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新しい日常
第2話:襲来
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はぁ、めっちゃしんどい……。
俺は新しいクラスで自分の席に座るなり、大きなため息をついてしまった。
それは新しいクラスの席順が関係していた。最初はアイウエオ順で席が指定されていたのだが、俺は窓際後方の席で、羽月は中央前列に座っていたのだ。
この席の並びだとどうしても羽月が俺の視界に入ってしまう。羽月は一見して以前と変わらない態度のような気がする。そんな羽月を見ると俺が小さい人間に感じてしまいイライラとしてくる。
だけど、思った以上にダメージを受けていないことに驚いていた。春休みが始まったばかりの頃は、あんなにも苦しんでいたのに。奏がずっと一緒にいてくれたからだろうな……。
-
「ゆーくん、本当に大丈夫?」
一限目が終わると、奏がすぐに俺の席に来て、心配そうに顔を覗いてくる。
「まぁ、あれから日がそんなに経ってないしな。今日は初日だったけど、徐々に慣れてくると思うよ」
「今の位置だとどうしても視界に入っちゃうもんね。早く席替えがあると良いんだけど……」
「おいおいおいおい! なーに、コソコソ二人で話してるんだよ? 俺たちも混ぜろよな!」
俺と奏が周りに聞こえないように小声で会話をていると、悟と田貫さんが俺たちのところにやってきた。悟はいいやつなのだが声が大きすぎるので、変にみんなの視線を集めてしまうのが玉に瑕だ。
「声がデケェよ!」
「はは、悪りぃな!」
「本当に悟くんって、いつも無駄に声が大きいよね。私たちも3年生になったんだからもうちょっと大人にならないと」
「うるせぇな! まだ高校生なんだからガキでもいいだろ! なぁ、田貫さんもそう思うだろ?」
「うーん。私としてももうちょっと大人っぽくなった方が良いと思うな」
「田貫、さん……お前も裏切るのかよ………」
俺は気付いたら羽月のことを忘れて、腹の底から笑っていた。俺は一人じゃないから大丈夫。こいつらがいてくれるだけで、俺は残り一年の高校生活を心から満喫できそうな気がする。
そしてまた授業が始まったが、不思議と羽月が視界に入っても特に何も感じることがなかった。緊張状態だった俺を、あいつらがリフレッシュさせてくれたんだな。俺は心の中で感謝を伝えた。
それからは何事もなく、穏やかに学校生活を送れてたのだが、お昼休憩になると嵐が突然この教室にやってきたのだった。
―
(お昼はあいつらを誘ってみようかな)
羽月と付き合ってるときは、いつも一緒に学食でご飯を食べていたのだが、これからは違う誰かと食べなくてはいけなくなったのだ。
悟って誘っても平気かな? と思い席を立とうとしたその瞬間、教室の扉がガラリと開いた。
「優李先輩! 一緒にご飯食べましょー!」
急に声を掛けられて吃驚した俺は、勢いよく扉に振り返った。
「もぉー。好ちゃん急に走らないでよー! しかもここ3年生の教室じゃ……って、うわぁー! 何してるのよぉー!!!」
「華花大丈夫だって! 華花も優李先輩と一緒にご飯食べようよ! ねっ? ねっ?」
「ねっ? ねっ? じゃないだろ。2人ともこんなところまで来て何やってるんだよ?」
俺のもとにやってきた騒がしい2人の来訪者は、妹の華花とそのお友達の好ちゃんこと秋吉好だった。突然やって来た2人組に、クラスメイトたちはポカーンとしていたが、我に返ると「うぉ! 可愛い!」「え? 待って? 優李の知り合いなの?」と急に騒がしくなった。
まぁ、そうなるだろうよ。
何せ好ちゃんは、ツインテールがめちゃくちゃ似合う、アイドルのセンター級に可愛い美少女なのだ。隣にいる華花も、年上の男子に可愛がられそうな顔立ちをしている。
そんな美少女2人がやって来たのだから、クラスの男子どもはテンションはうなぎ上りだろうよ。
「あっ、優李先輩! 一緒にご飯食べに行きましょ。学食に行ってみたかったんです!」
「ちょっと待っただよ、好ちゃん。ゆーくんは私とご飯食べるんだから、抜け駆けなんてしちゃダメなんだよ」
「あっ、奏先輩じゃないですか! そんな意地悪言わないで新一年生にもっと優しくしてくださいよ!」
「私もゆーくんと食べたいから今日はダメなのよ」
このままだと収集がつかなくなると思った俺は、2人の間に入って全員でご飯に行こうと提案する。するといつの間に後ろにいたのか、悟と田貫さんも一緒に学食へ行くことになった。
学食へ向かう道すがら、俺は気になることを華花に聞いてみた。
「って言うかさ、華花はクラスの友達と行かなくて良かったのか?」
「うーん。だって、お昼だって思ったら好ちゃんが急に走り出しちゃうんだもん。まさかゆー兄ちゃんの教室に行くとは思わなかったからビックリだったよ」
「好ちゃんは相変わらず激しいよな。お前も苦労してるんだな……」
妹の頭を撫でながら、実妹に同情していたら、目敏く見つけた奏と好ちゃんが、私も私もと撫でるのを強請ってきた。
-
今学食に向かっているメンバーの中には当然羽月はいない。だけど、羽月を姉のように慕っていた華花が何も言わないのは、俺が春休みに羽月と別れたことを家族全員に伝えたからだ。
家族全員からは「優李何やったんだ?」「悪いことしたなら私も謝ってあげるから白状しなさい」「ゆー兄ちゃん。ちゃんとごめんなさいしなきゃダメなんだよ」と散々な言われ方をしてしまった。
「違うよ、みんな。俺は被害者なんだ。裏切ったのは羽月なんだよ!」なんてことを言えるはずもなく、実際には「そう言うことなんだ。ごめんな」としか言えなかった。
だけど、それ以上は追求して来なかったのは、一応俺に気を使う心があったからなのだろう。
-
「ここが学食かー! 華花、なんか高校生になったんだって感じするね」
「うん! なんかテンション上がっちゃうよ!」
三年生組みは、新鮮なリアクションをする一年生コンビを見て、とても微笑ましい表情をしている。そして、キャーキャーと騒いでいる2人を落ち着かせて、徐々に混み合ってきた学食内で、なんとか席を確保することができた。
「さて、2人は悟と田貫さんのことは知らないよな? 取り敢えず食べながら自己紹介しようか?」
「はーい! 秋吉好って言います! 優李先輩のことが大好きでこの学校に来ました!」
「お、おい! 好ちゃん急に何言ってるんだよ」
「だって本当のことなんですもん。ここに入学するために勉強頑張ったんですよ?」
くっ、上目遣いの好ちゃんがあざと可愛すぎる。あまりの輝きに目線を外すと、俺のことをジトッとした目で奏が見ていた。……怖い。
「私は華花と言います。ゆー兄ちゃんの妹です」
華花が卒なく自己紹介を終えると、続いて悟と田貫さんが自己紹介をした。
-
「なぁ、秋吉さんはさ、なんで優李のことなんか好きなの?」
「悟! いきなり何を聞いてるんだよ!」
「うーん。それは内緒です。だって私が好きな理由を簡単に言っちゃうと、なんか私の気持ちが軽いみたいな感じにならないですか? えへへ、だけど好きっていうのは本当ですよ?」
俺の抗議を無視して、好ちゃんがガチな回答をするので、またしても狼狽てしまった。年下の子にこんなに振り回されるのダサすぎるだろ……。それになんか奏からずっと睨まれてる気がするし、段々と居心地が悪くなってきた気がするぞ……。
「こらっ、好ちゃんこんなところで好きだなんて言ったら、ゆーくんが困っちゃうでしょ。そういうことを言うなら、ちゃんと場所を選んばないと。だって周りの人たちめっちゃこっちを見てるよ」
「あっ、本当だ……」
「もう、好ちゃん恥ずかしいよぉ。実の兄に親友が迫ってるところなんて私見たくないよぉ……」
「ひょっとしたら、私が華花のお姉さんになる日もあるかもよ」
「もうやめてってばぁ~!」
そのやり取りが俺たちのツボに入ってしまい、大爆笑してしまう。2人はキョトンとしていたが、顔を見合わせると一緒に笑い始めた。
―
俺たちの話題は事欠かなかったが、お昼休みも終わりに近付いてきたので、またお昼食べようねって約束してクラスに戻った。
ちなみに好ちゃんに、「急に教室に来ると、色々な人の迷惑になっちゃうから事前に連絡してから来るんだよ」って注意したら、「はい」って小さな声で応じてくれた。好ちゃんは元気で思ったことをすぐに口にしちゃうけど、人のことは大切にするとてもステキな女の子なのだ。
そしてこの後も滞りなく授業も部活も終わって、進級して初日の学校は幕を閉じた。
***後書き***
前話の『柱の影からジッと視線を送っている一人の女性』は好ちゃんでした。
実はこの子、第3話でチラッと出ています。
ちなみに第二章では、中盤以降まで羽月は本編にほとんど登場しません。
俺は新しいクラスで自分の席に座るなり、大きなため息をついてしまった。
それは新しいクラスの席順が関係していた。最初はアイウエオ順で席が指定されていたのだが、俺は窓際後方の席で、羽月は中央前列に座っていたのだ。
この席の並びだとどうしても羽月が俺の視界に入ってしまう。羽月は一見して以前と変わらない態度のような気がする。そんな羽月を見ると俺が小さい人間に感じてしまいイライラとしてくる。
だけど、思った以上にダメージを受けていないことに驚いていた。春休みが始まったばかりの頃は、あんなにも苦しんでいたのに。奏がずっと一緒にいてくれたからだろうな……。
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「ゆーくん、本当に大丈夫?」
一限目が終わると、奏がすぐに俺の席に来て、心配そうに顔を覗いてくる。
「まぁ、あれから日がそんなに経ってないしな。今日は初日だったけど、徐々に慣れてくると思うよ」
「今の位置だとどうしても視界に入っちゃうもんね。早く席替えがあると良いんだけど……」
「おいおいおいおい! なーに、コソコソ二人で話してるんだよ? 俺たちも混ぜろよな!」
俺と奏が周りに聞こえないように小声で会話をていると、悟と田貫さんが俺たちのところにやってきた。悟はいいやつなのだが声が大きすぎるので、変にみんなの視線を集めてしまうのが玉に瑕だ。
「声がデケェよ!」
「はは、悪りぃな!」
「本当に悟くんって、いつも無駄に声が大きいよね。私たちも3年生になったんだからもうちょっと大人にならないと」
「うるせぇな! まだ高校生なんだからガキでもいいだろ! なぁ、田貫さんもそう思うだろ?」
「うーん。私としてももうちょっと大人っぽくなった方が良いと思うな」
「田貫、さん……お前も裏切るのかよ………」
俺は気付いたら羽月のことを忘れて、腹の底から笑っていた。俺は一人じゃないから大丈夫。こいつらがいてくれるだけで、俺は残り一年の高校生活を心から満喫できそうな気がする。
そしてまた授業が始まったが、不思議と羽月が視界に入っても特に何も感じることがなかった。緊張状態だった俺を、あいつらがリフレッシュさせてくれたんだな。俺は心の中で感謝を伝えた。
それからは何事もなく、穏やかに学校生活を送れてたのだが、お昼休憩になると嵐が突然この教室にやってきたのだった。
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(お昼はあいつらを誘ってみようかな)
羽月と付き合ってるときは、いつも一緒に学食でご飯を食べていたのだが、これからは違う誰かと食べなくてはいけなくなったのだ。
悟って誘っても平気かな? と思い席を立とうとしたその瞬間、教室の扉がガラリと開いた。
「優李先輩! 一緒にご飯食べましょー!」
急に声を掛けられて吃驚した俺は、勢いよく扉に振り返った。
「もぉー。好ちゃん急に走らないでよー! しかもここ3年生の教室じゃ……って、うわぁー! 何してるのよぉー!!!」
「華花大丈夫だって! 華花も優李先輩と一緒にご飯食べようよ! ねっ? ねっ?」
「ねっ? ねっ? じゃないだろ。2人ともこんなところまで来て何やってるんだよ?」
俺のもとにやってきた騒がしい2人の来訪者は、妹の華花とそのお友達の好ちゃんこと秋吉好だった。突然やって来た2人組に、クラスメイトたちはポカーンとしていたが、我に返ると「うぉ! 可愛い!」「え? 待って? 優李の知り合いなの?」と急に騒がしくなった。
まぁ、そうなるだろうよ。
何せ好ちゃんは、ツインテールがめちゃくちゃ似合う、アイドルのセンター級に可愛い美少女なのだ。隣にいる華花も、年上の男子に可愛がられそうな顔立ちをしている。
そんな美少女2人がやって来たのだから、クラスの男子どもはテンションはうなぎ上りだろうよ。
「あっ、優李先輩! 一緒にご飯食べに行きましょ。学食に行ってみたかったんです!」
「ちょっと待っただよ、好ちゃん。ゆーくんは私とご飯食べるんだから、抜け駆けなんてしちゃダメなんだよ」
「あっ、奏先輩じゃないですか! そんな意地悪言わないで新一年生にもっと優しくしてくださいよ!」
「私もゆーくんと食べたいから今日はダメなのよ」
このままだと収集がつかなくなると思った俺は、2人の間に入って全員でご飯に行こうと提案する。するといつの間に後ろにいたのか、悟と田貫さんも一緒に学食へ行くことになった。
学食へ向かう道すがら、俺は気になることを華花に聞いてみた。
「って言うかさ、華花はクラスの友達と行かなくて良かったのか?」
「うーん。だって、お昼だって思ったら好ちゃんが急に走り出しちゃうんだもん。まさかゆー兄ちゃんの教室に行くとは思わなかったからビックリだったよ」
「好ちゃんは相変わらず激しいよな。お前も苦労してるんだな……」
妹の頭を撫でながら、実妹に同情していたら、目敏く見つけた奏と好ちゃんが、私も私もと撫でるのを強請ってきた。
-
今学食に向かっているメンバーの中には当然羽月はいない。だけど、羽月を姉のように慕っていた華花が何も言わないのは、俺が春休みに羽月と別れたことを家族全員に伝えたからだ。
家族全員からは「優李何やったんだ?」「悪いことしたなら私も謝ってあげるから白状しなさい」「ゆー兄ちゃん。ちゃんとごめんなさいしなきゃダメなんだよ」と散々な言われ方をしてしまった。
「違うよ、みんな。俺は被害者なんだ。裏切ったのは羽月なんだよ!」なんてことを言えるはずもなく、実際には「そう言うことなんだ。ごめんな」としか言えなかった。
だけど、それ以上は追求して来なかったのは、一応俺に気を使う心があったからなのだろう。
-
「ここが学食かー! 華花、なんか高校生になったんだって感じするね」
「うん! なんかテンション上がっちゃうよ!」
三年生組みは、新鮮なリアクションをする一年生コンビを見て、とても微笑ましい表情をしている。そして、キャーキャーと騒いでいる2人を落ち着かせて、徐々に混み合ってきた学食内で、なんとか席を確保することができた。
「さて、2人は悟と田貫さんのことは知らないよな? 取り敢えず食べながら自己紹介しようか?」
「はーい! 秋吉好って言います! 優李先輩のことが大好きでこの学校に来ました!」
「お、おい! 好ちゃん急に何言ってるんだよ」
「だって本当のことなんですもん。ここに入学するために勉強頑張ったんですよ?」
くっ、上目遣いの好ちゃんがあざと可愛すぎる。あまりの輝きに目線を外すと、俺のことをジトッとした目で奏が見ていた。……怖い。
「私は華花と言います。ゆー兄ちゃんの妹です」
華花が卒なく自己紹介を終えると、続いて悟と田貫さんが自己紹介をした。
-
「なぁ、秋吉さんはさ、なんで優李のことなんか好きなの?」
「悟! いきなり何を聞いてるんだよ!」
「うーん。それは内緒です。だって私が好きな理由を簡単に言っちゃうと、なんか私の気持ちが軽いみたいな感じにならないですか? えへへ、だけど好きっていうのは本当ですよ?」
俺の抗議を無視して、好ちゃんがガチな回答をするので、またしても狼狽てしまった。年下の子にこんなに振り回されるのダサすぎるだろ……。それになんか奏からずっと睨まれてる気がするし、段々と居心地が悪くなってきた気がするぞ……。
「こらっ、好ちゃんこんなところで好きだなんて言ったら、ゆーくんが困っちゃうでしょ。そういうことを言うなら、ちゃんと場所を選んばないと。だって周りの人たちめっちゃこっちを見てるよ」
「あっ、本当だ……」
「もう、好ちゃん恥ずかしいよぉ。実の兄に親友が迫ってるところなんて私見たくないよぉ……」
「ひょっとしたら、私が華花のお姉さんになる日もあるかもよ」
「もうやめてってばぁ~!」
そのやり取りが俺たちのツボに入ってしまい、大爆笑してしまう。2人はキョトンとしていたが、顔を見合わせると一緒に笑い始めた。
―
俺たちの話題は事欠かなかったが、お昼休みも終わりに近付いてきたので、またお昼食べようねって約束してクラスに戻った。
ちなみに好ちゃんに、「急に教室に来ると、色々な人の迷惑になっちゃうから事前に連絡してから来るんだよ」って注意したら、「はい」って小さな声で応じてくれた。好ちゃんは元気で思ったことをすぐに口にしちゃうけど、人のことは大切にするとてもステキな女の子なのだ。
そしてこの後も滞りなく授業も部活も終わって、進級して初日の学校は幕を閉じた。
***後書き***
前話の『柱の影からジッと視線を送っている一人の女性』は好ちゃんでした。
実はこの子、第3話でチラッと出ています。
ちなみに第二章では、中盤以降まで羽月は本編にほとんど登場しません。
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