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第六章
第194話 マイフレンド
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かつて俺たちは、街でも学校でも、肩で風を切って堂々と歩き、己の存在を響かせていた。
「少しは驚いてくれたか? ミルコ」
気持ちの整理がつかなかった。
それは、こいつが俺にとって、これまで再会したクラスメートと比べて、若干関係性が違ったからだ。
「くくくく、ラブソングの混じったアニソンに近いロックを感じる。出会った頃は、パンクなロックだったのに、丸くなったか。なあ? リューマ」
「ノれねえライブが聞こえたもんでな。我慢できずにステージに上がっちまった」
ああ、なんだろう。世界のこととか、鬼と人間とか、亜人とか、何だかどうでも良くなってくる。
伝説を作るための戦いが、俺という余計な異物が混じったことで、作成が中断されちまった。
俺は今、ひょっとして歴史を分岐する場面に遭遇してんじゃねえのか?
そんな思いを心の片隅に置きながら、俺は旧友のもとへと歩み寄った。
「朝倉くん……」
すがるような目で俺を見上げる綾瀬。悔しいのか、悲しいのか?
「おい、綾瀬。お前、何で黙ってたんだ?」
「知らなかったのよ! だって、私は、魔王キシンとは今日初めて会ったんだから……でも、まさか……こんなことに」
そうだろうな。俺もそう思うよ。やけに気持ちが落ち着いているように見えるが、内心はゴチャゴチャだ。
「ヴェルト、どういうことですの! なぜ、なぜ、ヴェルトがここに!」
「ボク、これはどういうことですか?」
「いや、待て! そこに居るのは……ゼツキ! それに、な、なぜ、四獅天亜人のユーバメンシュが!?」
「ちょっと、何で? 何がどうなってるの!」
「なんなんだい、こいつは一体」
おお、世界を代表する勇者様たちが戸惑っているよ。
まあ、無理もねえ。突如現れた人間が、偉大な鬼将軍と四獅天亜人引き連れて現れて、魔王とこうして対話してんだからな。
「ヴェルト・ジーハさん。これは一体! あなたは何者なんですか! キシンとどんな繋がりが!? それに、ゼツキ将軍に、伝説のユーバメンシュまで!」
ロアが傷ついた体を起こして問いかけてきたことに、俺は湧き上がる笑みを抑えきれずに教えてやった。
「村田ミルコ。元・高校二年。クロアチア人の親父と日本人のおふくろを持ち、親父の仕事の関係で世界を転々。幼少の頃からその国の言葉を覚える前に引っ越してばっかりで、ようやく日本に腰を下ろしたときは言葉がゴッチャになっちまった、メンドクセー男だ」
俺は正直、クラスメートの詳しい前世の経歴のことはそれほど知らない。
鮫島も、宮本も、綾瀬も加賀美も備山もだ。
でも、こいつだけは知っていた。
「中坊でロックに目覚めて以来、高校もサボりまくって毎日毎日自由奔放。音楽やって、世間への鬱憤を下手くそな歌に乗せて叫んでいた。たまに俺らとツルんでムカつく奴らを蹴散らして、一時期は俺らと一緒に東日本最強チーム、『爆轟十字軍《ニトロクルセイダーズ》』でやんちゃしてたっけな」
イカしていた。
ハジけていた。
俺と同じ、街の中でも学校の中でもどうしようもないやつだった。
でも、こいつには、持ってるものがあった。
ステージの上で下手くそな歌をこれでもかと気持ちよく叫ぶこいつは、輝いていた。
「ッ、ヴェルト! まさか、まさかキシンは……あなたや、アルーシャと同じ境遇の方だと言うのですの?」
真っ先に気づいたフォルナに頷き、俺は複雑な思いでミルコと対面した。
ミルコは神妙な顔つきをしたかと思えば、僅かに微笑んだ。
「ふっ、ノスタルジーだな、リューマ。ミーはハイスクールにそれほどメモリーはない。だから綾瀬と再会しても、それほど思うところはナッシングだった。だが、ユーとこうして再会してみると……やはり懐かしいと感じずにはいられないものだな」
「よく言うぜ。途中からお前らも学校来るようになったじゃねえか」
「興味あったからな。ユーが、何故かハイスクールに通うようになりだし、エブリデイ楽しそうに見えたからな……ああ……そうだ……ニトロが解散し……『ヤマト総長《ヘッド》』があんなことになってから……」
「ヤマトさんか……懐かしいな……伝説の男……『筬島《おさじま》大和《やまと》』……」
こいつとは、中坊の頃からつるんでいた。
一緒にバカやって、くだらない時間をこれでもかと楽しく過ごしていた。
そうだ、綾瀬や加賀美たちが俺にとって「元・クラスメート」だとしたら、こいつは……
「とにかく、無事でなによりだ、マイフレンド」
「そうか……そうだな、お前もな」
こんな形になっちまったが、俺は素直に頷いた。
「リューマ。ユーはクールでワルでエキサイティングだった。ミーも、『十郎丸』もその姿に惹かれた。そんなユーが、一人の女にフォーリンラブとなり、学校に行き、牙の抜けたアニマルのように軟弱化したが、それでもミーたちには、エンジョイだった」
「テメエもな。昔は下手くそな歌に魂のせて、何だかテメエは自由を感じるロックンローラーだった。でも今は、この世の鬱憤を破壊するかのような暴力性しか感じねえ」
「戦争中だ。ワールドが求めるものが違う。今は、To be or not to be, that is the question。そんな悲しいワールドだ」
「そういやお前……見た目そんなでも、実際はジジイみたいだな……」
「長命種とやらだ……鬼としてはまだまだヤング……バット、ヒューマンではオールドマン……セブンティーンではなく、セブンティーだ」
「なげえな……七十年」
宮本を思い出させた。ただ、唯一の違いは、宮本は人間と亜人の狭間で揺れ動き、苦悩の末に覚悟を決めた。
だが、ミルコにはそれがない。人間だったことへの未練も、苦悩も感じさせない。
そして、戦争に対する感覚が、ロアやフォルナ、そしてゼツキとも違う気がした。
「世界の流れに身を流されるのが嫌いで、反発して、自由への歌を歌っていたお前が、どうして今は流されてんだ? 人間に何か恨みでもあんのか? それとも、王族に生まれたから仕方なくか?」
それは、ある意味でキシンとして生きてきたこいつの人生そのものを問うような質問だった。
なんで、お前はこんな生き方をしているのか?
すると、ミルコは実に単純なことを、あっけらかんと答えた。
「一刻も早く、戦争をエンドさせるためさ」
は? 戦争を終わらせるために戦う。
「戦争がエンドすれば、ミーは晴れてフリーダムとなる。そしてミーは、陰鬱で暗い戦争がエンドした荒廃な世界をロックで変える。パワフルでバイオレンスなソウルで、ダークな世界を終わらせ、新たなる時代を作り上げる! そして叫ぶのだ。Let's party! とな」
いや、全然意味分かんねーよ。
だが、ミルコは言葉を付け足すように続けた。
「But、他の種族もミーの国民も、戦争そのものをストップすることはできない。皆の悲しみや怒り、そして大義のマインドは、決してフォーゲットできないものだから。そう、勝敗が決しない限り、戦争はエンドしない。ドゥーユーアンダースタン? 国民や魔族が戦争をストップできないのなら、戦争を早く終わらせるために、ミーは戦うのだ」
ああ、そこで何となくわかった。
ミルコは早く戦争を終わらせたい。だが、戦争を中断させることは、国民も魔族も許さない。
なら、どうするか? 戦争を中断できないなら、戦争を早く終わらせるために戦う。
「あのアメリカとて、ヴェトナム戦争がエンドし、戦後のダークな雰囲気をエネルギッシュにするために、ロックの黄金時代が幕を開けた。そう、このワールドでは、ミーがそのパイオニアになるのだよ! この世に、ミーがロックの風を吹かせてみせるのだ!」
そして、戦争が終わった世界でこいつは叫ぶんだろう。新たなる時代の幕開けの歌を。
「ば、バカな! それなら、それなら分かり合うことはできないのですか? キシン! あなた自身が戦争に対する憂いがあるのなら、無理に両者で傷つけあうことはない!」
その時、キシンの本音を聞いたロアが立ち上がって、切な願いを叫んだ。
「そうよ、戦う必要なんてないわ、村田くん! あなたの歌は、戦争が終わった世界を変えるためではなく、反戦のため……今の世界を変えるために叫ぶことはできないの? 人間と魔族、種族の違いや消せない傷跡はあるかもしれない! でも、今のあなたは一人ではないわ! 私も、朝倉くんも、共に歩むことはきっとできるはずよ!」
そう思い、そう願うのも無理はない。
何故ならば、お互い単純な憎しみ合いで戦争しているわけでなく、少しでも早く戦争を終わらせるために戦争をしていると分かったからである。
勿論、実際に戦っている兵たちからすればたまったもんじゃねえかもしれねえ。
さっきも下で不幸合戦があったように、抑えきれない悲しみや憎しみの衝動から相手を死ぬほど憎んでいる奴らも居る。
だが少なくとも、互いの種族の代表者が歩み寄れば、変わるものだってあるはずだ。
それは、戦争で百かゼロかになるより、よっぽど良い話ではある。
「キーくん、そう言ってるけどどう思うん? 少なくとも、あなたとヴェルちゃんのやり取りを見る限り、あなたたちはただの知り合いとは別の繋がりがあるようでならないわん。ヴェルちゃんたちを信じてみることはできないん? 人類を滅ぼした後に、亜人と全面戦争。そしてその後に神族と戦うよりん、よっぽど割がいいと思わないん?」
ずっと黙っていたママンが改めて問いかける。
キシンは、そしてミルコはなんと答える?
「少しは驚いてくれたか? ミルコ」
気持ちの整理がつかなかった。
それは、こいつが俺にとって、これまで再会したクラスメートと比べて、若干関係性が違ったからだ。
「くくくく、ラブソングの混じったアニソンに近いロックを感じる。出会った頃は、パンクなロックだったのに、丸くなったか。なあ? リューマ」
「ノれねえライブが聞こえたもんでな。我慢できずにステージに上がっちまった」
ああ、なんだろう。世界のこととか、鬼と人間とか、亜人とか、何だかどうでも良くなってくる。
伝説を作るための戦いが、俺という余計な異物が混じったことで、作成が中断されちまった。
俺は今、ひょっとして歴史を分岐する場面に遭遇してんじゃねえのか?
そんな思いを心の片隅に置きながら、俺は旧友のもとへと歩み寄った。
「朝倉くん……」
すがるような目で俺を見上げる綾瀬。悔しいのか、悲しいのか?
「おい、綾瀬。お前、何で黙ってたんだ?」
「知らなかったのよ! だって、私は、魔王キシンとは今日初めて会ったんだから……でも、まさか……こんなことに」
そうだろうな。俺もそう思うよ。やけに気持ちが落ち着いているように見えるが、内心はゴチャゴチャだ。
「ヴェルト、どういうことですの! なぜ、なぜ、ヴェルトがここに!」
「ボク、これはどういうことですか?」
「いや、待て! そこに居るのは……ゼツキ! それに、な、なぜ、四獅天亜人のユーバメンシュが!?」
「ちょっと、何で? 何がどうなってるの!」
「なんなんだい、こいつは一体」
おお、世界を代表する勇者様たちが戸惑っているよ。
まあ、無理もねえ。突如現れた人間が、偉大な鬼将軍と四獅天亜人引き連れて現れて、魔王とこうして対話してんだからな。
「ヴェルト・ジーハさん。これは一体! あなたは何者なんですか! キシンとどんな繋がりが!? それに、ゼツキ将軍に、伝説のユーバメンシュまで!」
ロアが傷ついた体を起こして問いかけてきたことに、俺は湧き上がる笑みを抑えきれずに教えてやった。
「村田ミルコ。元・高校二年。クロアチア人の親父と日本人のおふくろを持ち、親父の仕事の関係で世界を転々。幼少の頃からその国の言葉を覚える前に引っ越してばっかりで、ようやく日本に腰を下ろしたときは言葉がゴッチャになっちまった、メンドクセー男だ」
俺は正直、クラスメートの詳しい前世の経歴のことはそれほど知らない。
鮫島も、宮本も、綾瀬も加賀美も備山もだ。
でも、こいつだけは知っていた。
「中坊でロックに目覚めて以来、高校もサボりまくって毎日毎日自由奔放。音楽やって、世間への鬱憤を下手くそな歌に乗せて叫んでいた。たまに俺らとツルんでムカつく奴らを蹴散らして、一時期は俺らと一緒に東日本最強チーム、『爆轟十字軍《ニトロクルセイダーズ》』でやんちゃしてたっけな」
イカしていた。
ハジけていた。
俺と同じ、街の中でも学校の中でもどうしようもないやつだった。
でも、こいつには、持ってるものがあった。
ステージの上で下手くそな歌をこれでもかと気持ちよく叫ぶこいつは、輝いていた。
「ッ、ヴェルト! まさか、まさかキシンは……あなたや、アルーシャと同じ境遇の方だと言うのですの?」
真っ先に気づいたフォルナに頷き、俺は複雑な思いでミルコと対面した。
ミルコは神妙な顔つきをしたかと思えば、僅かに微笑んだ。
「ふっ、ノスタルジーだな、リューマ。ミーはハイスクールにそれほどメモリーはない。だから綾瀬と再会しても、それほど思うところはナッシングだった。だが、ユーとこうして再会してみると……やはり懐かしいと感じずにはいられないものだな」
「よく言うぜ。途中からお前らも学校来るようになったじゃねえか」
「興味あったからな。ユーが、何故かハイスクールに通うようになりだし、エブリデイ楽しそうに見えたからな……ああ……そうだ……ニトロが解散し……『ヤマト総長《ヘッド》』があんなことになってから……」
「ヤマトさんか……懐かしいな……伝説の男……『筬島《おさじま》大和《やまと》』……」
こいつとは、中坊の頃からつるんでいた。
一緒にバカやって、くだらない時間をこれでもかと楽しく過ごしていた。
そうだ、綾瀬や加賀美たちが俺にとって「元・クラスメート」だとしたら、こいつは……
「とにかく、無事でなによりだ、マイフレンド」
「そうか……そうだな、お前もな」
こんな形になっちまったが、俺は素直に頷いた。
「リューマ。ユーはクールでワルでエキサイティングだった。ミーも、『十郎丸』もその姿に惹かれた。そんなユーが、一人の女にフォーリンラブとなり、学校に行き、牙の抜けたアニマルのように軟弱化したが、それでもミーたちには、エンジョイだった」
「テメエもな。昔は下手くそな歌に魂のせて、何だかテメエは自由を感じるロックンローラーだった。でも今は、この世の鬱憤を破壊するかのような暴力性しか感じねえ」
「戦争中だ。ワールドが求めるものが違う。今は、To be or not to be, that is the question。そんな悲しいワールドだ」
「そういやお前……見た目そんなでも、実際はジジイみたいだな……」
「長命種とやらだ……鬼としてはまだまだヤング……バット、ヒューマンではオールドマン……セブンティーンではなく、セブンティーだ」
「なげえな……七十年」
宮本を思い出させた。ただ、唯一の違いは、宮本は人間と亜人の狭間で揺れ動き、苦悩の末に覚悟を決めた。
だが、ミルコにはそれがない。人間だったことへの未練も、苦悩も感じさせない。
そして、戦争に対する感覚が、ロアやフォルナ、そしてゼツキとも違う気がした。
「世界の流れに身を流されるのが嫌いで、反発して、自由への歌を歌っていたお前が、どうして今は流されてんだ? 人間に何か恨みでもあんのか? それとも、王族に生まれたから仕方なくか?」
それは、ある意味でキシンとして生きてきたこいつの人生そのものを問うような質問だった。
なんで、お前はこんな生き方をしているのか?
すると、ミルコは実に単純なことを、あっけらかんと答えた。
「一刻も早く、戦争をエンドさせるためさ」
は? 戦争を終わらせるために戦う。
「戦争がエンドすれば、ミーは晴れてフリーダムとなる。そしてミーは、陰鬱で暗い戦争がエンドした荒廃な世界をロックで変える。パワフルでバイオレンスなソウルで、ダークな世界を終わらせ、新たなる時代を作り上げる! そして叫ぶのだ。Let's party! とな」
いや、全然意味分かんねーよ。
だが、ミルコは言葉を付け足すように続けた。
「But、他の種族もミーの国民も、戦争そのものをストップすることはできない。皆の悲しみや怒り、そして大義のマインドは、決してフォーゲットできないものだから。そう、勝敗が決しない限り、戦争はエンドしない。ドゥーユーアンダースタン? 国民や魔族が戦争をストップできないのなら、戦争を早く終わらせるために、ミーは戦うのだ」
ああ、そこで何となくわかった。
ミルコは早く戦争を終わらせたい。だが、戦争を中断させることは、国民も魔族も許さない。
なら、どうするか? 戦争を中断できないなら、戦争を早く終わらせるために戦う。
「あのアメリカとて、ヴェトナム戦争がエンドし、戦後のダークな雰囲気をエネルギッシュにするために、ロックの黄金時代が幕を開けた。そう、このワールドでは、ミーがそのパイオニアになるのだよ! この世に、ミーがロックの風を吹かせてみせるのだ!」
そして、戦争が終わった世界でこいつは叫ぶんだろう。新たなる時代の幕開けの歌を。
「ば、バカな! それなら、それなら分かり合うことはできないのですか? キシン! あなた自身が戦争に対する憂いがあるのなら、無理に両者で傷つけあうことはない!」
その時、キシンの本音を聞いたロアが立ち上がって、切な願いを叫んだ。
「そうよ、戦う必要なんてないわ、村田くん! あなたの歌は、戦争が終わった世界を変えるためではなく、反戦のため……今の世界を変えるために叫ぶことはできないの? 人間と魔族、種族の違いや消せない傷跡はあるかもしれない! でも、今のあなたは一人ではないわ! 私も、朝倉くんも、共に歩むことはきっとできるはずよ!」
そう思い、そう願うのも無理はない。
何故ならば、お互い単純な憎しみ合いで戦争しているわけでなく、少しでも早く戦争を終わらせるために戦争をしていると分かったからである。
勿論、実際に戦っている兵たちからすればたまったもんじゃねえかもしれねえ。
さっきも下で不幸合戦があったように、抑えきれない悲しみや憎しみの衝動から相手を死ぬほど憎んでいる奴らも居る。
だが少なくとも、互いの種族の代表者が歩み寄れば、変わるものだってあるはずだ。
それは、戦争で百かゼロかになるより、よっぽど良い話ではある。
「キーくん、そう言ってるけどどう思うん? 少なくとも、あなたとヴェルちゃんのやり取りを見る限り、あなたたちはただの知り合いとは別の繋がりがあるようでならないわん。ヴェルちゃんたちを信じてみることはできないん? 人類を滅ぼした後に、亜人と全面戦争。そしてその後に神族と戦うよりん、よっぽど割がいいと思わないん?」
ずっと黙っていたママンが改めて問いかける。
キシンは、そしてミルコはなんと答える?
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