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プロローグ

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 今度こそはじっくり、そう思っていたのに、せっかちなかあさんが僕をどんどん奥へ奥へと誘い、引き込んでいく。

ひかるくん、素敵ぃ」

 スイートルームの一室。向かい合う座位。間近からじっと、寄り目がちで、ちょっとイッちゃってるような顔で僕を見つめる、母さん。

 きょうはやけに情熱的だな。そこが少し、気がかりだ。

 そろそろアラフォーの母さんは、僕たちが出会った頃と少しも変わらない。紡錘形のボリューム満点なきれいなおっぱいが、今でも凜と前を向いていて、僕の胸を突き刺すようだ。白過ぎない健康的な肌の色となじんだ薄ピンクの先端は、膣奥に次ぐ母さんの弱点だが、今はまだ触れずにおこう。

 もうちょっと、このままの姿勢を楽しんでいてもよかったが、僕は少しずつ動き始めた。

 母さんが僕の首に手を回す。

 僕たちは抱き合って深くキスをした。大きなおっぱいがつぶれて、コリッとした乳首の存在感が、僕の胸に電流を流したように、じんと広がった。

「光くん、今どんな感じ? 言葉にして言ってみて」

 母さんはセックスの最中でも、お構いなしに話しかけてくる。だからこそ、母さんとのセックスは楽しいのだけれど。

「じゃあ、光くんからどうぞ」

「はい」と、僕は素直にうなづく。

「僕のチ×ポが母さんの中に入って、とっても気持ちいい」

「説明が甘いわ。なんかイマイチ。もう少し盛り上げてみて。はい、ワンスモア」

「はい」と、僕はふたたび、少し不服げにうなずく。

「今日はこれで三回目だというのに、衰えを知らない僕の反り返ったペニスが、喜びいっぱいに母さんの中を今、ゆっくりと上下しています、ってこんな感じ?」

 満足そうに、目を細める母さん。

「ふふっ、いいじゃないっ。じゃあ次はわたしね……」

 母さんは子供みたくはしゃいだ様子でそういってから、目をつぶっていつもの『味わう』状態に入った。

「そう、今、光くんが、わたしの中で、頼もしく、弧を描いています。ああ、とっても、いい。気持ちいい。……このまま、さらにさらに、激しく、さっきの立ちバックよりももっと激しく、ああ、めちゃくちゃに、突き上げて、もらいたいと、わたしは今、切に願って……います。ああっ」

 僕の腰の動きに合わせて、母さんの言葉が、途切れ途切れになっている。

 ああ、エロい。

「僕はこれからピストン運動に専念しようと思うんだけど。母さんのおしゃべり、もっともっと聞いていたいな」

 僕は母さんの耳たぶをねっとり舐めながら囁き、ゆらゆらと首元で揺れる両手をゆっくりと解いて、寝の体勢になって本格的に突き上げを開始した。

「地球に、重力があって、よかった、って思える瞬間だわ。ああっ」

 タン、タン、タン。バスケのボールみたいに、母さんのおっぱいが激しく上下する。

「ダメよ、落ちちゃう! 落ち切る前に、ああ、もっと速く突き上げて!」

「それだと、深く、入らなく、なっちゃうんじゃない?」

 タン、タン、タン。

「大丈夫! じきにシンクロするから」

 タン、タン、タン。

「そう、いい感じ、ああ、合ってきたわ、合ってきた……光、優秀よ! ひゃあ」

 母さんが僕の名前を呼び捨て始めたら、それは興奮しているということ。すなわち絶頂間近のしるしなのだ。

「……はあ、疲れたな」

 ピストンを軽めの小刻み型に切り替える。急に意地悪してみたくなった。

「あっ、ばか、ばか、ばかっ! ああん、もう少しだったのにー」

「母さんばっかりいい思いして、つまんないよ。きょうは何回イッたの?」

「七回、いや十回? ははっ」

 そう言いながら、僕の上でグリグリと、あそこをすりつけるように腰を回す母さん。立ち直りが早く、あまりくよくよしないそんな母さんが、僕は大好きだ。

 母さんを乗せたまま、腹筋を使ってゆっくりと上体を起こし、右の乳首にそのまま吸いついて舌先を丹念くるくると回す。もちろん左手は遊ばせないで、もう片方の乳首をつまんで軽くさすってやる。

「ふぁあん。光くん、素敵。もう溶けちゃいそう……」

 眉間にしわを寄せた、切なげな表情の母さんはとてもかわいい。

「ねえ、光、最後は正常位で、して」

 僕の背中に回された母さんの腕に、ぎゅっと力が入る。

「あいよ……」

 きょうで本当に最後かもな。そんなことを思いながら、母さんを抱きしめる。汗でしっとり湿った母さんの体。こんなに華奢だったろうか。

「きのう、大学に綾が教員内定の報告にきてね、先生と三人でランチしたのよ。綾、その眼鏡、年寄り臭いからコンタクトにすれば、って言ってあげたの。聞いてる?」

 そもそも話好きの母さんだ。正常位中に会話を交わさないはずがない。交わされるのはもっぱら、リビングで家族がその日一日のことを語り合うような、そんなふつうの日常会話だ。

 綾は僕の恋人の名前だ。ついでに先生は僕の親父のことで、母さんの夫のことである。母さんにとって僕との秘密の情事は、そんな日常の中にふつうに存在している。

「光くん、少し大きくなったかも。え? まさか太った?」

「ちゃんと週二でジムに通ってるし、重くてつらい?」

「ううん。……男の子の体って、背丈が伸び切って大人になってからも、成長するもんだなあ、って、あらためて感動っていうか?」

 そう言いながら母さんは、僕の肩や背中を撫でさすり、ついでにおなかまわりの贅肉もちゃっかりとチェックした。

「初めて会った頃は、あんなにやせっぽちだったのにね……それに、メソメソ……」

「今、それ言う?」

 僕が挿入したままのペニスに力を込めると、母さんはあえぎ声にもならない、切ない息を吐き出した。

「逞しくって素敵な、……光くんの体」

「母さん、大好きだよ」

 僕は口づけをし、腰の動きを少しずつ速めていった。

「ふぅうん、光くん……」

「今、どんな感じ? 母さん」

 至近距離で見つめると、母さんはまた、寄り目がちのイッちゃってるような顔で見つめ返す。唾がすすり足りないのか、開きっぱなしの濡れた唇の隙間から舌を突き出してくるが、おかわりはやらない。

「今ぁ、光くんとおしゃべりしながらぁ、突かれちゃっていますぅ」

 まるで酔っ払いだ。

「説明が甘いね。もう一回」

「あなたは今、ゆっくり話しかけて、くれているけど、下半身は、別の生き物のように、とても激しく、動いてる。ああん……。まるで、光くんに、静かに、見守られながら、別の男に、犯されてるみたい……」

 ピストンに励む僕の腰にあてがわれた母さんの両手が、震えながらおねだりを始めた。

「そりゃ幸せだね。その男に、ちゃんと言い含めておかないとね。このヘンタイ女は奥を刺激されるのが大好きだから、容赦なく突いてやってくれってね」

「やだ……奥大好き!」

 目を細めた泣き笑いのような顔で懇願する。やっぱり母さんはかわいい。
 挿入したまま、次の行動に移った。

 動きを止めた僕に母さんはぐずらない。代わりに期待に満ちたまなざしでこちらをじっと見る。

 二つのまくらを引き寄せて母さんの尻の下に重ねて敷き、持ち上げる。力が抜けて扱いやすくなった両脚を大きく開くと、自信に満ちた肉芯とそれに飾られた裂け目が露わになった。根元近くまで挿入された僕のペニスが、妖しく濡れ光っているのが、よく見える。

「ぼちぼち、いきますか?」

 別の男に話しかけるみたいにそう言ってから、前のめりになって、今度は腰だけではなく体全体を使って、残りの竿を最後まで沈み込ませた。亀頭がコツリと沼底の石みたいな膣の底に行き当たる感覚に続いて、包み込んだ母さんの中がすうっと締まる。

「……うわあ、めちゃ気持ちいいや」

「あなたの好きにしちゃって。力まかせに壊れるくらいめちゃくちゃにして」

 ――母さんはいつだったか、こんなこと言ってたね。

「乳首の先から空気が抜けるみたいに、溜まったいい気が抜けちゃうの。だから、しっかりつまんでて! あなたの想いで膨らんだ、この体が破裂するまで……」

 僕はおっぱいを両手でわしづかみにした。めり込んだ指の隙間からはみ出した、汗で濡れ輝くきめ細かな肉肌をしっかりと目に焼きつけたあと、両方の乳首をしっかりとつまんだ。僕の母さんへの想いが、そこから抜けてしまわないように。

 そして、全体重をかけて力の限り、何度も何度も、母さんの中にこの身を突き落とした。

「奥、奥っ……いい、ああん、光っ、逞しい光、素敵っ」

「永遠にこのまま、ずっとずっと、突き続けてやるからな……」

 小刻みに揺れ開いた口をキスで捕まえて塞いだ。

 そして、息ができないくらい激しく吸う。

「うぐぅ、……あ、あ、あ、ダメ、ダメ、ダメ、ああっ、イクっ、イクっ、ああ、イ、イグぅ……はあっ……」

 そのうちに母さんは白目を剥き、あえぎ声さえ漏らさず、体を小刻みに痙攣させ始めた。
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