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1.落ちた場所
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未だ夏の気温が燻る秋の入り小口で、俺は巻き込まれた。
なににって、異世界召喚に、だ。
なんだかアニメとかで見たような状況に巻き込まれたはいいものの、こういうのって巻き込まれた俺が巻き込んだ人達と同じ場所に辿り着くものだと思うじゃん?
……なんで俺だけこんなとこにいんの?
俺は今年転職したばかりのアラサー、名前は滝口正一だ。
今日の晩御飯はナポリタンにしようかな~と帰り道にあるコンビニへと行く道すがら、前方から歩いて来た高校生くらいの三人組とすれ違おうとした時。
突然、足元が光り輝いた。
その光を浴びた瞬間、その三人組も俺も時が止まったように動きが止まった。
三者三様にえっという声を上げた後……暗転した。
その子達の顔を見る間もなかった。
分かった、これ、あの、アニメとかでよくみるあれだ!!
異世界召喚!!
そんなことを考えてた俺は静かにパニックになってたんだと思う。
仕方ないよな、非現実的なことが起こってんだから。
ちなみにこれ考えながらずっと落ちてる感覚があるので、落ちてる。
どこへ落ちてるのかは知らんが、セオリーとして召喚した奴の元にあの子達ごと行っちゃうんだろう。絶対、俺が巻き込まれた民間人だよね。その場合、一応世話は見てもらえるのか、冷遇されるのかどっちかだと思うし、元の世界に帰れないとか言われるんでしょ?
最後にナポリタン食いたかったな……
「……おい」
俺、コンビニのナポリタン好きなんだよね……
「……おい」
異世界ってナポリタンあるのかな、あったら嬉しいな……
「おい!」
「ハッ」
なんかすごい大きな声が聞こえた。
いつの間にかどこかについてたらしい。
落ちてた割りには着地したような衝撃なかったから分からんかった。
「……お?」
「気づいたならいい加減そこをどけ」
目の前にすっごい端正な顔がある。
うわーなにこれ、男の俺から見てもめっちゃ美形じゃん。芸能人?
あれ、でもこめかみのとこから角生えてるな。
人間じゃないの?髪は白金で目は真っ赤だし、この世の者じゃないのかもしれん。
じゃあ俺死んだのか。異世界じゃなくて、もしかしてあれ爆発だったとかか。
「貴様、聞いているのか」
「んぇっ!?あ、はい!すいません、どけます!!」
顔近いとは思ったけど、まさか人の上に乗ってるとは思わんかった。
というか、よく見たら俺が押し倒してるような状況になってた。なんで??
「なんか、本当にすいません」
よく見たらここベッドじゃん。ますます謎が深い。
「まったく……我の眠りを妨げるとは勇気があるのか無謀なのか。いや、貴様なにやら不思議な匂いがするな」
「へぇっ!?ちょ、ちょ、ちょっとなにするんですか!」
なんで俺の首に絶世の美形の顔がくっついてんの!?
なんか匂い嗅いでない?くさいの?
まだ風呂入ってないだけですー!!晩飯もまだだから仕方ないだろー!!
「これは……どこぞの国が召喚でもしたか」
「そそそそこで喋んないで!くすぐってぇから!!」
「貴様、異世界の者であろう?」
この人、俺の話聞いてないな!?
なんでずっと首に顔つけたままなんだよ。
鼻があたってくすぐったくてたまらないんですけど。
あとさり気に腰と背中抱き寄せないで!
「未だに勇者なんぞという者を信じておったか。人間とは忘れやすいものだな。だが、この匂いは良い……どこぞで空間が捻じ曲がったのだろうが、良い拾い物をした」
やっべ、よくわからんうちにこの人に拾われたことになった。
なににって、異世界召喚に、だ。
なんだかアニメとかで見たような状況に巻き込まれたはいいものの、こういうのって巻き込まれた俺が巻き込んだ人達と同じ場所に辿り着くものだと思うじゃん?
……なんで俺だけこんなとこにいんの?
俺は今年転職したばかりのアラサー、名前は滝口正一だ。
今日の晩御飯はナポリタンにしようかな~と帰り道にあるコンビニへと行く道すがら、前方から歩いて来た高校生くらいの三人組とすれ違おうとした時。
突然、足元が光り輝いた。
その光を浴びた瞬間、その三人組も俺も時が止まったように動きが止まった。
三者三様にえっという声を上げた後……暗転した。
その子達の顔を見る間もなかった。
分かった、これ、あの、アニメとかでよくみるあれだ!!
異世界召喚!!
そんなことを考えてた俺は静かにパニックになってたんだと思う。
仕方ないよな、非現実的なことが起こってんだから。
ちなみにこれ考えながらずっと落ちてる感覚があるので、落ちてる。
どこへ落ちてるのかは知らんが、セオリーとして召喚した奴の元にあの子達ごと行っちゃうんだろう。絶対、俺が巻き込まれた民間人だよね。その場合、一応世話は見てもらえるのか、冷遇されるのかどっちかだと思うし、元の世界に帰れないとか言われるんでしょ?
最後にナポリタン食いたかったな……
「……おい」
俺、コンビニのナポリタン好きなんだよね……
「……おい」
異世界ってナポリタンあるのかな、あったら嬉しいな……
「おい!」
「ハッ」
なんかすごい大きな声が聞こえた。
いつの間にかどこかについてたらしい。
落ちてた割りには着地したような衝撃なかったから分からんかった。
「……お?」
「気づいたならいい加減そこをどけ」
目の前にすっごい端正な顔がある。
うわーなにこれ、男の俺から見てもめっちゃ美形じゃん。芸能人?
あれ、でもこめかみのとこから角生えてるな。
人間じゃないの?髪は白金で目は真っ赤だし、この世の者じゃないのかもしれん。
じゃあ俺死んだのか。異世界じゃなくて、もしかしてあれ爆発だったとかか。
「貴様、聞いているのか」
「んぇっ!?あ、はい!すいません、どけます!!」
顔近いとは思ったけど、まさか人の上に乗ってるとは思わんかった。
というか、よく見たら俺が押し倒してるような状況になってた。なんで??
「なんか、本当にすいません」
よく見たらここベッドじゃん。ますます謎が深い。
「まったく……我の眠りを妨げるとは勇気があるのか無謀なのか。いや、貴様なにやら不思議な匂いがするな」
「へぇっ!?ちょ、ちょ、ちょっとなにするんですか!」
なんで俺の首に絶世の美形の顔がくっついてんの!?
なんか匂い嗅いでない?くさいの?
まだ風呂入ってないだけですー!!晩飯もまだだから仕方ないだろー!!
「これは……どこぞの国が召喚でもしたか」
「そそそそこで喋んないで!くすぐってぇから!!」
「貴様、異世界の者であろう?」
この人、俺の話聞いてないな!?
なんでずっと首に顔つけたままなんだよ。
鼻があたってくすぐったくてたまらないんですけど。
あとさり気に腰と背中抱き寄せないで!
「未だに勇者なんぞという者を信じておったか。人間とは忘れやすいものだな。だが、この匂いは良い……どこぞで空間が捻じ曲がったのだろうが、良い拾い物をした」
やっべ、よくわからんうちにこの人に拾われたことになった。
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