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14、妹へのお仕置き(☆)
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ゲニーはアンジュを誰もいない旧校舎の体育館へ連れ込んだ。
右手をアンジュの頭の後ろに添え、左手は肩を抱き引き寄せる。そして二人の目線が合うが、ゲニーは顔を顰めている。
「そんなに頼りない? まぁそうか、僕は魔法しか得意じゃないからね。こんなにも自分が情けなく思うなら、筆記科目ももっと勉強しておけばよかったよ」
確かにゲニーは四人の中で一番筆記試験の点が悪いが、けして頭が悪いわけではなかった。筆記試験の学年の順位も上から数えた方が早い。魔法に力を全振りしてるせいと、将来において自分には大して必要な気がしなかったからやらなかったというだけで地頭はいいのだ。
「ゲニーは馬鹿じゃないよ」
「いつもは馬鹿馬鹿言うくせに?」
ゲニーは苦悶の表情で皮肉を言う。
「大切だから二度言うけど、ゲニーは馬鹿じゃないよ。魔法にウエイトを置きすぎてるだけよ。魔法に費やす時間の十分の一、いや百分の一でいいわ。たったそれだけでも勉強に費やせば、学年トップも夢じゃないと思う。集中力は高いし、理解力もある。それに何よりもゲニーの向上心には頭が下がるわ。その、そういうところすごく尊敬してる……よ。とても素敵だと……思う」
アンジュは熱弁した後、恥ずかしくなったのか声が段々と小さくなる。
愛しい人から褒められ、ゲニーはゆでダコのように頬を赤く染めた。前腕で口元を抑え、目線を外す。
「破壊力半端ないんだけど。君どれだけ僕のこと好きなの?」
「そうねぇ。ゲニーが思ってるよりも私はゲニーに惚れてると思うよ。ねぇ。どっちが想いが強いか勝負してみる?」
アンジュはこてんと首を片方に傾げる。
「勝負してもいいけど、僕が勝つと思うよ?」
「あら、私も負ける気ないけど?」
二人は見つめ合い破顔する。そして顔を近ずけ、慈しむように唇を重ねた。
「今日はゲニーの大好きなおっぱいでしてあげる」
アンジュは制服のケープを脱ぎ捨て、リボンタイを解き、ブラウスのボタンを外していく。上半身は下着だけになり、それも脱ぐとアンジュのたわわな胸が顕になる。
「胸が大きいの嫌だったんだけど、ゲニーが大きい胸好きなら大きくてよかったって思う」
「別に僕は大きい胸が好きなわけじゃない。たまたま好きな人の胸が大きかっただけだし」
「でも胸は好きでしょ? よく私の胸見てるよね? 知ってるんだから」
ゲニーは愛しい人に痛いところを突かれた。
「胸は……好きです……」
「素直でよろしい」
アンジュはにこりと笑い、膝立ちになりゲニーのベルトに手を伸ばす。ベルトを外し、スラックスを脱がしていく。そこから下履からも分かる張り詰めた布越しの肉棒が現れた。
「ふふ、可愛い。感じてもう勃起っちゃったんだ」
アンジュはそう言いゲニーの硬いそそり立つものに、布越しにキスをする。そして下履を下にずらし脱がした。顕になったゲニーの欲棒の先からはてらてらと透明な液体が垂れ、ビクンと厭らしく痙攣している。
アンジュは優しく硬い欲棒を手のひらでつつみ、親指でくちりくちりと反り立つ雄のお口を刺激した。
「アンジュ、じ、焦らさないで」
ゲニーは妖艶な表情でアンジュを俯瞰する。何とも艶のある愛しい人の表情にアンジュは自然と秘部がじわりと濡れてくるのを感じた。
アンジュはゲニーの反り立つ雄から手を離し、おもむろに自身の胸を持ち上げ欲棒を両胸で挟む。そしてゆっくり上下に動かした。
「んっ、ん!」
「気持ちいいんだ? 凄くビクンビクンしてる」
「はっ、やばい、気持ちよすぎ」
真っ赤になり感じてるゲニーを上目遣いで見たアンジュは欲情し、秘所から更に蜜を溢れさせる。
アンジュは舌をつたい唾液を肉棒の先に垂らす。両胸で挟みながら、厭らしく先っぽをパクパクとさせている欲棒を口に含んだ。アンジュは丁寧に、そして愛おしく思いながら口と胸で御奉仕をしていく。
「ん、ふっ、い、イク!」
ビュッといきよいよく噴射された精液がアンジュの顔にかかった。アンジュは口元にも付いたそれをうっとりとした顔でペロリと舐める。
「ふふ、ゲニーの精液こんな味するんだぁ」
ゲニーは自分の精液をさも美味しそうに舐め、妖艶に微笑む愛しい人を見てまた勃起ちそうになった。
「まずいだろ? 吐き出せよ」
ゲニーはハンカチを取り出し、アンジュの口元を拭こうとする。
「うんん。全然。私は好きよ、貴方の味」
アンジュは上目遣いでゲニーを見た。
「あぁ~くそっ! 何なの本当、君ってエロ過ぎるよね。もう、大好き! 愛してる!」
ゲニーはアンジュに抱きつき、唇にキスを落とす。二人は暫くお互いの唇を深く堪能したのだった。
◇
事後の二人はゲニーが魔法で出した人間がのびのび寝られるほど大きなクッションの上に寝っ転がっていた。
「ねぇ、私エッチ上手になった? ゲニーも前より上手になったよね。最初のぎこちなかったのも可愛かったけど」
アンジュは思い出し、ニヤける。
「うるせぇ。キスも何もかも初めてだったんだから仕方ねぇだろ」
ゲニーはブスっと不貞腐れた顔をする。
「私も全部初めてだったからゲニーの初めて貰えて嬉しい」
モテるのに意外だと思ったアンジュは、嬉しさから破顔した。
「それ男が言うセリフなんだけど……」
ゲニーは少し呆れた顔をする。
「だって……初恋なんだもん。初恋の人に初めてを捧げられて、初めてを貰えて幸せ」
アンジュのその言葉を聞き、ゲニーは気まずそうな顔をする。
「ごめん……僕はアンジュが初恋じゃないんだ。でも! でも愛してるのはアンジュだけだし、今は初恋の子の事はどうも思ってない! ただ……感謝はしてる。僕が魔法を頑張るきっかけをくれた子だから……」
「どんな子だったの?」
アンジュは嫉妬を抜きにしてもその女性に興味を持った。この愛しい人の人生を変えた女性はどんな人だったのだろうと純粋に知りたくなる。
「どんなって……。えっと外見は……頭が鳥の巣みたいな子?」
「え……?」
「僕は外見を重視しないんだよ! アンジュも確かに顔は凄く可愛いし、体が細い割に胸はめちゃくちゃでかいし、身体は柔らかいし、エッチするときめっちゃエロくて最高だけど。僕はアンジュの性格が可愛くて、とても優しくて、心が清らかなところに惹かれて好きになったんだ。今は外見や内面どちらも、アンジュの全部が好きだよ。こんなに好きになるとは思ってなかった。もうアンジュが居ない人生なんて考えられないよ」
「どこのお嬢さんなの? 私、その鳥の巣ちゃんに会ってみたいな。それでお礼を言いたいの。貴方のお陰で私の愛する人は稀代の天才魔法使いになりましたって」
アンジュは目を細め優しく微笑む。
「名前は分からない。昔アルメヒティヒ家主催のパーティーで一度きりしか会ってないんだ」
ゲニーは少ししょぼんとした。
「ゲニーの事だしもう一度くらいは会いたいんでしょ? 私そこまで心狭くないから会うくらいなら許してあげる! あ! ゲニーに魔法かけてあげるよ! 絶対願いが叶う魔法だよ。でも努力しないといけないという難点がある魔法だからその子に会える努力はしなさいね」
『ニア・ヒティメ・ヒーゲル』
アンジュはくるりと光る指先で円を描き、そう詠唱する。
ゲニーは驚いた顔をし、目を見開く。そして眉は下がり、顔をくしゃくしゃにし今にも泣きそうな顔になった。
「そっか、そうなんだ、そっかぁ。僕は君に二度恋をしたんだね」
「?」
ゲニーの言ってる意味が分からないアンジュは首を傾げた。
「因みにその魔法、誰に教わったの?」
「昔の友達? かな?」
「その子のことはどう思ってたの? 好きだった?」
「え? だからゲニーが初恋なんだから、その子のことは好きになってないよ? ただの友達よ。それにどこの子かも知らないし、今どうしてるのかも分からないわ。ただ……」
「ただ……?」
「あの子の魔法は本当に綺麗で。あの子と魔法を唱えるのが楽しくて。私が魔法に興味持ったのはあの子のお陰なの。それに願いが叶う魔法を教えて貰って、つらい時も大変な時もその魔法が支えになったの。今思うともしかして好きだったかもしれないわ。ごめんなさい。ゲニーが初恋じゃないかも。でも、これでおあいこよね!」
ふふんと胸を広げアンジュは威張る。自分の初恋はゲニーなのに、ゲニーの初恋が自分じゃなかったことがやはり悔しかったみたいだ。
「アンジュって結構馬鹿だよね。まぁ、そんなところも愛しいけど」
ゲニーはそう言いアンジュの唇に自分のそれを重ねる。馬鹿と言われたアンジュは不服そうな顔をした。
「『ニア・ヒティメ・ヒーゲル』はゲニー・アルメヒティヒのアナグラムなんだよ。好きな女の子に自分の名前を呼んで欲しいと思った男の子の悪足掻きみたいなもの……かな。そして僕が初めて作った魔法だ。その女の子しか知らない特別な魔法だよ」
ゲニーは破顔し、告白する。
「もう、アンジュってどんだけ僕を夢中にさせれば気が済むのかなぁ。きっと結婚してもまた君に恋をするんだろうね。何度も何度も君のこと好きになるから、君も何度も何度も僕に惚れてね」
ゲニーはアンジュを抱きしめ、また唇を重ねる。
愛しい人の告白を聞いて、アンジュは胸が熱くなった。この人を変えたのは私なのだと。この人の初恋は私なのだと。アンジュは目の前の大好きな人に、もう数え切れないほど恋に落ちるのだった。
外はもうとっくに茜色になっていた。ゲニーはもう帰ろうかと愛する女性の服を甲斐甲斐しく着させ、今までよりも尚一層優しい笑みを浮かべ、アンジュと共に家へ帰るために転移魔法を使った。
右手をアンジュの頭の後ろに添え、左手は肩を抱き引き寄せる。そして二人の目線が合うが、ゲニーは顔を顰めている。
「そんなに頼りない? まぁそうか、僕は魔法しか得意じゃないからね。こんなにも自分が情けなく思うなら、筆記科目ももっと勉強しておけばよかったよ」
確かにゲニーは四人の中で一番筆記試験の点が悪いが、けして頭が悪いわけではなかった。筆記試験の学年の順位も上から数えた方が早い。魔法に力を全振りしてるせいと、将来において自分には大して必要な気がしなかったからやらなかったというだけで地頭はいいのだ。
「ゲニーは馬鹿じゃないよ」
「いつもは馬鹿馬鹿言うくせに?」
ゲニーは苦悶の表情で皮肉を言う。
「大切だから二度言うけど、ゲニーは馬鹿じゃないよ。魔法にウエイトを置きすぎてるだけよ。魔法に費やす時間の十分の一、いや百分の一でいいわ。たったそれだけでも勉強に費やせば、学年トップも夢じゃないと思う。集中力は高いし、理解力もある。それに何よりもゲニーの向上心には頭が下がるわ。その、そういうところすごく尊敬してる……よ。とても素敵だと……思う」
アンジュは熱弁した後、恥ずかしくなったのか声が段々と小さくなる。
愛しい人から褒められ、ゲニーはゆでダコのように頬を赤く染めた。前腕で口元を抑え、目線を外す。
「破壊力半端ないんだけど。君どれだけ僕のこと好きなの?」
「そうねぇ。ゲニーが思ってるよりも私はゲニーに惚れてると思うよ。ねぇ。どっちが想いが強いか勝負してみる?」
アンジュはこてんと首を片方に傾げる。
「勝負してもいいけど、僕が勝つと思うよ?」
「あら、私も負ける気ないけど?」
二人は見つめ合い破顔する。そして顔を近ずけ、慈しむように唇を重ねた。
「今日はゲニーの大好きなおっぱいでしてあげる」
アンジュは制服のケープを脱ぎ捨て、リボンタイを解き、ブラウスのボタンを外していく。上半身は下着だけになり、それも脱ぐとアンジュのたわわな胸が顕になる。
「胸が大きいの嫌だったんだけど、ゲニーが大きい胸好きなら大きくてよかったって思う」
「別に僕は大きい胸が好きなわけじゃない。たまたま好きな人の胸が大きかっただけだし」
「でも胸は好きでしょ? よく私の胸見てるよね? 知ってるんだから」
ゲニーは愛しい人に痛いところを突かれた。
「胸は……好きです……」
「素直でよろしい」
アンジュはにこりと笑い、膝立ちになりゲニーのベルトに手を伸ばす。ベルトを外し、スラックスを脱がしていく。そこから下履からも分かる張り詰めた布越しの肉棒が現れた。
「ふふ、可愛い。感じてもう勃起っちゃったんだ」
アンジュはそう言いゲニーの硬いそそり立つものに、布越しにキスをする。そして下履を下にずらし脱がした。顕になったゲニーの欲棒の先からはてらてらと透明な液体が垂れ、ビクンと厭らしく痙攣している。
アンジュは優しく硬い欲棒を手のひらでつつみ、親指でくちりくちりと反り立つ雄のお口を刺激した。
「アンジュ、じ、焦らさないで」
ゲニーは妖艶な表情でアンジュを俯瞰する。何とも艶のある愛しい人の表情にアンジュは自然と秘部がじわりと濡れてくるのを感じた。
アンジュはゲニーの反り立つ雄から手を離し、おもむろに自身の胸を持ち上げ欲棒を両胸で挟む。そしてゆっくり上下に動かした。
「んっ、ん!」
「気持ちいいんだ? 凄くビクンビクンしてる」
「はっ、やばい、気持ちよすぎ」
真っ赤になり感じてるゲニーを上目遣いで見たアンジュは欲情し、秘所から更に蜜を溢れさせる。
アンジュは舌をつたい唾液を肉棒の先に垂らす。両胸で挟みながら、厭らしく先っぽをパクパクとさせている欲棒を口に含んだ。アンジュは丁寧に、そして愛おしく思いながら口と胸で御奉仕をしていく。
「ん、ふっ、い、イク!」
ビュッといきよいよく噴射された精液がアンジュの顔にかかった。アンジュは口元にも付いたそれをうっとりとした顔でペロリと舐める。
「ふふ、ゲニーの精液こんな味するんだぁ」
ゲニーは自分の精液をさも美味しそうに舐め、妖艶に微笑む愛しい人を見てまた勃起ちそうになった。
「まずいだろ? 吐き出せよ」
ゲニーはハンカチを取り出し、アンジュの口元を拭こうとする。
「うんん。全然。私は好きよ、貴方の味」
アンジュは上目遣いでゲニーを見た。
「あぁ~くそっ! 何なの本当、君ってエロ過ぎるよね。もう、大好き! 愛してる!」
ゲニーはアンジュに抱きつき、唇にキスを落とす。二人は暫くお互いの唇を深く堪能したのだった。
◇
事後の二人はゲニーが魔法で出した人間がのびのび寝られるほど大きなクッションの上に寝っ転がっていた。
「ねぇ、私エッチ上手になった? ゲニーも前より上手になったよね。最初のぎこちなかったのも可愛かったけど」
アンジュは思い出し、ニヤける。
「うるせぇ。キスも何もかも初めてだったんだから仕方ねぇだろ」
ゲニーはブスっと不貞腐れた顔をする。
「私も全部初めてだったからゲニーの初めて貰えて嬉しい」
モテるのに意外だと思ったアンジュは、嬉しさから破顔した。
「それ男が言うセリフなんだけど……」
ゲニーは少し呆れた顔をする。
「だって……初恋なんだもん。初恋の人に初めてを捧げられて、初めてを貰えて幸せ」
アンジュのその言葉を聞き、ゲニーは気まずそうな顔をする。
「ごめん……僕はアンジュが初恋じゃないんだ。でも! でも愛してるのはアンジュだけだし、今は初恋の子の事はどうも思ってない! ただ……感謝はしてる。僕が魔法を頑張るきっかけをくれた子だから……」
「どんな子だったの?」
アンジュは嫉妬を抜きにしてもその女性に興味を持った。この愛しい人の人生を変えた女性はどんな人だったのだろうと純粋に知りたくなる。
「どんなって……。えっと外見は……頭が鳥の巣みたいな子?」
「え……?」
「僕は外見を重視しないんだよ! アンジュも確かに顔は凄く可愛いし、体が細い割に胸はめちゃくちゃでかいし、身体は柔らかいし、エッチするときめっちゃエロくて最高だけど。僕はアンジュの性格が可愛くて、とても優しくて、心が清らかなところに惹かれて好きになったんだ。今は外見や内面どちらも、アンジュの全部が好きだよ。こんなに好きになるとは思ってなかった。もうアンジュが居ない人生なんて考えられないよ」
「どこのお嬢さんなの? 私、その鳥の巣ちゃんに会ってみたいな。それでお礼を言いたいの。貴方のお陰で私の愛する人は稀代の天才魔法使いになりましたって」
アンジュは目を細め優しく微笑む。
「名前は分からない。昔アルメヒティヒ家主催のパーティーで一度きりしか会ってないんだ」
ゲニーは少ししょぼんとした。
「ゲニーの事だしもう一度くらいは会いたいんでしょ? 私そこまで心狭くないから会うくらいなら許してあげる! あ! ゲニーに魔法かけてあげるよ! 絶対願いが叶う魔法だよ。でも努力しないといけないという難点がある魔法だからその子に会える努力はしなさいね」
『ニア・ヒティメ・ヒーゲル』
アンジュはくるりと光る指先で円を描き、そう詠唱する。
ゲニーは驚いた顔をし、目を見開く。そして眉は下がり、顔をくしゃくしゃにし今にも泣きそうな顔になった。
「そっか、そうなんだ、そっかぁ。僕は君に二度恋をしたんだね」
「?」
ゲニーの言ってる意味が分からないアンジュは首を傾げた。
「因みにその魔法、誰に教わったの?」
「昔の友達? かな?」
「その子のことはどう思ってたの? 好きだった?」
「え? だからゲニーが初恋なんだから、その子のことは好きになってないよ? ただの友達よ。それにどこの子かも知らないし、今どうしてるのかも分からないわ。ただ……」
「ただ……?」
「あの子の魔法は本当に綺麗で。あの子と魔法を唱えるのが楽しくて。私が魔法に興味持ったのはあの子のお陰なの。それに願いが叶う魔法を教えて貰って、つらい時も大変な時もその魔法が支えになったの。今思うともしかして好きだったかもしれないわ。ごめんなさい。ゲニーが初恋じゃないかも。でも、これでおあいこよね!」
ふふんと胸を広げアンジュは威張る。自分の初恋はゲニーなのに、ゲニーの初恋が自分じゃなかったことがやはり悔しかったみたいだ。
「アンジュって結構馬鹿だよね。まぁ、そんなところも愛しいけど」
ゲニーはそう言いアンジュの唇に自分のそれを重ねる。馬鹿と言われたアンジュは不服そうな顔をした。
「『ニア・ヒティメ・ヒーゲル』はゲニー・アルメヒティヒのアナグラムなんだよ。好きな女の子に自分の名前を呼んで欲しいと思った男の子の悪足掻きみたいなもの……かな。そして僕が初めて作った魔法だ。その女の子しか知らない特別な魔法だよ」
ゲニーは破顔し、告白する。
「もう、アンジュってどんだけ僕を夢中にさせれば気が済むのかなぁ。きっと結婚してもまた君に恋をするんだろうね。何度も何度も君のこと好きになるから、君も何度も何度も僕に惚れてね」
ゲニーはアンジュを抱きしめ、また唇を重ねる。
愛しい人の告白を聞いて、アンジュは胸が熱くなった。この人を変えたのは私なのだと。この人の初恋は私なのだと。アンジュは目の前の大好きな人に、もう数え切れないほど恋に落ちるのだった。
外はもうとっくに茜色になっていた。ゲニーはもう帰ろうかと愛する女性の服を甲斐甲斐しく着させ、今までよりも尚一層優しい笑みを浮かべ、アンジュと共に家へ帰るために転移魔法を使った。
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