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第二章
第51話 赤ちゃんの作り方【過去回想】
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「あぅ……あ……きゃぉ!」
ベビーベッドで寝るハナビ。
俺とウラが指を伸ばした瞬間、「に~」っと笑って俺たちの指を掴んだ。
「あ、ぁぁ……」
「あ……はは……ちっちぇーな……」
ウラは幸せそうに微笑み、同時に感極まったのか瞳が潤んでいる。
俺もその気持ちがわかる。
「うふふふ、ハナビも分かっているのね……お兄ちゃんとお姉ちゃんのことを」
「ああ。そうだぜ、二人とも。今日からお前らは、ハナビの兄ちゃんと姉ちゃんなんだからよ!」
そう言って、先生とカミさんも嬉しそうに俺たちの肩に手を置いた。
「お、お姉ちゃん……私が……私の妹……私の家族……家族!」
その言葉を聞いてウラは余計に涙が溢れた。
両親も、共に戦った仲間も皆失ってしまったウラにとって、新たな家族ができたのだから。
「ほら、ウラちゃん、抱っこしてあげて」
「は、はい、あ、……あわ……ちっちゃい……でも、重い……重たい……」
ウラがその小さな体で、自分よりも小さなものを両手でしっかりと抱きかかえる。
絶対に落とさないように、そして絶対に傷つけないように優しく。
「ばぁ、ん、にィ、あぅ、ああ」
「あぁ、この子、笑ってる……私を見て……あぁ、私の妹! ハナビ! ハナビ!」
抱っこして、また微笑まれる。
「私の妹だ! 私の家族だ! 私の! 私の! ……私がお姉ちゃんだ!」
「きゃおぉ!」
その瞬間、ウラはもう我慢できなくなってハナビに頬ずり。ほっぺにキス。また頬ずり。
その気持ちは俺も分かる。俺だって思わず微笑んじゃう。
「……なぁ、ウラ……俺にも触らせて」
「むっ、ちょっと待て、ヴェルト! お前は乱暴だからそっとだぞ? いや、手を洗ったか? 油まみれの手で私の妹に触っちゃだめだぞ?」
「俺の妹でもあるんだけど!」
目の中に入れても痛くない……まさに、これがそうなんだと俺も実感したからだ。
俺たちの家にハナビが生まれたというのは、本当に大きな変化となった。
ウラも今まで心の中でどこか自分のことを「居候」という認識をしていたのか、どこか遠慮があった。しかし、ハナビが生まれて自分がお姉ちゃんになったのだと実感した瞬間、俺たちは本当の家族になれたんだと思う。
「お待たせしました、ご注文承ります。え? 天使? うむ、私の背中にいるこの子は天使で名はハナビだ! 人類大陸赤ちゃんコンテストに出しても優勝するだろう!」
特にウラはベッタリだった。出産直後のカミさんの負担を少しでも減らす……という建前で、四六時中ハナビを背負って働いていた。
そして、店に来た客たちに必ず自慢して見せびらかしていたな。
ま、その気持ちも分かる。だってハナビは超かわいいし。
「ウラちゃん、ヴェルトくん、二人でお買い物? えらいわね~」
「むっ、違うぞ! 三人だぞ! ほら!」
「あら~、ハナビちゃんじゃない。こんにちは! うふ、かわい~」
「ふふーん。そうだろそうだろ。ハナビはかわいいんだぞ! あっ、あんまり私のハナビをジロジロ見るな」
「え~、いいじゃない。もっとよく見せて~」
「む~、仕方ないな。うん、仕方ない。だってハナビはかわいいからな。うんうん、どうしても見たいか! そこまで言うなら仕方ない! ほらぁ!」
街に出ればドヤ顔でハナビを見せびらかすように歩いて、もう完全に有頂天。
まぁ、その気持ちは分かるけどな。だって、ハナビは超絶かわいいし。
「う~、あぅ、うう~」
「むっ、どうした、ハナビ? あっ、お腹が空いたのか? いや、……うん、おむつだな。待ってろ、取り替えてやる」
「きゃうぅ」
「ほら、ジッとしていろ。ヴェルトもこれを持ってくれ」
そして、幸せであると同時に俺とウラにも芽生えた変化。
それはちゃんとお兄ちゃん、お姉ちゃんであるように努めようという意識の芽生え。
まぁ、俺は一緒に遊んでやるぐらいで、世話はほとんどウラが独り占めしていたんだがな。
「へぇ、ウラちゃん手馴れてるな!」
「うん、すっかりもうお姉ちゃんだな」
「ララーナさんも大助かりだな」
「しかも、あのヴェルトまで赤ちゃんの世話をしたりしてるし」
「ああ。ちょっと見ない間に、二人とも逞しくなったじゃないか」
それは、これまでただの「可哀想な小さな女の子」としてウラを見ていた街の人たちも、見直すほどの変化だった。
そして同時に……
「それに、今でこれなら、ウラちゃんも将来赤ちゃん産んだ時はもう大丈夫ね♪」
「……え?」
それは、街の人たちが冗談交じりで言ったただの何気ない誉め言葉。
笑って流すような言葉。
しかしウラは……
「赤ちゃん……赤ちゃん……」
そうではなかった。
「ウラちゃん、どうしたの? ぼーっとして」
「ああ。買い物行ってから様子が少し変だな。ヴェルト、なんかしたか?」
「いやいや、何もしてねーよ」
家に帰って、そんなウラの様子をカミさんも先生もすぐに察知した。
そして、ハナビを抱っこしながらウラはまだ客がいる店内で……
「ララーナさん」
「なーに?」
「赤ちゃんってどうやって作るんだ?」
「……ふぇ?」
「ララーナさんとメルマさんは赤ちゃん作ってハナビが生まれた。私も将来ヴェルトの赤ちゃん欲しい。どうすればいいんだ?」
その瞬間、店にいた客全員がラーメン噴いた。
「「「「「ぶぼふううううううう!!!!」」」」」
それは、子供がいる家庭なら誰もが必ず通る道なんだと思う。
純真無垢な顔をして、人前でそれを聞くウラ。
カミさんは微笑み顔で固まってしまっている。
「……先生……今こそ先生の前世の教師としての経験を活かして……保健体育を」
「馬鹿野郎……この年齢は担当外だ……」
「いや、でもこうしてハナビも生まれたわけだし、どっちにしろいずれこういう儀式が……」
「……わ、分かってる……しかしだな」
俺と先生はこの状況に対して目で語り合う。
しかし、ウラはこっちの事情など分かるはずもなく、キョトン顔で追及してくる。
「メルマさん? どーするんだ?」
「うぐっ!? ……ああ、えっと、こ、コウノトリのキャベツ畑のおしべとめしべが……」
「おい、先生! テンパり過ぎだ!」
「むぅ? 分からん……ヴェルトは知ってるのか? ずるい、なんでお前だけ知ってる! 教えろ!」
「え? あ、えっと……そうだな、え~……男の、ぼ、ぼっ、勃――――」
「おるあああああ! ストレートすぎんだろうが!」
「いでええ、殴った?!」
回りくどく教えるか……ストレートに教えるか……どっちがいい?
「ん~……ウラちゃんは将来ヴェルくんのお嫁さんになりたいの?」
すると、固まっていたカミさんが再起動。
優しくウラの頭を撫でながら尋ねた。
「え、うん……なりたいというか、そうなるものだと……」
「そうねぇ。なら、少しずつそういうこともお勉強しようね」
そして、今すぐ全部とは言わないが「そういうこと」も教えることをカミさんは告げた。
「お、おい、ララーナ……」
「いいじゃない、あなた。ウラちゃんは学校にも行ってないから『そういうこと』をなかなか学べないんだし……それに、あまり知識がないままだと、間違って取り返しのつかないことにもなりかねないし、そういう防衛的な意味でも少しずつ……ね」
「まぁ……うん、そうだな……」
「というわけで、ヴェルくんは何故かそういう知識を既に持っているみたいだけど、ウラちゃんがちゃんと理解できるようになるまで、変なことしちゃダメよ?」
「しねーよっ!」
そうやって、ウラは「そういう知識」を学校に行かずに得るようになっていく。
カミさんから……時には……
「あっはっは、もう、ウラちゃんってかわい~~!」
「ねぇ! よーし、ならお姉ちゃんたちも教えてあげるよ~!」
「私たち、前までチェーンマイル王国で働いてたんだけど~、経験豊富だよ~?」
「そうそう。なんせ、あの伝説の『フルチェンコ・ホーケイン』様が後世に残した秘技を色々知ってるし~」
常連のお姉さま方からだったり、少しずつ……少しずつ……イロイロと――
「テクとかコツとか……ヴェルトを骨抜きにしちゃうスゴ技とか、まずは手コキでじらしまくってからの基本的なフェラまでの流れね! まず――――」
「「おるああああああ、それはまだ早いィいいいィィ!! てか、テメエらは出ていけええええ」」
ベビーベッドで寝るハナビ。
俺とウラが指を伸ばした瞬間、「に~」っと笑って俺たちの指を掴んだ。
「あ、ぁぁ……」
「あ……はは……ちっちぇーな……」
ウラは幸せそうに微笑み、同時に感極まったのか瞳が潤んでいる。
俺もその気持ちがわかる。
「うふふふ、ハナビも分かっているのね……お兄ちゃんとお姉ちゃんのことを」
「ああ。そうだぜ、二人とも。今日からお前らは、ハナビの兄ちゃんと姉ちゃんなんだからよ!」
そう言って、先生とカミさんも嬉しそうに俺たちの肩に手を置いた。
「お、お姉ちゃん……私が……私の妹……私の家族……家族!」
その言葉を聞いてウラは余計に涙が溢れた。
両親も、共に戦った仲間も皆失ってしまったウラにとって、新たな家族ができたのだから。
「ほら、ウラちゃん、抱っこしてあげて」
「は、はい、あ、……あわ……ちっちゃい……でも、重い……重たい……」
ウラがその小さな体で、自分よりも小さなものを両手でしっかりと抱きかかえる。
絶対に落とさないように、そして絶対に傷つけないように優しく。
「ばぁ、ん、にィ、あぅ、ああ」
「あぁ、この子、笑ってる……私を見て……あぁ、私の妹! ハナビ! ハナビ!」
抱っこして、また微笑まれる。
「私の妹だ! 私の家族だ! 私の! 私の! ……私がお姉ちゃんだ!」
「きゃおぉ!」
その瞬間、ウラはもう我慢できなくなってハナビに頬ずり。ほっぺにキス。また頬ずり。
その気持ちは俺も分かる。俺だって思わず微笑んじゃう。
「……なぁ、ウラ……俺にも触らせて」
「むっ、ちょっと待て、ヴェルト! お前は乱暴だからそっとだぞ? いや、手を洗ったか? 油まみれの手で私の妹に触っちゃだめだぞ?」
「俺の妹でもあるんだけど!」
目の中に入れても痛くない……まさに、これがそうなんだと俺も実感したからだ。
俺たちの家にハナビが生まれたというのは、本当に大きな変化となった。
ウラも今まで心の中でどこか自分のことを「居候」という認識をしていたのか、どこか遠慮があった。しかし、ハナビが生まれて自分がお姉ちゃんになったのだと実感した瞬間、俺たちは本当の家族になれたんだと思う。
「お待たせしました、ご注文承ります。え? 天使? うむ、私の背中にいるこの子は天使で名はハナビだ! 人類大陸赤ちゃんコンテストに出しても優勝するだろう!」
特にウラはベッタリだった。出産直後のカミさんの負担を少しでも減らす……という建前で、四六時中ハナビを背負って働いていた。
そして、店に来た客たちに必ず自慢して見せびらかしていたな。
ま、その気持ちも分かる。だってハナビは超かわいいし。
「ウラちゃん、ヴェルトくん、二人でお買い物? えらいわね~」
「むっ、違うぞ! 三人だぞ! ほら!」
「あら~、ハナビちゃんじゃない。こんにちは! うふ、かわい~」
「ふふーん。そうだろそうだろ。ハナビはかわいいんだぞ! あっ、あんまり私のハナビをジロジロ見るな」
「え~、いいじゃない。もっとよく見せて~」
「む~、仕方ないな。うん、仕方ない。だってハナビはかわいいからな。うんうん、どうしても見たいか! そこまで言うなら仕方ない! ほらぁ!」
街に出ればドヤ顔でハナビを見せびらかすように歩いて、もう完全に有頂天。
まぁ、その気持ちは分かるけどな。だって、ハナビは超絶かわいいし。
「う~、あぅ、うう~」
「むっ、どうした、ハナビ? あっ、お腹が空いたのか? いや、……うん、おむつだな。待ってろ、取り替えてやる」
「きゃうぅ」
「ほら、ジッとしていろ。ヴェルトもこれを持ってくれ」
そして、幸せであると同時に俺とウラにも芽生えた変化。
それはちゃんとお兄ちゃん、お姉ちゃんであるように努めようという意識の芽生え。
まぁ、俺は一緒に遊んでやるぐらいで、世話はほとんどウラが独り占めしていたんだがな。
「へぇ、ウラちゃん手馴れてるな!」
「うん、すっかりもうお姉ちゃんだな」
「ララーナさんも大助かりだな」
「しかも、あのヴェルトまで赤ちゃんの世話をしたりしてるし」
「ああ。ちょっと見ない間に、二人とも逞しくなったじゃないか」
それは、これまでただの「可哀想な小さな女の子」としてウラを見ていた街の人たちも、見直すほどの変化だった。
そして同時に……
「それに、今でこれなら、ウラちゃんも将来赤ちゃん産んだ時はもう大丈夫ね♪」
「……え?」
それは、街の人たちが冗談交じりで言ったただの何気ない誉め言葉。
笑って流すような言葉。
しかしウラは……
「赤ちゃん……赤ちゃん……」
そうではなかった。
「ウラちゃん、どうしたの? ぼーっとして」
「ああ。買い物行ってから様子が少し変だな。ヴェルト、なんかしたか?」
「いやいや、何もしてねーよ」
家に帰って、そんなウラの様子をカミさんも先生もすぐに察知した。
そして、ハナビを抱っこしながらウラはまだ客がいる店内で……
「ララーナさん」
「なーに?」
「赤ちゃんってどうやって作るんだ?」
「……ふぇ?」
「ララーナさんとメルマさんは赤ちゃん作ってハナビが生まれた。私も将来ヴェルトの赤ちゃん欲しい。どうすればいいんだ?」
その瞬間、店にいた客全員がラーメン噴いた。
「「「「「ぶぼふううううううう!!!!」」」」」
それは、子供がいる家庭なら誰もが必ず通る道なんだと思う。
純真無垢な顔をして、人前でそれを聞くウラ。
カミさんは微笑み顔で固まってしまっている。
「……先生……今こそ先生の前世の教師としての経験を活かして……保健体育を」
「馬鹿野郎……この年齢は担当外だ……」
「いや、でもこうしてハナビも生まれたわけだし、どっちにしろいずれこういう儀式が……」
「……わ、分かってる……しかしだな」
俺と先生はこの状況に対して目で語り合う。
しかし、ウラはこっちの事情など分かるはずもなく、キョトン顔で追及してくる。
「メルマさん? どーするんだ?」
「うぐっ!? ……ああ、えっと、こ、コウノトリのキャベツ畑のおしべとめしべが……」
「おい、先生! テンパり過ぎだ!」
「むぅ? 分からん……ヴェルトは知ってるのか? ずるい、なんでお前だけ知ってる! 教えろ!」
「え? あ、えっと……そうだな、え~……男の、ぼ、ぼっ、勃――――」
「おるあああああ! ストレートすぎんだろうが!」
「いでええ、殴った?!」
回りくどく教えるか……ストレートに教えるか……どっちがいい?
「ん~……ウラちゃんは将来ヴェルくんのお嫁さんになりたいの?」
すると、固まっていたカミさんが再起動。
優しくウラの頭を撫でながら尋ねた。
「え、うん……なりたいというか、そうなるものだと……」
「そうねぇ。なら、少しずつそういうこともお勉強しようね」
そして、今すぐ全部とは言わないが「そういうこと」も教えることをカミさんは告げた。
「お、おい、ララーナ……」
「いいじゃない、あなた。ウラちゃんは学校にも行ってないから『そういうこと』をなかなか学べないんだし……それに、あまり知識がないままだと、間違って取り返しのつかないことにもなりかねないし、そういう防衛的な意味でも少しずつ……ね」
「まぁ……うん、そうだな……」
「というわけで、ヴェルくんは何故かそういう知識を既に持っているみたいだけど、ウラちゃんがちゃんと理解できるようになるまで、変なことしちゃダメよ?」
「しねーよっ!」
そうやって、ウラは「そういう知識」を学校に行かずに得るようになっていく。
カミさんから……時には……
「あっはっは、もう、ウラちゃんってかわい~~!」
「ねぇ! よーし、ならお姉ちゃんたちも教えてあげるよ~!」
「私たち、前までチェーンマイル王国で働いてたんだけど~、経験豊富だよ~?」
「そうそう。なんせ、あの伝説の『フルチェンコ・ホーケイン』様が後世に残した秘技を色々知ってるし~」
常連のお姉さま方からだったり、少しずつ……少しずつ……イロイロと――
「テクとかコツとか……ヴェルトを骨抜きにしちゃうスゴ技とか、まずは手コキでじらしまくってからの基本的なフェラまでの流れね! まず――――」
「「おるああああああ、それはまだ早いィいいいィィ!! てか、テメエらは出ていけええええ」」
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