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はじまり
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「もしも異世界に転生したらどうする?」
いきなり友人がそんな事を訪ねてきた。
「何言ってるの?急に……」
「いやぁ、最近流行ってるみたいじゃない。異世界転生チートな俺強い的なやつ」
昼下がりの公園。友人の子供が砂場で遊ぶのを眺めながら、私は友人が持ち掛けた話題で謎の花を咲かす。
「異世界転生ねぇ……私は嫌だわ」
「どうして?」
「だって異世界って大半は中世洋モチーフでしょ?歴史上の中世洋ってどんな感じかわかる?まず衛生状態。次に貧富の差に常に争いが絶えない。そんな巨乳美女ハーレムで非モテが一発逆転なんてご都合話あるわけないじゃない」
「うわぁ……久美子ってホント夢ないね。てかそんなの夢の産物なんだから詳しく考えなくてもいいと思うけど」
話を振ってきたのは友人だ。だから私はその場合の当たり前を言っただけ。現実を生きる私達に、そううまい話しは降ってこないし起こりえない。
実際こうして友人も私も互いに歳を重ね、ありふれた日常に不満も満足も抱きながら生きている。私と友人の違いなんて、お互い結婚しているかしてないくらいだ。
「でも女子で言う異世界転生と言えばやっぱイケメンとの大恋愛じゃない?」
「バカバカしい……イケメンなんてそう落っこちてないわよ。現実なんて収入安定した男に限るでしょ」
「まぁそこは否定しない。てか久美子って最後に恋愛したのいつ?」
「さぁ……」
正直記憶にない。果たしていつ彼氏がいたのか?はるか昔の話すぎて記憶にございません状態だ。
「ちょっとは恋愛しようよ」
始まった。ちょっと話がそれると必ず恋愛話になるのは女子特融のあるある。そして恋愛を進められるが、正直したいと思わない限り前向きにもならないだろう。まあ、友人からの恋愛押し付けは正直めんどくさいとも思う。
私は今の生活にそこそこの満足を得ているし、このスタイルはそんな変わらないだろう。そう思っていた。
「なんか喉乾いたわ。ジュース買ってくる」
「あ、じゃあ私のもお願い!」
「はいはい」
話を切るために、私は友人の分と自分のジュースを買いに行く。
自販機は公園を出て道路の向かい側にある小さなお店にある。子供が通る事も多いので、横断歩道はあるが信号機はない。周囲を見て、車が通ってない事を確認して行くスタイルだ。
私もまた車が通っていない事を確認して横断歩道を急ぎ足で歩く。
けれどその一瞬。自分の身に何が起こったのかまったく理解出来なかった。まさか自分が異世界転生のテンプレに載せられるという王道を歩むことになるとは。
いきなり友人がそんな事を訪ねてきた。
「何言ってるの?急に……」
「いやぁ、最近流行ってるみたいじゃない。異世界転生チートな俺強い的なやつ」
昼下がりの公園。友人の子供が砂場で遊ぶのを眺めながら、私は友人が持ち掛けた話題で謎の花を咲かす。
「異世界転生ねぇ……私は嫌だわ」
「どうして?」
「だって異世界って大半は中世洋モチーフでしょ?歴史上の中世洋ってどんな感じかわかる?まず衛生状態。次に貧富の差に常に争いが絶えない。そんな巨乳美女ハーレムで非モテが一発逆転なんてご都合話あるわけないじゃない」
「うわぁ……久美子ってホント夢ないね。てかそんなの夢の産物なんだから詳しく考えなくてもいいと思うけど」
話を振ってきたのは友人だ。だから私はその場合の当たり前を言っただけ。現実を生きる私達に、そううまい話しは降ってこないし起こりえない。
実際こうして友人も私も互いに歳を重ね、ありふれた日常に不満も満足も抱きながら生きている。私と友人の違いなんて、お互い結婚しているかしてないくらいだ。
「でも女子で言う異世界転生と言えばやっぱイケメンとの大恋愛じゃない?」
「バカバカしい……イケメンなんてそう落っこちてないわよ。現実なんて収入安定した男に限るでしょ」
「まぁそこは否定しない。てか久美子って最後に恋愛したのいつ?」
「さぁ……」
正直記憶にない。果たしていつ彼氏がいたのか?はるか昔の話すぎて記憶にございません状態だ。
「ちょっとは恋愛しようよ」
始まった。ちょっと話がそれると必ず恋愛話になるのは女子特融のあるある。そして恋愛を進められるが、正直したいと思わない限り前向きにもならないだろう。まあ、友人からの恋愛押し付けは正直めんどくさいとも思う。
私は今の生活にそこそこの満足を得ているし、このスタイルはそんな変わらないだろう。そう思っていた。
「なんか喉乾いたわ。ジュース買ってくる」
「あ、じゃあ私のもお願い!」
「はいはい」
話を切るために、私は友人の分と自分のジュースを買いに行く。
自販機は公園を出て道路の向かい側にある小さなお店にある。子供が通る事も多いので、横断歩道はあるが信号機はない。周囲を見て、車が通ってない事を確認して行くスタイルだ。
私もまた車が通っていない事を確認して横断歩道を急ぎ足で歩く。
けれどその一瞬。自分の身に何が起こったのかまったく理解出来なかった。まさか自分が異世界転生のテンプレに載せられるという王道を歩むことになるとは。
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