一進一退夫婦道

Emi 松原

文字の大きさ
上 下
14 / 57

進め、進め

しおりを挟む


さて今年も終わりである。

来年は年明け早々に、いっとくさんの心臓バイパスの手術の検査がスタートする。
7月に肺水腫で死にかけ、この間2回外で倒れて救急車で運ばれたいっとくさん。着実に体のいろんなことが進んでいる。


そんな中、ついにいっとくさんが夫婦間腎移植について少し前向きな姿勢を見せるようになった。
私としてはなんとも嬉しいことである。

これに関しては本当に色々あったが、いっとくさんの心を動かしたのは絶対無理だと思っていた私のダイエットだ。


移植のドナーになるには、BMIが正常値であることをはじめ、様々な検査をクリアしなければならない。
専門の精神科医も入ってくるし、第三者倫理委員会にもかけられる(これは私の病気も関係しているが)

そう、超級おデブな私は、まず痩せなければ話にならないのだ。


だからこそいっとくさんは、移植の話は本格化しないだろうと思っていた。が、私が本格的なダイエットを開始してしまった。


お世話になっている整骨院でインナーマッスルのトレーニングと、運動トレーニングを始め、家での自重トレ。筋トレダンス動画を見ながらえっほえっほと動いてみたり、ストレッチをしてみたり。
体についての座学を見てみたり。

食生活も変えた。PFCバランス(タンパク質、脂質、炭水化物)を意識して、プロテインも取り入れた。

最初は全く動かなかった体重計も、体の基礎ができてきたのか、動くようになり、誰が見ても見た目が明らかに前より引き締まってきた。

現在、移植に向けてのダイエットを始めてマイナス8キロだ。

移植外科の先生に厳しく言われたのだが、1ヶ月で1キロのペースで落とせ、それ以上早く落とすなとのこと。
ドナーになるには痩せるのにも「健康的に」が求められるのだ。


さてさてこんな姿を見ていたいっとくさん。私が本気だというのは十分伝わった。絶対無理だと思っていたダイエットの成果を出し始めたのだから。


元々、何があってもえみの体を傷つけるなんてできない、そんなことをするくらいなら死ぬ。こちらがどんなに言っても生きるか死ぬかになったら考えると言っていたいっとくさん。その時が来て私が移植の話を出した時は、嫌いになったと嘘をついて離婚した方がいいんじゃ……とまで先輩さんに相談もしたらしい。


そして現在。
まだまだ目標体重には遠いが、着実に成果を出している私を見て、本気度が伝わったのである。


それなのに少し前向きになった矢先に、心臓バイパスの決断をした方がいいと言われた。

今後生きていくことを考えたら、決断した方が良いとのこと。

移植手術も、心肺機能がもってくれなければ話にならない。


なんとも色々あるものである。


だがここまで来たら、進むしかないのだ。

私はいっとくさんに生きていてほしい。一緒に生きたい。もしこの先、何かがあって離婚、となったとしても、腎臓を渡すことを後悔はしない。


だからこそ、私に今できるのは、食事管理と病院の連携とダイエットなのだ。


毎日のように不安で押しつぶされそうになる。それはきっといっとくさんも。

それでも、その状態で一緒に生きていくと決めたから。


後はとにかく、進んでいくだけなのである。


2年後目標の夫婦間腎移植。


やってやろうじゃないか!!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

食卓バトル!!〜本日も楽しく開催中です〜

Emi 松原
エッセイ・ノンフィクション
私、物書きEmi 松原、精神障害があり、今は物書きと主婦をしています。 パートナーはいっとくさん。透析患者であり、2021年、千葉から広島へお婿に来ました。 遠距離恋愛を得て結婚。年の差なんと19歳。 元コンビニ依存率99%、体を気にせず食べたいいっとくさんに、「いかに満足させて買い食いさせないと同時に血液検査の数値・体重(水分)コントロールを保つか」を理念に掲げご飯を作るのが好きになった私。 こちらでは、透析患者さんの「食事制限」や「食事」について、又、我が家で作っているレシピなども交えて、楽しく読めるエッセイを書いていきたいと思います。 透析への理解が深まることを願って。 夫婦の日々をコミカルに描いたエッセイは「一進一退夫婦道」を見にきてください!! ※メインの物書きではないので不定期更新になります ※透析に関する内容、症状、治療法は様々です。あくまで我が家が病院と連携をとり行なっているものだということをご了承ください

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

処理中です...