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やっと良い人が(先輩さん談)
しおりを挟む先日、いっとくさんは命の危機に。
私が救急車を呼んで、すぐ主治医の先生に連絡。提携の総合病院に即受け入れてもらい、着いた途端に急変。
人工呼吸器、心臓カテーテルを得て、なんとか復活を果たしました。
ギリギリでした。
このことについてはまた後日。
こんなこともあり、私は先輩さんに今後のこと(いっとくさんの働き方等)を相談していました。
夜勤職でフルで働いているいっとくさんですが、透析後のフルを減らしたいこと。
車がなくても生活できる場所に住んでいるので、車を手放したいこと。
どんどん悪くなっていくいっとくさんへの夫婦間腎移植について。
そして二人の時間を今まで以上に大事にしたいこと。
そんな相談の後、雑談の中で先輩さんに言われました。
「〇〇(他のお仲間さん)とも話してたんだ。やっといっとくの良さを分かってくれる人が現れたねって」
と言われても。
確かに家事等は一切できず、散らかし魔だけれども。
誰より愛してくれて一途で溺愛してくれる人。
顔はいかつくて煙草も吸う、声も大きいせいで、あばしり帰りですか? と聞きたくなるけれども。
根はすごく真面目で寂しがりや。
逆になんで今まで?
そう首をかしげる私に、先輩さんは
「分かっててくれたんだね。あいつ、周りにはいい加減だと思われてるしそう見せてるけど、実際かなり真面目で優しいからね。最初は心配してたんだ。病気の理解もだし、本当のあいつを知っててくれてるか」
あぁ、そうだったんだ。
先輩さんの笑い声に、私も気がついたら笑って、いっとくさんの寂しがりエピソードを話していました。
一日私が近くの実家に帰っていて、仕事から帰った時出迎えれなかった時。
「この先もうおかえりが聞けないと思うと発狂しそう」
と言い出したり。
普段は一人で外出することのない私が、いっとくさんとどうしても時間が合わなくて一人で受診に行った際。
「一人だと家が広すぎる」
と悲しそうに言い出したり。
現在進行形では、入院しているのは向こうなのに。
「えみがいない喪失感がすごい」
とLINEがきたり。
愛されてます。愛されているんです。幸せなんです。
でも、先輩さんが心配していた理由はよくわかりますね!
見た目で人は判断できないとはまさにいっとくさんの為の言葉です。
余談ですが。私はnoteへのエッセイで、結婚するのは権利が欲しいからだと書きました。
「彼女」にはなんの権利もないんです。
しかも遠距離だと尚更。
倒れても、いつも知るのは全て終わった後。何かあっても連絡がくるかすらわからない立場。
それが夫婦になると、権利が一番に跳ね上がるんです。
命を預けてもらう権利。
私の命を預ける権利。
一番に側にいられる権利。
その権利を今回の救急車、急変、入院で再度実感しました。
そんな私の想いを知ってか知らずか。
今日も私たちは悪知恵合戦です。
病院食がまずいと駄々をこねるいっとくさん。なんとかお金を貰って売店へと目論み。
「雑誌買うから小銭くれ」
「じゃあ雑誌買ってくね」
私の勝利。
「電子決済が売店でできなかった……」
誤算だけど私の勝利。
「隣の爺さんが饅頭くれた。もう食った」
……お説教タイム。
やっぱり、いっとくさんがいてくれて幸せです。
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