一進一退夫婦道

Emi 松原

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緊急入院はプロの技

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今年初のエッセイ更新です。皆様今年もよろしくお願いします!


さて、このエッセイを書き始めて2回目のお正月も過ぎた一月のある日。


いつものように透析に出かけたいっとくさんだったが、数時間後、病院から電話が。

病院から電話があるだけで、私の心臓は嫌な音を立てる。


内容はなかなかに深刻であった。


透析をするためのシャント(血管を繋いで作っている透析用の血管)が塞がってしまっていて、透析ができない状況になっているというのだ。

すぐに提携の大きい病院で治療(手術)をするので、入院準備をしていっとくさんを迎えに来て、大きい病院へ向かって欲しいとのことだった。


その時、仕事を休む訳にはいかないといっとくさんがごねたのだろう。

看護師さんがその場でいっとくさんと電話をかわり、私から職場には電話すると話をつけた。


さて、電話を切った瞬間からの私の動きは最早プロである。


いっとくさんの入院準備をしながら、ハンズフリーでいっとくさんの職場、私のパパ上、いっとくさんのママ上等関係各所へ連絡。

私自身が実家に泊まる準備をしながらタクシーを呼び、着替えて家を出るまでの時間、なんと30分。

はっはっはっ! 数々の経験を重ねた妻の実力を見よ!


そのままタクシーでいっとくさんを拾うと、大きな病院へゴー。


土曜日ということで、待合室はガランとしていた。そこでまずは毎度のこと流行病の検査である。

検査中に、私は入院書類を書き書き。
これも書き慣れたものだ。

アメニティのプランもお決まりだったのだが、申し込み書類が挟まってなかったので、後から病棟で記入した。


無事陰性確認後はいっとくさんを病棟に送り、私は別場所で待機である。


なんとその日、同じ症状で緊急手術をしている方がいたので、順番が来るまで私はおやつとご飯タイム。


そしてついにいっとくさん、手術開始である。

私はもう行くのに慣れてしまった家族待機場所に移動。土曜日で人気のない中、無事終わるのを待った。


待ち時間は相変わらずウェブ小説である。


その後手術は無事成功。先生から話があったのだが、その日はICUだが次の日には退院できると聞き、医療の進化に驚きを隠せなかった。

むしろこのご時世なので、緊急でない時は日帰りで行うことが多くなったとも。


本当に先生をはじめ、スタッフさんたち、そして日々の医療の進歩に感謝しかない。


ICUに入る前のいっとくさんに会えたのだが、

「今までのどんな治療より痛くて辛かった」

と涙目になっていた。


それはそうである。
血管には麻酔が効かない。その血管の中をぐりぐりされるのだから……。

本当によく頑張った。



そしてその日はICUで無事透析を終えて、次の日、いっとくさんは退院したのであった。


本当に色々起こる日々だが、どうだ、私のレベルアップ度は! と言いたくなる緊急入院だ。



余談であるが、なんとこの手術の日、もう一人同じ症状で緊急手術を行う方が待機していたらしい。

シャント管理をしていても、どうしてもこういうことは起こるのである。

シャントの不具合自体は珍しいことではないが、土曜日に緊急で三人も重なることは珍しく、数ヶ月に一度のイベントに重なったと先生は笑ってくれた。



年明け初っ端からの大騒動。今年も刺激的な年になりそうなのであった。

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私、物書きEmi 松原、精神障害があり、今は物書きと主婦をしています。 パートナーはいっとくさん。透析患者であり、2021年、千葉から広島へお婿に来ました。 遠距離恋愛を得て結婚。年の差なんと19歳。 元コンビニ依存率99%、体を気にせず食べたいいっとくさんに、「いかに満足させて買い食いさせないと同時に血液検査の数値・体重(水分)コントロールを保つか」を理念に掲げご飯を作るのが好きになった私。 こちらでは、透析患者さんの「食事制限」や「食事」について、又、我が家で作っているレシピなども交えて、楽しく読めるエッセイを書いていきたいと思います。 透析への理解が深まることを願って。 夫婦の日々をコミカルに描いたエッセイは「一進一退夫婦道」を見にきてください!! ※メインの物書きではないので不定期更新になります ※透析に関する内容、症状、治療法は様々です。あくまで我が家が病院と連携をとり行なっているものだということをご了承ください

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