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たけむら
BL
進路に悩む高校生(16)×交通事故に遭った社会人(25)が、透き通る空の下で一夏を過ごすところから始まる話。
高校生に上がり、他人と比べて何もない自分の進路に悩む飯野光瑠は、夏休みの補習の行き道に、交通事故に居合わせる。
事故に巻き込まれた、白波瀬海里のもとに、お見舞いに通うようになった光瑠は、穏やかな彼に次第に惹かれていく。
しかし、とある夏の日を境に急によそよそしくなってしまった白波瀬の態度に驚いた光瑠は悩み始めて…
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文字数オーバーにつき続き
【翻弄される主人公】
初めは、勘違いしているのでは?と感じていた相手の気持ちを、次第に本気と受け取っていく主人公。それでも、年の差、同性、ということで葛藤してく。しかし、この物語には偏見による”同性だから”というものが感じない。あくまでも、恋愛は自由であり、そこに偏見があるわけではない。自分の問題として向き合っているという印象を受けるため、どんな答えを出すのか?と言うところに一番関心がいく。
互いの気持ちが少しすれ違い、複雑に絡み合う部分がとても魅力的に感じる作品である。
まだ半分ほどではあるが、これだけの魅力の詰まった作品である。
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おススメです。お手に取られてみてくださいね。
───相手の感情や必死さを表現することに長けている作品
【珍しいスタイルが印象的】
この物語で、最初に感じるのは”周りによって浮き彫りになる主人公像”。これだけを読むと、何が凄いんだ?と思われるかもしれないが、通常は視点になっている人物の思想や行動により、その人物がどんな人物なのか、印象が確定する。しかし、この作品は周りの反応や、それに対する主人公の言動によって”人物像”が浮き彫りにされていくのである。こういうスタイルは、あまり見かけない上、意外性があるのでとても面白いと感じた。例えば、噂話。母親の対応、友人とのスキンシップ、自分に好意を寄せる相手。彼らから投げられる言動によって、はじめてわかるのだ。
【予想のつかない展開】
上記の理由により、主人公の行動を予測するのが難しいという効果がある。そのため、主人公にとって困る展開が訪れる部分にも関わらず、思わず笑みが漏れる。なにこれ、面白い。がその時の率直な感想だ。小説で受け身の状態を作るのは、テクニックがないとなかなか出来ることではないので、無意識なのであれば是非とも大切にして欲しい個性である。
【個性的な登場人物】
個性的ではあるが、とてもナチュラルである。年相応の考え方、行動が基盤になっていて、この物語では”日常”を丁寧に描いている。一見何でもないシーンに見えるかもしれないが、それは登場人物たちがいかに、”生活”をしているのか、”人と関わっているのか”を読者の身近に感じさせるものであり、主人公に好感を抱かせるものでもある。
【主人公、読者の何故は解決される】
主人公サイドで見ていた相手は、視点が変わると印象が変わる。
年相応らしい無茶ぶりに出る、主人公に想いを寄せる高校生の男の子。主人公サイドでは必死さ、若さゆえというのが、特徴として目立つ。しかし、視点が切り替われば、その心情により健気さ、一途さが伝わってくる。真っ直ぐに主人公に想いをぶつけ自分に振り向いて欲しいと、努力する様は切なささえ感じる。