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第七話
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「うぅ……喉痛い」
翌朝になり、目が覚めた私の喉は痛く、声もガラガラだった。
「あれ?星永さんがいない……」
まだお勤めに行くには早い時間だ。どこに行ったのか?私は星永さんを探そうと、服を羽織った。
「まさに生まれたてのバンビ状態……」
立ち上がった瞬間、腰が抜けたようにその場に座り込んだ。昨夜は激しく求められた。私自身も最後は何を言ったのかもわからない。
ちょっと待つと立てるようになったので、よろよろと歩きながら部屋を出た。
屋敷を出て庭に行くと、そこには寝間着姿の星永さんがいた。
「星永さん?」
「久美子か……大丈夫か!」
よろよろと星永さんの元まで行くと、星永さんは私を支えてくれた。
「すまなかった。昨夜は無茶をさせた」
「あ、謝らないでください。全然嫌じゃないし……でも、翌日に用事ある時は手加減してくれるとありがたいですけど」
「ふむ。善処しよう」
苦笑いを浮かべながら星永さんと私は東屋の椅子に腰かけた。
「この前、蘭姉さんの処に行くのに街中を歩いたんです。過去を知らないから何ともいないけど、今は平穏で活気に満ちてるなって思ったんです」
「そうだな。あの流行り病が蔓延していた時、私はまだ下っ端だったから連日駆け回っていた。それからしたら随分と変わったものだ」
「思ったんです。この平穏がいつまでも続けばいいのにって。御使いが現れようと現れまいと、変わらぬ日常がいつまでも続きますようにって」
「久美子?」
これが私の出す答えだ。
「変わらぬ平穏を願い、それ以後、私の言葉は何の効力も成さないものとする。それが……言ノ葉の御使いとしての願いです」
力なんていらない。この世界で生きていくのに欲しいのは元の世界にいたときと同じ平穏な日常だ。私は物語の、冒険ファンタジーの主人公ではない。どこにでもいる人間だ。ならば願うのは一つ。
「ふっ……久美子らしいな。その力があれば主は天下を得たかもしれぬというのに」
「そんなものいりません。欲しいのはあなたと共に生きる未来だけです」
「あぁ、そうだな。私も多くを望んだりはせぬ。この先、久美子と共に夫婦となり、子を授かり生きていく事だ。この先も一緒にいてくれるか?」
「はい」
この世界に来て知らない事ばかり。それまで恋愛にもあまり積極的でなけど、星永さんに会って私は変わった。これからもっとこの国についても知ってもっと好きになりたい。そう思った。
翌朝になり、目が覚めた私の喉は痛く、声もガラガラだった。
「あれ?星永さんがいない……」
まだお勤めに行くには早い時間だ。どこに行ったのか?私は星永さんを探そうと、服を羽織った。
「まさに生まれたてのバンビ状態……」
立ち上がった瞬間、腰が抜けたようにその場に座り込んだ。昨夜は激しく求められた。私自身も最後は何を言ったのかもわからない。
ちょっと待つと立てるようになったので、よろよろと歩きながら部屋を出た。
屋敷を出て庭に行くと、そこには寝間着姿の星永さんがいた。
「星永さん?」
「久美子か……大丈夫か!」
よろよろと星永さんの元まで行くと、星永さんは私を支えてくれた。
「すまなかった。昨夜は無茶をさせた」
「あ、謝らないでください。全然嫌じゃないし……でも、翌日に用事ある時は手加減してくれるとありがたいですけど」
「ふむ。善処しよう」
苦笑いを浮かべながら星永さんと私は東屋の椅子に腰かけた。
「この前、蘭姉さんの処に行くのに街中を歩いたんです。過去を知らないから何ともいないけど、今は平穏で活気に満ちてるなって思ったんです」
「そうだな。あの流行り病が蔓延していた時、私はまだ下っ端だったから連日駆け回っていた。それからしたら随分と変わったものだ」
「思ったんです。この平穏がいつまでも続けばいいのにって。御使いが現れようと現れまいと、変わらぬ日常がいつまでも続きますようにって」
「久美子?」
これが私の出す答えだ。
「変わらぬ平穏を願い、それ以後、私の言葉は何の効力も成さないものとする。それが……言ノ葉の御使いとしての願いです」
力なんていらない。この世界で生きていくのに欲しいのは元の世界にいたときと同じ平穏な日常だ。私は物語の、冒険ファンタジーの主人公ではない。どこにでもいる人間だ。ならば願うのは一つ。
「ふっ……久美子らしいな。その力があれば主は天下を得たかもしれぬというのに」
「そんなものいりません。欲しいのはあなたと共に生きる未来だけです」
「あぁ、そうだな。私も多くを望んだりはせぬ。この先、久美子と共に夫婦となり、子を授かり生きていく事だ。この先も一緒にいてくれるか?」
「はい」
この世界に来て知らない事ばかり。それまで恋愛にもあまり積極的でなけど、星永さんに会って私は変わった。これからもっとこの国についても知ってもっと好きになりたい。そう思った。
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