暴君王子は恋を知る

まぁ

文字の大きさ
31 / 43

31

しおりを挟む
「へっ、うっ……あぁ!」
 自分の中で感じた事のないような動きに、アンリは驚きと否めない異物感に襲われた。だがそれも徐々に薄れていく。
「まっ……うぅん!」
「凄いぞアンリ。俺のを食い込んだまま放そうとしない」
「いわな……あぁん!」
 言葉にしようにも言葉はっきりと紡げない。そのゆっくりの動きであってもアンリの中は和史をしっかりと咥えこんでいる。それは出し入れする度にキュッと締め付ける。
「ひっうん。あっ、あぁ……」
「アンリ愛してる」
「お、オレ……も」
 アンリからの初めての告白。それを聞いた和史は半分まで入れていた自身を奥まで入れた。するとアンリは仰け反らせながら巨勢をもらした。
「あぁ!」
「今のはお前が悪い。それにお前の口からちゃんと素直な言葉が出たな」
「あっ、あぁ……」
 足がつりそうな程突っ張っている。アンリはもがくように手を和史に差し伸べた。
「やぁ、激しく……しないで……」
「それは無理だな。こんなにも可愛らしいアンリを見れるんだ。もう少し付き合ってもらうぞ」
 そう言うと和史は動きを再開させた。今度は最奥を探る様に深く。その度に全身から電流が走り、アンリの中は和史を締め付ける。
「おいアンリ、もう少し緩めろ」
「む、無理……わかんな……あぁ!」
 押し寄せる快楽の波に飲まれるアンリ。今の自分がどんな状態なのかわからない。ただ頭の中にあるのは「気持ちいい」という答えだけだ。
「あっ、あぁ……ダメ、も……」
「アンリ。俺を見ろ」
「ひっん……あぅ」
 自分の上で動く男を見たアンリは、和史の切羽詰まったような顔を見てドキリとした。おそらく和史もそろそろなのだろう。自分の中で気持ちよさそうに動くこの男が好きだと再認識した。
「あっ……あ、かず……ふ、み」
 またも始めて名前を呼ばれ、和史はラストスパートといわんばかりに動きを激しくする。アンリはずっと和史の名を呼び続けた。
「アンリ……」
 グッと奥まで突き付けた瞬間、和史は爆ぜ、熱いものがアンリの中を濡らした。
「あ、あぁ……あつ……」
 同時にアンリも果てたようで、アンリの腹には白濁したものが飛んでいた。
「アンリ……」
「和史……」
 どちらともなく唇を交わす。その心地よさは今まで感じた事がないものだ。アンリはそのまま意識を手放す。


「う、ん……」
 なんだか気だるいなと思い、目覚ましが鳴るよりも先に目を覚ましたアンリは、起き上がろうとしたが、自分の腰に何か巻き付いている。何だと思い見てみると、自分の隣では和史が眠っている。
「な、何で……」
 一体どうして和史がここにいるのかと考えた時、ようやく昨夜の事が一部始終思い出した。どうやら後始末は和史がしてくれたようだが、腰は重いし、何よりも互いに裸だ。いかにも一線を越えましたとい言わんばかりの光景にアンリは顔を赤くした。
「ん、アンリ……」
 もぞもぞと動いていたからか、和史も目を覚ましたみたいだ。
「おはよう。アンリ」
 起きた和史がチュッとキスをした瞬間、アンリは再び寝転んで布団をかぶった。
「なんだ?昨日の事忘れてないだろ?」
「お、覚えてるから恥ずかしいんだ!」
「本当に可愛いやつだな。ま、これで恋人同士なんだし慣れろよ」
「だ、誰が恋人同士だ!」
 いつものように否定するアンリだが、その否定ももう和史には通用しない。和史はニヤリと笑って布団を取り上げた。
「何言ってる。昨日俺の名前を呼びながら好きって言ってたじゃないか」
「い、言ってな……」
「否定は結構だが、変わりにわかってもらうまで抱きつぶすぞ」
 人の悪い笑みを浮かべる和史は上機嫌だが、その言葉を聞いてアンリは「勘弁してほしい」と正直に思ってしまった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

沈黙のΩ、冷血宰相に拾われて溺愛されました

ホワイトヴァイス
BL
声を奪われ、競売にかけられたΩ《オメガ》――ノア。 落札したのは、冷血と呼ばれる宰相アルマン・ヴァルナティス。 “番契約”を偽装した取引から始まったふたりの関係は、 やがて国を揺るがす“真実”へとつながっていく。 喋れぬΩと、血を信じない宰相。 ただの契約だったはずの絆が、 互いの傷と孤独を少しずつ融かしていく。 だが、王都の夜に潜む副宰相ルシアンの影が、 彼らの「嘘」を暴こうとしていた――。 沈黙が祈りに変わるとき、 血の支配が終わりを告げ、 “番”の意味が書き換えられる。 冷血宰相×沈黙のΩ、 偽りの契約から始まる救済と革命の物語。

炎の精霊王の愛に満ちて

陽花紫
BL
異世界転移してしまったミヤは、森の中で寒さに震えていた。暖をとるために焚火をすれば、そこから精霊王フレアが姿を現す。 悪しき魔術師によって封印されていたフレアはその礼として「願いをひとつ叶えてやろう」とミヤ告げる。しかし無欲なミヤには、願いなど浮かばなかった。フレアはミヤに欲望を与え、いまいちど願いを尋ねる。 ミヤは答えた。「俺を、愛して」 小説家になろうにも掲載中です。

あなたと過ごせた日々は幸せでした

蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。

追放オメガ聖帝の幸せな結婚〜クールなスパダリ騎士に拾われて溺愛されるまで〜

あきたいぬ大好き(深凪雪花)
BL
ノルディーナ王国の聖帝サーナは、教皇のありもしない嘘のせいで聖宮から追放されてしまう。 行く当てがないサーナが国境に向かうと、そこで隣国ルミルカ王国の騎士であるムーシュと出会う。ムーシュから諸事情により偽装結婚を提案されて、サーナは期限付きの偽装結婚ならばよいと承諾し、一時的に保護してもらうことに。 異国暮らしに慣れていく中で、やがてムーシュから溺愛されるようになり……?

【8話完結】帰ってきた勇者様が褒美に私を所望している件について。

キノア9g
BL
異世界召喚されたのは、 ブラック企業で心身ボロボロになった陰キャ勇者。 国王が用意した褒美は、金、地位、そして姫との結婚―― だが、彼が望んだのは「何の能力もない第三王子」だった。 顔だけ王子と蔑まれ、周囲から期待されなかったリュシアン。 過労で倒れた勇者に、ただ優しく手を伸ばしただけの彼は、 気づかぬうちに勇者の心を奪っていた。 「それでも俺は、あなたがいいんです」 だけど――勇者は彼を「姫」だと誤解していた。 切なさとすれ違い、 それでも惹かれ合う二人の、 優しくて不器用な恋の物語。 全8話。

【完結】毎日きみに恋してる

藤吉めぐみ
BL
青春BLカップ1次選考通過しておりました! 応援ありがとうございました! ******************* その日、澤下壱月は王子様に恋をした―― 高校の頃、王子と異名をとっていた楽(がく)に恋した壱月(いづき)。 見ているだけでいいと思っていたのに、ちょっとしたきっかけから友人になり、大学進学と同時にルームメイトになる。 けれど、恋愛模様が派手な楽の傍で暮らすのは、あまりにも辛い。 けれど離れられない。傍にいたい。特別でありたい。たくさんの行きずりの一人にはなりたくない。けれど―― このまま親友でいるか、勇気を持つかで揺れる壱月の切ない同居ライフ。

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

前世が教師だった少年は辺境で愛される

結衣可
BL
雪深い帝国北端の地で、傷つき行き倒れていた少年ミカを拾ったのは、寡黙な辺境伯ダリウスだった。妻を亡くし、幼い息子リアムと静かに暮らしていた彼は、ミカの知識と優しさに驚きつつも、次第にその穏やかな笑顔に心を癒されていく。 ミカは実は異世界からの転生者。前世の記憶を抱え、この世界でどう生きるべきか迷っていたが、リアムの教育係として過ごすうちに、“誰かに必要とされる”温もりを思い出していく。 雪の館で共に過ごす日々は、やがてお互いにとってかけがえのない時間となり、新しい日々へと続いていく――。

処理中です...