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もう一つの覚悟の魔法を使う
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しおりを挟む次の日、俺たちはエミルさんとヨネルさんと一緒に、騎士団へと戻った。
明日から俺たちは、戦場に戻る。
「コル、最後にお前に言っておく。もし、もう一つの覚悟の魔法を使っても、お前が夢を追うことができると思ったら、アマナと……お前のチームに、存分に甘えて、皆を頼れ。分かったな」
エミルさんが、真剣な顔で言った。
俺は意味が分からなかったけれど、頷くしかなかった。
俺が頷いたのを確認すると、エミルさんとヨネルさんは特別騎士団専用寮に戻っていった。
「さぁ、私たちも、明日からの戦闘に備えましょう」
アマナが明るく言った。
俺たちはそれぞれ自分の部屋に戻った。アマナの所に行ってみたけれど、また分厚い本を広げようとしていたから、邪魔したらいけないと思って自分の部屋に戻った。
ベッドに横になった瞬間、また一気に瞼が重くなった。俺は、そのまま眠りに落ちていた。
次の日、俺たちは戦場に戻っていた。
「コルの部隊は、後ろで待機だ!あいつが出てきたらすぐに応戦できるようにしておけ!」
第一騎士団団長の指示が飛ぶ。
あいつとは、ラオンのことだ。ラオンの相手をするのは、俺たちの仕事のようになっていた。俺たちは後方でラオンが来るのを待った。
「来たぞ!《赤い竜巻》と、《赤い旋風》だ!」
前線で戦っている人が叫んだ。《赤い旋風》とは、ラオンについた異名だ。
「特別騎士団と第一騎士団第二部隊が相手をする。他は下がってな」
エミルさんの指示が飛ぶ。
俺たちは、一気に前線へと飛び出した。
ラオンが俺を狙って距離を詰める。
距離を詰められる前に、俺はスピアを振った。
いつものように、一騎打ちになった。
「なぁ、コル。お前、大将戦の魔法を教えてもらったか?俺は教えてもらったぜ。だけれどあの魔法、お前も同じ魔法でぶつかってこないと、お前のこと葬れないそうだ」
ラオンが、挑発的に言った。
俺は、ゆっくりと頷いた。
「へー。俺を殺す覚悟ができたんだな」
ラオンが攻撃を繰り返しながら言った。
俺は、スピアを振りながら、叫んだ。
ピアスの通信は、チームだけに繋いでいる。周りにも特別騎士団だけだ。エミルさんの想いを知ったんだから、もう聞かれても構わない。
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