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大人の色気
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「ホントあんたは気が向いたら時にしか連絡寄越さないんだから!」
小さな画面越しからけたたましく言うのは、地元の親友江口千枝である。農家に嫁ぎ現在は二児の母。地元にいた時は細っそりしていた体も、育児ストレスと子の残した物+自分の食事分でややぽっちゃりになってる。
「ごめんごめん。特に用事なかったからさ」
「全く!それで?ヘルプとは何?お金以外なら相談に乗る!」
「えーっと実は……」
佐和子からのヘルプメッセージで即テレビ電話をしてきた千枝に、佐和子は本日あった出来事を話す。
「ちょっと!何面白そうな事になってるの?年下男子?しかも全方位に枯れていたあんたに告白って!!」
案の定大興奮な千枝。もう恋する事もない千枝からしたら、他人の恋愛話は恰好の餌食だ。
「そうなのよ!こんな枯れ果てたおばさんに告白って、罰ゲームじゃないのかって思ってさ……それにお付き合いって何をすればいいのやら?」
「うーん……田舎のこっちと違って、そっちは遊ぶ所沢山あるじゃない。映画館なりランドなりし行けばいいじゃない」
「やだ!面倒くさい。それに何を着ていけばいいのかもさっぱり!」
このまったりのんびり日常に慣れてしまったら、イレギュラーな日常が面倒で仕方ない。千枝の言う映画館もレンタルされるまで待てばいい。ランドは高い。人が多いで拒否したいところだ。
「あんた何もかもめんどくさがってたら何も始まりもしないよ」
「始まらなくていいよ」
「じゃあなんで付き合う事に?」
「押し?後は一ヶ月限定と言われたから?」
正確には一ヶ月付き合ってみてのお試しなのだが、よくよく考えたらそれすらも面倒だと思い始めた。
「とりあえず……その腐った日常をチャンスに変えなよ」
「私このまま余生を過ごしたい」
「ホント腐ってるわ……いい?あんたにとっての非日常も、慣れてみれば良くなるし、それに年下と付き合えるチャンスなんてこの歳になったらそうないじゃない。楽しみなさいよ」
その年下なのが問題ではないかとも思った。結局浮気の大半は若い子にシフトする。
「今から浮気を気にしても仕方ないじゃない。それに……若い娘になくて大人女子にあるものは何?」
「金?」
「おバカ!アラサー越えた女子にあるものは色気よ!若い乳臭い娘には絶対ないものじゃない!落ち着いた大人女子の色気を出しなさい」
大人の色気と言われ、おぉ!っとはなるが、果たしてそのようなものが出るのか。確かにテレビで観るアラサー越えた女子は色気があるが、あくまでも芸能人だからだ。
「色気ってどうやったら出るの?」
「まずは形からでしよ。色気満載の下着用意しなさい」
「でも今時の子って原色とかセクシー系は好きじゃないって聞いた気も……」
「はぁ……逆に三十越えた女がピンクやらフリル着てる方が痛いでしょ。ここは適材適所よ」
成る程とうなずきつつ、千枝からはあれこれと伝授してもらった。これを実行する為に……まずは通販サイトで下着を買う事から始めた佐和子だった。
小さな画面越しからけたたましく言うのは、地元の親友江口千枝である。農家に嫁ぎ現在は二児の母。地元にいた時は細っそりしていた体も、育児ストレスと子の残した物+自分の食事分でややぽっちゃりになってる。
「ごめんごめん。特に用事なかったからさ」
「全く!それで?ヘルプとは何?お金以外なら相談に乗る!」
「えーっと実は……」
佐和子からのヘルプメッセージで即テレビ電話をしてきた千枝に、佐和子は本日あった出来事を話す。
「ちょっと!何面白そうな事になってるの?年下男子?しかも全方位に枯れていたあんたに告白って!!」
案の定大興奮な千枝。もう恋する事もない千枝からしたら、他人の恋愛話は恰好の餌食だ。
「そうなのよ!こんな枯れ果てたおばさんに告白って、罰ゲームじゃないのかって思ってさ……それにお付き合いって何をすればいいのやら?」
「うーん……田舎のこっちと違って、そっちは遊ぶ所沢山あるじゃない。映画館なりランドなりし行けばいいじゃない」
「やだ!面倒くさい。それに何を着ていけばいいのかもさっぱり!」
このまったりのんびり日常に慣れてしまったら、イレギュラーな日常が面倒で仕方ない。千枝の言う映画館もレンタルされるまで待てばいい。ランドは高い。人が多いで拒否したいところだ。
「あんた何もかもめんどくさがってたら何も始まりもしないよ」
「始まらなくていいよ」
「じゃあなんで付き合う事に?」
「押し?後は一ヶ月限定と言われたから?」
正確には一ヶ月付き合ってみてのお試しなのだが、よくよく考えたらそれすらも面倒だと思い始めた。
「とりあえず……その腐った日常をチャンスに変えなよ」
「私このまま余生を過ごしたい」
「ホント腐ってるわ……いい?あんたにとっての非日常も、慣れてみれば良くなるし、それに年下と付き合えるチャンスなんてこの歳になったらそうないじゃない。楽しみなさいよ」
その年下なのが問題ではないかとも思った。結局浮気の大半は若い子にシフトする。
「今から浮気を気にしても仕方ないじゃない。それに……若い娘になくて大人女子にあるものは何?」
「金?」
「おバカ!アラサー越えた女子にあるものは色気よ!若い乳臭い娘には絶対ないものじゃない!落ち着いた大人女子の色気を出しなさい」
大人の色気と言われ、おぉ!っとはなるが、果たしてそのようなものが出るのか。確かにテレビで観るアラサー越えた女子は色気があるが、あくまでも芸能人だからだ。
「色気ってどうやったら出るの?」
「まずは形からでしよ。色気満載の下着用意しなさい」
「でも今時の子って原色とかセクシー系は好きじゃないって聞いた気も……」
「はぁ……逆に三十越えた女がピンクやらフリル着てる方が痛いでしょ。ここは適材適所よ」
成る程とうなずきつつ、千枝からはあれこれと伝授してもらった。これを実行する為に……まずは通販サイトで下着を買う事から始めた佐和子だった。
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