68 / 78
親友との再会
68 開店準備
しおりを挟む
直ぐに西離れを改装する工事に掛かってもらうことにします。
保健所の営業許可を得るための必要な設備を整えます。
これに関しては、タカイの小父さんのアドバイスも受けました。
あと、西離れにはお手洗いも無い。でも、東離れ前の外便所がありますので、お客さん用としてはこれでよいかな。
今時珍しいオマケつき便所なんですけどね。
えっ、意味わかんない?
ポットンとウンチすると、ピシャっとしずくが返ってくる…。そのしずくがオマケ……。
ゴメンナサイ、バッチくて。つまり、汲み取り式ってことですよ。
ある意味貴重な存在ですが、このままという訳にはゆきませんね。水洗便所に作り変えましょう。
星野も、しょっちゅう顔を出します。当然、咲夜ちゃんに会うのが目的ですよね~。
片道1時間なんて距離は、愛の前には何でもない!♡♡!
それにしても、星野はいつになったら告白するのよ…。いい加減じれったい。顔見るたびに、せっついて虐めてやります。
それを咲夜ちゃんに見つかって、「ケンカしないで」って言われてしまうのが恒例になってきました。
でもまあ、あと一歩の勇気が出なくて踏み出せないヘタレ男をからかうのは、もどかしくも楽しいよね。 …名前は勇樹のくせにね。
既にある建物を利用すれば、すぐにでもお店をオープン出来ると考えていた私の見通し。完全に甘すぎました。
高屋敷の我が家に水道を引くのがかなりの難工事。咲夜ちゃんが住めるようにと水屋でも水道を使えるようにしますし、当然下水の方も必要。
お店にする西離れと、咲夜ちゃんが住む水屋の内部の改装をし、庭も整えて西離れに入りやすくし、保健所の営業許可も取り……。
それからですね。駐車場の確保ですよ。
公共交通機関の無い田舎。駐車場が無ければ、御客が来てくれません。
ちょうど、私の畑の隣にもう一つ、耕されてない畑がありました。調べてみると、持ち主は私…。父が手続きして貸した土地でした。
借り主に話をすると、もう足腰が痛くなってきて耕作できないので返したいと思っていたところだとのこと。これは、ラッキー!
ですが、農地を他の目的で使用するためには、これまた面倒な手続きが。あああ~、ヤヤコシイ……。
てなことで、結局お店のオープンは次の春。桜が花開く頃になりそうです。
まあ、生活費に困ってるってことでもありませんし、ノ~ンビリ行きましょうや。
それまでの間に、咲夜ちゃんをナギさんにも紹介しましたよ。
この地でお店を開くのですから、氏神様にも御挨拶しておかないといけませんからね。
もちろん、咲夜ちゃんの手打ち蕎麦、ナギさんにも食べてもらいました。
ナギさん、大絶賛でした。
八月の後半には、夏休みの弟子たちと咲夜ちゃんも連れて、祖母の家の大掃除に。
お店で使えそうな食器なんかを持ってくるという目的もありましてね……。
弟子たちは囲炉裏のある古民家に大興奮!
長いこと使っていなかったけど、竈もありますからね。大平宿より近くて良いでしょ。
別荘として、偶に遊びに来るのも有りですね。
秋には、スクさんこと少彦名様が、家に遊びに来てくれました。
咲夜ちゃん、小人神様にビックリ!
でも気を付けてよ~。この神様、エロイからね~。お風呂、覗かれないように!
スクさんも咲夜ちゃんの蕎麦を絶賛でした。
食べ方が妙でしたがね。一本を口にくわえて、ズルズルズル~って啜り飲んで……。
そうそう、弟子たちですが、彼女たち、大学四年生。
本来なら、就職活動しなければなりません。…が、一切していない二人。
何でかというと、活動するまで無く既に内定が出ているのです。
その就職先というのは、私のところ。
こんな優秀な秘書、絶対他に盗られたくない!
蕎麦屋の従業員を兼ねて、これからも私のもとに居てもらいます。給料はドーンと弾むからね!
あ、蕎麦屋は資金と場所を提供する私が社長で、咲夜ちゃんが店長。
で、弟子二人が社長秘書兼店舗従業員で~す。
で、伊吹おろしが吹き荒ぶ寒い冬も終わり、咲夜ちゃんの蕎麦屋、準備が整ってきましたよ。
もともとの店の名前は「蕎麦屋江藤」でした。
が、移転することもあり、咲夜ちゃんは名前を変えたいと言い出しました。
で、ビンちゃん、ナギさん含めた相談と、多数決の結果、「蕎麦処白結」となってしまいました。
そうです。私の「白結の巫女」が由来。
いや、私は抵抗したんですよ。でも多数決で押し切られて……。
神との関りを持てる存在を「結の巫女」と呼び、咲夜ちゃんもその一人です。神様が見えますからね。
私の場合は見聞きだけでなく神に触れることまで出来るという、トンデモナイ力を持ってしまいました。それを特別視(?)し、アルビノの白い外見から名付けられたのが「白結の巫女」。長野戸隠神社の思兼様が命名主です。
当然、新店名の「白結」は私のことに違いないのですが、咲夜ちゃんも結の巫女。
そして、咲夜ちゃんはアルビノではありませんが、かなりの色白。
だから、これは咲夜ちゃんのことでもあるんだと、私は無理矢理自分を納得させることにしました……。
保健所の営業許可を得るための必要な設備を整えます。
これに関しては、タカイの小父さんのアドバイスも受けました。
あと、西離れにはお手洗いも無い。でも、東離れ前の外便所がありますので、お客さん用としてはこれでよいかな。
今時珍しいオマケつき便所なんですけどね。
えっ、意味わかんない?
ポットンとウンチすると、ピシャっとしずくが返ってくる…。そのしずくがオマケ……。
ゴメンナサイ、バッチくて。つまり、汲み取り式ってことですよ。
ある意味貴重な存在ですが、このままという訳にはゆきませんね。水洗便所に作り変えましょう。
星野も、しょっちゅう顔を出します。当然、咲夜ちゃんに会うのが目的ですよね~。
片道1時間なんて距離は、愛の前には何でもない!♡♡!
それにしても、星野はいつになったら告白するのよ…。いい加減じれったい。顔見るたびに、せっついて虐めてやります。
それを咲夜ちゃんに見つかって、「ケンカしないで」って言われてしまうのが恒例になってきました。
でもまあ、あと一歩の勇気が出なくて踏み出せないヘタレ男をからかうのは、もどかしくも楽しいよね。 …名前は勇樹のくせにね。
既にある建物を利用すれば、すぐにでもお店をオープン出来ると考えていた私の見通し。完全に甘すぎました。
高屋敷の我が家に水道を引くのがかなりの難工事。咲夜ちゃんが住めるようにと水屋でも水道を使えるようにしますし、当然下水の方も必要。
お店にする西離れと、咲夜ちゃんが住む水屋の内部の改装をし、庭も整えて西離れに入りやすくし、保健所の営業許可も取り……。
それからですね。駐車場の確保ですよ。
公共交通機関の無い田舎。駐車場が無ければ、御客が来てくれません。
ちょうど、私の畑の隣にもう一つ、耕されてない畑がありました。調べてみると、持ち主は私…。父が手続きして貸した土地でした。
借り主に話をすると、もう足腰が痛くなってきて耕作できないので返したいと思っていたところだとのこと。これは、ラッキー!
ですが、農地を他の目的で使用するためには、これまた面倒な手続きが。あああ~、ヤヤコシイ……。
てなことで、結局お店のオープンは次の春。桜が花開く頃になりそうです。
まあ、生活費に困ってるってことでもありませんし、ノ~ンビリ行きましょうや。
それまでの間に、咲夜ちゃんをナギさんにも紹介しましたよ。
この地でお店を開くのですから、氏神様にも御挨拶しておかないといけませんからね。
もちろん、咲夜ちゃんの手打ち蕎麦、ナギさんにも食べてもらいました。
ナギさん、大絶賛でした。
八月の後半には、夏休みの弟子たちと咲夜ちゃんも連れて、祖母の家の大掃除に。
お店で使えそうな食器なんかを持ってくるという目的もありましてね……。
弟子たちは囲炉裏のある古民家に大興奮!
長いこと使っていなかったけど、竈もありますからね。大平宿より近くて良いでしょ。
別荘として、偶に遊びに来るのも有りですね。
秋には、スクさんこと少彦名様が、家に遊びに来てくれました。
咲夜ちゃん、小人神様にビックリ!
でも気を付けてよ~。この神様、エロイからね~。お風呂、覗かれないように!
スクさんも咲夜ちゃんの蕎麦を絶賛でした。
食べ方が妙でしたがね。一本を口にくわえて、ズルズルズル~って啜り飲んで……。
そうそう、弟子たちですが、彼女たち、大学四年生。
本来なら、就職活動しなければなりません。…が、一切していない二人。
何でかというと、活動するまで無く既に内定が出ているのです。
その就職先というのは、私のところ。
こんな優秀な秘書、絶対他に盗られたくない!
蕎麦屋の従業員を兼ねて、これからも私のもとに居てもらいます。給料はドーンと弾むからね!
あ、蕎麦屋は資金と場所を提供する私が社長で、咲夜ちゃんが店長。
で、弟子二人が社長秘書兼店舗従業員で~す。
で、伊吹おろしが吹き荒ぶ寒い冬も終わり、咲夜ちゃんの蕎麦屋、準備が整ってきましたよ。
もともとの店の名前は「蕎麦屋江藤」でした。
が、移転することもあり、咲夜ちゃんは名前を変えたいと言い出しました。
で、ビンちゃん、ナギさん含めた相談と、多数決の結果、「蕎麦処白結」となってしまいました。
そうです。私の「白結の巫女」が由来。
いや、私は抵抗したんですよ。でも多数決で押し切られて……。
神との関りを持てる存在を「結の巫女」と呼び、咲夜ちゃんもその一人です。神様が見えますからね。
私の場合は見聞きだけでなく神に触れることまで出来るという、トンデモナイ力を持ってしまいました。それを特別視(?)し、アルビノの白い外見から名付けられたのが「白結の巫女」。長野戸隠神社の思兼様が命名主です。
当然、新店名の「白結」は私のことに違いないのですが、咲夜ちゃんも結の巫女。
そして、咲夜ちゃんはアルビノではありませんが、かなりの色白。
だから、これは咲夜ちゃんのことでもあるんだと、私は無理矢理自分を納得させることにしました……。
1
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

貧乏神の嫁入り
石田空
キャラ文芸
先祖が貧乏神のせいで、どれだけ事業を起こしても失敗ばかりしている中村家。
この年もめでたく御店を売りに出すことになり、長屋生活が終わらないと嘆いているいろりの元に、一発逆転の縁談の話が舞い込んだ。
風水師として名を馳せる鎮目家に、ぜひともと呼ばれたのだ。
貧乏神の末裔だけど受け入れてもらえるかしらと思いながらウキウキで嫁入りしたら……鎮目家の虚弱体質な跡取りのもとに嫁入りしろという。
貧乏神なのに、虚弱体質な旦那様の元に嫁いで大丈夫?
いろりと桃矢のおかしなおかしな夫婦愛。
*カクヨム、エブリスタにも掲載中。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
【完結】召しませ神様おむすび処〜メニューは一択。思い出の味のみ〜
四片霞彩
キャラ文芸
【第6回ほっこり・じんわり大賞にて奨励賞を受賞いたしました🌸】
応援いただいた皆様、お読みいただいた皆様、本当にありがとうございました!
❁.。.:*:.。.✽.。.:*:.。.❁.。.:*:.。.✽.。.:*:.。.❁.。.
疲れた時は神様のおにぎり処に足を運んで。店主の豊穣の神が握るおにぎりが貴方を癒してくれる。
ここは人もあやかしも神も訪れるおむすび処。メニューは一択。店主にとっての思い出の味のみ――。
大学進学を機に田舎から都会に上京した伊勢山莉亜は、都会に馴染めず、居場所のなさを感じていた。
とある夕方、花見で立ち寄った公園で人のいない場所を探していると、キジ白の猫である神使のハルに導かれて、名前を忘れた豊穣の神・蓬が営むおむすび処に辿り着く。
自分が使役する神使のハルが迷惑を掛けたお詫びとして、おむすび処の唯一のメニューである塩おにぎりをご馳走してくれる蓬。おにぎりを食べた莉亜は心を解きほぐされ、今まで溜めこんでいた感情を吐露して泣き出してしまうのだった。
店に通うようになった莉亜は、蓬が料理人として致命的なある物を失っていることを知ってしまう。そして、それを失っている蓬は近い内に消滅してしまうとも。
それでも蓬は自身が消える時までおにぎりを握り続け、店を開けるという。
そこにはおむすび処の唯一のメニューである塩おにぎりと、かつて蓬を信仰していた人間・セイとの間にあった優しい思い出と大切な借り物、そして蓬が犯した取り返しのつかない罪が深く関わっていたのだった。
「これも俺の運命だ。アイツが現れるまで、ここでアイツから借りたものを守り続けること。それが俺に出来る、唯一の贖罪だ」
蓬を助けるには、豊穣の神としての蓬の名前とセイとの思い出の味という塩おにぎりが必要だという。
莉亜は蓬とセイのために、蓬の名前とセイとの思い出の味を見つけると決意するがーー。
蓬がセイに犯した罪とは、そして蓬は名前と思い出の味を思い出せるのかーー。
❁.。.:*:.。.✽.。.:*:.。.❁.。.:*:.。.✽.。.:*:.。.❁.。.
※ノベマに掲載していた短編作品を加筆、修正した長編作品になります。
※ほっこり・じんわり大賞の応募について、運営様より許可をいただいております。
金沢ひがし茶屋街 雨天様のお茶屋敷
河野美姫
キャラ文芸
古都・金沢、加賀百万石の城下町のお茶屋街で巡り会う、不思議なご縁。
雨の神様がもてなす甘味処。
祖母を亡くしたばかりの大学生のひかりは、ひとりで金沢にある祖母の家を訪れ、祖母と何度も足を運んだひがし茶屋街で銀髪の青年と出会う。
彼は、このひがし茶屋街に棲む神様で、自身が守る屋敷にやって来た者たちの傷ついた心を癒やしているのだと言う。
心の拠り所を失くしたばかりのひかりは、意図せずにその屋敷で過ごすことになってしまいーー?
神様と双子の狐の神使、そしてひとりの女子大生が紡ぐ、ひと夏の優しい物語。
アルファポリス 2021/12/22~2022/1/21
※こちらの作品はノベマ!様・エブリスタ様でも公開中(完結済)です。
(2019年に書いた作品をブラッシュアップしています)

裏吉原あやかし語り
石田空
キャラ文芸
「堀の向こうには裏吉原があり、そこでは苦界の苦しみはないよ」
吉原に売られ、顔の火傷が原因で年季が明けるまで下働きとしてこき使われている音羽は、火事の日、遊女たちの噂になっている裏吉原に行けると信じて、堀に飛び込んだ。
そこで待っていたのは、人間のいない裏吉原。ここを出るためにはどのみち徳を積まないと出られないというあやかしだけの街だった。
「極楽浄土にそんな簡単に行けたら苦労はしないさね。あたしたちができるのは、ひとの苦しみを分かつことだけさ」
自称魔女の柊野に拾われた音羽は、裏吉原のひとびとの悩みを分かつ手伝いをはじめることになる。
*カクヨム、エブリスタ、pixivにも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる