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第61話 部活動体験
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頭から煙が出そうなほど授業に集中したシィーリアス。
昨日までならここから勉強会をするところだが、今日は違う。
「ふむ……ここが魔法剣士部の活動場所か……」
「うむ、魔法剣士部専用の剣練場だ」
学園の訓練場の傍に位置する大きな建物。
百人以上の生徒を余裕で収容することが可能な施設に。シィーリアスは足を踏み入れた。
訓練着に身を包み、シィーリアスが最初に訪問した部活は魔法剣士部。
「おぉ……たくさん人が居るのだな」
放課後の訓練施設に集い、素振りをしたり、準備運動をしたり、そして至る所から元気のよい掛け声が聞こえてくる。
まだ始まっていないのに、非常に活発な部活動なのだとシィーリアスに感じさせた。
すると、傍らに居るクルセイナが誇らしげに頷いた。
「うむ。魔法剣士部は帝国魔法学園きっての強豪。個人、団体、大陸3連覇の超強豪。世界大会でも常に四強に入っている。卒業後は帝国魔法騎士団にスカウトされることも非常に多い」
「ほ~う……クルセイナも入ったばかりなのに詳しいのだな」
「ああ、幼いころからずっとこの部に入ろうと決めていたのだ。是非シィー殿も私と共にこの部を大陸……いや、世界大会優勝を目指そうではないか!」
クルセイナ自身もまだ新入生ではあるが、既に魔法剣士部員としてシィーリアスを引き込もうと鼻息荒くしている。
(シィー殿と切磋琢磨し、エッチして、切磋琢磨、エッチ、切磋琢磨エッチ、最高ではないか……!)
色々と欲望は剥き出しではあるが……
「おお、来たな! スーパールーキー!」
そのとき、部員の一人がシィーリアスに気づき、笑みを浮かべながら声を上げた。
その声に反応して他の部員たちも一斉に入り口を見る。
「ん? あいつか……」
「きゃー、きたきた♪」
「ふ~ん、雰囲気ある~」
「ほう。例の……」
部員全員がシィーリアスのことを知っていたようで、誰もが興味津々な眼差しを向ける。
そんな中、荒々しい声を響かせた、野性味あふれる眼光と燃えるような赤い髪を結わえた一人の女がシィーリアスの前に立った。
訓練着の肩と腹回りを切り取って改造したような服。
しかしその露出した腕廻りは細身だが引き締まり、腹回りは腹筋が見事に割れて鋼のように硬質。
それでいて、その胸は服の上からでも分かるほどはち切れんばかりに揺れており、クルセイナやフォルト級の巨乳であった。
「いよう、よく来てくれたな! あたいは3年、魔法剣士部部長の『パワーナ』だ!」
そう言って自己紹介するパワーナ。
名門の魔法剣士部におけるトップだった。
「こんにちは! 本日はお招きいただきありがとうござます! 僕はシィーリアス・ソリッド! 本日は猛烈によろしくお願いします!」
「ああ。よろしくな! クルセイナもよく連れてきてくれたぜ! 流石はあたいの見込んだ女だぜ」
「ふふ、ありがとうございます」
女だが、少年のように歯を剥き出しに笑うパワーナ。クルセイナも頷きながら、シィーリアスにパワーナを紹介する。
「シィー殿。こちらのパワーナ先輩は、女性でありながら昨年度の大陸大会で個人戦で優勝をされた御方。その凄まじき剛剣は、『破壊女神』とまで呼ばれて、その名を轟かしている」
「おいおい、やめろって。あたいはこれでも乙女だぜ? 破壊女神なんて野蛮だっての」
「そうは言いつつ、入学早々で男子部員百人抜きをされたりなど、とても乙女とは言い難い武勇伝をお持ちではないですか」
「そりゃ、あたいが凄いんじゃなくて、チンチン持ってるくせに情けねえウチの男どもが悪いんだよ~!」
「パワーナ先輩! 声が大きいです。おチンポの……じゃなかった、そういう話は控えてください」
「おお、ワリーワリー……ん? 今、クルセイナ、もっとスゲー事言わなかったか?」
「き、気のせいです」
豪快に笑いながら、品のないことも堂々と大きな声で口にして、公爵家令嬢であるクルセイナに親しげに肩を組むパワーナ。
「とにかく、ツエー男子部員が来てくれるのは嬉しいぜ! 今日は是非体験して、そのまま入部してくれよ~、シィーリアスくんよぉ!」
ただ、不思議とそれに対して悪い印象を抱かせず、クルセイナも苦笑しながら受け入れている様子で、そこにパワーナという女に対してシィーリアスも気持ちの良い魅力を感じていた。
すると……
「パワーナ……浮気? 私のパワーナ」
「ひっ!?」
そんなパワーナの背後からユラリと一人の紫髪の『女生徒』が忍び寄り、耳元で呟いた。
「あっ……ユリナ先輩……」
「む、この方も先輩なのか?」
現れた女生徒は、高身長のパワーナと違ってそれほど身長が高いわけではなく普通。
胸もそこまで大きいわけではない。
しかし、どこか凛として可憐さを感じさせる美少女。
だが、その美しい笑顔のどこかに黒い雰囲気を宿らせて、パワーナの頬を抓って引っ張った。
「ち、ちげーって、ほら、昨日の夜にまったりしながら話したろ? スゲー新入生の男子がいるから、是非ともウチに誘おうって」
「……はぁ? ……ピロトーク中に男の話題出されて覚えてるわけないでしょ?」
「あ~もう、お前はすぐ嫉妬して……」
「当たり前でしょ? 新入生の女の子も可愛い子ばかり……クルセイナさんも美人だし……」
「ったく……」
禍々しい瘴気を放ちながら、クドクドとパワーナに詰め寄る女生徒ユリナ。
そんな彼女にパワーナは顔を引きつらせながらも公衆の面前で肩を抱き寄せて……
「あたいの女はお前だけだよ、ユリナ」
「……んもう」
すると、それだけで剣錬所では黄色い絶叫が響き渡る。
「「「「「キャアアアアアアアアアアアア! 素敵いィ良いィいいいい!!!!」」」」」
突然の出来事にポカンとするシィーリアス。
すると、クルセイナが苦笑しながら……
「流石のシィー殿も驚かれたようだが……どうやら、学園でも有名なカップルらしい」
「ほう」
「というわけで、シィー殿……流石にあの二人には手を出さぬように……」
「ん? 手を出すとは?」
仲睦まじくイチャイチャする二人の女を前に、念のためにとシィーリアスに一言入れておくクルセイナ。
だが、その忠告は虚しく――――
「と、とにかくだ、シィーリアス君よぉ、さっそくだけど、簡単に模擬戦でもやってみるか? 噂の実力を見せて欲しいしよ!」
「え? 模擬戦ですか? ふむ、分かりました! やりましょう!」
昨日までならここから勉強会をするところだが、今日は違う。
「ふむ……ここが魔法剣士部の活動場所か……」
「うむ、魔法剣士部専用の剣練場だ」
学園の訓練場の傍に位置する大きな建物。
百人以上の生徒を余裕で収容することが可能な施設に。シィーリアスは足を踏み入れた。
訓練着に身を包み、シィーリアスが最初に訪問した部活は魔法剣士部。
「おぉ……たくさん人が居るのだな」
放課後の訓練施設に集い、素振りをしたり、準備運動をしたり、そして至る所から元気のよい掛け声が聞こえてくる。
まだ始まっていないのに、非常に活発な部活動なのだとシィーリアスに感じさせた。
すると、傍らに居るクルセイナが誇らしげに頷いた。
「うむ。魔法剣士部は帝国魔法学園きっての強豪。個人、団体、大陸3連覇の超強豪。世界大会でも常に四強に入っている。卒業後は帝国魔法騎士団にスカウトされることも非常に多い」
「ほ~う……クルセイナも入ったばかりなのに詳しいのだな」
「ああ、幼いころからずっとこの部に入ろうと決めていたのだ。是非シィー殿も私と共にこの部を大陸……いや、世界大会優勝を目指そうではないか!」
クルセイナ自身もまだ新入生ではあるが、既に魔法剣士部員としてシィーリアスを引き込もうと鼻息荒くしている。
(シィー殿と切磋琢磨し、エッチして、切磋琢磨、エッチ、切磋琢磨エッチ、最高ではないか……!)
色々と欲望は剥き出しではあるが……
「おお、来たな! スーパールーキー!」
そのとき、部員の一人がシィーリアスに気づき、笑みを浮かべながら声を上げた。
その声に反応して他の部員たちも一斉に入り口を見る。
「ん? あいつか……」
「きゃー、きたきた♪」
「ふ~ん、雰囲気ある~」
「ほう。例の……」
部員全員がシィーリアスのことを知っていたようで、誰もが興味津々な眼差しを向ける。
そんな中、荒々しい声を響かせた、野性味あふれる眼光と燃えるような赤い髪を結わえた一人の女がシィーリアスの前に立った。
訓練着の肩と腹回りを切り取って改造したような服。
しかしその露出した腕廻りは細身だが引き締まり、腹回りは腹筋が見事に割れて鋼のように硬質。
それでいて、その胸は服の上からでも分かるほどはち切れんばかりに揺れており、クルセイナやフォルト級の巨乳であった。
「いよう、よく来てくれたな! あたいは3年、魔法剣士部部長の『パワーナ』だ!」
そう言って自己紹介するパワーナ。
名門の魔法剣士部におけるトップだった。
「こんにちは! 本日はお招きいただきありがとうござます! 僕はシィーリアス・ソリッド! 本日は猛烈によろしくお願いします!」
「ああ。よろしくな! クルセイナもよく連れてきてくれたぜ! 流石はあたいの見込んだ女だぜ」
「ふふ、ありがとうございます」
女だが、少年のように歯を剥き出しに笑うパワーナ。クルセイナも頷きながら、シィーリアスにパワーナを紹介する。
「シィー殿。こちらのパワーナ先輩は、女性でありながら昨年度の大陸大会で個人戦で優勝をされた御方。その凄まじき剛剣は、『破壊女神』とまで呼ばれて、その名を轟かしている」
「おいおい、やめろって。あたいはこれでも乙女だぜ? 破壊女神なんて野蛮だっての」
「そうは言いつつ、入学早々で男子部員百人抜きをされたりなど、とても乙女とは言い難い武勇伝をお持ちではないですか」
「そりゃ、あたいが凄いんじゃなくて、チンチン持ってるくせに情けねえウチの男どもが悪いんだよ~!」
「パワーナ先輩! 声が大きいです。おチンポの……じゃなかった、そういう話は控えてください」
「おお、ワリーワリー……ん? 今、クルセイナ、もっとスゲー事言わなかったか?」
「き、気のせいです」
豪快に笑いながら、品のないことも堂々と大きな声で口にして、公爵家令嬢であるクルセイナに親しげに肩を組むパワーナ。
「とにかく、ツエー男子部員が来てくれるのは嬉しいぜ! 今日は是非体験して、そのまま入部してくれよ~、シィーリアスくんよぉ!」
ただ、不思議とそれに対して悪い印象を抱かせず、クルセイナも苦笑しながら受け入れている様子で、そこにパワーナという女に対してシィーリアスも気持ちの良い魅力を感じていた。
すると……
「パワーナ……浮気? 私のパワーナ」
「ひっ!?」
そんなパワーナの背後からユラリと一人の紫髪の『女生徒』が忍び寄り、耳元で呟いた。
「あっ……ユリナ先輩……」
「む、この方も先輩なのか?」
現れた女生徒は、高身長のパワーナと違ってそれほど身長が高いわけではなく普通。
胸もそこまで大きいわけではない。
しかし、どこか凛として可憐さを感じさせる美少女。
だが、その美しい笑顔のどこかに黒い雰囲気を宿らせて、パワーナの頬を抓って引っ張った。
「ち、ちげーって、ほら、昨日の夜にまったりしながら話したろ? スゲー新入生の男子がいるから、是非ともウチに誘おうって」
「……はぁ? ……ピロトーク中に男の話題出されて覚えてるわけないでしょ?」
「あ~もう、お前はすぐ嫉妬して……」
「当たり前でしょ? 新入生の女の子も可愛い子ばかり……クルセイナさんも美人だし……」
「ったく……」
禍々しい瘴気を放ちながら、クドクドとパワーナに詰め寄る女生徒ユリナ。
そんな彼女にパワーナは顔を引きつらせながらも公衆の面前で肩を抱き寄せて……
「あたいの女はお前だけだよ、ユリナ」
「……んもう」
すると、それだけで剣錬所では黄色い絶叫が響き渡る。
「「「「「キャアアアアアアアアアアアア! 素敵いィ良いィいいいい!!!!」」」」」
突然の出来事にポカンとするシィーリアス。
すると、クルセイナが苦笑しながら……
「流石のシィー殿も驚かれたようだが……どうやら、学園でも有名なカップルらしい」
「ほう」
「というわけで、シィー殿……流石にあの二人には手を出さぬように……」
「ん? 手を出すとは?」
仲睦まじくイチャイチャする二人の女を前に、念のためにとシィーリアスに一言入れておくクルセイナ。
だが、その忠告は虚しく――――
「と、とにかくだ、シィーリアス君よぉ、さっそくだけど、簡単に模擬戦でもやってみるか? 噂の実力を見せて欲しいしよ!」
「え? 模擬戦ですか? ふむ、分かりました! やりましょう!」
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