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待ち合わせたのは上流階級の人間が懇意にしている個室ありのカフェ。ここでは秘密裏に会合をしたりする政治家などもいると言う。
政治家だはないが、エリサも口外出来ない内容との記載をし、姉セリカに文を出した。そしてセリカからこのカフェを指定された。
「ごめんなさいね。遅くなって……」
待ち合わせに少し遅れてやってきたセリカに「いえ、大丈夫です」とエリサは言った。
「子供をバレエに連れて行ったら奥様達に捕まっちゃったから」
こう見えてもセリカは二児の母だ。セリカも、長女オリカも親の決めた結婚とは言え、二人共夫婦仲睦まじくやっている。
「それで?話とは何?」
店員にアイスコーヒーを注文したセリカが、思い詰めた表情のエリサから話を聞く。
「お姉様……実は私とフリーク様はまだ夫婦の契りを交わしていません」
「何ですって?貴方達結婚して何ヶ月経つの?もしかしてフリーク様は使い物にならないとか?」
「そうではなく……」
本来迎えるはずだった初夜の日から今日まで、指一本どころか、夫婦の会話もない事、エリサに無関心である事などを話した。
「まぁ……それでは我がエデンワース家に失礼ですわ!」
「フリーク様が私に関心がないのは、フリーク様には心に決めた方がいるからです」
「それはどういう事?」
全てを話し終え、セリカは言葉をなくし複雑そうな表情を浮かべていた。
「これはエデンワース家に対して最大の侮辱と捉えますわ」
「セリカお姉様……」
「この話は持ち帰りお父様に相談します」
「まっ、待って下さい!」
「何?これだけ馬鹿にされてまだ庇うのですか?」
「違います。確かに夫婦としては破綻していますが、罪は私にもあります」
「どういう事?」
「私は……夫がいる身で他の男性を愛してしまいました」
次々と出てくる衝撃の言葉に、セリカは言葉が出なかった。当のエリサは涙を流しながらセリカに訴える。
「あの方はフリーク様から頂けなかった愛を私に与えてくれます。優しくいつも迎え入れてくれて……もしこの方と結婚していたら、自分は違った人生をあゆめたのではと思いました。それに……今のままでもそうでなくても、私は聖女としてな力を失うかもしれません」
「なんて事を……」
「ではどうやったらあの方と一緒になれるのですか?フリーク様はエデンワース家の力、聖女である私さえいればいいのです。けれどその力も失われた?」
「あなたはどうしたいの?」
「例え力を失ったとしても、あの方と一緒にいたい……」
頭が痛くなってきたセリカは、頭を抱えて考え込んだ。
「とりあえずこの件は私がどうにかします。あなたはその殿方との逢瀬を控えなさい。何処に何かがあるかわからないわ。それから……この事は決してオリカお姉様には言わないように」
長女オリカは厳格な性格をしている。どちらの味方に付くかより、互いに何かしらの罰を与えるはずだ。その点セリカは優しい。エリサはセリカの言葉に甘えた。
「そらからもう一つ……あなたとその殿方は……一線は越えていないのよね?」
「それはないです」
「わかったわ……また後日連絡致します」
そう言ってセリカはカフェを後にした。
政治家だはないが、エリサも口外出来ない内容との記載をし、姉セリカに文を出した。そしてセリカからこのカフェを指定された。
「ごめんなさいね。遅くなって……」
待ち合わせに少し遅れてやってきたセリカに「いえ、大丈夫です」とエリサは言った。
「子供をバレエに連れて行ったら奥様達に捕まっちゃったから」
こう見えてもセリカは二児の母だ。セリカも、長女オリカも親の決めた結婚とは言え、二人共夫婦仲睦まじくやっている。
「それで?話とは何?」
店員にアイスコーヒーを注文したセリカが、思い詰めた表情のエリサから話を聞く。
「お姉様……実は私とフリーク様はまだ夫婦の契りを交わしていません」
「何ですって?貴方達結婚して何ヶ月経つの?もしかしてフリーク様は使い物にならないとか?」
「そうではなく……」
本来迎えるはずだった初夜の日から今日まで、指一本どころか、夫婦の会話もない事、エリサに無関心である事などを話した。
「まぁ……それでは我がエデンワース家に失礼ですわ!」
「フリーク様が私に関心がないのは、フリーク様には心に決めた方がいるからです」
「それはどういう事?」
全てを話し終え、セリカは言葉をなくし複雑そうな表情を浮かべていた。
「これはエデンワース家に対して最大の侮辱と捉えますわ」
「セリカお姉様……」
「この話は持ち帰りお父様に相談します」
「まっ、待って下さい!」
「何?これだけ馬鹿にされてまだ庇うのですか?」
「違います。確かに夫婦としては破綻していますが、罪は私にもあります」
「どういう事?」
「私は……夫がいる身で他の男性を愛してしまいました」
次々と出てくる衝撃の言葉に、セリカは言葉が出なかった。当のエリサは涙を流しながらセリカに訴える。
「あの方はフリーク様から頂けなかった愛を私に与えてくれます。優しくいつも迎え入れてくれて……もしこの方と結婚していたら、自分は違った人生をあゆめたのではと思いました。それに……今のままでもそうでなくても、私は聖女としてな力を失うかもしれません」
「なんて事を……」
「ではどうやったらあの方と一緒になれるのですか?フリーク様はエデンワース家の力、聖女である私さえいればいいのです。けれどその力も失われた?」
「あなたはどうしたいの?」
「例え力を失ったとしても、あの方と一緒にいたい……」
頭が痛くなってきたセリカは、頭を抱えて考え込んだ。
「とりあえずこの件は私がどうにかします。あなたはその殿方との逢瀬を控えなさい。何処に何かがあるかわからないわ。それから……この事は決してオリカお姉様には言わないように」
長女オリカは厳格な性格をしている。どちらの味方に付くかより、互いに何かしらの罰を与えるはずだ。その点セリカは優しい。エリサはセリカの言葉に甘えた。
「そらからもう一つ……あなたとその殿方は……一線は越えていないのよね?」
「それはないです」
「わかったわ……また後日連絡致します」
そう言ってセリカはカフェを後にした。
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