52 / 57
プレゼント合戦新章
しおりを挟む去年のクリスマス、私たち夫婦のプレゼント合戦は新たなステージに突入した。
と言っても、年末年始は出費が多いのと、物価高もあり、お金をかけずに楽しみたいと思って考えついたのがこの策である。
それは……。
予算3千円以内で、どちらが嬉しいプレゼントを贈るか、である。
いや、お互いどんなものでも嬉しいのであるが、我が家のイベント、プレゼントは常に合戦であるので、この勝負なのだ。
もちろん、いっとくさんは最初ブーブーと文句を言っていた。
3千円じゃ大したものが買えない!!
と苦情がきたが、それでも乗ってくれるところは、お互い感覚が合うのである。
それからしばらく、お互いそれぞれプレゼント探しをしていた。
時折りいっとくさんから
「やっぱり3千円は安い!」
「訳ありをクリスマスプレゼントにしたくないしなあ……」
「これは難しいぞ」
などとLINEやリプが来つつ、迎えたクリスマスの少し前。
先攻で届いたのは、いっとくさんからのプレゼントだ。
プレゼントは、パロサントのエスニック風ネックレス。
パロサントとは香木で、その香りや煙には強い魔除けや邪気祓い的なものがあるという。
実は私はこの時、パロサントにハマっていたのだ。
我が家は時々セージを焚いていたのであるが、パロサントが何やらとても良いと聞いて、試しに入手して焚いてみたところ、すっかり気に入っていた。
葉っぱの形に彫られたパロサントは、とても可愛いし香りも良い。
普段使いにぴったりだし、何やらお守り的な感じもするではないか。
むむ、流石のセンスである。
金額縛りをしたにも関わらず、このクオリティ。
だが、私も負けてはいない!
後攻は私からのプレゼントが到着。
私は二つのプレゼントを用意した。
一つは、岩国の神社で祈祷されたカエルのお守りキーホルダー。
無事帰る、幸せ帰る、などの意味があるらしい。
これは私の願いである。
もう一つは、菩提樹の実のネックレスだ。
実はいっとくさん、何気ない会話の中で、ポロリとネックレスであるということを言ってしまっていた。
そこで私も何食わぬ顔をして、ネックレスにしたのである。
菩提樹の実も、お守りのようなものだ。
さあ、プレゼントフォーユー!!
……めちゃくちゃ菩提樹の実に食い付くいっとくさん。
いや、ほんとこういうの(魔除けとか)好きだなあ……。
とちょっとおかしくなった。
何せこの人、昔ネタとしてあげたピラミッド型のピンクの岩塩(これも魔除け系)でめちゃくちゃ喜んでいた人なのだ。(今もしっかりと家にある)
カエルちゃんも、しっかりと通勤用リュックに付けてくれた。
今回のプレゼント合戦新章は、お互いお守り系(魔除け系?)になったが、お互いの好みにぴったりの嬉しい引き分けである。
一応補足しておくが、魔除け系といっても何かの宗教的なものではない。
お互い、怖い話やおまじないなどのエンタメが好きなのである。
さて、こうしてプレゼント合戦新章は無事に終わったと思われたのだが……。
ダイエットで婚約指輪兼結婚指輪がゆるゆるになり、これは良いとパロサントのネックレスに装着したことから発展して
「指輪大騒動」
が起きたことは、次章で書こうと思う。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
食卓バトル!!〜本日も楽しく開催中です〜
Emi 松原
エッセイ・ノンフィクション
私、物書きEmi 松原、精神障害があり、今は物書きと主婦をしています。
パートナーはいっとくさん。透析患者であり、2021年、千葉から広島へお婿に来ました。
遠距離恋愛を得て結婚。年の差なんと19歳。
元コンビニ依存率99%、体を気にせず食べたいいっとくさんに、「いかに満足させて買い食いさせないと同時に血液検査の数値・体重(水分)コントロールを保つか」を理念に掲げご飯を作るのが好きになった私。
こちらでは、透析患者さんの「食事制限」や「食事」について、又、我が家で作っているレシピなども交えて、楽しく読めるエッセイを書いていきたいと思います。
透析への理解が深まることを願って。
夫婦の日々をコミカルに描いたエッセイは「一進一退夫婦道」を見にきてください!!
※メインの物書きではないので不定期更新になります
※透析に関する内容、症状、治療法は様々です。あくまで我が家が病院と連携をとり行なっているものだということをご了承ください

第一機動部隊
桑名 裕輝
歴史・時代
突如アメリカ軍陸上攻撃機によって帝都が壊滅的損害を受けた後に宣戦布告を受けた大日本帝国。
祖国のため、そして愛する者のため大日本帝国の精鋭である第一機動部隊が米国太平洋艦隊重要拠点グアムを叩く。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる