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第4章 アパートメントの怪奇 と 女に堕ちる貴人の冒険者
第6話 豊穣の女神に仕える神聖なる聖女
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「死ねぇええええええええっ!!」
「……っ、たくっ!」
突撃の勢いで倒されてしまったゲーベンはそのまま組み伏せられてしまう。
男は興奮状態で痛みを感じていないようだが、よく見れば体中が怪我だらけであった。擦り傷は当然として、腕に至っては青く腫れあがっており、もしかしたらヒビが入っているかもしれない。
そんな大怪我でありながら、痛みで気後れすらしない狂人性。これが戦闘職でもなさそうな細身の男であるのだから、その異常性はより際立つ。
――俺たちが手を下さなくても、このままだと死ぬな。
痛みにひるまず力の加減ができずに自身の体を痛め続ければ、いずれ死に至るのは目に見えている。
「こんなことをする犯人ってのは、相当下衆な野郎だなっ。≪電流《カーラント》≫!!」
襲われながらもゲーベンは手の平から青い火花弾けさせ、男の首筋に手を回すと電流を流した。
ビクリッと男の体が跳ねる。
元々無理に意識を保っていたのか、あっさりと男は失神した。
脱力し覆い被さる男を脇にどかしたゲーベンが立ち上がると、騎士を初めて生で見た子供のように興奮した様子のリーナと目が合う。
「なんですかそれ!? カッコいいですね!」
「姉さんから教わった護身用の雷魔法だ」
「なんですか、強化魔法以外も使えるじゃないですか! 勿体ぶってないでもっと大きな雷魔法を使ってくださいよ!」
「無理」
「どうして!?」
期待を裏切られたと、鎧を脱いだ騎士がただの腹の出た中年であったかのようにリーナは絶望する。
ゲーベンとてできるのであればやってやりたいが、無理なものは無理なのである。
「電流つっても、手からちょっと電気が流れる程度しかできんし、威力も静電気よりちょっと上ぐらいだから。直接急所にでも使わない限り、気絶もしないだろうな」
低級も低級。
魔法を覚えたての子供が練習に使うような雷魔法である。
モンスターにはまず通じないし、人相手であろうとただ触れた程度ではちょっと体が痺れるぐらいだ。痛いは痛いし、火傷はするだろうがその程度の威力。
そもそも。
「……俺に格闘センスはないから、今みたいに組み伏せられてから触れるぐらいしかできん」
「なるほど! つまり、ゲーベンさんは静電気を発生させるだけしかできないひ弱な魔法使いってことですね?」
「その通りだけどさー、否定もできないけどさー」
的を射た現状認識ではあるのだが、貧弱と呼ばれて「はいそうです!」と元気に頷けるわけもない。
不貞腐れたようにゲーベンが床を蹴っていると、血相を変えたクラージュが叫んだ。
「ゲーベンっ!? 強化魔法切れてるんだけど!?」
「あ、すまん」
倒れて動いた拍子に魔法が解けてしまったらしい。
押され負けそうになっているクラージュを見て、ゲーベンは慌てて強化魔法をかけ直した。
ギリギリ状況は持ち直したが、戦況は芳しくない。
再びクラージュが抜かれるのも時間の問題だ。先のように上手くやり過ごせるかどうかも怪しい。
「これはもう、助けるっていうなら、一か八か耐性強化させるしかないか?」
そうなれば、一網打尽だ。
住人たちが助かる可能性も、僅かにだがある。
最高とはいかないまでも、現状取れる最善の策ではなかろうかと、刻一刻と悪化する状況にゲーベンの心中にある天秤が傾き始める。
そんな救いのない天秤を壊しにかかるのは、ええいままよと天を見上げたリーナであった。
「ゲーベンさん! 魔力の操作を向上させるような強化魔法はありませんか?」
「あるよ」
「えっ!? 本当にあるんですか!?」
「お前が聞いたんだろがい!」
リーナが驚いたことに、ゲーベンのほうが驚きである。
「本当にあるとは思わなかったので」
「ふん。舐めるな。俺は強化魔法以外はほとんど覚えてないが、強化魔法に関しては古今東西あらゆる魔法を網羅している。更に独自の研究も重ねているからな。人間の想像する範疇であれば、俺にできない強化はない……!」
「じゃぁ、私をスラっとした大人の女性に強化してください!」
「ムリ!」
「できない強化はないって言ったじゃないですかー! 嘘つきー!」
「それは強化じゃなくて成長だ!」
夢を見るな夢をとゲーベンが窘めるが、リーナは不満そうに唇を尖らせる。
「仕方ありません。綺麗な大人の女性への夢は、自分の将来に期待するとします」
「貧相なのは変わらなそうだがな」
「夢と希望が詰まって大きくなるんです!」
夢も希望もなさそう平らな胸を自信満々に張る。
上から下へ。引っ掛かることもなくストンッと落ちたゲーベンの目が涙で濡れる。
「哀れな奴……。そうだな、夢と希望を持つのは自由だ」
「失礼な人ですね!」
ぷんすことリーナは子供っぽく怒る。
「とにかく、私に魔力操作強化の魔法をかけてください!」
「それでどうにかなるのか?」
「わかりません!」
「おい」
ゲーベンが胡乱な瞳をリーナに向けるが、彼女は至って真剣であった。
「わかりませんけど、私はこれでも豊穣の女神フィテリーに仕える神官です! まだまだ見習いの修行の身ですが、やってやりますとも!」
「女神フィテリー……?」
現在、魔族以外の種族が暮らす東大陸において最も広まっている宗教は、とある女神を信仰する女神教である。
正式名称をクレシオン教。
世界を創ったとされる創造神を崇め奉る宗教である。
てっきり、ゲーベンはリーナもクレシオン教の神官だと思っていたのだが、聞いたこともない女神の名前を出されてしまい彼は訝しむように目を細めた。
とはいえ、自称田舎娘である。
リーナの生まれ育った村でのみ信仰されている女神の可能性もあり、なにより無宗教であるゲーベンが問い質すことでもない。
「ゲーベンさん!」
「ん? あぁ分かってる! ≪魔力操作強化《マニピュレイト・ライズ》≫――ダブル!」
リーナに耳元で叫ばれ、思考の海から帰ってきたゲーベンは、咄嗟に魔力操作強化の魔法をリーナにかける。
「……すごいっ! これなら!」
魔力を手足のように扱える感覚。
どれだけ修練しようとも低級の神聖魔法すら発動させられなかったリーナはある種の万能感に酔いしれるも、それも瞬きの間のことであった。
瞼を閉じ、膝を付き、両手を組み合わせ、己の信仰する女神に祈りを捧げる。
未熟者でも、紛い者でない。
紛れもない敬虔なる神官がそこには居た。
「豊穣の女神フィテリー様……どうかか弱きリーナにお力をお貸しくださいませ――≪浄化《ピュリフィケイション》≫」
己の名を捧げる、魔法に精通しているゲーベンですら知らない祝詞。
魔法名と共に彼女の体から放たれる神聖な魔力の光。
あまりにも神々しく膨大な魔力の奔流に、ゲーベンは膝を折ってしまいそうになる。
――勇者……? いや違う、聖、女?
名も知られていない女神を信仰する、低級の神聖魔法一つ扱えなかった未熟な神官が聖女であるはずがない。
……そのはずなのだが、目の前で起こる奇跡としか言いようのない光景に、ゲーベンの疑念は光に照らされた影のように小さくなっていく。
気付けば、あれだけ暴れていた住人たちが、穏やかな寝息を立てて眠りについていた。
クラージュが気絶させた時と違い、彼らにかけられていた魅了は解けている。
半ば確信めいた感覚を覚えるゲーベンは、瞼をゆっくりと開き始める聖なる神官から目が離せないでいた。
「どうですかー! やってやりましたよー!」
「……大したもんだ」
つい今しがたまで纏っていた神聖さは露と消え、ぐっと伸びをして人差し指と中指を立てる満足気なリーナを見て、ゲーベンは体の力が抜けたかのように苦笑することしかできなかった。
「……っ、たくっ!」
突撃の勢いで倒されてしまったゲーベンはそのまま組み伏せられてしまう。
男は興奮状態で痛みを感じていないようだが、よく見れば体中が怪我だらけであった。擦り傷は当然として、腕に至っては青く腫れあがっており、もしかしたらヒビが入っているかもしれない。
そんな大怪我でありながら、痛みで気後れすらしない狂人性。これが戦闘職でもなさそうな細身の男であるのだから、その異常性はより際立つ。
――俺たちが手を下さなくても、このままだと死ぬな。
痛みにひるまず力の加減ができずに自身の体を痛め続ければ、いずれ死に至るのは目に見えている。
「こんなことをする犯人ってのは、相当下衆な野郎だなっ。≪電流《カーラント》≫!!」
襲われながらもゲーベンは手の平から青い火花弾けさせ、男の首筋に手を回すと電流を流した。
ビクリッと男の体が跳ねる。
元々無理に意識を保っていたのか、あっさりと男は失神した。
脱力し覆い被さる男を脇にどかしたゲーベンが立ち上がると、騎士を初めて生で見た子供のように興奮した様子のリーナと目が合う。
「なんですかそれ!? カッコいいですね!」
「姉さんから教わった護身用の雷魔法だ」
「なんですか、強化魔法以外も使えるじゃないですか! 勿体ぶってないでもっと大きな雷魔法を使ってくださいよ!」
「無理」
「どうして!?」
期待を裏切られたと、鎧を脱いだ騎士がただの腹の出た中年であったかのようにリーナは絶望する。
ゲーベンとてできるのであればやってやりたいが、無理なものは無理なのである。
「電流つっても、手からちょっと電気が流れる程度しかできんし、威力も静電気よりちょっと上ぐらいだから。直接急所にでも使わない限り、気絶もしないだろうな」
低級も低級。
魔法を覚えたての子供が練習に使うような雷魔法である。
モンスターにはまず通じないし、人相手であろうとただ触れた程度ではちょっと体が痺れるぐらいだ。痛いは痛いし、火傷はするだろうがその程度の威力。
そもそも。
「……俺に格闘センスはないから、今みたいに組み伏せられてから触れるぐらいしかできん」
「なるほど! つまり、ゲーベンさんは静電気を発生させるだけしかできないひ弱な魔法使いってことですね?」
「その通りだけどさー、否定もできないけどさー」
的を射た現状認識ではあるのだが、貧弱と呼ばれて「はいそうです!」と元気に頷けるわけもない。
不貞腐れたようにゲーベンが床を蹴っていると、血相を変えたクラージュが叫んだ。
「ゲーベンっ!? 強化魔法切れてるんだけど!?」
「あ、すまん」
倒れて動いた拍子に魔法が解けてしまったらしい。
押され負けそうになっているクラージュを見て、ゲーベンは慌てて強化魔法をかけ直した。
ギリギリ状況は持ち直したが、戦況は芳しくない。
再びクラージュが抜かれるのも時間の問題だ。先のように上手くやり過ごせるかどうかも怪しい。
「これはもう、助けるっていうなら、一か八か耐性強化させるしかないか?」
そうなれば、一網打尽だ。
住人たちが助かる可能性も、僅かにだがある。
最高とはいかないまでも、現状取れる最善の策ではなかろうかと、刻一刻と悪化する状況にゲーベンの心中にある天秤が傾き始める。
そんな救いのない天秤を壊しにかかるのは、ええいままよと天を見上げたリーナであった。
「ゲーベンさん! 魔力の操作を向上させるような強化魔法はありませんか?」
「あるよ」
「えっ!? 本当にあるんですか!?」
「お前が聞いたんだろがい!」
リーナが驚いたことに、ゲーベンのほうが驚きである。
「本当にあるとは思わなかったので」
「ふん。舐めるな。俺は強化魔法以外はほとんど覚えてないが、強化魔法に関しては古今東西あらゆる魔法を網羅している。更に独自の研究も重ねているからな。人間の想像する範疇であれば、俺にできない強化はない……!」
「じゃぁ、私をスラっとした大人の女性に強化してください!」
「ムリ!」
「できない強化はないって言ったじゃないですかー! 嘘つきー!」
「それは強化じゃなくて成長だ!」
夢を見るな夢をとゲーベンが窘めるが、リーナは不満そうに唇を尖らせる。
「仕方ありません。綺麗な大人の女性への夢は、自分の将来に期待するとします」
「貧相なのは変わらなそうだがな」
「夢と希望が詰まって大きくなるんです!」
夢も希望もなさそう平らな胸を自信満々に張る。
上から下へ。引っ掛かることもなくストンッと落ちたゲーベンの目が涙で濡れる。
「哀れな奴……。そうだな、夢と希望を持つのは自由だ」
「失礼な人ですね!」
ぷんすことリーナは子供っぽく怒る。
「とにかく、私に魔力操作強化の魔法をかけてください!」
「それでどうにかなるのか?」
「わかりません!」
「おい」
ゲーベンが胡乱な瞳をリーナに向けるが、彼女は至って真剣であった。
「わかりませんけど、私はこれでも豊穣の女神フィテリーに仕える神官です! まだまだ見習いの修行の身ですが、やってやりますとも!」
「女神フィテリー……?」
現在、魔族以外の種族が暮らす東大陸において最も広まっている宗教は、とある女神を信仰する女神教である。
正式名称をクレシオン教。
世界を創ったとされる創造神を崇め奉る宗教である。
てっきり、ゲーベンはリーナもクレシオン教の神官だと思っていたのだが、聞いたこともない女神の名前を出されてしまい彼は訝しむように目を細めた。
とはいえ、自称田舎娘である。
リーナの生まれ育った村でのみ信仰されている女神の可能性もあり、なにより無宗教であるゲーベンが問い質すことでもない。
「ゲーベンさん!」
「ん? あぁ分かってる! ≪魔力操作強化《マニピュレイト・ライズ》≫――ダブル!」
リーナに耳元で叫ばれ、思考の海から帰ってきたゲーベンは、咄嗟に魔力操作強化の魔法をリーナにかける。
「……すごいっ! これなら!」
魔力を手足のように扱える感覚。
どれだけ修練しようとも低級の神聖魔法すら発動させられなかったリーナはある種の万能感に酔いしれるも、それも瞬きの間のことであった。
瞼を閉じ、膝を付き、両手を組み合わせ、己の信仰する女神に祈りを捧げる。
未熟者でも、紛い者でない。
紛れもない敬虔なる神官がそこには居た。
「豊穣の女神フィテリー様……どうかか弱きリーナにお力をお貸しくださいませ――≪浄化《ピュリフィケイション》≫」
己の名を捧げる、魔法に精通しているゲーベンですら知らない祝詞。
魔法名と共に彼女の体から放たれる神聖な魔力の光。
あまりにも神々しく膨大な魔力の奔流に、ゲーベンは膝を折ってしまいそうになる。
――勇者……? いや違う、聖、女?
名も知られていない女神を信仰する、低級の神聖魔法一つ扱えなかった未熟な神官が聖女であるはずがない。
……そのはずなのだが、目の前で起こる奇跡としか言いようのない光景に、ゲーベンの疑念は光に照らされた影のように小さくなっていく。
気付けば、あれだけ暴れていた住人たちが、穏やかな寝息を立てて眠りについていた。
クラージュが気絶させた時と違い、彼らにかけられていた魅了は解けている。
半ば確信めいた感覚を覚えるゲーベンは、瞼をゆっくりと開き始める聖なる神官から目が離せないでいた。
「どうですかー! やってやりましたよー!」
「……大したもんだ」
つい今しがたまで纏っていた神聖さは露と消え、ぐっと伸びをして人差し指と中指を立てる満足気なリーナを見て、ゲーベンは体の力が抜けたかのように苦笑することしかできなかった。
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