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「や、や……めっ!」
お互いのものが擦れる。二人が出した先走りの液体が潤滑剤となり滑りをよくした。ぬちゅぬちゅと音が響く中、アンリは声が止まらなかった。
「やだぁ……あっ!」
「嫌か?俺は嬉しいんだがな。こうしてアンリと触れられて」
そんな事を言うのは反則だ。この場合の嫌は止めて欲しいの嫌ではない。経験豊富そうな和史ならわかっているだろうに。なのにアンリの言質を取ろうとする。
「もし本気で嫌なら止めるぞ」
「……めない……で……」
目からは悲しい気持ちではない。どういう生理現象なのかわからない涙が出ていた。和史はそんな素直なアンリにキスをする。
(ダメだ……オレは本当にこいつが好きなんだな……)
キスが心地いい。やめないで欲しい。アンリは積極的に舌を絡ませる。
「そろそろイきそうだ」
「……ぉ、れも……」
「なら一緒にイこうな」
互いに揺れる腰。そして和史の手も素早く動く。挿入こそはされていないが、アンリの中ではもはやこれはセックスだ。
「アンリ……」
「かず……ふみ……」
急に名前を呼ばれたものだから、和史も驚いて果ててしまった。だがアンリも同時に果てたようで、アンリの腹には二人分の精液が溜まっている。
「やっと俺の名前呼んだな……って、漫画か?このタイミングで気を失うとか……」
果てたと同時に意識を手放したアンリ。だが名前を呼ばれた事に嬉しくなった和史は、アンリの頬や唇に優しくキスをした。
「愛してるよ。アンリ」
一体昨夜の事は真実なのだろうか。
目が覚めたアンリは起き上がるなり一人だけだったのできょろきょろと周囲の確認をした。
「昨夜オレはあいつと……」
あれは夢だったのではと思う程に身は綺麗にされている。だが真実だと実感するのはやはり体だ。触れられた違和感もあったが、何よりも無数に散った赤い痕が現実だと知らせた。
「わぁ……オレは昨日あんな事やそんな事……それに尻に指が……」
いろいろと思い返せば恥ずかしさで死んでしまうのではないかとも思った。
しばらく一人謎の悶絶を繰り返した後、リビングに行くと、ダイニングテーブルの上にサンドイッチが置いてあった。
「朝は基本的に食べないのに……」
朝まで和史がいる事は少ないし、元々食べない旨を伝えていたのだが、今日ばかりはどうしてか朝食が用意されてある。タマゴサンドにハムとレタスのサンドと、シンプルなものだ。もちろん和史が作ってくれたのもだ。嬉しくなってアンリはタマゴサンドにぱくついた。
「オレ……あいつの事好きなんだよな……でも、どうやって伝えたらいいんだ?」
告白など今までした事はない。どうやって自分の気持ちを伝えればいいのか全くわからなかった。
よくある社長出勤とまでは言わないが、出勤時間はある意味イギリスルールなアンリは、午前も終わろうかという時間にあてがわれているホテルの自室にこもった。
「今日は特に用事はありませんので、ここでゆっくり仕事をして下さい」
秘書のウィードにそう言われ、PCを開き仕事を始める。だが昨日の事が気になったのもあり、相談する相手もいないアンリはウィードに聞いてみようと思った。
「な、なぁ……」
「なんですか?」
「相手に気持ちを伝えるにはどうしたらいいんだ?」
その言葉を聞いた瞬間、ウィードの眉がピクリと反応し、とても不機嫌な表情になった。
お互いのものが擦れる。二人が出した先走りの液体が潤滑剤となり滑りをよくした。ぬちゅぬちゅと音が響く中、アンリは声が止まらなかった。
「やだぁ……あっ!」
「嫌か?俺は嬉しいんだがな。こうしてアンリと触れられて」
そんな事を言うのは反則だ。この場合の嫌は止めて欲しいの嫌ではない。経験豊富そうな和史ならわかっているだろうに。なのにアンリの言質を取ろうとする。
「もし本気で嫌なら止めるぞ」
「……めない……で……」
目からは悲しい気持ちではない。どういう生理現象なのかわからない涙が出ていた。和史はそんな素直なアンリにキスをする。
(ダメだ……オレは本当にこいつが好きなんだな……)
キスが心地いい。やめないで欲しい。アンリは積極的に舌を絡ませる。
「そろそろイきそうだ」
「……ぉ、れも……」
「なら一緒にイこうな」
互いに揺れる腰。そして和史の手も素早く動く。挿入こそはされていないが、アンリの中ではもはやこれはセックスだ。
「アンリ……」
「かず……ふみ……」
急に名前を呼ばれたものだから、和史も驚いて果ててしまった。だがアンリも同時に果てたようで、アンリの腹には二人分の精液が溜まっている。
「やっと俺の名前呼んだな……って、漫画か?このタイミングで気を失うとか……」
果てたと同時に意識を手放したアンリ。だが名前を呼ばれた事に嬉しくなった和史は、アンリの頬や唇に優しくキスをした。
「愛してるよ。アンリ」
一体昨夜の事は真実なのだろうか。
目が覚めたアンリは起き上がるなり一人だけだったのできょろきょろと周囲の確認をした。
「昨夜オレはあいつと……」
あれは夢だったのではと思う程に身は綺麗にされている。だが真実だと実感するのはやはり体だ。触れられた違和感もあったが、何よりも無数に散った赤い痕が現実だと知らせた。
「わぁ……オレは昨日あんな事やそんな事……それに尻に指が……」
いろいろと思い返せば恥ずかしさで死んでしまうのではないかとも思った。
しばらく一人謎の悶絶を繰り返した後、リビングに行くと、ダイニングテーブルの上にサンドイッチが置いてあった。
「朝は基本的に食べないのに……」
朝まで和史がいる事は少ないし、元々食べない旨を伝えていたのだが、今日ばかりはどうしてか朝食が用意されてある。タマゴサンドにハムとレタスのサンドと、シンプルなものだ。もちろん和史が作ってくれたのもだ。嬉しくなってアンリはタマゴサンドにぱくついた。
「オレ……あいつの事好きなんだよな……でも、どうやって伝えたらいいんだ?」
告白など今までした事はない。どうやって自分の気持ちを伝えればいいのか全くわからなかった。
よくある社長出勤とまでは言わないが、出勤時間はある意味イギリスルールなアンリは、午前も終わろうかという時間にあてがわれているホテルの自室にこもった。
「今日は特に用事はありませんので、ここでゆっくり仕事をして下さい」
秘書のウィードにそう言われ、PCを開き仕事を始める。だが昨日の事が気になったのもあり、相談する相手もいないアンリはウィードに聞いてみようと思った。
「な、なぁ……」
「なんですか?」
「相手に気持ちを伝えるにはどうしたらいいんだ?」
その言葉を聞いた瞬間、ウィードの眉がピクリと反応し、とても不機嫌な表情になった。
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