一進一退夫婦道

ドッキドキの遺伝子検査

2022年、5月に行われたいっとくさんの心臓バイパス手術。
そこから無事半年が経ち、心臓にOKが出て、ついにまた移植外科に行けるようになった時の話である。


ちなみにだが、煙草合戦は最終章を迎えた。つまりいっとくさん、禁煙成功である。このこともいずれ書きたい。



さてさて、心臓が無事半年経ち、私は移植外科の先生に電話をして経過を伝え、遺伝子検査の予約を取った。

遺伝子検査とは文字通り。いっとくさんと私の遺伝子を検査するのである。


これが、いっとくさんの遺伝子が私の遺伝子を攻撃してしまうタイプの場合、この時点で移植はしない方が良いとされる。

移植したとしても、いっとくさんの免疫が私の腎臓を攻撃して、結局腎臓が定着しない、ということになるのだ。


なのでドッキドキの検査である。

そもそも遺伝子は努力でどうこうなるものではない。なので余計にだ。



病院の予約を取った時、先生から、

「遺伝子検査、40ccとかいっぱい血とるけど大丈夫？」

と聞かれたが、私はピンとこなかった。


でも献血は400と聞くし、大丈夫だろうと、気楽に

「大丈夫ですうー！！」

と答えたのだった。



そして迎えた遺伝子検査当日。

受付を済ませて、順番を待ち、私といっとくさんは採血室に入る。

何故か私は25歳を過ぎたあたりから、血液検査の血を抜くときに、サーーっと気分が悪くなったことが何度かあったので、ベッドにしてもらった。


横になって待っていると、優しそうな看護師さんのお兄さんがやってきて、名前確認をして言った。

「今日は10本ですー！」


「んあっ！？」

思わず変な声が出た。


「多いですよね。遺伝子検査は特殊なんで多いんですよ、頑張りましょう！」


ということで採血スタート。

流石採血専門の看護師さんである。血管が細い上浅い上逃げる私に一発で刺してくれた。

後は採られるのを待つだけ……だったのだが、7本目辺りから血の出が悪くなり、看護師さんが一生懸命腕を押してくれる。

私も必死でグーパーした。


なんとか無事に10本取れたが、もうへろへろである。いっとくさんも無事取れたようだが、同じくヘロヘロだった。



そして2週間後、先生からの電話が鳴る。

結果は……

なんとか大丈夫だろうとのことであった！！


もう涙が止まらない。まだ長い道のスタートなのに。

努力でどうこうできないものの不安。これは本当に大きかった。


輸血の影響で免疫が少し強くなっていたらしいが、移植はできる範囲だろうとも言って頂けた。



さあ、これで初めの難関をクリアした。

後は私が基準体重まで持っていき、多くの体の検査、そして倫理委員会などが待っている。



今年は全てダイエット期間だ。

だが、ダイエットは、努力でどうこうできるものである。


移植ができるスタートラインに立てたのだ。

気合いを入れて頑張っていこうと思う。

大晦日とお正月の四日間、食べまくったのだが。



さて、余談であるが、移植外科に行った時のサイゼリヤデートは私たちのお楽しみだ。(病院の近くにあり、家の近くにない)

だが、この時私が食べたフランスパンで口の中が傷つき、口内炎から化膿して耳鼻科行きになってしまった「フランスパン事件」が起こったのは、悲しき思い出となったのであった。