受けていたが、こちらもブラックではなく香介が受けていたグリーンになったという経緯がある。
律以外の四人が受けた役以外で受かっているのだが、この配役は関係者や視聴者にかなり評判がいいらしい。理由は謎だ。
落胆している香介の姿に、千紘たちはただ苦笑を浮かべることしかできない。
「よし、そろそろ行くか」
少しして千紘が全員に声を掛けると、皆揃ってしっかりと頷いた。
「気をつけてね」
珍しく気を遣ってくれたリリアの言葉を背に、千紘たちは教団があるというヴェール城へと向かうことになったのである。
やれやれ、と千紘が肩を竦める。
今言った通り、ノアはスターレンジャーメンバー五人の中で最年長の二十四歳である。
そのためか、ノアは他のメンバー全員の兄であるかのように、いつも皆を優しく見守っていた。もちろん、皆もノアを心から慕っている。
だが現在は、その兄が行方不明なのだ。
千紘も心中ではかなり心配しているし、きっと他のメンバーも同じく心配して、早く再会したいと思っているだろう。
「さすがにノアだって異世界じゃ迷子にもなるって。おれたちがすぐに見つけてやればいいんだよ!」
秋斗が明るい笑みを浮かべ、千紘の肩を力強く数回叩いた。
「秋斗、そんなに叩くな……」
思わず千紘が痛みに顔をしかめ、秋斗の手を払いのけようとした時である。
「じゃあちょっと待ってて」
そう告げて、リリアが立ち上がろうとした。
「あ、リリアちゃん待って。あたしが持ってくるから」
しかし香介は即座にそれを止めて、にっこり笑ってみせる。
「わかったわ」
リリアが素直に頷いて座り直したのを確認した香介は、そのまま立ち上がると、傍にあった大きな木の方へと向かっていった。
黙って様子を見守っていた千紘だが、香介がその裏側から引っ張り出してきたものを見て、途端に思い切り顔を歪める。
「何でどこからともなく荷物が出てくるんだよ……」
そこにあったのは、前回ナロイカ村まで行った時のリュックだった。
「多分こうなるだろうと思って、先に用意しておいたのよ」
座り込んだリリアがしれっと言うと、香介は笑みを深め、リュックをさらに近くまで持ってくる。
「あたしたち、準備が良いでしょう?」
「準備良すぎだろ……」
千紘は思わず顔を両手で覆いながら、大きな溜息をついた。
※※※
確かに、これからノアの手掛かりを探すために出かけるのだから、ある程度の準備は必要だ。それはよくわかっている。
だがすでに用意されていると、それはそれで微妙な気持ちになるのはなぜなのか。
そんな千紘の心中を察することのない秋斗は、今回も意気揚々と一番乗りでリュックを開けた。
「今回は何が入ってるかなーって、お?」
「どうしたんですか?」
中を覗き込んだ秋斗が目を見開くと、隣にいた律が首を傾げながら、その手元に視線を向ける。
「何か変なものでも入ってるのか?」
千紘が少し離れた場所から声を掛けると、秋斗はふるふると顔を左右に振った。
「いや、また紙袋が入ってる」
「紙袋って、前のクッキーか?」
リリアが目の前にいるので、千紘は「あの焦げたやつ」とまでは言わない。
出来がどうであれ、リリアの頑張りは認めているのである。
そこで香介が胸の前で両手を組んで、嬉しそうに口を開いた。
「あ、それはあたしとリリアちゃんで一緒に作ったサンドイッチよ。やっぱり食べ物は必要よねぇ」
どうやら、リリアと料理ができたことがかなり嬉しかったらしい。満面の笑みを浮かべた香介の言葉に、
「やったー!」
「わぁ! 嬉しいです!」
途端に、秋斗と律が瞳を輝かせる。
(へぇ、まさかこの世界で食べられるとはな)
その陰で、千紘も内心でこっそり喜んでいた。
香介は料理が得意で、たまに手作りのお菓子や軽食を撮影現場に持ってきてくれている。
あっという間に皆の胃の中に消えてしまうそれは、見た目にこだわっているだけでなく、どれもとても美味しい。
秋斗や律だけでなく、千紘もその差し入れを気に入っているのだ。もちろん、今はここにいないノアもいつも喜んで食べていた。
今回はリリアも料理に関わっているようだが、香介が一緒だったのなら味は問題ないだろう。
早くノアにもこれを食べさせてやりたい、などと千紘が思っていた時である。
「でも、まさか村長さんのお家で料理することになるとは思ってなかったわぁ」
香介が頬に手を当て、何気なく続けた言葉に、
「は? 何で村長?」
千紘は一気に現実に引き戻された。反射的に聞き返す。
「だって、リリアちゃんの家には調理器具が何にもないんだもの。聞いたら、普段は基本的に村長さんのお家にいるんですって」
そこまで言った香介は「あっ」と小さく零してから、両手で口を塞ぎ、気まずそうにうつむく。
千紘だけでなく、秋斗と律も不思議そうな表情で首を捻った。
「どういうことだ?」
「もう両親は他界してて、今は村長が親代わりなのよ。だから村長のところに住んでるようなものね」
そんな三人に向けて、リリアはいつもと変わらない様子で淡々とそう紡ぐ。
「……そうか」
千紘が静かに呟き、地面に視線を落とした次の瞬間、逆に香介は勢いよく顔を上げた。そして今度はその勢いのまま、リリアに向かって深々と頭を下げる。
「リリアちゃん、ごめんなさい!」
「私は全然気にしてないから、別にいいのよ。あんたたちも変に気を遣ったりしないで。さあ、この話はこれでおしまい」
リリアは香介に優しく笑ってみせた後、手を数回叩いて話を終わらせた。
※※※
他に用意されていたのは、すでに見慣れた千紘の長剣と、秋斗と律用のミロワールの欠片、それと二人分の小型ダガーだ。
今回はそれ以外にも、いくつか用意されていたものがある。
その中の一つが、とてもこの世界にあるとは思えない、刀だった。
「カオリの説明を元にして具現化したの」
驚きながら刀を眺める千紘たちに向けて、リリアはそう説明する。
「どう? ちゃんと再現できてると思わない? リリアちゃんの具現化ってすごいわよねぇ」
香介は自分が具現化したわけではないのに、なぜか自慢げに胸を張りながら、刀を手にした。
リリアがいつものように調べたところによると、香介は刀を扱う能力があったらしい。
ドラマの中で、香介が演じるスターブラックは刀を使っている。きっとそのせいだろう。
さらに香介が続ける。
「ちゃんと変身だってできるわよぉ。こっちに来てもピンクになれないのはちょっと残念だけど」
どうやらすでに変身を試したらしい。だが念願のピンクにはなれなかったようで、香介は少しばかり落胆する様子を見せた。
スターレンジャーのメンバーにピンクは存在していないが、もしピンクがいれば迷うことなくそちらでオーディションを受けていた、と香介はいつも言っている。
ちなみに、ノアはブラックで受けていたが、こちらもブラックではなく香介が受けていたグリーンになったという経緯がある。
律以外の四人が受けた役以外で受かっているのだが、この配役は関係者や視聴者にかなり評判がいいらしい。理由は謎だ。
落胆している香介の姿に、千紘たちはただ苦笑を浮かべることしかできない。
「よし、そろそろ行くか」
少しして千紘が全員に声を掛けると、皆揃ってしっかりと頷いた。
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