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第一章
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男子禁制、神殿内の者は全て処女である事。それがこの紫水殿の決まりだそうだ。
「でも外にいた男の人たちは?」
「あれは用心棒。この神殿の外堀を守るのは男の役目」
成程なと相槌を打つ莉春。
ここでの仕事は朝が早く、まずは神殿内の清掃に始まり、女官達の衣類や寝具などの選択。料理作りにと慌ただしいそうだ。もちろん下っ端の莉春には料理や祈祷場、最高神官が仕事を行う正殿などの掃除は任されない。
「まっ、あなたはしばらく洗濯が主な仕事かしら?」
「洗濯なら毎日していたし大丈夫」
「あなたが思う程、楽な仕事でもないわよ。一日に出る洗濯の量はとても多く、それらを午前中の間に全て干さなければいけないのだから」
ほくそ笑む朱里に、兄弟も多かったので大丈夫だとたかを括っていた莉春だが、翌日その凄まじさを知る事となる。
「さぁ、朝は早いのだから早く寝ましょう」
まだ夜も明けきらない時刻、起床を告げる鐘の音が下働きが生活する宿舎に響いた。
「ちょっと莉春。朝よ。起きなさい」
「うーん……もう少し」
「何甘えた事言ってるの。早くしなさい!」
布団を剥ぎ取られ、渋々起きる事を促された莉春は、寝惚け眼のまま水場に行った。
「冷たっ!」
まだ春も迎えたばかり。水はまだまだ刺すように冷たかったが、おかげで目が覚めた。
身支度を整え、下働きは宿舎にある広間に集まっていた。
「おはようございます。今日は特に行事はありませんので、いつも通りのお勤めをなさって下さい」
年嵩の女性が十数人の下働きに指示する。
「それから昨日からここで働くようになつた莉春です。莉春挨拶を」
「えっと、楊莉春です。よろしくお願いします」
「あなたには洗濯をお願いします。指示に従って行うように。それでは皆さん今日も一日頑張りましょう。解散」
下働きは散り散りになった。自分はどこに行けばいいのかと迷っていると、女の人が一人近寄って来た。
「私は斎霧。あなたが働く場所はこっちよ。いらっしゃい」
斎霧に着いてくと、五人ほどの女がいる。
「まずは水汲み。あちらに井戸があります。そこから水を取って来て下さい」
「一人でですか?」
「ええそうよ。ここで働くならそれくらい出来て当たり前です」
そう言われてしまうとやらざる得ない。莉春は渋々と大きな樽二つが棒で繋がれた水汲み道具を持って井戸に向かった。
「でも外にいた男の人たちは?」
「あれは用心棒。この神殿の外堀を守るのは男の役目」
成程なと相槌を打つ莉春。
ここでの仕事は朝が早く、まずは神殿内の清掃に始まり、女官達の衣類や寝具などの選択。料理作りにと慌ただしいそうだ。もちろん下っ端の莉春には料理や祈祷場、最高神官が仕事を行う正殿などの掃除は任されない。
「まっ、あなたはしばらく洗濯が主な仕事かしら?」
「洗濯なら毎日していたし大丈夫」
「あなたが思う程、楽な仕事でもないわよ。一日に出る洗濯の量はとても多く、それらを午前中の間に全て干さなければいけないのだから」
ほくそ笑む朱里に、兄弟も多かったので大丈夫だとたかを括っていた莉春だが、翌日その凄まじさを知る事となる。
「さぁ、朝は早いのだから早く寝ましょう」
まだ夜も明けきらない時刻、起床を告げる鐘の音が下働きが生活する宿舎に響いた。
「ちょっと莉春。朝よ。起きなさい」
「うーん……もう少し」
「何甘えた事言ってるの。早くしなさい!」
布団を剥ぎ取られ、渋々起きる事を促された莉春は、寝惚け眼のまま水場に行った。
「冷たっ!」
まだ春も迎えたばかり。水はまだまだ刺すように冷たかったが、おかげで目が覚めた。
身支度を整え、下働きは宿舎にある広間に集まっていた。
「おはようございます。今日は特に行事はありませんので、いつも通りのお勤めをなさって下さい」
年嵩の女性が十数人の下働きに指示する。
「それから昨日からここで働くようになつた莉春です。莉春挨拶を」
「えっと、楊莉春です。よろしくお願いします」
「あなたには洗濯をお願いします。指示に従って行うように。それでは皆さん今日も一日頑張りましょう。解散」
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「私は斎霧。あなたが働く場所はこっちよ。いらっしゃい」
斎霧に着いてくと、五人ほどの女がいる。
「まずは水汲み。あちらに井戸があります。そこから水を取って来て下さい」
「一人でですか?」
「ええそうよ。ここで働くならそれくらい出来て当たり前です」
そう言われてしまうとやらざる得ない。莉春は渋々と大きな樽二つが棒で繋がれた水汲み道具を持って井戸に向かった。
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