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第12話
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魔物の討伐で新たな功績を残したアルベルトの元には、山のように貴族から称賛としてあらゆるプレゼントが山のように送られていた。
それは滅多に採れない宝石や武器、服などに加えて、これでもかというほどの女性の写真と婚約を促す手紙。
「全て処分しておいてくれ」
「かしこまりました」
「おいおいおい、少しは読んであげればいいものを」
「それよりも報告することがあるでしょう」
そして公爵家の執務室に集まったのは、ルーヴァニア帝国を代表する皇帝ギーク・ヴァロエ・フレッツ、公爵騎士団総帥アルベルト・ディートフリー、魔術師総帥キャフタ・ロレアル、守護者兼大司教カロエル・マディソン、隠者ナハト・ドゥーサー。
彼らは皇宮の上級職と呼ばれる役職のトップに君臨する長であり、全員が招集される事は珍しく、何より軽々しく会議を開いてはならないという決まりが勝った。
「これを見て欲しい」
ギークの手から置かれたのは、青色の液体が入った瓶。
「これは、今市井で話題になっている洗髪料を販売している店の店主から、手を怪我した時にもらったポーションだ」
「この色のポーションは初めて見ましたね」
感嘆するように声を上げたのは、魔術師キャフタ。長い紫の髪の毛を一つに括り、全身をマントで覆いその服にはいくつもの魔法付与が施されている。眼鏡のよく似合うインテリ系のキャフタは、攻撃魔法に特化しておりディートフリー公爵家とは共闘する仲である。
「この効果はどれほどのものだ?」
「そうですね、これほどまでに精度が高く密度が高いポーションは初めて「うっそぉ~——————え、えぇ……」」
「……おい、カロエル……お前はいつも私の話を遮るが何度言え「どうした?カロエル卿」」
ここには人の話をまともに聞く奴がいないのか!!??と、心のうちで気持ちを爆発させたキャフタ。
だが、残念なことに今集まったメンバーは全員自分勝手で自由気ままな性格しか集まっていない。
「陛下、これとんでもないですよ。うわぁ~初めて見たぁ」
「それを教えて欲「それよりも早くその店主とやらに会いに行きましょう」」
「アルベルト……お前一回だま「うわぁ!すっげ~なんだこれ!やばぁ!!」」
「おいカロエル!今は陛下が話しておら「早く行きましょう」」
誰かが話せばそれを最後まで聞くのではなく、途中でその言葉を遮る者が現れ、またその話すものを遮る者が現れ、と自由気ままなメンバーで結成されたこの場は、いわば地獄であった。
「貴方達、いい加減にしなさい!!!!」
そうして入ってきたのは、彼ら五人が学生時代お世話になった女教師であり、前皇后陛下の指導係そして現皇后陛下のお世話係を務めている女官長のバナタだった。
昔より皇帝陛下に仕えていた彼女は、皇族からとても大きな信頼を得ており、皇太子の幼い頃の教育係も勤めていた。そして、彼女に目をつけられれば身分関係なく苦言を呈せられる。その強気な姿と、皇族に報いる姿から、あらゆる貴族のお手本として名を馳せ、学生時代同学年に居た五人の英雄達は、ともにお説教を受ける仲間であり同士であった。
「もういい歳の大人になったのだから、そろそろ私もお説教などしたくありませんが、あまりに見るに耐えない姿でしたので私が出て参りました。いいですか!あなた方は国の中枢の役割を持つ要となるお方。今この場で————————————」
と、説教が始まるとそれまで賑やかだった空間が一斉に静まり返り、まるで学生時代のような風景へと逆戻り。
それから二十分ほどして、バナタが去っていくのを見た彼らは久々に誰かに叱られるという感覚を覚え、それはもう恥ずかしさで顔が挙げられない。
「…………おい、話を続けるぞ」
—————————
「で、これがなんだって?カロエル卿」
「簡単に言うと、精霊の加護付きのポーションですね。これは、精霊王クレイディスの加護で間違いありません!」
「精霊の加護だと?」
ギークは信じられないものを見るような顔つきになる。だが、その視界の隅では、公爵家のソファで堂々と寝る隠者のナハトの姿があった。それに気が付いたキャフタは、右の手のひらでペシっと叩きつけると、そこから静かな戦いが始まる。
「それは精霊の愛し子で間違いないのか?」
「う~ん……分からないですねぇ。過去の書物に基づいて考えてみていいものなのか分かりませんし、なにより作り手によってここまではっきりとした加護が商品につくのは考えにくいんですよね。下手したら、『愛し子』では収まりきらないかもです。あくまで憶測の話ですけどね」
「……もし本当にそうであるなら、いやそうでなくても大変な事だぞ」
そして、二人の喧嘩を見かねたギークは二人の頭に拳骨を捧げた。
「じゃあ、少し実験をしてみますね」
そう言うと、持っていた短剣で自分の腕を切ったカロエル。かなり深く切ったその傷からは、しとしとと血が流れるが、彼はそんな事は気にもしないで机に置かれたポーションを腕にかける。
その後、すぐに腕を包み込むようにして光が起こり、傷に吸い込まれるようにして消えてなくなった。
「傷跡すらないだと?」
「いや~これすごいですね!上級ポーションでこんなのは出来ませんよ」
するとアルベルトは液が染み付いた空の瓶を手に取り、スン、と匂いを嗅ぐ。そして、驚くほどに目を開きギークとカロエル達がそのポーションの薬効について話し合う側で、俯いていた。
それに気が付いたナハトは、化石のように固まって動かないアルベルトの前で手を振るが、微動だにせず、ただそのポーションを持ったまま見つめていた。
「…………れ、だ」
「だが、その子の素性は分かっていない。唯一把握できているのは、子持ちでS級冒険者のシュワルツの家に居候しているということだ。まあ、妙に所作が綺麗だったのは気になるが——————………アルベルト?おい、突然立ってどうしたんだ」
その様子はどこか焦燥としており、不可解な行動を示すアルベルトにその場にいた誰もが疑問を抱く。
だが、何も言わず出て行こうとするアルベルトの腕を掴んだのはギークだった。
「離してください」
「お前なぁ、事情くらい説明しろ」
「——————が、………———で、す」
「?」
泣きそうな顔をしているアルベルトは、絞り出すように言葉を発する。
「このポーションを作った人が、運命の番で間違いないんです」
それは滅多に採れない宝石や武器、服などに加えて、これでもかというほどの女性の写真と婚約を促す手紙。
「全て処分しておいてくれ」
「かしこまりました」
「おいおいおい、少しは読んであげればいいものを」
「それよりも報告することがあるでしょう」
そして公爵家の執務室に集まったのは、ルーヴァニア帝国を代表する皇帝ギーク・ヴァロエ・フレッツ、公爵騎士団総帥アルベルト・ディートフリー、魔術師総帥キャフタ・ロレアル、守護者兼大司教カロエル・マディソン、隠者ナハト・ドゥーサー。
彼らは皇宮の上級職と呼ばれる役職のトップに君臨する長であり、全員が招集される事は珍しく、何より軽々しく会議を開いてはならないという決まりが勝った。
「これを見て欲しい」
ギークの手から置かれたのは、青色の液体が入った瓶。
「これは、今市井で話題になっている洗髪料を販売している店の店主から、手を怪我した時にもらったポーションだ」
「この色のポーションは初めて見ましたね」
感嘆するように声を上げたのは、魔術師キャフタ。長い紫の髪の毛を一つに括り、全身をマントで覆いその服にはいくつもの魔法付与が施されている。眼鏡のよく似合うインテリ系のキャフタは、攻撃魔法に特化しておりディートフリー公爵家とは共闘する仲である。
「この効果はどれほどのものだ?」
「そうですね、これほどまでに精度が高く密度が高いポーションは初めて「うっそぉ~——————え、えぇ……」」
「……おい、カロエル……お前はいつも私の話を遮るが何度言え「どうした?カロエル卿」」
ここには人の話をまともに聞く奴がいないのか!!??と、心のうちで気持ちを爆発させたキャフタ。
だが、残念なことに今集まったメンバーは全員自分勝手で自由気ままな性格しか集まっていない。
「陛下、これとんでもないですよ。うわぁ~初めて見たぁ」
「それを教えて欲「それよりも早くその店主とやらに会いに行きましょう」」
「アルベルト……お前一回だま「うわぁ!すっげ~なんだこれ!やばぁ!!」」
「おいカロエル!今は陛下が話しておら「早く行きましょう」」
誰かが話せばそれを最後まで聞くのではなく、途中でその言葉を遮る者が現れ、またその話すものを遮る者が現れ、と自由気ままなメンバーで結成されたこの場は、いわば地獄であった。
「貴方達、いい加減にしなさい!!!!」
そうして入ってきたのは、彼ら五人が学生時代お世話になった女教師であり、前皇后陛下の指導係そして現皇后陛下のお世話係を務めている女官長のバナタだった。
昔より皇帝陛下に仕えていた彼女は、皇族からとても大きな信頼を得ており、皇太子の幼い頃の教育係も勤めていた。そして、彼女に目をつけられれば身分関係なく苦言を呈せられる。その強気な姿と、皇族に報いる姿から、あらゆる貴族のお手本として名を馳せ、学生時代同学年に居た五人の英雄達は、ともにお説教を受ける仲間であり同士であった。
「もういい歳の大人になったのだから、そろそろ私もお説教などしたくありませんが、あまりに見るに耐えない姿でしたので私が出て参りました。いいですか!あなた方は国の中枢の役割を持つ要となるお方。今この場で————————————」
と、説教が始まるとそれまで賑やかだった空間が一斉に静まり返り、まるで学生時代のような風景へと逆戻り。
それから二十分ほどして、バナタが去っていくのを見た彼らは久々に誰かに叱られるという感覚を覚え、それはもう恥ずかしさで顔が挙げられない。
「…………おい、話を続けるぞ」
—————————
「で、これがなんだって?カロエル卿」
「簡単に言うと、精霊の加護付きのポーションですね。これは、精霊王クレイディスの加護で間違いありません!」
「精霊の加護だと?」
ギークは信じられないものを見るような顔つきになる。だが、その視界の隅では、公爵家のソファで堂々と寝る隠者のナハトの姿があった。それに気が付いたキャフタは、右の手のひらでペシっと叩きつけると、そこから静かな戦いが始まる。
「それは精霊の愛し子で間違いないのか?」
「う~ん……分からないですねぇ。過去の書物に基づいて考えてみていいものなのか分かりませんし、なにより作り手によってここまではっきりとした加護が商品につくのは考えにくいんですよね。下手したら、『愛し子』では収まりきらないかもです。あくまで憶測の話ですけどね」
「……もし本当にそうであるなら、いやそうでなくても大変な事だぞ」
そして、二人の喧嘩を見かねたギークは二人の頭に拳骨を捧げた。
「じゃあ、少し実験をしてみますね」
そう言うと、持っていた短剣で自分の腕を切ったカロエル。かなり深く切ったその傷からは、しとしとと血が流れるが、彼はそんな事は気にもしないで机に置かれたポーションを腕にかける。
その後、すぐに腕を包み込むようにして光が起こり、傷に吸い込まれるようにして消えてなくなった。
「傷跡すらないだと?」
「いや~これすごいですね!上級ポーションでこんなのは出来ませんよ」
するとアルベルトは液が染み付いた空の瓶を手に取り、スン、と匂いを嗅ぐ。そして、驚くほどに目を開きギークとカロエル達がそのポーションの薬効について話し合う側で、俯いていた。
それに気が付いたナハトは、化石のように固まって動かないアルベルトの前で手を振るが、微動だにせず、ただそのポーションを持ったまま見つめていた。
「…………れ、だ」
「だが、その子の素性は分かっていない。唯一把握できているのは、子持ちでS級冒険者のシュワルツの家に居候しているということだ。まあ、妙に所作が綺麗だったのは気になるが——————………アルベルト?おい、突然立ってどうしたんだ」
その様子はどこか焦燥としており、不可解な行動を示すアルベルトにその場にいた誰もが疑問を抱く。
だが、何も言わず出て行こうとするアルベルトの腕を掴んだのはギークだった。
「離してください」
「お前なぁ、事情くらい説明しろ」
「——————が、………———で、す」
「?」
泣きそうな顔をしているアルベルトは、絞り出すように言葉を発する。
「このポーションを作った人が、運命の番で間違いないんです」
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