上 下
18 / 79
第二章

018:解放

しおりを挟む
「それでは次に、怪の国についてご説明します」


 怪の国は、伽沙羅がしゃらという国が独裁しているらしい。
 この国の歴史は古く、約1200年前から妙庵みょうあんという一体の怪がずっと頂点に君臨しているとのことだった。

 妙庵が伽沙羅を立ち上げる前までは、怪の国にも大小様々な国家があったようなのだが、それら全てをひとつにまとめ上げて、怪の国を統一してしまったのだ。

 統一後は今まで適当に人間を狩っていた怪であったが、ルールが定められてより効率的に極上の人間の魂を吸収できるようになって、妙庵に楯突く勢力も徐々に大人しくなっていったらしい。

 そして、統制された伽沙羅と対抗して戦っていたのが、当時の陰陽師たちであったのだ。
 彼らは神魂を用いて怪と戦うこと十数年、大きな被害を受けるも何とか強い怪が日国に来れないように、二国を繋げていたナニかを封印することに成功したのだった。
 ちなみに、このナニかは黒衣の記憶が抜け落ちているため、現時点では知ることができない。


 ――って何この歴史の授業みたいなの!
 怪の国とかって、「ヒャッハー」的なの想像してたんだけど、予想以上に普通の国家じゃん!
 ぶっちゃけ1200年以上も怪の国を統一してる妙庵と戦えって言われても、絶対に勝てる気がしない。
 と、なると、俺はこれからどういう立ち回りをすれば良いのだろうか……。



 ―



「さて、ここで詩庵様がお昼に仰っていた『怪の村に行って怪たちと戦えるのか』について回答させて頂きます。結論から言うと、詩庵様は現時点で怪の村へ行って、戦うことは可能です。ですが、2等級以上の怪がいない場合に限りでございます」

「2等級以上になると、今の俺じゃ全然立ち行かないんだな……」

「3等級の怪と1対1で戦うなら、良い勝負ができるかと思います。ですが、3等級以外にも怪がいた場合ですと現時点では敗北する可能性が高いかと」

「――そっか……」


 黒衣の口からはっきりと、「敗北する」と言う言葉を聞いた俺は、正直凹んでしまった。
 ひょっとしたら、結構戦えるんじゃないかという期待もあったのだ。
 最近では霊獣と戦っても苦戦することもないし、どうやら俺は少々天狗になっていたみたいだな。


「誤解して頂きたくないのが、あくまでも現時点の話でございます」


 現時点という言葉を聞いて、俺は少し期待をしてしまう。


「詩庵様の霊装の能力をお忘れでしょうか? 詩庵様の無個の霊装は、レベルアップするごとに神魂が強くなります。現時点では届かない相手だったとしても、レベルが上がったときの詩庵様では別の話になるのです」

「つ、つまり、怪を倒してレベルを上げることで、今は敵わない怪とも戦えることになるってことだよな!」

「その通りです。さらに詩庵様の器はかなりの大きさがあるため、一回のレベルアップで得られる力は計り知れないものとなるでしょう」


 自分でも呆れるくらいに、俺は単純な人間だった。
 だってさっきまで落ち込んでたのに、今はもう希望しかないのだから。


「そこで詩庵様にご提案があります。まず平日は今まで通り、霊獣を倒してレベル上げに専念しましょう。しかし、今までのように結界付近で戦っていても、思った成果をあげることはできないと思われます。なので、さらに中心部に近付いて、より強い霊獣と戦いましょう」


 話している内に熱が籠ってきたのか、黒衣は少し前のめりになってきた。


「土日は怪の村に行って奴隷となった方々を解放します。基本的には土曜日に偵察して、日曜日に本番という流れです。また、基本的には戦闘は行わずに、霊装断絶を使って深夜に侵入します。そして、奴隷となった人たちを霊扉を使って現世に連れ戻すという計画ではいかがでしょう?」

 一気に説明をした黒衣は、疲れてしまったのか若干肩で息していた。
 それが面白くて、可愛らしいと思ってしまい、少しだけ笑いながら「問題ないよ」と伝えたら、恥ずかしくなったのか、黒衣は頬を赤らめて俯いてしまった。



 ―



 そして土曜日になり、俺と黒衣はいつもの寺院ではなく、霊獣の森の入り口にいた。
 ちなみに、寺院があるところの真逆に位置する場所だ。うーん、今いち伝えにくいのだが、霊獣の森を、同じくらいの広さを持つ中部国に例えると、結界がある方が日国がある東側で、今いる所が中東部諸国がある西側になる

 それにしても今更ながら、黒衣の霊扉があって本当に助かった……。
 そうじゃなかったら、霊獣の森を抜けるのに何年かかってたことか。
 実は地竜という移動手段を手に入れていたのだが、それでも霊獣の森は広すぎた。

 まだ神器になる前の黒衣は、当時の仲間と怪の国に何度も潜入していたらしい。
 そしてその度に霊獣の森の要所にマッピングを行って、霊扉で飛べる場所をいくつも作ったとのことだった。

 黒衣は「その当時は本当に大変でした」と、笑いながら話ていたが、それこそ死に物狂いで達成した成果だったのだろう。
 俺は、そんな偉人たちの恩恵に預かっただけの形になってしまったので、正直恐縮してしまうのだが、しっかりと結果を出すことが重要だと意識を変える。


「さて、ここからどうやって村を探すんだ?」

「霊装の気配を察知して、数が多い箇所を目指したいと思います。とはいえ、数が多すぎても手に負えない可能性があるので、小規模な村から狙っていきたいと思っているのですが、いかがでしょうか?」

「いきなり無茶しても仕方がないしな。最初は慎重に行くのは俺も賛成だよ」

「では、ここから一番近くて手頃な村に向かいたいと思います」



 ―



「あれが、怪の村か……」


 霊獣の森にある、一番背の高い木の上で俺と黒衣は村の様子を眺めている。


「あっ、あそこを見てください。人間だと思われる方が、重たそうな荷物を持たされていますよ」

「本当だ。よく見ると、数人くらい同じように働かされている人がいるみたいだな」


 こうやって目の前で労働を強いられている姿を見ると、腹の底からグツグツと怒りが湧いてきてしまう。
 クソッ、今すぐにでも助け出したのに……。
 今の俺には自分の弱さを呪うことしかできないのがとても悔しかった。

 村の規模などを確認した俺たちは、黒衣にマッピングをしてもらい、寺院に戻って黒衣と組手の修行をする。
 霊獣との戦いは明日の本番に向けて、念の為休むことにした。
 黒衣の治癒術があるとはいえ、失った体力までは回復させることが出来ないしな。

 そして、修行が終わって、夕食を家で食べた俺たちは、再び怪の村を見るために木の上に戻っていた。


「恐らく奴隷とされている方々は、同じ建物の中に収容されているはずです。その建物を突き止めたら、明日に備えて本日は体を休めましょう」


 もうだいぶ夜も更けて、辺りはすでに真っ暗になっている。
 しかし、怪の村には松明がそこらかしこに置かれており、意外と明るかったので村の様子が手に取るように分かった。


「ん? あそこを見てくれ。何人もの人が同じ建物に入ってないか?」

「はい。私も確認することができました。あそこの建物が怪しそうですね」

「あぁ、だけどまだあそこの建物には灯りがついてるみたいだから、消えるまではここで見張っていよう」

「分かりました。――どうやらあそこは酒場のようですね」

「え? 怪も酒って飲むの?」

「普通に飲みますよ。体がないくせに、お酒を飲むなんて不思議ですよね。怪の構造って本当にどうなっているのでしょうか」


 そう言って、黒衣が指差した方を見ると、確かに人間の酔っ払いみたいに千鳥足でフラフラと歩いている怪がチラホラといるようだった。


「そうなんだ……。っていうか、黒衣にも分からないことってあるんだな」

「分からないことばかりですよ。記憶も失ってますし。ですが、以前失われた記憶も徐々に戻ってきてるんです」

「え? マジで? 良かったじゃん!」

「ありがとうございます」

「何かきっかけとかあったのか?」

「恐らく詩庵様のレベルアップと同時に、私の記憶も戻ってきているようなのです。例えば、黒天を打った刀工の名前も思い出したんですよ!」

「おぉ、凄い! それにしても、なんで今までそのことを教えてくれなかったんだよ?」

「不確実だったので、今まで言うのを控えていたのですが、レベルが5に上がった時に確信したのでお伝えさせて頂きました」


 俺のレベルアップと黒衣の記憶の因果関係は分からないけど、俺が戦う理由がまた一つ増えたことは理解した。
 黒衣の記憶に関しては以前聞いたことがある。
 どうやら過去に体験したことや、知識に関しては全てではないが比較的記憶が残っているようなのだ。
 しかし、俺のご先祖様に関することや、それ以外の人間関係などが結構欠落しているらしい。
 もし本当に俺のレベルが上がることで黒衣の記憶が戻るんだったら、俺はどんなに強い敵だろうが立ち向かっていける気がする。

 だって、黒衣は俺の恩人なのだから。

 最初はSランクハンターになりたいっていう、俺の夢のためだけに戦っていたのに、いつの間にか戦う理由がたくさん増えてきたな。
 だけど、それは別に嫌なことでは決してなく、今まで頼られることがほとんどなかった俺にとってはむしろ嬉しいことだった。

 そのためにも、まずは目の前で苦しんでいる人たちを助けなきゃな。



 ―



 そして翌日の深夜に俺と黒衣は、再び木の上に登っていたが、酒場らしき場所の灯りが消えたのを確認して地面に降りる。


「ご準備はよろしいでしょうか?」

「あぁ、問題ない。昨日立てた作戦通りに行こう」


 俺は黒衣が頷いたのを確認してから右手を突き出し、「黒天!」と口にして刀となった黒衣と共に、村へ向かって走り出した。

 俺たちの練った作戦はこうだ。
 まず霊装断絶で人間が収容されている建物まで行って侵入し、建物内に怪がいないことを確認する。次に霊装断絶を解除して、囚われているみんなを霊扉を使って日国へ帰すというものだった。
 しかし、一気に行方不明者が見つかってしまうのと、怪の国の記憶を保持したままだと色々と面倒なことが起きそうだったので、黒衣の『黒夢こくむ』を使って記憶を阻害することにした。

 黒夢をかけられた人は、攫われた後のことを思い出そうとすると、黒い靄が頭の中で発生してその時の記憶を阻害させるという能力だった。


『よし、建物の前までは問題なく辿り着けたな。あとは、中に怪がいるかどうかだけなんだが……』

『気配はしませんが、念の為油断しないようにしましょう』


 俺は音を立てないように、ゆっくりとドアを開くと、中には5人くらいの人たちが雑魚寝をしていた。
 中に怪がいないことを確認した俺は、黒衣を人間の姿に戻して一人ずつ声をかけて起こして回る。

 起こした途端に大声を出されては困るので、少々申し訳ないと思ったが口を塞いでから一人ひとりに、「私は人間です。あなたたちを助けに来ました」と伝えた。
 全員を起こし終わると、奴隷になった人は他にいないかを確認する。

 奴隷になっていた人たちは、年齢も性別も怪の国に来た時期もバラバラのようだった。
 だけど、共通していたのは、全員が杜京で暮らしている人だったということだ。

 俺はそのことが少し気になったけど、今はみんなを無事に杜京へ帰すことが先決だったので、黒衣に指示をして霊扉を出現させてもらった。
 囚われていた人たちは突然現れた扉に驚くも、それ以上に帰りたいという思いの方が勝っていたのか、予想以上に素直に指示に従ってくれた。

 正直ここで一悶着あるかな? と思っていたので、これは嬉しい誤算だった。


「さぁ、皆さんこの扉を通ってください。そうすれば杜京に戻ることができます」


 俺の声に従って、一列になった人たちは扉を潜っていく。
 扉の隣に立っていた黒衣は、みんなが扉を潜る直前に黒夢をかけて、記憶阻害の術をかけている。
 そして、最後の一人が潜ったのを確認した俺たちは、皆さんの後に続いて杜京に戻った。

 かつて怪の国で奴隷にされていた人たちは、杜京に戻って喜んでいる、のではなく、なぜ自分がここにいるのかをよく分かっていないようだった。恐らく黒夢の影響だろう。

 俺が「どうしました?」と質問をすると、ここがどこなのか、駅はどっちの方なのか聞かれたので、教えてあげると一人、また一人と駅の方へ向かって歩き始めた。

 それを確認した俺たちは、ようやく無事に奴隷を解放できたと実感した。


「詩庵様、やりましたね」

「あぁ、みんなを無事に杜京へ帰すことができたな」

「この調子で、他の皆様も救って差し上げたいですね」

「そうだな。また一緒に頑張ろう」


 俺はやり切った満足感が心を満たしていた。
 彼らはもう俺たちのことも、怪の国のことも思い出すことはできないけど、俺は間違いなく彼らを救うことができたんだ。

 あぁ、今日は最高に良い夢が見れそうだな!

 俺は心の底から今日ほど嬉しい日はないと思ったのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

悪行貴族のはずれ息子【第1部 魔法講師編】

白波 鷹(しらなみ たか)【白波文庫】
ファンタジー
★作者個人でAmazonにて自費出版中。Kindle電子書籍有料ランキング「SF・ホラー・ファンタジー」「児童書>読み物」1位にWランクイン! ★第2部はこちら↓ https://www.alphapolis.co.jp/novel/162178383/450916603 「お前みたいな無能は分家がお似合いだ」 幼い頃から魔法を使う事ができた本家の息子リーヴは、そうして魔法の才能がない分家の息子アシックをいつも笑っていた。 東にある小さな街を領地としている悪名高き貴族『ユーグ家』―古くからその街を統治している彼らの実態は酷いものだった。 本家の当主がまともに管理せず、領地は放置状態。にもかかわらず、税の徴収だけ行うことから人々から嫌悪され、さらに近年はその長男であるリーヴ・ユーグの悪名高さもそれに拍車をかけていた。 容姿端麗、文武両道…というのは他の貴族への印象を良くする為の表向きの顔。その実態は父親の権力を駆使して悪ガキを集め、街の人々を困らせて楽しむガキ大将のような人間だった。 悪知恵が働き、魔法も使え、取り巻き達と好き放題するリーヴを誰も止めることができず、人々は『ユーグ家』をやっかんでいた。 さらにリーヴ達は街の人間だけではなく、自分達の分家も馬鹿にしており、中でも分家の長男として生まれたアシック・ユーグを『無能』と呼んで嘲笑うのが日課だった。だが、努力することなく才能に溺れていたリーヴは気付いていなかった。 自分が無能と嘲笑っていたアシックが努力し続けた結果、書庫に眠っていた魔法を全て習得し終えていたことを。そして、本家よりも街の人間達から感心を向けられ、分家の力が強まっていることを。 やがて、リーヴがその事実に気付いた時にはもう遅かった。 アシックに追い抜かれた焦りから魔法を再び学び始めたが、今さら才能が実ることもなく二人の差は徐々に広まっていくばかり。 そんな中、リーヴの妹で『忌み子』として幽閉されていたユミィを助けたのを機に、アシックは本家を変えていってしまい…? ◇過去最高ランキング ・アルファポリス 男性HOTランキング:10位 ・カクヨム 週間ランキング(総合):80位台 週間ランキング(異世界ファンタジー):43位

エンジニア(精製士)の憂鬱

蒼衣翼
キャラ文芸
「俺の夢は人を感動させることの出来るおもちゃを作ること」そう豪語する木村隆志(きむらたかし)26才。 彼は現在中堅家電メーカーに務めるサラリーマンだ。 しかして、その血統は、人類救世のために生まれた一族である。 想いが怪異を産み出す世界で、男は使命を捨てて、夢を選んだ。……選んだはずだった。 だが、一人の女性を救ったことから彼の運命は大きく変わり始める。 愛する女性、逃れられない運命、捨てられない夢を全て抱えて苦悩しながらも前に進む、とある勇者(ヒーロー)の物語。

貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~

喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。 庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。 そして18年。 おっさんの実力が白日の下に。 FランクダンジョンはSSSランクだった。 最初のザコ敵はアイアンスライム。 特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。 追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。 そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。 世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

異世界複利! 【1000万PV突破感謝致します】 ~日利1%で始める追放生活~

蒼き流星ボトムズ
ファンタジー
クラス転移で異世界に飛ばされた遠市厘(といち りん)が入手したスキルは【複利(日利1%)】だった。 中世レベルの文明度しかない異世界ナーロッパ人からはこのスキルの価値が理解されず、また県内屈指の低偏差値校からの転移であることも幸いして級友にもスキルの正体がバレずに済んでしまう。 役立たずとして追放された厘は、この最強スキルを駆使して異世界無双を開始する。

セリオン共和国再興記 もしくは宇宙刑事が召喚されてしまったので・・・

今卓&
ファンタジー
地球での任務が終わった銀河連合所属の刑事二人は帰途の途中原因不明のワームホールに巻き込まれる、彼が気が付くと可住惑星上に居た。 その頃会議中の皇帝の元へ伯爵から使者が送られる、彼等は捕らえられ教会の地下へと送られた。 皇帝は日課の教会へ向かう途中でタイスと名乗る少女を”宮”へ招待するという、タイスは不安ながらも両親と周囲の反応から招待を断る事はできず”宮”へ向かう事となる。 刑事は離別したパートナーの捜索と惑星の調査の為、巡視艇から下船する事とした、そこで彼は4人の知性体を救出し獣人二人とエルフを連れてエルフの住む土地へ彼等を届ける旅にでる事となる。

処理中です...