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河童騒動の後始末
76 河童モドキ退治1
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照子が意識を取り戻した時…。彼女の目の前には、緑色の二つの顔が並んでいた。
「ひ、ひ~!!」
再度、即、気を失う。が、今度は頬をビシバシビシバシ叩かれて、無理やり起こされた。
「おかしいのよ。戻んないのよ!」
と、黒崎・・・。
「も、戻るって何がですか?」
「だから、この肌の色よ!」
と、橋本・・・。
「え?」
「「だから、舞衣のウンチを食べれば元に戻るはずなのよ!」」
二人同時の返答・・・。
照子は言葉が出ない。もう、完全に理解不能だ。
「二人で分けたからかな…。
それとも、出したてじゃないといけないとか……」
「とにかく、もう一回よ!
それでダメなら、舞衣を連れて来て!
ここでウンチさせて、出したてを試すしかないわ」
「さあ、早く!」
「は、はい~!!」
照子は脱兎のごとく駆けだした。
(もうダメ。もう無理! 絶対無理!!
これ以上あの二人の言うことを聞いていられない。
こうなったら、どうなっても良い!
舞衣に何もかも話して、助けを求めよう)
神社へ駆け込むも、受付には舞衣が居なかった。代わりにスミレが一人で居た。
スミレは、また塩をギュッと握る…。
「この変態! ここへ来るんじゃないわよ!」
照子は罵声と共に、豪快に塩を浴びせられた。が、今日は、塩を投げつけられたくらいでは引き下がらない。受付前で土下座する。
「た、助けて!お願いします!
あの隅田川乙女組の時の下剤事件…。私は知らずにあなたに下剤入りのジュースを渡したってことになってるけど、本当は知ってたの!
私も関わっていたんです。あなたにも、舞衣さんにも、本当に申し訳ない事しました!
本当に、本当に、ごめんなさい!!
で…、でね。私、そのことで、黒崎さんと橋本さんに脅されているの!
あの二人、河童になっちゃっているの!」
「か、河童? 黒崎さんと橋本さんって、探偵さんが処分したって・・・」
「え、河童? 探偵? 叔父様のこと?」
障子を開けて、中に居た沙織が出て来た。スミレの事件のことは杏奈と環奈から聞いていたし、その後、叔父の勘治本人からも打ち明けられている。
因みに、杏奈・環奈は、今、亜希子の研究所。オマケとして美雪もだ。美雪は、すっかり研究所のMRI扱いとなっていた…。
沙織が言葉を繋ぐ。
「叔父様の処分…。河童渕ね……」
中に居た慎也も、受付の方に顔を出した。
「それで、河童化して出てきて、え~と、北野さんだっけ。彼女を脅しているってこと?」
舞衣も嫌そうな顔をして出て来た。神社には来ていたが、人魚に産み付けられた卵で下腹部が張って気分がすぐれず、中の部屋で休んで居たのだ。
「それが何で、私のウンチってことになるのよ!」
「あなたのウンチを食べれば、元に戻れるんですって!」
「た、食べる~!?
そうか、だから昨日、私のウンチを買うって言ってたのね・・・」
「変態さんは、別に居たのか・・・」
スミレが再度、塩をギュッと握りしめ、不快そうな顔で呟く。
「いやいや~、変態というか~、妖怪河童モドキよね~。ん~、でも、ウンチを~って、ド変態には違いないよね~。変態河童モドキかな~」
これは、恵美の発言。
そして、沙織が疑問を呈する。
「でも、舞衣さんの排泄物で、そんなの治るの?」
「まさか! そんなこと、聞いたことも無いぞよ」
最後まで奥に居た祥子も、話に加わってきた。
「でも、あの二人、本気であなたのウンチを狙ってるわよ。
手に入らないから、私、代わりに自分の持って行ったの。
まさか食べるつもりだったなんて知らなかったから!
で、差し出したら…。私の目の前で・・・」
「た・・・、食べたの?!」
舞衣の一言に、照子は、泣き出しそうな顔で頷いた。
「うげ・・・。き、汚い…。サイッテイ・・・」
再度のスミレの呟き。途轍もない汚物を見るような目をして…。いや、実際、途轍もなく汚い。
他の皆も、一様に不快顔だ。
「これからずっと、狙ってくるわよ。
今は、きっと量が足りないからだって言ってるけど、治らなければ舞衣さんを連れてきて出したてをとかも言ってるし、その内、ウンチじゃなくて、あなた自身を食べるとか言い出しかねないわよ!」
「尻子玉抜きか…。在り得るね。これは、放っておけない・・・」
慎也が立ち上がった。恵美も続く。
「よ~し、じゃあ、これから変態河童モドキ退治ね~」
メンバーは慎也・舞衣・祥子・恵美、それにスミレと早紀となった。
スミレまで行くことは無いだろうと慎也は引き留めたが、「舞衣さんの排泄物を狙うなんて、許せない」と言ってきかなかった。
スミレも行くなら、娘の私もということで早紀も付いて行くということだ。
まあ、相手は河童モドキ二人だ。特殊能力を持っている訳でも無いようなので、危険は無かろう。
そして、女性相手の戦闘力を持たない沙織には、神社の方を任せることにした。
「ひ、ひ~!!」
再度、即、気を失う。が、今度は頬をビシバシビシバシ叩かれて、無理やり起こされた。
「おかしいのよ。戻んないのよ!」
と、黒崎・・・。
「も、戻るって何がですか?」
「だから、この肌の色よ!」
と、橋本・・・。
「え?」
「「だから、舞衣のウンチを食べれば元に戻るはずなのよ!」」
二人同時の返答・・・。
照子は言葉が出ない。もう、完全に理解不能だ。
「二人で分けたからかな…。
それとも、出したてじゃないといけないとか……」
「とにかく、もう一回よ!
それでダメなら、舞衣を連れて来て!
ここでウンチさせて、出したてを試すしかないわ」
「さあ、早く!」
「は、はい~!!」
照子は脱兎のごとく駆けだした。
(もうダメ。もう無理! 絶対無理!!
これ以上あの二人の言うことを聞いていられない。
こうなったら、どうなっても良い!
舞衣に何もかも話して、助けを求めよう)
神社へ駆け込むも、受付には舞衣が居なかった。代わりにスミレが一人で居た。
スミレは、また塩をギュッと握る…。
「この変態! ここへ来るんじゃないわよ!」
照子は罵声と共に、豪快に塩を浴びせられた。が、今日は、塩を投げつけられたくらいでは引き下がらない。受付前で土下座する。
「た、助けて!お願いします!
あの隅田川乙女組の時の下剤事件…。私は知らずにあなたに下剤入りのジュースを渡したってことになってるけど、本当は知ってたの!
私も関わっていたんです。あなたにも、舞衣さんにも、本当に申し訳ない事しました!
本当に、本当に、ごめんなさい!!
で…、でね。私、そのことで、黒崎さんと橋本さんに脅されているの!
あの二人、河童になっちゃっているの!」
「か、河童? 黒崎さんと橋本さんって、探偵さんが処分したって・・・」
「え、河童? 探偵? 叔父様のこと?」
障子を開けて、中に居た沙織が出て来た。スミレの事件のことは杏奈と環奈から聞いていたし、その後、叔父の勘治本人からも打ち明けられている。
因みに、杏奈・環奈は、今、亜希子の研究所。オマケとして美雪もだ。美雪は、すっかり研究所のMRI扱いとなっていた…。
沙織が言葉を繋ぐ。
「叔父様の処分…。河童渕ね……」
中に居た慎也も、受付の方に顔を出した。
「それで、河童化して出てきて、え~と、北野さんだっけ。彼女を脅しているってこと?」
舞衣も嫌そうな顔をして出て来た。神社には来ていたが、人魚に産み付けられた卵で下腹部が張って気分がすぐれず、中の部屋で休んで居たのだ。
「それが何で、私のウンチってことになるのよ!」
「あなたのウンチを食べれば、元に戻れるんですって!」
「た、食べる~!?
そうか、だから昨日、私のウンチを買うって言ってたのね・・・」
「変態さんは、別に居たのか・・・」
スミレが再度、塩をギュッと握りしめ、不快そうな顔で呟く。
「いやいや~、変態というか~、妖怪河童モドキよね~。ん~、でも、ウンチを~って、ド変態には違いないよね~。変態河童モドキかな~」
これは、恵美の発言。
そして、沙織が疑問を呈する。
「でも、舞衣さんの排泄物で、そんなの治るの?」
「まさか! そんなこと、聞いたことも無いぞよ」
最後まで奥に居た祥子も、話に加わってきた。
「でも、あの二人、本気であなたのウンチを狙ってるわよ。
手に入らないから、私、代わりに自分の持って行ったの。
まさか食べるつもりだったなんて知らなかったから!
で、差し出したら…。私の目の前で・・・」
「た・・・、食べたの?!」
舞衣の一言に、照子は、泣き出しそうな顔で頷いた。
「うげ・・・。き、汚い…。サイッテイ・・・」
再度のスミレの呟き。途轍もない汚物を見るような目をして…。いや、実際、途轍もなく汚い。
他の皆も、一様に不快顔だ。
「これからずっと、狙ってくるわよ。
今は、きっと量が足りないからだって言ってるけど、治らなければ舞衣さんを連れてきて出したてをとかも言ってるし、その内、ウンチじゃなくて、あなた自身を食べるとか言い出しかねないわよ!」
「尻子玉抜きか…。在り得るね。これは、放っておけない・・・」
慎也が立ち上がった。恵美も続く。
「よ~し、じゃあ、これから変態河童モドキ退治ね~」
メンバーは慎也・舞衣・祥子・恵美、それにスミレと早紀となった。
スミレまで行くことは無いだろうと慎也は引き留めたが、「舞衣さんの排泄物を狙うなんて、許せない」と言ってきかなかった。
スミレも行くなら、娘の私もということで早紀も付いて行くということだ。
まあ、相手は河童モドキ二人だ。特殊能力を持っている訳でも無いようなので、危険は無かろう。
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