異世界!王道!!

まぁ

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第四話

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 紫水殿を後にし、私は星永さんと一緒に屋敷に戻ってきた。
 どうしたものか……まさか星永さんの嫁になるフラグが立つとは……おそらく普通女子なら嬉しい限りだろう。こんなイケメンが私の旦那様などと言って語尾にハートでも付きそうなものだが、私の場合は事情が異なる。
「あ、あの……星永さん。私と結婚するって本気で言ってるんですか?」
「あぁ。主はこの国の御使い。そしてなにより異界よりの使者だ。この国で生きていくには誰かの支えが必要だろう。それに主ぐらいの年頃の娘はその全てが番う者のものでもあるのだろう?」
 つまりは義務。決して私を好きになったからではない。それに処女を失う場合、その者と夫婦になる。古風な考えで、現代を生きてきた私には到底理解出来ない。なにより見た目こそは子供だが、事実年齢は星永さんよりも上なのだ。
(そう言っても信じてもらえないだろうな……)
 この世界の人たちにとっての異世界転生というのはそのままの年齢で来ると思われているのだろう。だが実際私は死んだし。あれ?やっぱりあの時交通事故か何かで死んでしまったのかな?
 異世界に来たことでその辺りについて深く考える事を忘れてしまっていたが、あの時ジュースを買いに行く時、車なんて通っていたかな。
「どうした?私と番うのは嫌か?」
「え?あぁ、そうじゃなくて、星永さんは私なんかでいいんですか?だって星永さんは家柄も良くて候補も多いって聞いたし……」
「炎珠から聞いたのか……確かに皇族の一派ではあるが、私は私の意志ですべてを決める」
「成程……でもそれだと私と結婚するのってその、私を抱いたからであって義務みたいなものですよね?別に私を好きってわけでもないし」
 何をはっきりと聞いているのだろうか。言った手前何故か恥ずかしくなってきた。
「お互いの気持ちが通じないのが不服か。ならば主は私をどう思っておるのだ?」
「え?まだ会って二日とか三日なのでよくわかりません」
「私も同じ意見だ。だが主の事について、全ての責任は私がとる。お互いの事はこれから知っていけばいいのではないか?」
 なんだか話が平行線な感じもした。これはガチのゼロ日婚。お見合いよりもハードル高い。それに唐突に降ってきた結婚に気持ちが追い付かない。
「あ、あの。気持ちは嬉しいんですが、義務とか責任とかじゃなく、お互いを知ってからの結婚でもいいんじゃないですか?もし結婚してお互いが合わなかったりした場合、ずっとギスギスした状態なのもなんだか嫌だし」
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