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第26話 女帝の城・陥落★

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(な、なんで私……今日初めてあった魔族の男の子と……うそ……これ、キス? 私、キスされている?)

 光華に友人は少ない。だから親しい男というのはこれまで居なかった。
 だが、告白された経験はそれなりにあった。
 あまり話したことのない男子生徒たちも、光華の容姿に惹かれて玉砕覚悟で告白してくることはあった。
 その全てをアッサリと断ってきた光華は、周囲から氷の女帝だとか、難攻不落の鉄壁とまで噂されていた。
 
「ん」
「ん、ちゅ、ん、や、め……ん」

 しかし今、その氷がトロトロに解かされ、鉄壁が脆く崩れ去る。
 多少強引であったものの、ハルトは光華の唇をアッサリと奪った。
 呆然とし、頭の混乱が収まらない光華だが、徐々に自分の状況を理解し始める。

(な、何をやっているの、私は!?)

 拒否しようと思えば拒否できたキス。雰囲気に流されてよりにもよってファーストキスを失ってしまった。
 ハッとした光華は慌てて顔を逸らしてハルトの唇から逃れる。

「だ、だめよ……いきなり、何をするのよ……なんでこんな……わ、私……初めてだったのに……」

 顔を真っ赤にしながらもハルトを睨み返す光華。しかし、蕩けたその瞳にもはや力はない。

「お前、ぜってーモテるだろ?」
「え? な、なにを……」
「だからだ。こんな気の合う良い女……他の誰にもくれてやりたくねえ。俺だけの女にしてえ」
「は……な、は、はぁ?!」
「頼む。俺の女になってくれ」
「ちょッ!?」

 今まで男から告白されていた状況とは明らかに違う。
 身も心も動揺している状況で、真剣で力強い表情をした男からの熱のある告白。
 さらに……

「ファーストキスの責任を取れってなら……一生大事にしてやるからよ」
「あっ……あぅ……あ」

 力強く抱きしめる。決して逃がさないように。
 無論、勇者の妹でもある光華がその気になればその力すらも抗えるはず。
 しかし、もうできない。

「もう一回、キスするぜ」
「ッ!?」
「ガチでお前に惚れた」
「でも……んむぅ!?」

 再び重ねられる唇。しかし、今度は唇を合わせるだけでない。
 プックリと柔らかい唇をこじ開けて、ハルトの舌が光華の口内に侵入し、舌同士を絡めていく。

「んむぅ、ん、んぐっ、ん、ん?!」

 舌をねじ込まれて蹂躙されるような感触に光華は驚き逃れようとする。
 しかし、ハルトに抱きしめられた腕から逃れられない。
 自身の舌もハルトの舌から逃げようとするが、逃げ場はない。
 互いの唾液が交じり合って口から溢れ出る。

(だめ、キス、にげられな……逃げても逃げても舌が絡みついて……うそ、これがキスなの? 少女漫画で読んだキスと違う……だめ、頭がボーっとして……胸がどきどきして、キスが……これぇ、エッチなキスよ……)
 
 頭がボーっとして、抵抗する意思が薄れていく光華。
 そしてついに、抵抗するどころか、気付けば光華は両手をハルトの背に回して、自分も抱きしめ返していた。
 その瞬間、ハルトの瞳がキラリと光った。

(カララとオルガに続いて、三人目の彼女ゲットだぜ♪ こいつは他のセフレやアナルセフレと違って会話も合うし、彼女の方がいい。しかしまぁ、キス一つで堕ちるとは……ほんと良かったぜ。こいつが他の誰かのモノになる前に自分の女にできて)

 光華からは何の返事ももらっていないが、もう既に自分のモノにできたとほくそ笑むハルト。
 そして、ここまで来たらその先も得ようとする。

「んむぅッ!?」

 気付けば舌の抵抗どころか、自身も舌をクチュクチュと絡め返していた光華だったが、再びビクッとして目を見開いた。
 それは、力強く抱きしめられている自身の身体のお腹の部分に、ハルトの股間からそそり立った固いものが押し付けられているからだ。

(え、かた、これ、え? あ……これ、まさか!)

 先程寝起きのハルトの勃起を見たため、自分のお腹に擦りつけられている感触が何なのかは光華もすぐに分かった。

「んちゅ、ぷはっ、はあ、はあ、ま、待っ――――」
「待たない♪」
「ちょっ、んむぅ!? だ、ダメよ、ん、じゅ、ちゅっ、んはぁ、そ、それだけは、まだ!」

 このままではいくところまで行ってしまうと危機感を感じた光華が慌ててキスを中断してハルトを制止しようとするが、ハルトは一度逃れた光華に再びキスをしながら、そのままベッドに押し倒した。

(だめ、体に力が入らない……どうして? ま、まずいわ……私、犯される? いやよ、こんな初体験……あんなおっきいものを入れられたら、私、壊れる! それに、それに……分かるわ! あんな雄々しく逞しいのと交わったら……赤ちゃん――――)

 生まされる。
 しかも魔族の血が混じった混血児だ。
 それだけは何としても避けなければならない……が……

「ぷはっ……なあ……両手を出してくれるか?」
「ん……はぁ、はぁ……え?」

 抱きしめられながら押し倒されていたが、ハルトはスルっと抱きしめていた両手を光華の背中から抜いていた。

(え? あれ? どうしたの? このまま強く抱きしめてキスしたまま私をレイプするのではないの? あの……あの凄く勃起したアレで私をガンガン突いて無理やり子供を生ませるんじゃないの? 私が泣こうが叫ぼうが、私を自分のモノにしようとしていたんじゃないの?)

 ってきり強引に自分を犯そうとしてくるのかと思っていただけに、ハルトの突然の要望に思わず首を傾げてしまう光華。
 ただ、ボーっとしたまま言われた通り両手を体の前に出すと……

「ん」
「あっ……」
「たはは……にぎにぎっ……」
「……これは……」

 光華が出した両手を、ハルトはただ握った。指を絡め合うように両手を握り合った。
 だが、それだけで光華は衝撃を受けた。

「これ……こ……恋人繋ぎ……」
「……だめか?」
「あ……えっと……」

 ハニカミながら手を繋いで来たハルトに、光華の胸が高鳴った。


「な、なによ、私のパンティを無理やり脱がして……するのかと……なのに……な、なによ……恋人繋ぎ? はにかんで、照れてる? なによ、不良のくせにそんなかわいい……じゃなくて……でも、この両手……大きい……ゴツゴツしてる……でも、何だか逞しい……男の人の強さを感じる……」

「おい、声で出てるぞ?」

「え……あ、あうっ!?」


 握られた手。その感触を確かめるように光華も握り返し、思っていたことを気付けば口に出していた。

(おお、目がウットリしちゃって……か~い~な~。これやると、オルガもカララもメッチャ嬉しそうにするしな。今じゃ正常位するときは手ぇ繋ぎながらキスして叩きつけろって要望出されるぐらいだしな……)

 そして、ハルトは思い通りとほくそ笑んだ。

「ね……ねえ……本気で私を恋人にする気? あなたの女にする気? このまま……え……エッチする気?」
「ん? え? しようぜ? つか、俺はもうさっき抱きしめ返された時点で恋人同士になったと思ってるから、早速ヤリたいんだけど……」
「ヤリッ……んもうっ! っていうか、あなた、手慣れ過ぎよ……ど、どうせ他にもこういうこと……して……るんでしょ?」

 言っていて恥ずかしくなって光華は顔をそっぽ向かせた。

「もし、ほ、本当に私を恋人にするのなら……もっとちゃんと……もっと……大事に……」

 自分は初めてであるが、ハルトは明らかに初めてではない。
 明らかに女慣れしている。
 しかも素行の悪い不良でスケベである。
 ならば、自分以外の女にもこうやって手を出しているのだろうと光華は疑って文句を言った。
 するとハルトは……

「まぁ、彼女は他にも二人居るし、ほぼ毎日ヤッてたしな……ヤルだけのセフレは何人居たっけな……」
「……あ゛?」
「確かに俺はヤリたいだけの女には甘い言葉を言ったり口から出まかせ言ったりするが……本気の女にだけは隠し事しねぇ……そして大事にする。これは間違いねえ。お前は俺の本気の女、三人の内の一人だ。当然大事にするぜ?」

 自分以外にもこういうことをしている女はいるに違いないと疑いながらも、特に隠すことせずにアッサリと答えるハルトに、光華は思わず変な声を出してしまった。

「つーわけで、続き続き♪ んちゅっ」
「んっ!? ちょ、まだ話は終わっ、な、何をその三人っ、て、んむぅ」

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