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26話 ごめん、兄ちゃん
しおりを挟む彼がボクにセイツーを恥ずかしそうに報告してくれた、あの春先…四月のあの日。
『拓馬くんと、セックスしたい』
そう、率直に思ってしまったあの時から、六月の今日まで。
ずっと想ってた、望んでいた通りに拓馬くんは『ボク』に溺れてくれた。
いや、それ以上……こうして我慢ができないと襲ってしまうくらいにボクを求めてくれたことに、
嬉しい…と、幸せだ…と、心が踊りだす。
「っんあああ…!?」
「ぐっ…ふ、はっ、はぁ…兄ちゃ、こっち見てっ…おれのことだけ見てよっ…!!」
「ぁあんっ…ふぁ、た、たくまく…♡♡」
「は、コウにぃ…ぐっ、あ…っコウ、兄っ!!」
「ひっああぁぁっ♡♡♡」
ぱちゅんっ!!
一際強く奥を抉られるような拓馬くんのペニスの攻撃と、おれだけを見てとの独占欲の垣間見える台詞に、
ボクの意識は再び目の前の彼へと戻され。
「はっ、うぁっ兄ちゃん気持ちい? おれのちんちん気持ちいいっ…?」
「んあぁっ♡♡ き、気持ちいいっ…気持ちいいのぉ♡♡」
「っほんと…!? ほんとにおれっ、コウ兄のこと気持ちよくできてるっ?」
「あああっ!! はっ、でき、てるぅ…拓馬くんのおちんぽっ、ああんっ気持ちよくておまんこぐちゃぐちゃだからぁっ♡♡♡」
「! 兄ちゃっ兄ちゃんっ♡♡ おれもっ、おれもコウ兄のお尻っ、おまんこで気持ちいいよぉ…♡♡♡」
「っ、拓馬く、ん…あああんっ♡♡♡」
どちゅどちゅっ、じゅぷじゅぷっ、ぱんぱんぱんっ♡♡♡
スカイブルーのベッドの海で溺れそうなほどに、ベッドが壊れるんじゃないかってくらいに
激しく絡み合うボクと拓馬くんは、もうどちらもどこもかしこもドロドロで、ぐちゃぐちゃだ。
『おまんこ』…なんて言葉の本来の意味、きっと拓馬くんは知らないだろうに、
そう口にして気持ちいいと叫ぶ彼の姿に、ボクはアナルを……おまんこの奥をきゅんきゅんとさらに疼かせていく。
「ひっ、あ、ああっ…たく、たくまく…」
「!!」
オナニーをしていた時とは比べものにならない……勢いよく襲ってくる快感の波に本当に溺れてしまいそうだと、ボクが拓馬くんの名を呼びながら、震える手を求めるようにあげると。
「っ…ねぇコウにぃ……さっきの、ほんとにおれの聞き間違いじゃ…ないよな…?」
「んぁ…さっき、の…」
きゅ…っと、宙に浮いたボクの手を拓馬くんは自分の手で優しく掴み、
「――コウ兄は、おれのこと…『好き』なの?」
「っ、」
「…ここで、お尻に指入れてた時…おれのこと想いながら…オナニーしてくれてたのかっ…? セックスしたい相手はおれしかいない…って、そういう……っ、そう思っていいの…?」
「――…」
優しく掴みながらも、
今にも泣いてしまいそうな、そんな顔をしてたから、
だから――
「拓馬くん、」
「え……んむっ…」
「ん、……そう、こういう…意味だよ。ボクは、キミが好きなんだ」
「!!」
「ずっとずっと…もう何年も前から、ボクは…伊波コウは、お隣さんで年下の幼馴染みの日高拓馬くんに、恋をしてたんです。好きだよ…拓馬くん、大好きっ」
「っ、コウに……っうあぁ、あっダメっ、おれもうっ…!!」
「えっ、待っ、たくまくっ」
「いっイクぅっ♡♡♡」
「っ!? ひあっ、ああああっ♡♡♡」
びゅびゅっ、どぴゅぴゅっ♡♡♡
くいっとボクを掴んでいた手を引っ張って、
泣きそうな拓馬くんへボクはそっとキスを一つ送り、
『好きだ』と、気づけば愛の言葉を告げていたのだった。
ボクからの突然のキスと告白に、
耐えきれなくなったのか……こちらも突然に、拓馬くんはボクのナカで勢いよく射精をし。
ボクも彼から流し込まれた大量の精液の熱さにナカが耐えられなくなり、同時に自身のペニスから白濁したモノを吐きださせた。
はぁ…はぁ…はぁ、
お互いに初めて行った『セックス』に身体全部で大きく息をし、
しばしの間、その息遣いだけが二人のいる部屋で響きわたる。
すると、ぐっと…拓馬くんが身体を起こし。
「…は、っ…ごめ、兄ちゃ…おれ、せーえき…コウ兄のナカに、出しちゃった…」
汗をぽたり…と垂らしつつ、ボクに謝罪の言葉を述べてきたのだ。
一瞬ぽかんとし、
だけれどボクはすぐに、くすり…と笑みを零し。
「謝らないで、拓馬くん。キミだけじゃない…ボクも一緒にイっちゃったし、ふふ…」
お揃いだよ、
と彼へと手を差し伸べようとした
と、同時、
「――…え」
「っ、ごめ……ごめん、兄ちゃん…ぐすっ…」
――どうしてか。拓馬くんは、ボクの上で涙をぽたぽたと流していたのであった。
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