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なんだかんだと話は進む

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 結婚という未知の行事とそれからの未来を想像した瞬間に、謎のネガティブドミノを発生させた佐和子は、何の結論に至らないまま加納とのデートを迎える。
「なんか佐和子さんやつれてません?」
「そう見える?」
「はい……」
「実はね……」
 一人で悩んでも仕方ないので、ことの顛末を加納に話した。
 佐和子の話を聞いた加納は、ポカンと口を開けて驚いていた。
「佐和子さんすごい妄想してたんですね」
「妄想じゃないよ!現実だよ!」
 今日は暑いのと解禁された事もあり、会社近くのビル屋上にあるビアガーデンでデートする事にした。
 解禁日ということもあって大変賑わっていたが、加納の高額おしゃれデートは結局二人の雰囲気に合わないという事で、二人が入りやすいような居酒屋や普通ランクの料理屋を選ぶ事にしている。
「まぁ、現実問題お金は大切ですよね。現実を知って将来を考えるのもいいかもしれません。お互いの年収と貯金、現在の借金なんかは知っておいた方が考えやすいかもしれませんね」
「おぉ!リアルなお金!たしかにそこは大切だね。ちなみに借金は今のところ奨学金くらいかな?」
「僕はありませんよ」
 つまり親が全額負担してくれて大学を出たタイプ。しかも聞けば都内の私立。思いの外ボンボンだと判明した。
 だが一つ一つお互いの事を照らし合わせてみるとなんとなく心が落ち着いたというか、これくらいならという安心感に似たものも出てきた。
「ちなみに佐和子さんは結婚式は挙げたいですよね?」
「えっ?挙げる前提?」
「ん?」
「結婚式って一日でかなりの大金使うでしょ?個人的には若い頃ならともかく、この歳になるとそのお金を旅行に使いたいかも」
 ウエディングドレスに全く憧れがないわけではないが、年齢の経過なのか、無駄な事をしたくない。そのお金は新婚旅行でぱーっと使いたいと思ってしまう。
「ちなみにもしするにしても私はドレスより白無垢着たみたいな」
「な、成る程……僕は佐和子さんのドレス姿見たい気もしましたが……」
「うーん……旅行に使いたいと式は挙げたいの願い叶えるなら海外でやっちゃうのが予算的にもお互いの希望にも添える形じゃないかな?」
 お互いがベストな内容にしたい。そう思って話をしていた時、ふと内容的に結婚する方向になっていないか?と思ってしまった。
「と、とりあえずあくまでもそうなった場合の話だよね」
「まぁ、そうですけど、なんだかんだと佐和子さんノリノリですよね?」
「そ、そう?」
 たしかに案外話してみると面白かったりする。これは結婚してもいいのかも。そう思った時だった。
「あれ?加納もここ来てたんだ」
「あ、先輩!」
 二人の元にやって来たのは背が高く、おおよそこのビアガーデンに似つかわしくない大人のフェロモン垂れ流しな人物。どうやらこの人が加納にあれこれ大人のデートコーデを押してた会社の先輩のようだ。
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