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第四話
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「なんだかうらやましい世界にいらしたのですね」
「へ?」
「互いに好いて一緒になれる人は、この世界ではとても珍しいです。基本的は親が決めた相手なので、憧れますね」
「茜華は結婚とかしないの?」
「私はこう見えて孤児だったんです。幼いころに流行り病で両親を失って。親戚もおらず。だから番う方は自分で見つけなくてはいけません。ですが今はこうして久美子様の侍女になれたので婚儀の事は考えらないです」
なんとも健気でいい子なのだろう。
話に聞けば数年前、この国では飢饉による食糧難。加えて流行り病によって国の人口の一割は亡くなったそうだ。食べることも出来ない、病で働けない、働き手のない。親を失った子は孤児となり国が管理する孤児院に入れられる。もしくは人買いによって買われ売られる。
茜華は運よく孤児院に入れたそうだが、当時の孤児の数が多く、全てが孤児院に入れなかったそうだ。
「そんな時代もあって、人々は豊作と繁栄の御使いを強く望みました。だからこうして久美子様がこの世界に現れてくれて私はとても嬉しいです」
「ありがとう……正直私自身何が出来るかわからないけど、がんばるね」
本当に私がこの国の豊作と繁栄の象徴なのかはわからないが、茜華のそんな話を聞いては出来る限りの事はしたいと思った。多くの人はまだ私の存在を知らない。それを知るのはお披露目の行事らしい。
「そうだ!紫水殿にいた炎珠って、子供なのにどうして最高神官なんてやってるの?一応第三夫人の子なんだよね?」
「久美子様、炎珠様とお呼びください。この国では皇帝の次に高貴な方ですから」
「あ、そうだったんだ」
「炎珠様の母君は元々紫水殿の神官でした。ですが皇帝に好まれ後宮入りしました。ですが先に申しました流行り病で母君は亡くなられました。その時の紫水殿は女官達が相次いで病に倒れました。当時の最高神官様もそうです。お歳を召されていたというのもありますが、そんな事もあり紫水殿が全く機能しない状態だったのです。それを知った皇帝は当時まだ三歳だった炎珠様を最高神官にする事にしたのです」
結構すごい決断をする人だな。とも思ったが、聞けば炎珠の母親は後宮入りしなければ最高神官になっていたそうだ。そんな人物の子供に白羽の矢が刺さるのもなんとなくわかるが、三歳の子がって所が私の時代とは全然違う。
それを聞いた後ならなんとなくあの炎珠の古風なしゃべりも納得できる。
「さて、久美子様。そろそろこちらに着替えて旦那様の元に向かいますよ」
「はい?」
「へ?」
「互いに好いて一緒になれる人は、この世界ではとても珍しいです。基本的は親が決めた相手なので、憧れますね」
「茜華は結婚とかしないの?」
「私はこう見えて孤児だったんです。幼いころに流行り病で両親を失って。親戚もおらず。だから番う方は自分で見つけなくてはいけません。ですが今はこうして久美子様の侍女になれたので婚儀の事は考えらないです」
なんとも健気でいい子なのだろう。
話に聞けば数年前、この国では飢饉による食糧難。加えて流行り病によって国の人口の一割は亡くなったそうだ。食べることも出来ない、病で働けない、働き手のない。親を失った子は孤児となり国が管理する孤児院に入れられる。もしくは人買いによって買われ売られる。
茜華は運よく孤児院に入れたそうだが、当時の孤児の数が多く、全てが孤児院に入れなかったそうだ。
「そんな時代もあって、人々は豊作と繁栄の御使いを強く望みました。だからこうして久美子様がこの世界に現れてくれて私はとても嬉しいです」
「ありがとう……正直私自身何が出来るかわからないけど、がんばるね」
本当に私がこの国の豊作と繁栄の象徴なのかはわからないが、茜華のそんな話を聞いては出来る限りの事はしたいと思った。多くの人はまだ私の存在を知らない。それを知るのはお披露目の行事らしい。
「そうだ!紫水殿にいた炎珠って、子供なのにどうして最高神官なんてやってるの?一応第三夫人の子なんだよね?」
「久美子様、炎珠様とお呼びください。この国では皇帝の次に高貴な方ですから」
「あ、そうだったんだ」
「炎珠様の母君は元々紫水殿の神官でした。ですが皇帝に好まれ後宮入りしました。ですが先に申しました流行り病で母君は亡くなられました。その時の紫水殿は女官達が相次いで病に倒れました。当時の最高神官様もそうです。お歳を召されていたというのもありますが、そんな事もあり紫水殿が全く機能しない状態だったのです。それを知った皇帝は当時まだ三歳だった炎珠様を最高神官にする事にしたのです」
結構すごい決断をする人だな。とも思ったが、聞けば炎珠の母親は後宮入りしなければ最高神官になっていたそうだ。そんな人物の子供に白羽の矢が刺さるのもなんとなくわかるが、三歳の子がって所が私の時代とは全然違う。
それを聞いた後ならなんとなくあの炎珠の古風なしゃべりも納得できる。
「さて、久美子様。そろそろこちらに着替えて旦那様の元に向かいますよ」
「はい?」
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