【R18】異世界クラス転生～君との再会まで長いこと長いこと～基礎の【浮遊魔法】をとことん極めてついでに世界征服

第一章

第43話 ロリプリンセスソープ♥

　いつまでも子供じゃいられない。それを知ることになるのだが……だが、その前に……

「ほら、ヴェルト、妻であるワタクシがお背中をお流ししますわ」
「あっ、ずるい！　フォルナ、私だって…………もう、ヴェルトと一緒なんだから…………」
「う、そ、そうは言いましても、ワタクシとヴェルトは………………もう、ずっと昔からなんですもの」

　まずはこの状況をどうにかしねーと。
　いつも見慣れた先生の家の浴室は、ハッキリ言って一般家庭そのものの大きさ。
　ゆえに、あまり広くはないのだが、こうして子供が三人入る程度はできるのだ。
　浴室の椅子に座り、泡でさっさと体を拭いて洗おうとしている俺の目の前で、十歳の幼女が左右に並んで、どっちが俺の背中を流すのか、そして俺の妻になることについての議論を交わしているのだが、正直、さっさと上がることしか俺は考えてねえし、ガキ二人の相手をしたくねえ。
　しかし、黙って俺がさっさと体を洗おうとした瞬間、俺の様子に気づいた二人が飛びついてきた。
　って、おい！　二人共、全裸！　全裸ッ！

「ヴェルト、なにをしていますの！　ワタクシがすると言ったではありませんの！」
「私はお前にたくさん恩返ししないといけないんだ！　ヴェルト、これは私がやる！」
「あ～、もう、うるせえな、そもそもこんなもん一人でできるんだから必要ねえよ！」

　ま、まあ、いくら既にブラを必要とする年齢とはいえ、所詮は毛も生えていないようなガキ……というか、本当に生えてないんだが……やっぱ流石にまだツルツルで……って、そういうことじゃねえ！
　つまりだ、仮に、ほんの僅かに胸に膨らみがあり、ほんの僅かに乳首がツンとして、コリっとした豆のような感触が俺の腕に触れても、俺には何の問題もねえ。いや、冷静に分析するのもどうかと思うが、とにかくこんなので動揺する俺じゃねえ！
　ぷにぷにしてても気にするな！

「一人で………あっ！　でしたら、こういうのはどうですの？」

　だが、次の瞬間、フォルナが何かを「閃いた」な顔をした。
　そして、何故か体を洗うための泡を自分の全身、腕、胸、腹、足、下腹部全てに伸ばして泡人間になった。
　俺もウラも意味不明に首を傾げたら、フォルナは「ふふん」と胸を張ってとんでもないこと言いやがった。


「でしたら、ワタクシが全身を使ってヴェルトの体を洗いますわ！」

「はっ？」

「お母様から教えてもらいましたわ！　これは、現在『チェーンマイル帝国』で、男性が女性にされて最も喜ぶ究極の奉仕だと！　これを使えばヴェルトもメロメロだと！」


　なにそれ？　洗体プレイ？　いや、ソープ………

「ってアホかァ！」
「いった！　な、なにをしますの！」

　思わず殴っちまったが、俺は何も間違ってねえ！　今の状況は殴っても間違いない！
　つうか、こいつの母親は幼い娘になんつーことを教えて………

「う～～～、もう怒りましたわ、ヴェルト！　ワタクシ、力づくでヴェルトに喜んでもらいますわ！」
「ちょっ、つおおおお！」

　危な！　ここで飛びかかられると、床が滑って、ダメだ、飛びかかってくるフォルナを支えきれねえ！

「つおっ！　ふぉ、フォルナ！」

　いって！　背中を打った。なんで、この世界の女はガキでも体当たり系ばっか………って、まずい！　この態勢は不味すぎる！

「ヴェルト、ご、ごめんなさい、でも、ワタクシ、ヴェルトに喜んでもらいたくて………ですから………その」
「いや、待て待て待て待て！　この態勢は色々とまずいから、とにかく離れろ！」

　仰向けになる俺の顔の目の前にフォルナの顔。
　重なり合う、俺とフォルナの互の胸。
　腹と腹同士も温かい体温を感じながら重なり、俺の子供サイズのナニがフォルナの太ももに潰されるような形で、俺たちは重なりあっている。
　そして、俺のナニも、密着、圧迫、ヌルッとした感触で微妙に擦られ、なんだゾクゾクッとしてしまう。
　いかんいかん！　平常心だ！　つうか、こんなクソガキに動揺するんじゃねえ！

「えいっ！　やっ、はっ！　えい！」
「はうっ！」　

　こ、声が出ちまった………
　今の俺は浴室の床に寝そべった状態で、泡まみれのフォルナが俺の体に覆いかぶさっている。
　そして、ぎこちないながら、俺の体を滑るように……やめろおおおおお、俺にチンコがぁああああああああ！　フォルナの体に擦られて！　ヴェルト・ジーハ人生で未だかつて味わったことのない刺激に全身がゾワゾワする！

「な、ん、なんだこの寝技は！　こんなの私も知らない」

　ウラが顔を真っ赤にして俺たちのやりとりを………って、やめろ！　見るな！　鮫島の娘がこんなトラウマになりそうなことを………

「えい、こ、これであっていますわね。どうですの？　ヴェルト」
「ちょ、や、やめ、いや、まじ、おふっ、ちょ、しゃ、洒落になら、先生に殺され、いや、ぐおっ」

　ダメだ、力づくでフォルナをどかそうとしても、力が全く入らなかった。

「はっ、んっ、はあ、はあ、うん、ヴェルト～」

　さらに、緊張と背徳感が俺の心臓を刺激。そしてフォルナも、『これ』がどういうことなのかを理解していないながらも、『いけないこと』をしている感覚があるのか、顔が不安気だ。

「すごい、ワタクシ、なんだか、変に………はふっ、胸がジュンってなってますわ」

　しかし、それでも止まらねえ。顔の紅潮も息遣いも荒くなりながらも、無我夢中だ。

「わ、私もするんだ！」
「って、参戦すんじゃねええええええええ！」
「えっ、ひゃう！」
「はっ？　えっ？　ど、どうした？　ウラ？」

　このカオスな局面に、自分も負けじと全身に泡を塗りたくったウラが泡魔人になって俺に襲いかかろうとするも、直前で動きを止めた。
　どうした？

「ヴェルト、ソレ、あ、あう、あ」

　何を見て、そんな驚いて？　って、ナニしかねえだろうが！　変貌した俺のナニに……って、俺はまさか！


「どうしましたの？　あっ……こ、これは！　ヴェルト、これは、お、お母様が言ってましたわ！　確か、殿方が赤ちゃんを作る準備が出来た証ですわ！」

「な、なにこれ、べ、別の生き物みたい………最初は、ちょこんと小さくて可愛かったのに………」


　フォルナが右手を伸ばす。
　ウラが右手を伸ばす。


「おいおいおいおいおいおい、嘘だろ俺……」


　汚れない幼い二人の小さな指先がまず触れ、そして恐る恐る確かめるように握ってきた。
　そして、二人の手が、俺のアレに触れた瞬間、俺は自分が今、どうなっているのかを知った。
　信じたくねえ。自分をブチ殺したくなる。いや、今すぐ死にたくなるような醜態。

「ひゃふっ、び、ビクってなりましたわ」
「固い………すごい………熱い………」
「こ、これを、えと、これを確か、えっと、どうにかすれば赤ちゃんができますのよね！」
「そうなのか？　し、知らなかった、そんなことが………」
「ええ。その、ワタクシもよく分かりませんが、ここから出る何かを女性の体内に入れることで、子を授かると」
「体内に？　じゃあ、飲めばいいのか？」

　俺は、まさか、十歳のガキを相手に………………

「よし、あ、あ～～～～～ん」
「ちょっ、ウラ！　口を開けてなにをしようとしますの！　ヴェルトのコレを食べる気ですの！」
「ち、ちが、つっ、だ、だって、ココから何かを飲めばいいのだろう！　なら、直接飲もうとしただけだ！」
「ヴェルトの子供を産むのはワタクシですもの！」

　次の瞬間、小さな口をパックリと開けて、何かを口に入れようとしたウラを、フォルナが態勢を反転させて止めようとした。
　だが、今、フォルナが反転すれば、俺の目の前には？
　ウラの小さな口に対して、フォルナの股の口がパックリと開いた状態、何かテラテラと光って糸を引いた状態で俺の顔の真上に……ピンクの小さな赤貝と桃がどんぶらこ！？


「ウラ、ヴェルトから離れッ、きゃっ！」

「ッ！」

――――――――チュ♪


　そして、何でそんなタイミングで？
　フォルナがツルッと滑って態勢を崩した。
　その瞬間、俺のナニを頬に掠めるほどの距離でフォルナが前のめりに倒れ、一方でフォルナの下半身は俺の顔面に………………ツルッと滑ったフォルナのツルツル？

「ひゃうわっ！」

　ビクッとしたフォルナが体を痙攣させたように震えた声を上げた。


「な、なんでしゅの？　い、いま、わ、わらくしの、体に、雷がおちたかのように」


　ちょっ！　

「ふごおーーーっ！　ふごふごふご！」
「ちょっ、ひゃうん、あ、ヴぇると、もごもごしたらダメですわ！　んッ！」
「むごぼおおおおお、むご、むご！」
「わ、ワタクシの、そ、そんなところ、ん、キスし……なら、ワタクシもヴェルトのを……」
「ッッッッ！！？？？」

　お、俺は、こんなガキ二人に、勃……だけじゃなく、フォ、フォルナに……唇に伝わる感触、これはシックス……ナイ……

「あうっ、ヴぇ、ヴェルトのここ、苦しそうだ……でも、棒の方はフォルナが……ううう、フォルナ！　私にもそれを食べさせろ！　一人でずるい！　あーーーん」

　その瞬間、ウラがナニを何しようとしたのか、一生考えたくないが、この時、俺は、「頼んだぜ」と無念の中で死んで俺にウラを託した鮫島の顔が脳裏に浮かび………


「おわがああああああああああああああああああああああああああああああ！」

「わあっ！　ど、どうしたんだ、ヴェルト？」

「ヴェルト？」

「鮫島に顔向けできねえからやめろおおおおおおおおおおお！」


　俺は発狂したと言えるだろう。
　二人が無邪気に知識もなくやろうとしたことを阻止するために、精神が崩壊しそうになるほど叫んだ。

「ひゃうっ！」
「ちょっ、ヴェルト！　ヴェルト、どこ行きますの！　ヴェルト！」

　俺の叫びで怯んで、力が一瞬緩んだ二人を押しのけて、俺は濡れて泡まみれになった体を拭くこともなく、そのまま外へ飛び出して逃げた。

　浴室どころか、店からも、そして王都の街へと全裸のまま飛び出して逃げた俺は、力尽きた後にファルガにとっ捕まって、店に連れて帰られると、事情はよく分からないが俺の全裸逃亡に怒った先生に、オタマで頭の形が変わりそうなほど殴られた。

　だが、俺がどうして逃げたかの事情は、先生には一生教えられない。墓の下まで持っていくつもりだ。

　これが、隠し事を絶対にしないと誓った先生に対して、俺が唯一、一生に一度だけの隠し事となった。