43 / 105
第二章 新たなメンバーは黄
第43話 現れた魔物
しおりを挟む
「……まあこんな雰囲気の場所じゃ、魔物に『住んでください』って言ってるようなもんだよな」
四階に下りてきて早々、千紘はやれやれと大げさに肩を竦めてみせる。
三人の前には、スライムのような塊が五体。
バスケットボールをいくつか集めてこねくり回したような、あまり大きくないそれは、見た目は丸く、透き通ったピンク色をしていた。見た目だけなら可愛らしく見えないこともない。
そのぷよぷよとした弾力のある身体には目も口もなく、知能が低そうなのはすぐに見て取れた。
「ホントにこの大陸に魔物がいるのか」
「ルークスの加護が弱まってるって話は、ただの噂じゃなかったってことですかね?」
秋斗と律もそれぞれの感想を口にする。
スライムの見た目のおかげか、千紘たち三人に怖がっている様子はない。
しかし、
「下への階段は……また一番奥か」
スライムの集団を無視して目の上に手をかざし、のんびり千紘が言った時だ。
集団はようやく人間の気配に気づいたらしく、千紘たちの方へと体当たりしてきた。
「おっと」
当然のように、三人はそれを難なくかわすが、
「これ、多分当たってもほとんど痛くなさそうですよね」
律はそう言って、くすりと小さく微笑んだ。
「可愛いから倒すのもちょっとかわいそうだよなぁ」
「でも退治しておかないとリリアに怒られるからな。秋斗もわかってるだろ?」
「絶対怒られますよね」
すでに律もリリアの本性を理解しているようである。これなら、後でわざわざ丁寧に説明する手間が省けてありがたい。
秋斗の言うこともわからないでもないが、たとえ可愛らしいスライムであっても人間に危害を加えるようであれば倒すしかない。
今の千紘たちはリリアや村長の脅迫、もとい頼みで動いているので、きちんと『魔物を退治する』という目的は果たさなければならないのである。
(俺だって放置していきたいけどさ。でもそれやると後が大変なのは目に見えてるんだよ……)
うっかり先の展開を考えてしまった千紘が、がっくりと肩を落としながら、大きな溜息をついた。
ここでスライムを放置していくと、リリアがそれを知ることになった時にこっぴどく叱られ、地球に帰してもらえない可能性が高くなる。
もし三人が地球に帰った後にリリアが知った場合、怒るためにわざわざこちらに呼び戻すことだってしかねないから、怖いとしか言いようがない。
最悪、アンシュタートに再召喚され、魔物退治が完全に終わるまで帰してもらえないことだってありえるのだ。
それならば今倒した方がいいに決まっている。
「まあこれならどうにかなるだろうし、とりあえず斬ってみる、か!」
言い終わるや否や、千紘が手にした長剣を手近にいたスライムに向けて、軽く振り下ろす。
大した手ごたえもなく、あっさりスライムは斬れた。
「お、ちゃんと斬れた」
手ごたえがないのは少ししっくりこない気もするが、それはスライムだから仕方ないのだろう。
千紘がそう思った時だ。
「千紘! まだ倒せてない!」
秋斗がすぐ後ろで、少し焦ったような声を上げた。
その声に導かれるようにして、千紘はすぐさま斬ったはずのスライムを見下ろす。
斬り落とした端の部分は床に落ちて、ピンク色の、少し立体感がある水溜まりのようになっていた。
しかし、残った大きな方――本体は特に苦しんでいる様子もなく、先ほどまでと変わらずプルプルと元気にしている。
「あれ、ただ斬るだけじゃダメなのか?」
千紘は首を傾げながらも、また同じスライムを斬ってみることにするが、結果は同じだった。相変わらずプルプルしているだけである。
「やっぱりダメですね……」
「ずっとこれじゃ埒が明かないし、どうしたもんかな……」
隣にいる律の残念そうな声に、千紘が考え込む素振りをみせる。
スライムたちは当然そんな千紘たちに構うことなく体当たりしてくるが、三人はそれぞれそれらを軽くかわしていた。
だが、かわすのは容易いが、ずっとこのままでいるわけにもいかない。どうにかして倒す方法を考えないといけないのだ。
しばらくかわし続けていると、秋斗が何かに気づいたのか、千紘に声を掛けてきた。
「透き通ったスライムの中にさ、何か丸いやつあるだろ? あれ核じゃないかな?」
「丸いやつ?」
秋斗の言葉に首を傾げながらも、千紘はスライムに目を凝らしてみる。
確かに、小さいうえに同系色のため少し見えにくいが、スライムの体内に丸いものがあるのがわかった。
「ああ、あれか」
「多分あれが心臓みたいなものなんじゃないかな。だからあれを攻撃してみるのはどうだろう?」
「なるほどな。でもそんなわざわざ手間のかかることしなくても、秋斗の水魔法でここのスライムを全部下の階に押し流すのはどうだ? その方が楽だろ」
千紘がそう言いながら、秋斗の方に顔を向けると、
「それも考えたんだけどさ。でも、それだともし下の階にも魔物がいたら一回で戦う魔物の数が増えるだけだろ? 下がどうなってるかわからない以上、ここは確実に倒していった方がいいと思うんだよ」
普段の秋斗からは想像もできないような、真面目な返事が返ってきた。
それを聞いて、千紘は前回ラオムと戦った時のことを思い出す。千紘が秋斗との連携でどうにかラオムを倒した時である。
(あの時も珍しく真面目な秋斗だったな。いつもはふざけてるように見えるけど、撮影の時とかは本当に真剣だからな)
撮影時の秋斗の集中力や真剣さは同じ俳優として見習うところがあると、千紘はいつも思っている。その点に関しては少なからず尊敬しているのだ。
どうやら今は真面目モードの秋斗らしい。であれば、今はその分析結果を取り入れておくべきだろう。
(魔法使いだからか、やっぱり戦闘での分析力は秋斗の方が高いんだよな。ちょっと悔しいけどさ)
そう認めた千紘は、素直に頷くことにする。
「まあそれもそうか。めんどくさいけど、なら仕方ないな」
「手間かかって悪いけど、千紘ならこれくらいじゃ疲れないだろ」
「当たり前だ」
千紘の言葉に満足したらしく、秋斗の唇が弧を描く。つられるようにして千紘も口元を緩めた。
「これできっと倒せますね!」
そのやり取りを視界の端で捉えていた律の表情にも、余裕の笑みが生まれる。
「ああ、任せとけ!」
千紘は自身の胸を叩きながらそう言うと、改めてスライムたちに向き直ったのである。
四階に下りてきて早々、千紘はやれやれと大げさに肩を竦めてみせる。
三人の前には、スライムのような塊が五体。
バスケットボールをいくつか集めてこねくり回したような、あまり大きくないそれは、見た目は丸く、透き通ったピンク色をしていた。見た目だけなら可愛らしく見えないこともない。
そのぷよぷよとした弾力のある身体には目も口もなく、知能が低そうなのはすぐに見て取れた。
「ホントにこの大陸に魔物がいるのか」
「ルークスの加護が弱まってるって話は、ただの噂じゃなかったってことですかね?」
秋斗と律もそれぞれの感想を口にする。
スライムの見た目のおかげか、千紘たち三人に怖がっている様子はない。
しかし、
「下への階段は……また一番奥か」
スライムの集団を無視して目の上に手をかざし、のんびり千紘が言った時だ。
集団はようやく人間の気配に気づいたらしく、千紘たちの方へと体当たりしてきた。
「おっと」
当然のように、三人はそれを難なくかわすが、
「これ、多分当たってもほとんど痛くなさそうですよね」
律はそう言って、くすりと小さく微笑んだ。
「可愛いから倒すのもちょっとかわいそうだよなぁ」
「でも退治しておかないとリリアに怒られるからな。秋斗もわかってるだろ?」
「絶対怒られますよね」
すでに律もリリアの本性を理解しているようである。これなら、後でわざわざ丁寧に説明する手間が省けてありがたい。
秋斗の言うこともわからないでもないが、たとえ可愛らしいスライムであっても人間に危害を加えるようであれば倒すしかない。
今の千紘たちはリリアや村長の脅迫、もとい頼みで動いているので、きちんと『魔物を退治する』という目的は果たさなければならないのである。
(俺だって放置していきたいけどさ。でもそれやると後が大変なのは目に見えてるんだよ……)
うっかり先の展開を考えてしまった千紘が、がっくりと肩を落としながら、大きな溜息をついた。
ここでスライムを放置していくと、リリアがそれを知ることになった時にこっぴどく叱られ、地球に帰してもらえない可能性が高くなる。
もし三人が地球に帰った後にリリアが知った場合、怒るためにわざわざこちらに呼び戻すことだってしかねないから、怖いとしか言いようがない。
最悪、アンシュタートに再召喚され、魔物退治が完全に終わるまで帰してもらえないことだってありえるのだ。
それならば今倒した方がいいに決まっている。
「まあこれならどうにかなるだろうし、とりあえず斬ってみる、か!」
言い終わるや否や、千紘が手にした長剣を手近にいたスライムに向けて、軽く振り下ろす。
大した手ごたえもなく、あっさりスライムは斬れた。
「お、ちゃんと斬れた」
手ごたえがないのは少ししっくりこない気もするが、それはスライムだから仕方ないのだろう。
千紘がそう思った時だ。
「千紘! まだ倒せてない!」
秋斗がすぐ後ろで、少し焦ったような声を上げた。
その声に導かれるようにして、千紘はすぐさま斬ったはずのスライムを見下ろす。
斬り落とした端の部分は床に落ちて、ピンク色の、少し立体感がある水溜まりのようになっていた。
しかし、残った大きな方――本体は特に苦しんでいる様子もなく、先ほどまでと変わらずプルプルと元気にしている。
「あれ、ただ斬るだけじゃダメなのか?」
千紘は首を傾げながらも、また同じスライムを斬ってみることにするが、結果は同じだった。相変わらずプルプルしているだけである。
「やっぱりダメですね……」
「ずっとこれじゃ埒が明かないし、どうしたもんかな……」
隣にいる律の残念そうな声に、千紘が考え込む素振りをみせる。
スライムたちは当然そんな千紘たちに構うことなく体当たりしてくるが、三人はそれぞれそれらを軽くかわしていた。
だが、かわすのは容易いが、ずっとこのままでいるわけにもいかない。どうにかして倒す方法を考えないといけないのだ。
しばらくかわし続けていると、秋斗が何かに気づいたのか、千紘に声を掛けてきた。
「透き通ったスライムの中にさ、何か丸いやつあるだろ? あれ核じゃないかな?」
「丸いやつ?」
秋斗の言葉に首を傾げながらも、千紘はスライムに目を凝らしてみる。
確かに、小さいうえに同系色のため少し見えにくいが、スライムの体内に丸いものがあるのがわかった。
「ああ、あれか」
「多分あれが心臓みたいなものなんじゃないかな。だからあれを攻撃してみるのはどうだろう?」
「なるほどな。でもそんなわざわざ手間のかかることしなくても、秋斗の水魔法でここのスライムを全部下の階に押し流すのはどうだ? その方が楽だろ」
千紘がそう言いながら、秋斗の方に顔を向けると、
「それも考えたんだけどさ。でも、それだともし下の階にも魔物がいたら一回で戦う魔物の数が増えるだけだろ? 下がどうなってるかわからない以上、ここは確実に倒していった方がいいと思うんだよ」
普段の秋斗からは想像もできないような、真面目な返事が返ってきた。
それを聞いて、千紘は前回ラオムと戦った時のことを思い出す。千紘が秋斗との連携でどうにかラオムを倒した時である。
(あの時も珍しく真面目な秋斗だったな。いつもはふざけてるように見えるけど、撮影の時とかは本当に真剣だからな)
撮影時の秋斗の集中力や真剣さは同じ俳優として見習うところがあると、千紘はいつも思っている。その点に関しては少なからず尊敬しているのだ。
どうやら今は真面目モードの秋斗らしい。であれば、今はその分析結果を取り入れておくべきだろう。
(魔法使いだからか、やっぱり戦闘での分析力は秋斗の方が高いんだよな。ちょっと悔しいけどさ)
そう認めた千紘は、素直に頷くことにする。
「まあそれもそうか。めんどくさいけど、なら仕方ないな」
「手間かかって悪いけど、千紘ならこれくらいじゃ疲れないだろ」
「当たり前だ」
千紘の言葉に満足したらしく、秋斗の唇が弧を描く。つられるようにして千紘も口元を緩めた。
「これできっと倒せますね!」
そのやり取りを視界の端で捉えていた律の表情にも、余裕の笑みが生まれる。
「ああ、任せとけ!」
千紘は自身の胸を叩きながらそう言うと、改めてスライムたちに向き直ったのである。
0
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説
うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました
akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」
帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。
謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。
しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。
勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!?
転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。
※9月16日
タイトル変更致しました。
前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。
仲間を強くして無双していく話です。
『小説家になろう』様でも公開しています。
スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する
カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、
23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。
急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。
完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。
そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。
最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。
すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。
どうやら本当にレベルアップしている模様。
「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」
最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。
他サイトにも掲載しています。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編
巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした
服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜
大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。
目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!
そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。
まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!
魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
本当の仲間ではないと勇者パーティから追放されたので、銀髪ケモミミ美少女と異世界でスローライフします。
なつめ猫
ファンタジー
田中一馬は、40歳のIT会社の社員として働いていた。
しかし、異世界ガルドランドに魔王を倒す勇者として召喚されてしまい容姿が17歳まで若返ってしまう。
探しにきた兵士に連れられ王城で、同郷の人間とパーティを組むことになる。
だが【勇者】の称号を持っていなかった一馬は、お荷物扱いにされてしまう。
――ただアイテムボックスのスキルを持っていた事もあり勇者パーティの荷物持ちでパーティに参加することになるが……。
Sランク冒険者となった事で、田中一馬は仲間に殺されかける。
Sランク冒険者に与えられるアイテムボックスの袋。
それを手に入れるまで田中一馬は利用されていたのだった。
失意の内に意識を失った一馬の脳裏に
――チュートリアルが完了しました。
と、いうシステムメッセージが流れる。
それは、田中一馬が40歳まで独身のまま人生の半分を注ぎこんで鍛え上げたアルドガルド・オンラインの最強セーブデータを手に入れた瞬間であった!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる