異世界召喚出来ました。嬉しいけど親友も一緒!?

まぁ

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第二話

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 リュートの町でニ、三日程ギルドからの依頼をこなした真樹達四人。基本的には真樹以外の三人が頑張ってくれたおかけで、借金はもちろんチャラになったし、いくらかの蓄えが出来た。
 そして四人はお世話になったリュートの町を後にし、次なる地へと向かうことになった。
「ここじゃ十分な調合も出来ないし、もう少し大きな街へ行きたいんだけど」
 唯一、別依頼で惚れ薬を作らないといけないレティは、リュートの町では調合が出来ないからと、別の場所へ行く事を口にした。
「まぁ、お前達のこともあるし、レティの後をついて行くのもいいかもな」
 フェイの一言でもう少し大きな街。リュートの町から西に行った場所にあるオルティナの街へと向かうことになった。
 そこには医術や錬金術に精通したアカデミーがあるらしく、そこにある調合器具を貸してもらうようだ。
 もう一つに、カイと真樹がこの世界に召喚されたということは、召喚した誰かがいるわけだ。その人物を探し、元の世界へと戻る為にこれから壮大な旅が始まるのだ。
「真樹、大丈夫か?辛かったら言えよ」
「別にこれくらい大丈夫!」
 リュートの町からオルティナの街までは馬で四日程。歩いたら一週間以上はかかるが、途中途中に旅人の為の宿舎があるらしく歩いて行く者も多いらしい。
 もちろん若い四人も歩いて行くことにした。馬車や馬はお金がかかる。そして宿舎にいる旅人から話も聞けるだろうからという事になった。
 だがほぼインドアのレティや運動不足の真樹は大反対したが、反対意見は否決。結果歩くことになったが四人で一番体力のない真樹は、三人と徐々に差が出来始める。
「ちょっと真樹!早くしないと夕方になる。僕だって歩くの嫌だけど我慢してるんだから頑張りなよ」
「わ、わかってるよ……」
 本当に歩きたくなかったのだろう。レティは悪態を吐きながら二人に合わせ歩く。
(インドアにこんなの過酷だよ!無理ゲー……)
 体力お化けの二人や、そこそこついて行けてるレティに比べ、何もかもが劣る真樹。そもそも元の世界に戻りたいとは思ってはいないわけだが、口にできずこうして一緒にいる。
(せめて可愛い女の子がいたら頑張れるんだけど……)
 この状況にあって懲りずに妄想を膨らませる真樹。剣士、魔法使いと来たら、次は騎士や回復魔法を得意とするエルフか。どちらにしても女騎士は気高い感じでいいし、エルフの女の子は性格が穏やかそうだ。そんなまだ見ぬ次の仲間に想いを馳せていた真樹だったが、気がつくとそこは旅人の為の宿舎だった。
「な、何?ここどこ?」
「あぁ、起きたか?」
「フェイ?」
「お前道の真ん中でぶっ倒れたの覚えていないのか?」
 道の真ん中?倒れた?何を言っているのだろうかと思った。状況が把握出来ないが、要は真樹は倒れたのだ。
「お前が倒れて、カイがここまで運んでくれたんだ。後で礼を言っとけよ」
「う、うん。あれ?カイやレティは?」
「レティは他の旅人と話してる。カイは水を汲みに行ってる」
「そ、そう……」
 会話が途切れた。実際フェイと二人きりになるのは初めてだし、何を話していいのかわからない。
「なぁ真樹。お前はどうして旅について来たんだ?」
 いきなりの直球質問に真樹は目を丸くした。
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