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はじまり-2
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見覚えない景色。自分の人生は先程終焉を迎えた。そう思っていた真樹は、ふとこの状況を見てまさかと思った。
「も、もしかして僕は異世界転生したのかな?えっ?妄想が現実に?」
この状況はそうとしか考えられない。真樹はガッツポーズをした。もう非モテ人生は終了だ。これから始まるのは、可愛い女の子に囲まれたハーレムで、自分最強な人生の開幕だ。
「やった!願えば叶うんだな!」
もうさっきまでのキモ男、永瀬真樹とらおさらばだ。今日から新しい自分始まります。
気分もテンションも高々だった真樹だが、次の瞬間一気に地獄へ落ちる。
「あっ、真樹。目が覚めたか?」
「えっ?」
聞き覚えのある声。その声は後ろから聞こえ、振り返ってみる。
「よかった。ここがどこかわからなくて辺りを見てきたんだ」
「なっ、なな……」
「どうした真樹?ケガしてるのか?」
そう言って真樹に触れてくるその男は、見覚えもあるも何も、先程まで一緒にいたカイだ。
どうしてカイがここにいるのか。ここは異世界ではないのか。数々の疑問でうまく言葉が出てこない。
「ケガはなさそうだな。ここから少し行った場所に人がいそうな場所があったから行ってみよう」
「な、何でカイがここに?それになんでそんな冷静なの?」
「そりゃオレだって驚いたけど、これが現実なのだとしたら受け入れるしかないだろ?」
カイは真樹と違って冷静だ。おそらく異世界転生だとかハーレムというオタク的ワードなど、カイにとっては無縁で興味も湧かないのだろう。
(ん?異世界転生?)
自分は生まれ変わったのではないかと思ったが、目の前にいるカイは、事故に会う前のカイであり、カイ自身も自分を認識している。つまりこれは異世界転生ではなく、異世界召喚なのだ。誰かが呼んだ。それとも偶然なのか。どちらにしても姿かたちは事故に会う前の自分だ。
つまりチビでガリで根暗な自分のままなのだ。
(そんなぁ……ハーレムが……最強がぁ……)
肩をがっくし落とす真樹だが、カイはそんな真樹を見て事故がショックなのだとしか思っていない。
「とりあえず元気出せよ。ここがどこかはわからないけど、必ず戻る手段はあるはずだ」
「いや、あの時死んだとしたら戻れないし……」
「とにかく落ち込むな。オレもいるんだから」
何モテる男が言うとかっこいいセリフをちゃっかり口にしているのか。真樹はぶすくれながら立ち上がると、カイが見つけたという人がいそうな場所へと向かう事にした。
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「やった!願えば叶うんだな!」
もうさっきまでのキモ男、永瀬真樹とらおさらばだ。今日から新しい自分始まります。
気分もテンションも高々だった真樹だが、次の瞬間一気に地獄へ落ちる。
「あっ、真樹。目が覚めたか?」
「えっ?」
聞き覚えのある声。その声は後ろから聞こえ、振り返ってみる。
「よかった。ここがどこかわからなくて辺りを見てきたんだ」
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「どうした真樹?ケガしてるのか?」
そう言って真樹に触れてくるその男は、見覚えもあるも何も、先程まで一緒にいたカイだ。
どうしてカイがここにいるのか。ここは異世界ではないのか。数々の疑問でうまく言葉が出てこない。
「ケガはなさそうだな。ここから少し行った場所に人がいそうな場所があったから行ってみよう」
「な、何でカイがここに?それになんでそんな冷静なの?」
「そりゃオレだって驚いたけど、これが現実なのだとしたら受け入れるしかないだろ?」
カイは真樹と違って冷静だ。おそらく異世界転生だとかハーレムというオタク的ワードなど、カイにとっては無縁で興味も湧かないのだろう。
(ん?異世界転生?)
自分は生まれ変わったのではないかと思ったが、目の前にいるカイは、事故に会う前のカイであり、カイ自身も自分を認識している。つまりこれは異世界転生ではなく、異世界召喚なのだ。誰かが呼んだ。それとも偶然なのか。どちらにしても姿かたちは事故に会う前の自分だ。
つまりチビでガリで根暗な自分のままなのだ。
(そんなぁ……ハーレムが……最強がぁ……)
肩をがっくし落とす真樹だが、カイはそんな真樹を見て事故がショックなのだとしか思っていない。
「とりあえず元気出せよ。ここがどこかはわからないけど、必ず戻る手段はあるはずだ」
「いや、あの時死んだとしたら戻れないし……」
「とにかく落ち込むな。オレもいるんだから」
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