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恐怖の中2日
しおりを挟む透析患者さんや関わっている人が使う言葉で、中1日(なかいちにち)、中2日(なかふつか)というものがある。
これは透析までに開ける日数のことで、例えば月・水・金に透析を受けている人は、月に透析を受けて水までの1日、火を中1日。
土日、2日開く日を中2日という。
さて、タイトルにもある通り中2日の日はある意味恐怖である。
そもそも透析患者さんは、健康な人が体にいらないものを尿として排出するものが排出できない。
水分、いらない栄養素がどんどん溜まっていくのだ。
それは透析の期間を開ければそれだけ溜まるし、万が一透析ができなければ死んでしまう。
それが多く溜まってしまうのが、そう、中2日。
え、じゃあ2日連続ですれば良くね?
と思うと思う。私も思ったことがある。
だが透析は、それ自体が体に大きな負担をかける。
血液を一旦体の外に出して戻す為、血管にも負担がかかったり、血圧にも影響する。体に怠さは残るし、透析酔いと呼ばれる症状まである。
透析した! シャッキーン!! というわけにいかない為、週3回が限度なのだ。(体の中の水分が抜ききれなかった時は調整することもある)
さて話は戻して中2日。
この2日は、特に飲料と口に入れるものに注意をしなくてはならない。
透析患者さんの死亡率が高いのも中2日と言われているし、いっとくさんが急変したのも中2日だった。
うん。恐怖でしかない。
普段はゆるーーりと食事管理と飲料管理をしている私も、中2日には作らないようにするものも多い。
と、書いていてものすごく真面目で難しい話になってしまったことに気がついた。
そのくらい、中2日とは恐怖なのである。
だがしかし、患者さんの中にはいっとくさんと似た方も多い。
そう、気にしないのだ。
いっとくさんの近くで透析を受けていた爺様が、とんでもなく体重(水分量)が増えて1日じゃ抜けきれなかった、という話もあったくらいに。
気にしろよ!! と言いたくなるが、気にしはじめたら何もできないことも、ストレスが多大にかかることも知っているので
「その爺様も大変じゃねえ」
としか言えなかったが。
今回はとても真面目な話だけになってしまったが、なかなか知られていない透析の中2日。
患者も家族も神経を使うであろう2日間。
今日もいっとくさんと食卓戦争を起こしながら、献立を考え、飲料を注意し(外で飲むものは見えないが)なんとか体に溜まりすぎないことを祈るのである。
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