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~守我の焦り~
守我は自分の見ている光景を疑っていた。
「まさか・・・そんなはずは・・・。」
大急ぎで何台ものパソコンを操作する。
「守我くん・・・いったい・・・。」
由岐が隣で不安そうにたたずんでいる。
「・・・・・」
無言で操作を続ける守我。
自分の計画に狂いはなかった。
どう考えても,打ち落としミサイルがあたるなど・・・兵器同士が相殺するなんて,ありえなかった。
それなのに,今,そのありえない現実が起きようとしている。
大きくそれていたはずの打ち落としミサイルは最新兵器に近づき,軌道に狂いはなかったはずの最新兵器は大きく軌道をずれ,打ち落としミサイルへと近づいていった。
「なぜなんだ・・・どんな計算をしても,こんなこと起こるわけ・・・。くそ・・・・あたるなぁ!」
守我の叫びもむなしく,打ち落としミサイルと最新兵器は海の上のはるか上空で呆気なく相殺された。
守我の手が止まる。
自分の見ている光景を,守我は信じることができなかった。
今まで,自分の計算が外れたことなどなかった。
どう考えても,起こるはずのない現実・・・。
「なぜ・・・なぜ・・・。」
つぶやく守我。
「守我君・・・。自然とは,我々の予想もつかないことを時に引き起こす。決して君が間違っていたわけでは・・・。」
焦る守我を無言で見ていた由岐が言った。
「・・・貴方のなぐさめなんていりません。自然なんて,所詮計算で,人間の力でコントロールできます。・・・貴方の意見なんて求めていない。すみませんが,すこし外に出て1人になってきます。今後の対応も検討しますので,由岐さんは何も心配せず待っていて下さい。」
そう言うと守我は,1人外へと出ていった。
そのまま庭へ向かい,椅子に腰掛ける。
「・・・なにが自然の力ですか・・・。たかが自然。なぜこんなことになったのか,今後の対応と共にじっくり考えなければ・・・。あまり時間はなさそうですがね。」
1人つぶやくと,守我は不敵な笑みを見せた。
守我は自分の見ている光景を疑っていた。
「まさか・・・そんなはずは・・・。」
大急ぎで何台ものパソコンを操作する。
「守我くん・・・いったい・・・。」
由岐が隣で不安そうにたたずんでいる。
「・・・・・」
無言で操作を続ける守我。
自分の計画に狂いはなかった。
どう考えても,打ち落としミサイルがあたるなど・・・兵器同士が相殺するなんて,ありえなかった。
それなのに,今,そのありえない現実が起きようとしている。
大きくそれていたはずの打ち落としミサイルは最新兵器に近づき,軌道に狂いはなかったはずの最新兵器は大きく軌道をずれ,打ち落としミサイルへと近づいていった。
「なぜなんだ・・・どんな計算をしても,こんなこと起こるわけ・・・。くそ・・・・あたるなぁ!」
守我の叫びもむなしく,打ち落としミサイルと最新兵器は海の上のはるか上空で呆気なく相殺された。
守我の手が止まる。
自分の見ている光景を,守我は信じることができなかった。
今まで,自分の計算が外れたことなどなかった。
どう考えても,起こるはずのない現実・・・。
「なぜ・・・なぜ・・・。」
つぶやく守我。
「守我君・・・。自然とは,我々の予想もつかないことを時に引き起こす。決して君が間違っていたわけでは・・・。」
焦る守我を無言で見ていた由岐が言った。
「・・・貴方のなぐさめなんていりません。自然なんて,所詮計算で,人間の力でコントロールできます。・・・貴方の意見なんて求めていない。すみませんが,すこし外に出て1人になってきます。今後の対応も検討しますので,由岐さんは何も心配せず待っていて下さい。」
そう言うと守我は,1人外へと出ていった。
そのまま庭へ向かい,椅子に腰掛ける。
「・・・なにが自然の力ですか・・・。たかが自然。なぜこんなことになったのか,今後の対応と共にじっくり考えなければ・・・。あまり時間はなさそうですがね。」
1人つぶやくと,守我は不敵な笑みを見せた。
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