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第二章 新たなメンバーは黄
第63話 変身した赤と黄
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徐々に光が弱くなり、赤色のスーツを纏った千紘と、黄色のスーツを纏った律の姿が現れる。
今回もマスクはないが、それ以外はしっかりスターレンジャーの姿だった。
「僕も変身できるんですね……! しかも本当に力がみなぎってくる感じがします」
律が目を大きく見開きながら、自身の両手を強く握りしめる。
やはり律は「自分もちゃんと変身できるのだろうか」と疑っていたようで、今はとても嬉しそうに見えた。
「恥ずかしいし悔しいけど、やっぱこっちの方が力出るんだよな……」
こればっかは仕方ない、と深い溜息をつく千紘に、律が苦笑する。
「ドラマの撮影だと思えばいいじゃないですか。僕もちょっと恥ずかしいですけど」
この世界の皆がスターレンジャーの姿なら、きっと違和感がなく、恥ずかしいとは思わないだろう。だが、今は自分たちだけがこの姿なのだ。
周りと違うと、どうしても自分が浮いている、仲間外れになっている感じがしてしまう。これはどうにもならないことである。
ただ、今は一人ではないのが少しだけ心強い。
そんな単純なことに、千紘は小さく笑みを漏らす。
「それもそうか。だったら絶対に勝たないとな。何たって正義のヒーローなんだから」
千紘がぐっと拳を握り、律に向けて頷いてみせた。そして、何気なくこれまで痛んでいた左腕に触れる。
(腕の痛みは……さっきよりはマシになったか)
触れたところはまだわずかに痛みがあるが、それでも変身前よりはずっと良くなっているように感じた。
千紘は改めてダイオウイカを見上げ、考える。
(さて、これで身体能力は結構上がったはずだけど……)
試しに、その場で軽く準備運動のように、トントンと数回跳んでみた。
確かに身体は軽くなっているようだし、変身したことで跳躍力もそれなりに上がっていそうだ。
(これなら今までみたいに逃げ回らずに、攻撃できるかもしれないな)
だが、核がどの辺りにあるのか、本当に胴体の真ん中にあるのか、それだけでも知っておかないとどうにもならない。
腕を組んだ千紘が、さらに深く思考する。
(まずそれを確認するために、今できること……)
ジャンプして確認することもできなくはないだろうが、十メートル以上も跳ぶというのは、やはり少し現実味に欠ける。それに確認できたとしても、攻撃はきっと難しい。
(攻撃……か。律のダガーならジャンプして攻撃すれば、核の場所までは届くかもしれないけど)
しかし、ダガーは刀身が短いから、中にあるかもしれない核までは刃先が届かない可能性が高い。
何より、ダガーが身体に届く前に、太い腕で叩き落とされそうだ。
(だったら俺が剣で攻撃した方が確実だよな)
核を攻撃して壊そうとするならば、殺傷能力が一番高く、核まで届きそうな長剣を持つ自分が攻撃するのが一番いいのだろう。
それについては何の異論もないし、適材適所だから全然構わない。
(ジャンプしなくても核を探せて、ついでに攻撃もできる方法……。何かないか……?)
そこまで思考した千紘は、何かに気づく。わずかに口角を上げると、挑戦的な瞳でダイオウイカを睨みつけた。
「……よし。まずは腕をいくつか斬り落として、倒れさせるか」
それから身体の上に乗って探してみようとの案だ。
こちらから行くのではなく、向こうから来てもらおうということである。
これならば、ダイオウイカが上手く倒れてくれれば、ジャンプせずとも核を探すことができるし、攻撃も可能だ。
同時に千紘は、腕を斬り落とすことができるのも、自分が持つ長剣だけだと考えていた。
先ほどは半分程度までしか斬れなかったが、変身した今なら全力で行けば斬り落とすくらいはできるだろう。
きっとこれなら行ける。
そう思った千紘は、隣で同じようにダイオウイカを見上げている律に声を掛けた。
「律、悪いけど少しだけ囮になってもらえるか? 腕を何本か斬り落とす」
「塔の時みたいに気を引けばいいんですね」
物分かりのいい律は、千紘の言いたいことを理解して素直に頷くと、すぐさまダイオウイカの方へと駆け出す。
(よし、やるか)
それを満足げに見送りながら、千紘は長剣をしっかりと握り直した。
ダイオウイカの横を回り込むように、律が走る。その姿を、ダイオウイカの触腕と他の腕の何本かが追っていく。
どうやら動くものを追う習性があるらしい。
(今のうちに……!)
千紘も律に続いて、地面を蹴った。
今もダイオウイカの腕は律を追っている。顔も律の方を向いていた。
その隙に、千紘が律とは反対側、ダイオウイカの背後に回る。
(……ここまでは作戦通り、と)
律のおかげで、比較的スムーズにダイオウイカの背後を取れたことに安堵しながら、千紘は巨体を見上げた。
間近からだと、青い血液の流れる血管まではっきりと見えて、これまでよりも不気味さが増している。
しかし、今はそんなことを言っている場合ではない。
次にすること、これが重要だ。
千紘は胸に手を当て大きく深呼吸をすると、次には長剣を高く掲げる。そして、目の前にあるダイオウイカの触腕目がけて、全力で振り下ろした。
できるだけバランスを崩しやすいよう、腕の付け根を狙っているせいで、どうしても太い部分を相手にしなくてはならないが、それは仕方ないだろう。
触腕の強い弾力が千紘の元にも伝わってくるが、まったく斬れないわけではない。長剣の切れ味は負けていない。実際、先ほどは半分くらいまで斬っているのだ。
長剣を握る腕に、さらに力を込める。
(――よし!)
どうにか一本斬り落とすことに成功し、千紘が心の中でガッツポーズをした。
そのまま、手近にあった二本目を斬り落とす。
額に浮かぶ汗を拭うことも、休むこともなく、次々と斬っていく。
ずっと律がダイオウイカの気を引いてくれているおかげで、幸いこちらには気づかれていないようだった。痛みは感じているのかもしれないが、それよりも今は目の前の律を追うことに忙しいのだろう。
四本目を斬り落とした時、ようやくダイオウイカのバランスが崩れた。
「律、気をつけろ!」
千紘が声を上げると、律も倒れそうになっているダイオウイカに気づいていたのか、すぐに距離をとる。
ダイオウイカの身体が、勢いよく海に倒れ込んだ。と同時に大きな水しぶきが上がる。
(……痛……っ)
次の瞬間、思わず気を抜いてしまった千紘の左腕に痛みが走った。
これまで少しは左腕を庇っていたつもりだったが、やはり庇いきれていなかったらしい。両手で長剣を使ったことで、痛みが酷くなったのだ。
変身しているから多少はマシだろうが、もし変身していなければきっと耐えられていない。それくらいの酷い打撲のようだった。
だが、まだこんなところで弱音を吐くわけにはいかない。
海に倒れ込んだダイオウイカは、今も残った腕と身体で派手に暴れている。
「上手く倒れてはくれたけど、これじゃ近づけないな……」
激しい水しぶきを片腕で避けながら、千紘が困ったように零した時だった。
遠く、背後から大きな声が掛かる。
「千紘! りっちゃん! そいつから離れてくれ!」
砂浜に響いたのは、秋斗の声だった。
今回もマスクはないが、それ以外はしっかりスターレンジャーの姿だった。
「僕も変身できるんですね……! しかも本当に力がみなぎってくる感じがします」
律が目を大きく見開きながら、自身の両手を強く握りしめる。
やはり律は「自分もちゃんと変身できるのだろうか」と疑っていたようで、今はとても嬉しそうに見えた。
「恥ずかしいし悔しいけど、やっぱこっちの方が力出るんだよな……」
こればっかは仕方ない、と深い溜息をつく千紘に、律が苦笑する。
「ドラマの撮影だと思えばいいじゃないですか。僕もちょっと恥ずかしいですけど」
この世界の皆がスターレンジャーの姿なら、きっと違和感がなく、恥ずかしいとは思わないだろう。だが、今は自分たちだけがこの姿なのだ。
周りと違うと、どうしても自分が浮いている、仲間外れになっている感じがしてしまう。これはどうにもならないことである。
ただ、今は一人ではないのが少しだけ心強い。
そんな単純なことに、千紘は小さく笑みを漏らす。
「それもそうか。だったら絶対に勝たないとな。何たって正義のヒーローなんだから」
千紘がぐっと拳を握り、律に向けて頷いてみせた。そして、何気なくこれまで痛んでいた左腕に触れる。
(腕の痛みは……さっきよりはマシになったか)
触れたところはまだわずかに痛みがあるが、それでも変身前よりはずっと良くなっているように感じた。
千紘は改めてダイオウイカを見上げ、考える。
(さて、これで身体能力は結構上がったはずだけど……)
試しに、その場で軽く準備運動のように、トントンと数回跳んでみた。
確かに身体は軽くなっているようだし、変身したことで跳躍力もそれなりに上がっていそうだ。
(これなら今までみたいに逃げ回らずに、攻撃できるかもしれないな)
だが、核がどの辺りにあるのか、本当に胴体の真ん中にあるのか、それだけでも知っておかないとどうにもならない。
腕を組んだ千紘が、さらに深く思考する。
(まずそれを確認するために、今できること……)
ジャンプして確認することもできなくはないだろうが、十メートル以上も跳ぶというのは、やはり少し現実味に欠ける。それに確認できたとしても、攻撃はきっと難しい。
(攻撃……か。律のダガーならジャンプして攻撃すれば、核の場所までは届くかもしれないけど)
しかし、ダガーは刀身が短いから、中にあるかもしれない核までは刃先が届かない可能性が高い。
何より、ダガーが身体に届く前に、太い腕で叩き落とされそうだ。
(だったら俺が剣で攻撃した方が確実だよな)
核を攻撃して壊そうとするならば、殺傷能力が一番高く、核まで届きそうな長剣を持つ自分が攻撃するのが一番いいのだろう。
それについては何の異論もないし、適材適所だから全然構わない。
(ジャンプしなくても核を探せて、ついでに攻撃もできる方法……。何かないか……?)
そこまで思考した千紘は、何かに気づく。わずかに口角を上げると、挑戦的な瞳でダイオウイカを睨みつけた。
「……よし。まずは腕をいくつか斬り落として、倒れさせるか」
それから身体の上に乗って探してみようとの案だ。
こちらから行くのではなく、向こうから来てもらおうということである。
これならば、ダイオウイカが上手く倒れてくれれば、ジャンプせずとも核を探すことができるし、攻撃も可能だ。
同時に千紘は、腕を斬り落とすことができるのも、自分が持つ長剣だけだと考えていた。
先ほどは半分程度までしか斬れなかったが、変身した今なら全力で行けば斬り落とすくらいはできるだろう。
きっとこれなら行ける。
そう思った千紘は、隣で同じようにダイオウイカを見上げている律に声を掛けた。
「律、悪いけど少しだけ囮になってもらえるか? 腕を何本か斬り落とす」
「塔の時みたいに気を引けばいいんですね」
物分かりのいい律は、千紘の言いたいことを理解して素直に頷くと、すぐさまダイオウイカの方へと駆け出す。
(よし、やるか)
それを満足げに見送りながら、千紘は長剣をしっかりと握り直した。
ダイオウイカの横を回り込むように、律が走る。その姿を、ダイオウイカの触腕と他の腕の何本かが追っていく。
どうやら動くものを追う習性があるらしい。
(今のうちに……!)
千紘も律に続いて、地面を蹴った。
今もダイオウイカの腕は律を追っている。顔も律の方を向いていた。
その隙に、千紘が律とは反対側、ダイオウイカの背後に回る。
(……ここまでは作戦通り、と)
律のおかげで、比較的スムーズにダイオウイカの背後を取れたことに安堵しながら、千紘は巨体を見上げた。
間近からだと、青い血液の流れる血管まではっきりと見えて、これまでよりも不気味さが増している。
しかし、今はそんなことを言っている場合ではない。
次にすること、これが重要だ。
千紘は胸に手を当て大きく深呼吸をすると、次には長剣を高く掲げる。そして、目の前にあるダイオウイカの触腕目がけて、全力で振り下ろした。
できるだけバランスを崩しやすいよう、腕の付け根を狙っているせいで、どうしても太い部分を相手にしなくてはならないが、それは仕方ないだろう。
触腕の強い弾力が千紘の元にも伝わってくるが、まったく斬れないわけではない。長剣の切れ味は負けていない。実際、先ほどは半分くらいまで斬っているのだ。
長剣を握る腕に、さらに力を込める。
(――よし!)
どうにか一本斬り落とすことに成功し、千紘が心の中でガッツポーズをした。
そのまま、手近にあった二本目を斬り落とす。
額に浮かぶ汗を拭うことも、休むこともなく、次々と斬っていく。
ずっと律がダイオウイカの気を引いてくれているおかげで、幸いこちらには気づかれていないようだった。痛みは感じているのかもしれないが、それよりも今は目の前の律を追うことに忙しいのだろう。
四本目を斬り落とした時、ようやくダイオウイカのバランスが崩れた。
「律、気をつけろ!」
千紘が声を上げると、律も倒れそうになっているダイオウイカに気づいていたのか、すぐに距離をとる。
ダイオウイカの身体が、勢いよく海に倒れ込んだ。と同時に大きな水しぶきが上がる。
(……痛……っ)
次の瞬間、思わず気を抜いてしまった千紘の左腕に痛みが走った。
これまで少しは左腕を庇っていたつもりだったが、やはり庇いきれていなかったらしい。両手で長剣を使ったことで、痛みが酷くなったのだ。
変身しているから多少はマシだろうが、もし変身していなければきっと耐えられていない。それくらいの酷い打撲のようだった。
だが、まだこんなところで弱音を吐くわけにはいかない。
海に倒れ込んだダイオウイカは、今も残った腕と身体で派手に暴れている。
「上手く倒れてはくれたけど、これじゃ近づけないな……」
激しい水しぶきを片腕で避けながら、千紘が困ったように零した時だった。
遠く、背後から大きな声が掛かる。
「千紘! りっちゃん! そいつから離れてくれ!」
砂浜に響いたのは、秋斗の声だった。
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