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明かされていくもの
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しおりを挟む「想像はしていましたがっ……覚悟の魔法について知るのはっ、とても苦しかったですっ……」
「ごめんね、モカちゃん。でも、どうしても知っておかなければならないと思うの。調べてくれて、本当にありがとう」
アマナの優しい言葉に、モカは顔を上げて頷いた。
「ではっ、覚悟の魔法について分かったことを話しますっ。まず、覚悟の魔法をかけられる対象者は、レッド王国の血が入っているハーフの人ですっ。レッド王国の人間は、幽閉されているかっ、レッド王国に強制送還されていますからっ、これに該当しないのですっ。そして、この魔法は、国に……騎士団に近くなればなるほど、強い魔法がかけられているらしいのですっ」
俺たちは、モカの言葉を黙って聞いた。
「この魔法は、国に忠誠を誓いっ……裏切らないようにする魔法ですっ。普段の生活には、なんの問題もありませんっ。だけれど、国を裏切る行為っ……例えば、レッド王国の人間と許可なく話したり、国に逆らう言動・行動をした時にっ、《印》と呼ばれるものが発動しますっ。それは、体全体にもの凄い苦痛を与え、最悪、死に至ると言われていますっ……。この魔法は、地位が高ければ高くなるほど強くなると言いましたよねっ。つまりっ、ヨネルさん、ハヤテさん、フユさんには一番強い覚悟の魔法がかけられているはずなのですっ……」
モカが、下を向いた。
アマナがメモを書く手を置いて、モカの手を握りしめた。
「モカちゃん、知ること、辛かったわよね。これを知ることができたのは、モカちゃんがいてくれたからよ。他の誰でも知ることはできなかった。ありがとう」
アマナの優しい言葉に、モカが目を潤ませた。
俺も、目が潤まないように我慢した。だって、特別騎士団の人たちは、そんなに重いものを背負って戦っているんだから。
「それで、アマナはずっと何を調べていたんだ?」
ブランがアマナに聞いた。それは、俺も知りたいことだった。
「覚悟の呪文についてもそうだけれど……戦闘の最後に、エミルさんの大将戦が必ずと言っていいほどあるでしょう?あの魔方陣がなんなのか、どうして二人は魔方陣をぶつけ合っているのか……それを基盤に調べていたの。そうしたら、テルさんがヒントをくれて、調べることが多くなってね。おおまかなことは分かった気がするんだけれど……。まずは、実際に行ってみたい場所があるのと、特別騎士団の人と話をしてみようと思うの。私の仮定が合っているかどうか。私は勧誘者だから、話せるはずだから」
アマナが、俺たち三人を見つめて言った。
ブランが、すぐに頷いた。モカも、つられて頷く。
俺は、ラオンの言葉を思い出していた。
《あの魔方陣で必ずお前を殺す》
……俺も、知らなければいけないんだ。
アマナが、俺の心を読むように、俺の頭を引き寄せて、抱きしめてくれた。
こうしてアマナは、特別騎士団の人と話ができるように、後方支援部隊専門の偉い人から進言してもらうことになったのだった。
「じゃあ、行ってくるわね」
次の日の午後、俺たちは、特別騎士団専用寮に向かうアマナを見送っていた。
進言して貰ってから、特別騎士団の人の返答は早かった。
すぐに、アマナと話す時間をつくってくれたのだ。
「アマナ、本当に一人で大丈夫かい……?」
俺の言葉に、アマナは笑顔で頷いた。
アマナを見送った後、俺たちは合同訓練所で訓練をしながら待つことにした。
じっとしているのが、何故か嫌だったから。
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