暴君王子は恋を知る

まぁ

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 突然セックスをしてみようなどと言われ、これまでもこの手の事に関してはいっぱいいっぱいだったアンリは、さらにいっぱいいっぱいになって頭が混乱した。
「で、出来るかやってみようなんて……そもそもこういうのは好きな者同士で……」
「何言ってる。アンリはすでに俺の事が好きだろ?」
「別にそんな事……」
「そのツンツンはもうわかった。今からは存分にデレてもらうぞ」
 今時ツンデレに夢を抱くなんてオヤジか!っとつっこみたくなったアンリだが、和史は本気なのだろう。その手がいままでと違ってエロティックに感じる。
「お前は俺だけに感じてろ」
「まっ、待て!あっ!」
 シャツの上から乳首を摘まれた。そんな小さな尖に感じるはずはないと思っていたのだが、和史に触られた瞬間じんじんと痺れてきた。
 するとシャツの上から乳首を摘んでは指で弾き、優しく掻くように上下に動かす。
「や、やめっ……」
「アンリは本当に感じやすいな」
「んっ……やぁっ……」
 次第にそこはツンっと上に上にと立ち上がる。和史はそんなアンリに優しくキスをし、今度は直に尖に触れてきた。
「あっ、あぁ!」
「あぁ、布越しより直が気持ちいいのか?」
 何も言わないアンリは、ただ喘いだ。何か言っても和史はいいように解釈する。だが間違ってない。今までただあるだけだったその飾りが、まさかこんなにも気持ちいいものだとは思いもしなかった。
「ひうっ……んっ!」
 弾かれ摘ままれる度にびりびりと電流のようなものが体を駆け巡る。存在感を示すそこを、和史は口の中に含んだ。
「やあっ!あぁ!」
 ぬるりとした生温かい舌が尖りをくにくにと潰すように舐める。指とはまた違う刺激にアンリは悶えた。
 今まで知らなかった自分を、和史に塗り替えられていく。そしてアンリが知らなかった快楽がそこにあった。もう何も考えられなかった。ただ和史の施す快楽に飲み込まれるようにして喘ぐだけだった。
「えらく大人しくなったな。もう反論するのも止めたか?」
 喘ぐ以外、大人しくなったアンリを見て余裕な笑みを浮かべる和史だが、アンリの表情は恍惚としている。何か反論したそうに目に力は入れてみるが、それも叶わずとろりとなっている。
「アンリ……かわいくなってる」
 優しいキスを黙って受け止めるアンリは、もっとと言わんばかりに舌を伸ばす。それに応えるかのように和史は舌を絡めた。
「あっ……うん」
「アンリ……俺は遊びとかじゃなくて真剣にお前が好きだぞ」
「そ、それ……今言う事か?」
「今言わなくていつ言うんだよ」
 真剣な表情でそう告白され、アンリの心はドキドキしつつもどこかほかほかした気分になった。自分に対してこんなにも真っ直ぐな愛を囁いてくれるとは思いもしなかった。
「オレの事……本当に?」
「当たり前だろ。まぁ、素直じゃないお前からの返事は、いつか聞きたいもんだがな」
「べ、別にオレは……」
「はいはい。続きをするぞ」
 その手が再び動きを見せた。だがアンリは心の中で「どうしよう」という気持ちがあった。嫌いではない。むすろ和史といて安心している自分がいる。なんだかんだと甘え、そして甘えさせてくれる和史。そして真摯な告白に嬉しくなった。自分は認めなきゃいけないのだと思った。和史が好きだと。
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