26 / 30
26、新天地
しおりを挟む
アンジュが聖女覚醒して二年と半年が過ぎるころ、停戦していたクリーク帝国が停戦条約を破って再度エーデルシュタイン王国に攻めてきた。不意打ちの攻撃は魔法を駆使するエーデルシュタイン王国にも大きな打撃を与え、すぐさまゲニーは最前線に送られる。魔法団総帥であるゲニーだが、それが一番効率いいからだ。ヴァイスハイトは王の政務を支えなくてはならなくて、出兵はせずアンジュたちと共にゲニーの帰還を待つことになった。
ゲニーは自身の各国の奉仕活動で得たツテを使い、各国から腕の立つ将軍たちを引き連れ、クリーク帝国の兵士をなぎ倒していく。ただ殺生は好まないゲニーと、争いのない世界にしようと想いを馳せるエーデルシュタイン王の命で手間はかかるが、捕らえはしても殺しはせず、なるべく降伏させ牢に入れた。ゲニーの働きにより段々とクリーク帝国の戦力も削がれていき、とうとうクリーク帝国の帝王が自決して終戦となり、停戦を含めた約三年にわたる戦いが終わった。
クリーク帝国を治める帝王一族がみな自決してクリーク帝国を束ねるものが居なくなり、またその配下たちは牢に入れられたので戦争による飢えに苦しんでた国民たちはほとほと参っていた。そこでゲニーは世界の一国の王であるエーデルシュタイン王に進言する。
「クリーク帝国の跡地に新たな国を作りませんか。この世界の中立国、戦争には絶対介入せず、戦争や紛争による難民を受け入れ、守る国です」
ゲニーは王に跪き、頭を垂れる。
「王様、ゲニーは適任だと思います。他国の王たちとも親しく、信頼も厚いので上手くやれると思います」
そうヴァイスハイトも加勢した。
「ふむ。前代未聞だが、国際会議で提案してみよう」
エーデルシュタイン王は前代未聞のゲニーの提案を受け入れ、各国の王や各地の部族長を呼び寄せ国際会議を開いた。元々戦いに疲弊していた国や、エーデルシュタイン王と同じ志の王など過半数以上の国から賛同を得ることが出来、クリーク帝国は新生中立国家フリーデン王国になりゲニーが統治することになったのだ。そして補佐としてヴァイスハイトが宰相に就いた。
新たな土地を統治するにあたって国民の士気を高めるために、妻で正妃のアンジュが聖女であることを発表した。もうエーデルシュタイン王国の国民ではないアンジュは王の側妃になる必要はないので、エーデルシュタイン王からはゲニーは食えない奴だと苦笑される。アンジュの聖女の力は規格外で、彼女が治せない傷などないのだが、生死をさまよう大怪我の患者に治癒魔法を使うのは魔力を大量に使うので、それはゲニーたち四人の秘密にすることとした。それを秘密にしてもアンジュの聖なる力は万能で、正妃の政務の隙間で奉仕活動にも尽力し、国民から慕われるようになる。王であるゲニーも、自身の魔法の才能を思う存分発揮し、国民が生活しやすくなる魔法を多くあみ出した。また宰相であるヴァイスハイトも国の法律から税の仕組み、インフラなど、国民が過ごしやすい環境作りの案をゲニーに進言していく。デーアも宰相補佐として、女性であるが故の機転を利かしてゲニーに進言していき、世界初の試みであるフリーデン国の子供なら誰でも無料で通える学校を作るのに多大なる貢献をした。
ゲニーは自身の各国の奉仕活動で得たツテを使い、各国から腕の立つ将軍たちを引き連れ、クリーク帝国の兵士をなぎ倒していく。ただ殺生は好まないゲニーと、争いのない世界にしようと想いを馳せるエーデルシュタイン王の命で手間はかかるが、捕らえはしても殺しはせず、なるべく降伏させ牢に入れた。ゲニーの働きにより段々とクリーク帝国の戦力も削がれていき、とうとうクリーク帝国の帝王が自決して終戦となり、停戦を含めた約三年にわたる戦いが終わった。
クリーク帝国を治める帝王一族がみな自決してクリーク帝国を束ねるものが居なくなり、またその配下たちは牢に入れられたので戦争による飢えに苦しんでた国民たちはほとほと参っていた。そこでゲニーは世界の一国の王であるエーデルシュタイン王に進言する。
「クリーク帝国の跡地に新たな国を作りませんか。この世界の中立国、戦争には絶対介入せず、戦争や紛争による難民を受け入れ、守る国です」
ゲニーは王に跪き、頭を垂れる。
「王様、ゲニーは適任だと思います。他国の王たちとも親しく、信頼も厚いので上手くやれると思います」
そうヴァイスハイトも加勢した。
「ふむ。前代未聞だが、国際会議で提案してみよう」
エーデルシュタイン王は前代未聞のゲニーの提案を受け入れ、各国の王や各地の部族長を呼び寄せ国際会議を開いた。元々戦いに疲弊していた国や、エーデルシュタイン王と同じ志の王など過半数以上の国から賛同を得ることが出来、クリーク帝国は新生中立国家フリーデン王国になりゲニーが統治することになったのだ。そして補佐としてヴァイスハイトが宰相に就いた。
新たな土地を統治するにあたって国民の士気を高めるために、妻で正妃のアンジュが聖女であることを発表した。もうエーデルシュタイン王国の国民ではないアンジュは王の側妃になる必要はないので、エーデルシュタイン王からはゲニーは食えない奴だと苦笑される。アンジュの聖女の力は規格外で、彼女が治せない傷などないのだが、生死をさまよう大怪我の患者に治癒魔法を使うのは魔力を大量に使うので、それはゲニーたち四人の秘密にすることとした。それを秘密にしてもアンジュの聖なる力は万能で、正妃の政務の隙間で奉仕活動にも尽力し、国民から慕われるようになる。王であるゲニーも、自身の魔法の才能を思う存分発揮し、国民が生活しやすくなる魔法を多くあみ出した。また宰相であるヴァイスハイトも国の法律から税の仕組み、インフラなど、国民が過ごしやすい環境作りの案をゲニーに進言していく。デーアも宰相補佐として、女性であるが故の機転を利かしてゲニーに進言していき、世界初の試みであるフリーデン国の子供なら誰でも無料で通える学校を作るのに多大なる貢献をした。
2
お気に入りに追加
166
あなたにおすすめの小説
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
身代わり婚~暴君と呼ばれる辺境伯に拒絶された仮初の花嫁
結城芙由奈
恋愛
【決してご迷惑はお掛けしません。どうか私をここに置いて頂けませんか?】
妾腹の娘として厄介者扱いを受けていたアリアドネは姉の身代わりとして暴君として名高い辺境伯に嫁がされる。結婚すれば幸せになれるかもしれないと淡い期待を抱いていたのも束の間。望まぬ花嫁を押し付けられたとして夫となるべく辺境伯に初対面で冷たい言葉を投げつけらた。さらに城から追い出されそうになるものの、ある人物に救われて下働きとして置いてもらえる事になるのだった―。
地味女で喪女でもよく濡れる。~俺様海運王に開発されました~
あこや(亜胡夜カイ)
恋愛
新米学芸員の工藤貴奈(くどうあてな)は、自他ともに認める地味女で喪女だが、素敵な思い出がある。卒業旅行で訪れたギリシャで出会った美麗な男とのワンナイトラブだ。文字通り「ワンナイト」のつもりだったのに、なぜか貴奈に執着した男は日本へやってきた。貴奈が所属する博物館を含むグループ企業を丸ごと買収、CEOとして乗り込んできたのだ。「お前は俺が開発する」と宣言して、貴奈を学芸員兼秘書として側に置くという。彼氏いない歴=年齢、好きな相手は壁画の住人、「だったはず」の貴奈は、昼も夜も彼の執着に翻弄され、やがて体が応えるように……
【R18】人気AV嬢だった私は乙ゲーのヒロインに転生したので、攻略キャラを全員美味しくいただくことにしました♪
奏音 美都
恋愛
「レイラちゃん、おつかれさまぁ。今日もよかったよ」
「おつかれさまでーす。シャワー浴びますね」
AV女優の私は、仕事を終えてシャワーを浴びてたんだけど、石鹸に滑って転んで頭を打って失神し……なぜか、乙女ゲームの世界に転生してた。
そこで、可愛くて美味しそうなDKたちに出会うんだけど、この乙ゲーって全対象年齢なのよね。
でも、誘惑に抗えるわけないでしょっ!
全員美味しくいただいちゃいまーす。
明智さんちの旦那さんたちR
明智 颯茄
恋愛
あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。
奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。
ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。
*BL描写あり
毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる