借景 -profiles of a life -

黒井羊太

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ブロガーE

ブロガーE③

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■月×日
 この町での最終日でございます。
 
 あたしは、何気ない街角、というのがとても好きです。
 あたしにとっては、一生に一度、通るかどうかの道。
 でも、誰かにとっては通い慣れた、いつもの道。
 この道で、一体どんな事があっただろう?
 どんな人が、どんな事を考えたのだろう?
 そんな事を考えるだけで、わくわくしてしまう。
 ヒビの入ったコンクリート塀も、きっと何かがあってこうなったんだろう。
 道端に積まれた石も、子どもがやったのかな?
 何十年と時を積み重ね、誰かが何かをして、今この町の形がある。
 それは何とも奇跡的な話で、町中の人の、誰一人として欠けては成立しない物語。
“それ”をしたのが、誰なのか、と言う事は、きっと誰かが覚えている話。
 この町にとって他人であるあたしには、妄想しか許されない。
 ……といって伝わりますかね(汗
 そうやって存在しているこの世界を、「あたし」という視点で切り取る作業が、あたしにとって「写真」なんだと思っています。もしかしたらあたしが知らないだけで、何かこの感じに近い言葉があるんですかね?
 あたしのこの、世界を切り取った「写真」から何か感じ取ってくれたら、とても嬉しいです。
 
 思いがけない再会もありつつ、今回の旅も大変よいものであったなと思い返しております。
 いつも申しておりますが、あたしの旅のこだわりとして、「多くの町へ巡る為に、同じ町へは旅をしない!」というものがあります。短い人生の間に、なるべく多くの景色が、町並みが見たい。その事に、この胸の火を、情熱を注ぎたいのです。
 この町へも、旅として来る事はないでしょう。(友達に会いに行くのは別としても)
 心はもう、次の町へ。今回の旅はここまで。また、次の町でお会いしましょう。
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