1 / 44
足りなさその1、 俺の好きな男は、あと少しってところが足りない。
しおりを挟む――俺の好きな男は、あと少しってところが足りない。
「……お~い、お~いってば頼人っ、頼人っ………ったく、また2本で死んでる…だからいつも1本でやめとけって言ってるのに…」
「んんっ、んへ………」
「! ……結局、今日もこうなるのか…」
「………」
「……っ、ごめん…ごめんな頼人……でも、今日も俺、お前にっ――…」
『江宮やまぎ(えみややまぎ)』、景上斎大学(けいじょうさいだいがく)の2年生で20歳の俺には、大学に入学してからすぐに気が合い仲良くなった『須藤頼人(すどうよりと)』という、所謂親友的な存在がいた。
そんな頼人と毎日に近いほど一緒に楽しく騒がしく過ごしていくうちに、俺は頼人に『恋愛感情』をもっていたんだってことに、ある日ふと気づいたのだ。
でも、俺がもともとノーマル、頼人だって普通にノーマルな男だってことを前提としても、なんというか
――頼人が、よく言えば天然、悪く言えばおバカ……とにかく『あと少しってところが足りない』そんな男だったのである。
大学に来た時も、その日の夜まで徹夜して頑張ったっていうレポートを結局家に忘れてきたりとか。
一緒に遊びに行った時も、おススメの美味しいお店紹介するからって張り切って……でも散々道に迷って、最後は近場のファストフード店『ウィズwithバーガー(うぃずばーがー)』で済ませる羽目になったり。
俺の誕生日プレゼントを、本人的にはサプライズにするために密かに俺にそれとなく欲しい物を聞いたりとかしていたくせに、最終的には俺と一緒にいる時に目の前でそのプレゼント購入して、しかも店の人に「あっ、あと誕生日用のメッセージカードも付けてくれませんかっ!」とか大声で言っちゃうし、etcetc…
とにかくこう、そこまでの色々は良かったのに最後にぶち壊しちゃうという……うん、やっぱり『須藤頼人』は、あと少しってところが足りない男なのだった。
――まぁ、そんなところがめちゃくちゃかわいくて惚れたってのもあるんだけどさ、はは♡♡♡――
だからこそ、俺もなんかこう……告白…の機会を今の今まで逃しているといいますか、いざ本人を目の前にすると、言い淀んでしまうというか……だって、かっ仮に告白できたとしても、この足りなさから、変な方向に勝手な解釈とかされそうな気がして、さ………はい、結局のところ、ただただ俺が告白する勇気がない男ってだけです……っ。
ご、ゴホン……まぁとにかく、だ。
そんなこんなで、2年にあがっても尚、俺は頼人に告白のこの字さえもできていなかった
んだけど。
2年になり、お互い俺が6月中旬、頼人が7月上旬にそれぞれ20歳の誕生日を迎えたことで、そのもだもだな状況がおそろしいぐらいに一変することとなったのである。
きっかけは、今から数週間前の7月の上旬に、大人の仲間入りを見事果たした頼人と初めて酒を交わした際
――頼人が缶ビール3本を飲み終わったと同時にものすごい勢いで眠りこけ、そこからうんともすんともまったく起きなくなったことであった。
0
お気に入りに追加
93
あなたにおすすめの小説
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです
おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの)
BDSM要素はほぼ無し。
甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。
順次スケベパートも追加していきます
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる