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きらめきの双子神・教典第三章第一項~双子神の足跡~
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しおりを挟む破壊神のテコベは、次々に、争いを続けるヒト型達を消した。破壊神のテコベを皆が恐れ、創造神のノムに助けを求めた。
創造神のノムは、迷い続けた。そして、ある決断をした。
創造神のノムは、創造神のノムのことも、破壊神のテコベのことも、変わらずに信仰し続け、真っ直ぐに生きていた、とあるヒト型の元へと行った。
そして、そのヒト型を、《受け継ぐ者》とし、その体に印をつけた。
ヒト型達は、《受け継ぐ者》の意味が分からなかったが、考える間もなく、創造神のノムは、破壊神のテコベの前に立った。
創造神のノムは、破壊神のテコベに金色の剣を向けた。この世界を守る為に。
破壊神のテコベも、創造神のノムに銀色の剣を向けた。この世界を壊す為に。
二人の間に、言葉はなかった。だが、二人の間には確かに何かが通じ合っていた。
神が創った、神を殺せる剣。
二人の神は同時に動いた。
そして同時に、お互いの胸を剣で貫くと、お互いをしっかりと抱きしめた。
二人は言った。
今の我々には、これしか答えが出せなかったと。だが、世界が動く節目には、ヒト型の双子としてこの世界に降り立ち、その時にまた答えを出そうと。
創造神のノムと、破壊神のテコベは、お互いの顔を見て微笑み、涙を流し、光を放つと同時に絶命した。
二人の神が消えた後、二本の剣は、《受け継ぐ者》の元へと降り立った。
創造神のノムは、神をも殺せる二本の剣を、《受け継ぐ者》に託したのだ。
もし、今後、自分達がヒト型としてこの世界に現れたとき、その真っ直ぐな信仰心と生き方に反するような神の化身であれば、神を殺せるこの二本の剣を使ってくれと。
《受け継ぐ者》は、印が証だと。
こうして、二人の神は絶命した。
だが、世界が動く節目には、必ず双子が産まれるようになった。
先に産まれてくる者は、キラキラ光る金髪の創造神の化身、後に産まれてくる者は、静かに光る銀髪の破壊神の化身として。
それにより、この世界では、今でも、星から産まれたきらめきの双子神が信仰されているのである。
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