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第二章
第54話 変な夢【過去回想】♥♥♥
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俺たちは三人並んで寝ていた。
十歳のころはしばらく、ウラは俺と一緒に寝ていた。
国、家族、仲間、全てを失い、人間の世界で暮らさなくてはいけくなかったウラの心細さを考えると、それは仕方ないということで、先生も了承していた。
だが、少しずつ落ち着きだし、ウラも自分の部屋を用意されるようになってからはそれはなくなった。
朝、気づいたら布団の中に忍び込んでキスをしてくるというマセガキぶりはたまにあったけどな。
いや、たまにじゃない。やっぱ、よくあった。
そしてそんな中、
『兄ちゃんと姉ちゃんと一緒に寝るッ!』
と、可愛い妹にせがまれては迷うこともなく、俺もウラも一秒もしないうちに了承した。
そして今日は俺とウラの間にハナビを挟み、三人で仲良く川の字になって寝ている。
先生とカミさんの部屋で、二人のベッドをくっつければ、三人ぐらい余裕で寝れた。
そして、俺も特になにも意識せずに爆睡していたのだが、何だか変な夢を見た。
「ハナビは寝てるな……ヴェルト……起きているか? ヴェルト?」
俺の見ていた夢は実に奇妙だった。
「は~、安心したように熟睡して。少しは私みたいに緊張とかすればいいのに、バカヴェルト……久しぶりに、こんなに近くで寝れるのに……ふん、ヴェルトが悪いんだからなッ!」
巨大なスライムに襲われる夢だった。
「いつもはあんなにイジワルで目つきも悪いのに……可愛い寝顔だな……唇も、ぷにぷにしてて柔らかい、いつまでも触っていたい……イジワルヴェルトのバーカ……バーカ……うぅ……大好き……日に日に気持ちが大きくなる」
これは夢なんだと自覚しているものの、五感に感じるものはやけにリアルだった。そのためか、俺はこの唐突な夢が夢だと途中から認識できなくなった。
夢の前後関係は分からない。
ただ、俺は今、巨大スライムと戦うことになった。
「まだ、寝ているな……よしっ……ハナビの寝ているところで、こんなことするのは……でも、もう、我慢できない……」
まず、スライムが粘液を顔に飛ばしてきた。
「ちょっと、するぐらいなら……よしっ……ん、チュッ」
顔にこびりついた粘液は拭こうとしても余計に口の周りに重点的にベタベタ絡みついてきた。
「ふう、ん、はむ、れろっ、あん、んちゅう、ぴちゅ、ん、ヴェルト……ん、舌……おいしい……好き、ん、ちゅ、れろ、んぶっ」
さらに、その粘液は喉の奥まで侵入し、呼吸困難になり意識が遠のきそうになった。
しかし、俺も反撃しようにも、手足が動かない。
「ふう、だめだ……私はやっぱり変だ……こんなにいっぱいキスしたのに……全然満足できない……胸が余計に熱くなる……でも、皆が言うには全然おかしくないって……でも、いやらしすぎる……わかってるのに、……ん、ちゅううっ、ずずずず、あむ、ん、ちゅううっ……ぷはっ……止まらない……」
俺はこのまま死んでしまうのか? しかし、そう思ったとき、スライムの粘液攻撃が止まった。
「あっ……あれ?」
しかし、それはスライムが攻撃方法と攻撃箇所を変えたからに過ぎない。
俺は逃げようとしたのだが、回り込まれ、スライムが再び飛びかかってきた。
「ッ、こ、これは、ヴェルトの……オチンチン……お風呂で見た時と同じ……ううん、もっと大きくなってる……これは、寝ている時でも、ぼっ、ぼ……勃起してくれるんだな」
なんと、スライムには巨大な口がついていた。
その口が、大きく開いて俺を飲み込もうとする。
「ごくっ……た、確か……ここから……子を授かると……ごくり。で、でもいいのかな? ッ、こんな、フォルナやヴェルトの気持ちを無視して、寝込みを襲うなど……でも……みんなもこれすればヴェルトも喜ぶとかメロメロと……私は本当にヴェルトの……」
飛びかかってきたスライム。俺はなんとか回避。
だが、距離を取ろうとした瞬間、スライムが今度は触手のようなものをだし、俺に向かって伸ばしてきた。
触手は俺の下腹部に絡みつき、擦れる感触が変だった。
「……ちょ、ちょっと触るだけなら……」
「うぐっ!」
「うわっ! あっ……危ない、起きたかと思った……ヴェルトのが急に苦しそうに……でも、ここは凄く熱く……暴れている……大丈夫なのか? 苦しそうだが、これは何かしないとまずいのでは? ……と、とにかく、脱がせて確かめないと!」
そして、触手が絡みついた瞬間、更に異変が起こった。
それは触手から放たれる妙な力が、俺の服をビリビリに破いたからだ。
「つおっ! こ、これは……ごくり……なんと逞しい……十歳の時に一緒にお風呂入った時はもっと可愛かったのに……ビンビンで……今にも爆発しそうではないか!」
服が破かれたことによって、途端に凍えるような寒さが俺の身に襲いかかった。
だが、スライムの攻撃はそれだけでは終わらない。
急に、温かく柔らかい息吹が俺に吹き……
「はあ、はあ、はあ、ふう、ふう、ふう……ど、どうすれば……あっ、なんか匂いが……なんだろう、ツンとくるけど……クセになりそうだ……ッ、いつまでも、クンクン……嗅いでいたい」
そして、俺を引き寄せて、その巨大な口を大きく開き……
「ごくり………ッ、ヴェルト、ごめんッ!」
そして俺はスライムに下半身を丸ごと食われた。
「んぐっ!」
「んんっむ! む、あむ、こほっ! い、今、すごい暴れて…………まだ、起きてないよな? …………なんだろう、今、口の中に含んだ瞬間……すごく幸せな気持ちに……今のが、おフェラ……恋人や夫にする作法……もう一回ッ! んむ、あむ、れろ、あ、んちゅ、おいひ、あぶ、れろ、らめ、ほまらない、舌がざらっとして、でもヌルッとなって、ん、あむじゅう!」
服を破られ露出した下半身がスライムに飲み込まれた。
だが、スライムは歯がない。ゆえに、俺を噛まずに、ただ口の中で甘噛みしながら、ベチャベチャのグチョグチョにされるだけ。
「あっ、オチンチンの先端からぬるぬるって透明な汁が……こ、これは私の唾ではない……おしっこでもない……たしか、エッチな時に分泌される……カ、カウパーというものだったな……生臭い……でも、クセになる♥ あむじゅぶ、じゅぶる♥ んご♥」
身じろぎしようとも、スライムは俺を解放しない。
俺を噛めないことにイラついたのか、スライムのやろう、今度は俺を勢いよく吸い込もうとしてくる。
飲み込まれそうで、でも飲み込まれない。でも吸い込まれる力が、何故か俺の全身の力を抜き取っているようにも感じた。
くそ、どうなってんだよ、本当に。
「ぷはっ……す、すごい……ビクンビクンしてるしもっと大きく、固く、太く……横笛を吹くみたいにしたらどうなるかな?」
「はぐぉつ!」
「ッ、ダメだ、こんな手加減したやり方では、ヴェルトが余計に苦しむだけ……そ、そうだ! なら、歯磨きするみたいにすれば!」
「ずおっあ!」
「んにゅ、ごしゅごしゅ、こ、ほれが、あの二人が言っていた、ん、じゅる、はむ、んじゅううう!」
ダメだ! スライムの吸引力が凄すぎる。まるで、魂が抜け出しそうなほど。でも止まらねえ。
まるで、自分の体からもう一人の自分が肉体から切り離されて幽体離脱してしまいそうな感覚だ。
それでいて、蕩けそうな世界が見える!
「ちゅむううっ、はぷ、あむ、じゅるううっ!」
だ、ダメだ! 魂が吸い取られるっ!
「ん、んむうううううううううううううううううううううっ!」
「おがはっ!」
全身がビクンと痙攣して、俺はそこで絶命した………俺は、何でこんなことに? 神乃を探し、この世界で生きると決めたのに、たかがスライムごときに殺されるのか?
「ん~……ねーちゃん……」
「ッ!!?? ン、ゴクン……は、はなび?」
「んにゅ~……ねーちゃん……にーちゃん……すき……しゅぴィ~♪」
「ぷはっ、……はあ、はあ、はあ、寝言か……心臓が止まるかと思っ……ぐっ、ごほ、ごほっ! お、思わず飲んでしまった……んぐ、の、喉で絡みついて、ごほっ! ごほっ! ……く、すごい勢いであんなに出るんだから……ッ、口の中もベタベタだ……」
ダメだ。真っ暗な世界。意識だけの世界。俺はもうここまでか…………
「~~~~、えへへ、でも、これで……ヴェルトの赤ちゃんが……ッ、うわっ、ちょ、どうなってるんだ? わ、私は、ま、まるでお漏らししたみたいに、グショグショになって……うわっ、今日買ったばかりの下着が……ッ、こんな状態で寝れるはずが……急いで風呂で洗わないと! っと、ヴェルトのズボンを元に戻しておかないと」
いや、暗闇の世界で漂っていると、何か光の穴のようなものが見えてきた。
あの向こうに何があるんだ? だが、今は飛び込むしか…………
「あれ……? ここは……先生の部屋?」
「ん~~~にゅ~~」
「うおっ! は、ハナビ?」
ああ、そういうことか。思わずビビっちまったが、返って安心した。
「くは~~~、夢か~、あ~、ビックリした~」
思わず、スライムに殺されたかと本気で思っちまったぜ。
あ~、良かった。
「そうか、ウラとハナビと一緒に寝てて……は~、変な夢見た……」
だがその時、俺は二つの異変に気づいた。
「あれ? ウラがいねえ? 便所か? うおっ! な、なんだ! ベッドにでけえシミが…………」
ウラがいない。いや、それよりも、なんだ? 俺の下半身と同じ位置のベッドのシーツが、グッショリと…………
「まさか……えっ?」
ちょっと待て、俺、十三歳。精神年齢は高校生以上だぞ? それが、え? まさか、お、お、お、お漏らし…………
「ッ! やべ、ズボンも、ぱ、パンツ濡れて……」
マジで漏らしたか?
やべえっ! ちょ、ハナビが隣で寝てるのに、俺はなんつうことを!
「とにかく、誤魔化さねえと! こんなのバレたら先生にブチ殺されるっ!」
落ち着け、冷静になれ。
とにかく、幸か不幸か、ハナビは夢の中。ウラは、便所か? よくわからねえけど、誤魔化すんだ。
「そうだ、まずは、風呂行ってこのパンツとズボン洗わねえと」
ハナビを起こさないように、そして廊下の気配を最大限に警戒して俺は急いで洗面所に。
っていうか、ウラは? ん、アレ?
「風呂場に明かりが……」
えっ? ひょっとして、ウラのやつ、風呂に入ってるのか?
寝汗でもかいたのか?
「ん♡ ヴェルト~♡」
はっ? えっ、まさか気配で気づかれた?
にしても、なんだ? 今のウラの声、随分と熱っぽいような……
「ヴェルト、ん、好き、ん、んん、ダメ、こんなの、でも、止まらない……んんっ!」
…………………………………………?
風呂場の扉が僅かにあいていた。名前を呼ばれたので、思わず中を覗いてしまった。
するとそこには、股間の部分が大きくシミができた、水色のヒモパンが無造作に投げ捨てられ、風呂の椅子に座りながら両足を開いたウラが、顔を紅潮させ、息を荒くしながら唇を噛み締め、しかしそれでも荒くした息を吐き出しながら、細く白い指を自分の下腹部に…………
「どうして? ん、だめ、あんなにさっき…………でも、ココが止まらない…………変なツユが、出てきて…………ん、ヴェルトのことしか考えられない!」
胸は僅かに膨らみかけ、どこかしこりがありそうで硬さも見られるも、ツンと貼った桃色の二つの点。
空手で繰り出す蹴りは強力無比で、もっと大きいかと思ったが、細く引き締まっている。
まだまだ発展途上の体だが、その白い肌は透き通り、吸い付きたくなるように潤って見える。
指でまさぐられている部分は、茂みのないピンク色のワレ目。
「だめ、手が、と、とまらな、ん、だ、ダメなのにッ! んっ、もう、もっと強く、ヴェルト……ッ!」
プルプル震えるゼリーのような唇から漏れる吐息はやがて激しくなる。
「はあ、はあ、はあ、ヴェルト、ヴェルト、ヴェルトッ! いぐ、らめ、んん、いきたい、、だめ、いきたくない、ん、いきたい! らめ、らめえ、んっ、んんんんんんんっ!」
そして、全身を一瞬硬直させたウラは飛び跳ねるように体の背筋を延ばし、しかしその数秒後には痙攣したように肩をを激しく上下させた。
「がっ、はっ、………ふっ……はっ、はあ、はあ、はあ……」
俺が『偶然』夢精した日に見てしまった衝撃の光景。
ある意味で、成長すれば、男だろうと女だろうが必要な儀式のようなものであって、それをたまたま目の当たりにしたからといって、俺がウラに対する家族の想いが変わるわけでもない。
だが、ずっと娘のような妹のようなマセガキだと思っていた子が、いつのまにか成長し、女の顔を見せたことが、寂しいような複雑なような、そして俺のことを想って行為に及んでいたことに、僅かながら鮫島と先生に申し訳ないと思ってしまった。
とにもかくにも、このことは見なかったことにして、明日からまた普通に接しなければ。
そう心に誓って、俺は濡れたパンツを洗えないまま、そのまま寝室に戻って朝を迎えた。
そして、ベッドのシミは朝には乾いていた。良かった
十歳のころはしばらく、ウラは俺と一緒に寝ていた。
国、家族、仲間、全てを失い、人間の世界で暮らさなくてはいけくなかったウラの心細さを考えると、それは仕方ないということで、先生も了承していた。
だが、少しずつ落ち着きだし、ウラも自分の部屋を用意されるようになってからはそれはなくなった。
朝、気づいたら布団の中に忍び込んでキスをしてくるというマセガキぶりはたまにあったけどな。
いや、たまにじゃない。やっぱ、よくあった。
そしてそんな中、
『兄ちゃんと姉ちゃんと一緒に寝るッ!』
と、可愛い妹にせがまれては迷うこともなく、俺もウラも一秒もしないうちに了承した。
そして今日は俺とウラの間にハナビを挟み、三人で仲良く川の字になって寝ている。
先生とカミさんの部屋で、二人のベッドをくっつければ、三人ぐらい余裕で寝れた。
そして、俺も特になにも意識せずに爆睡していたのだが、何だか変な夢を見た。
「ハナビは寝てるな……ヴェルト……起きているか? ヴェルト?」
俺の見ていた夢は実に奇妙だった。
「は~、安心したように熟睡して。少しは私みたいに緊張とかすればいいのに、バカヴェルト……久しぶりに、こんなに近くで寝れるのに……ふん、ヴェルトが悪いんだからなッ!」
巨大なスライムに襲われる夢だった。
「いつもはあんなにイジワルで目つきも悪いのに……可愛い寝顔だな……唇も、ぷにぷにしてて柔らかい、いつまでも触っていたい……イジワルヴェルトのバーカ……バーカ……うぅ……大好き……日に日に気持ちが大きくなる」
これは夢なんだと自覚しているものの、五感に感じるものはやけにリアルだった。そのためか、俺はこの唐突な夢が夢だと途中から認識できなくなった。
夢の前後関係は分からない。
ただ、俺は今、巨大スライムと戦うことになった。
「まだ、寝ているな……よしっ……ハナビの寝ているところで、こんなことするのは……でも、もう、我慢できない……」
まず、スライムが粘液を顔に飛ばしてきた。
「ちょっと、するぐらいなら……よしっ……ん、チュッ」
顔にこびりついた粘液は拭こうとしても余計に口の周りに重点的にベタベタ絡みついてきた。
「ふう、ん、はむ、れろっ、あん、んちゅう、ぴちゅ、ん、ヴェルト……ん、舌……おいしい……好き、ん、ちゅ、れろ、んぶっ」
さらに、その粘液は喉の奥まで侵入し、呼吸困難になり意識が遠のきそうになった。
しかし、俺も反撃しようにも、手足が動かない。
「ふう、だめだ……私はやっぱり変だ……こんなにいっぱいキスしたのに……全然満足できない……胸が余計に熱くなる……でも、皆が言うには全然おかしくないって……でも、いやらしすぎる……わかってるのに、……ん、ちゅううっ、ずずずず、あむ、ん、ちゅううっ……ぷはっ……止まらない……」
俺はこのまま死んでしまうのか? しかし、そう思ったとき、スライムの粘液攻撃が止まった。
「あっ……あれ?」
しかし、それはスライムが攻撃方法と攻撃箇所を変えたからに過ぎない。
俺は逃げようとしたのだが、回り込まれ、スライムが再び飛びかかってきた。
「ッ、こ、これは、ヴェルトの……オチンチン……お風呂で見た時と同じ……ううん、もっと大きくなってる……これは、寝ている時でも、ぼっ、ぼ……勃起してくれるんだな」
なんと、スライムには巨大な口がついていた。
その口が、大きく開いて俺を飲み込もうとする。
「ごくっ……た、確か……ここから……子を授かると……ごくり。で、でもいいのかな? ッ、こんな、フォルナやヴェルトの気持ちを無視して、寝込みを襲うなど……でも……みんなもこれすればヴェルトも喜ぶとかメロメロと……私は本当にヴェルトの……」
飛びかかってきたスライム。俺はなんとか回避。
だが、距離を取ろうとした瞬間、スライムが今度は触手のようなものをだし、俺に向かって伸ばしてきた。
触手は俺の下腹部に絡みつき、擦れる感触が変だった。
「……ちょ、ちょっと触るだけなら……」
「うぐっ!」
「うわっ! あっ……危ない、起きたかと思った……ヴェルトのが急に苦しそうに……でも、ここは凄く熱く……暴れている……大丈夫なのか? 苦しそうだが、これは何かしないとまずいのでは? ……と、とにかく、脱がせて確かめないと!」
そして、触手が絡みついた瞬間、更に異変が起こった。
それは触手から放たれる妙な力が、俺の服をビリビリに破いたからだ。
「つおっ! こ、これは……ごくり……なんと逞しい……十歳の時に一緒にお風呂入った時はもっと可愛かったのに……ビンビンで……今にも爆発しそうではないか!」
服が破かれたことによって、途端に凍えるような寒さが俺の身に襲いかかった。
だが、スライムの攻撃はそれだけでは終わらない。
急に、温かく柔らかい息吹が俺に吹き……
「はあ、はあ、はあ、ふう、ふう、ふう……ど、どうすれば……あっ、なんか匂いが……なんだろう、ツンとくるけど……クセになりそうだ……ッ、いつまでも、クンクン……嗅いでいたい」
そして、俺を引き寄せて、その巨大な口を大きく開き……
「ごくり………ッ、ヴェルト、ごめんッ!」
そして俺はスライムに下半身を丸ごと食われた。
「んぐっ!」
「んんっむ! む、あむ、こほっ! い、今、すごい暴れて…………まだ、起きてないよな? …………なんだろう、今、口の中に含んだ瞬間……すごく幸せな気持ちに……今のが、おフェラ……恋人や夫にする作法……もう一回ッ! んむ、あむ、れろ、あ、んちゅ、おいひ、あぶ、れろ、らめ、ほまらない、舌がざらっとして、でもヌルッとなって、ん、あむじゅう!」
服を破られ露出した下半身がスライムに飲み込まれた。
だが、スライムは歯がない。ゆえに、俺を噛まずに、ただ口の中で甘噛みしながら、ベチャベチャのグチョグチョにされるだけ。
「あっ、オチンチンの先端からぬるぬるって透明な汁が……こ、これは私の唾ではない……おしっこでもない……たしか、エッチな時に分泌される……カ、カウパーというものだったな……生臭い……でも、クセになる♥ あむじゅぶ、じゅぶる♥ んご♥」
身じろぎしようとも、スライムは俺を解放しない。
俺を噛めないことにイラついたのか、スライムのやろう、今度は俺を勢いよく吸い込もうとしてくる。
飲み込まれそうで、でも飲み込まれない。でも吸い込まれる力が、何故か俺の全身の力を抜き取っているようにも感じた。
くそ、どうなってんだよ、本当に。
「ぷはっ……す、すごい……ビクンビクンしてるしもっと大きく、固く、太く……横笛を吹くみたいにしたらどうなるかな?」
「はぐぉつ!」
「ッ、ダメだ、こんな手加減したやり方では、ヴェルトが余計に苦しむだけ……そ、そうだ! なら、歯磨きするみたいにすれば!」
「ずおっあ!」
「んにゅ、ごしゅごしゅ、こ、ほれが、あの二人が言っていた、ん、じゅる、はむ、んじゅううう!」
ダメだ! スライムの吸引力が凄すぎる。まるで、魂が抜け出しそうなほど。でも止まらねえ。
まるで、自分の体からもう一人の自分が肉体から切り離されて幽体離脱してしまいそうな感覚だ。
それでいて、蕩けそうな世界が見える!
「ちゅむううっ、はぷ、あむ、じゅるううっ!」
だ、ダメだ! 魂が吸い取られるっ!
「ん、んむうううううううううううううううううううううっ!」
「おがはっ!」
全身がビクンと痙攣して、俺はそこで絶命した………俺は、何でこんなことに? 神乃を探し、この世界で生きると決めたのに、たかがスライムごときに殺されるのか?
「ん~……ねーちゃん……」
「ッ!!?? ン、ゴクン……は、はなび?」
「んにゅ~……ねーちゃん……にーちゃん……すき……しゅぴィ~♪」
「ぷはっ、……はあ、はあ、はあ、寝言か……心臓が止まるかと思っ……ぐっ、ごほ、ごほっ! お、思わず飲んでしまった……んぐ、の、喉で絡みついて、ごほっ! ごほっ! ……く、すごい勢いであんなに出るんだから……ッ、口の中もベタベタだ……」
ダメだ。真っ暗な世界。意識だけの世界。俺はもうここまでか…………
「~~~~、えへへ、でも、これで……ヴェルトの赤ちゃんが……ッ、うわっ、ちょ、どうなってるんだ? わ、私は、ま、まるでお漏らししたみたいに、グショグショになって……うわっ、今日買ったばかりの下着が……ッ、こんな状態で寝れるはずが……急いで風呂で洗わないと! っと、ヴェルトのズボンを元に戻しておかないと」
いや、暗闇の世界で漂っていると、何か光の穴のようなものが見えてきた。
あの向こうに何があるんだ? だが、今は飛び込むしか…………
「あれ……? ここは……先生の部屋?」
「ん~~~にゅ~~」
「うおっ! は、ハナビ?」
ああ、そういうことか。思わずビビっちまったが、返って安心した。
「くは~~~、夢か~、あ~、ビックリした~」
思わず、スライムに殺されたかと本気で思っちまったぜ。
あ~、良かった。
「そうか、ウラとハナビと一緒に寝てて……は~、変な夢見た……」
だがその時、俺は二つの異変に気づいた。
「あれ? ウラがいねえ? 便所か? うおっ! な、なんだ! ベッドにでけえシミが…………」
ウラがいない。いや、それよりも、なんだ? 俺の下半身と同じ位置のベッドのシーツが、グッショリと…………
「まさか……えっ?」
ちょっと待て、俺、十三歳。精神年齢は高校生以上だぞ? それが、え? まさか、お、お、お、お漏らし…………
「ッ! やべ、ズボンも、ぱ、パンツ濡れて……」
マジで漏らしたか?
やべえっ! ちょ、ハナビが隣で寝てるのに、俺はなんつうことを!
「とにかく、誤魔化さねえと! こんなのバレたら先生にブチ殺されるっ!」
落ち着け、冷静になれ。
とにかく、幸か不幸か、ハナビは夢の中。ウラは、便所か? よくわからねえけど、誤魔化すんだ。
「そうだ、まずは、風呂行ってこのパンツとズボン洗わねえと」
ハナビを起こさないように、そして廊下の気配を最大限に警戒して俺は急いで洗面所に。
っていうか、ウラは? ん、アレ?
「風呂場に明かりが……」
えっ? ひょっとして、ウラのやつ、風呂に入ってるのか?
寝汗でもかいたのか?
「ん♡ ヴェルト~♡」
はっ? えっ、まさか気配で気づかれた?
にしても、なんだ? 今のウラの声、随分と熱っぽいような……
「ヴェルト、ん、好き、ん、んん、ダメ、こんなの、でも、止まらない……んんっ!」
…………………………………………?
風呂場の扉が僅かにあいていた。名前を呼ばれたので、思わず中を覗いてしまった。
するとそこには、股間の部分が大きくシミができた、水色のヒモパンが無造作に投げ捨てられ、風呂の椅子に座りながら両足を開いたウラが、顔を紅潮させ、息を荒くしながら唇を噛み締め、しかしそれでも荒くした息を吐き出しながら、細く白い指を自分の下腹部に…………
「どうして? ん、だめ、あんなにさっき…………でも、ココが止まらない…………変なツユが、出てきて…………ん、ヴェルトのことしか考えられない!」
胸は僅かに膨らみかけ、どこかしこりがありそうで硬さも見られるも、ツンと貼った桃色の二つの点。
空手で繰り出す蹴りは強力無比で、もっと大きいかと思ったが、細く引き締まっている。
まだまだ発展途上の体だが、その白い肌は透き通り、吸い付きたくなるように潤って見える。
指でまさぐられている部分は、茂みのないピンク色のワレ目。
「だめ、手が、と、とまらな、ん、だ、ダメなのにッ! んっ、もう、もっと強く、ヴェルト……ッ!」
プルプル震えるゼリーのような唇から漏れる吐息はやがて激しくなる。
「はあ、はあ、はあ、ヴェルト、ヴェルト、ヴェルトッ! いぐ、らめ、んん、いきたい、、だめ、いきたくない、ん、いきたい! らめ、らめえ、んっ、んんんんんんんっ!」
そして、全身を一瞬硬直させたウラは飛び跳ねるように体の背筋を延ばし、しかしその数秒後には痙攣したように肩をを激しく上下させた。
「がっ、はっ、………ふっ……はっ、はあ、はあ、はあ……」
俺が『偶然』夢精した日に見てしまった衝撃の光景。
ある意味で、成長すれば、男だろうと女だろうが必要な儀式のようなものであって、それをたまたま目の当たりにしたからといって、俺がウラに対する家族の想いが変わるわけでもない。
だが、ずっと娘のような妹のようなマセガキだと思っていた子が、いつのまにか成長し、女の顔を見せたことが、寂しいような複雑なような、そして俺のことを想って行為に及んでいたことに、僅かながら鮫島と先生に申し訳ないと思ってしまった。
とにもかくにも、このことは見なかったことにして、明日からまた普通に接しなければ。
そう心に誓って、俺は濡れたパンツを洗えないまま、そのまま寝室に戻って朝を迎えた。
そして、ベッドのシミは朝には乾いていた。良かった
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