究極ラッキーガール、最強貧乏神に取り憑かれました…。 ~神と人を繋ぐ“白結の巫女”ハルカの、ナイショ話~

しんいち

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親友との再会

65 宝くじ…

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 祐奈とレイラが帰り、二時間程してから私のスマホが鳴ります。
 あら、祐奈からだ。

『師匠! 当たり! 大当たり! ナンバーズ3、確か買ったのは651でしたよね!
ストレートの大当たりです!!』

 あ、抽選日は今日なの? え、当たり?!

『当選金、80500円です!』

 わお! ビンちゃんってば、スゴイ!
 8万円くらいじゃ借金返すのには全く足りないけど、当選は嬉しいよ!

 い、いや……。

 一つ当たったって…。
もしかして、これ、他のも?

 えええっ?! ま、まさか……。

『ナンバーズ4の方は9931です。こっちはどうですか?』

 スマホの向こうからの祐奈の声。
 う、ウソ…。これも合ってる。ピッタリ、そのまんま……。

『え?ピッタリ合ってます? でしたら、900400円ですよ、さっすが、座敷童様ですね!』

 目の前のビンちゃん、私に向かって「どんなもんだい」と言わんばかりのVサイン。
両方合わせて980900円。それでも、まだまだ全然足りないけども…。
 こ、これは…。
もしかして、イケちゃうのかも!

 咲夜ちゃんも、目を真ん丸にしてる……。



 翌木曜日はロト6の抽選日。結果判明次第、レイラが連絡をくれることになっています。
咲夜ちゃんと二人、正座して待ちます。

 一方、ビンちゃんは、眷属のソウとトクを部屋に連れ込んで、二匹の背中をもみもみマッサージしてやっています。
えっとね、室内犬じゃないんですけどね…。でもまあ、霊体ですので、部屋が汚れるなんてことはありません。問題ないわね。
 ソウとトクは、めっちゃ気持ちよさそうに悶えています。かわいい…。


 スマホが鳴る…。レイラからです。

『師匠!結果が判明しました。3・8・19・23・27・36です。
どうですか、当たってますか?』

 ちょっと待ってね。
 3・8・19・23・27・36…。
 う、うそ…。全部合ってる……。

『え? 全部合ってます? それ、一等ですよ!
一等当選は、キャリーオーバーがあるから最高額の6億円です』

 うへえええええええ~!!

 ろ、ろ、ろ、ろ、ろ、ろ、6億円……。

 聞いてた咲夜ちゃん、口をぽかんと開けてる…。

 ビンちゃんは…、ビッとVサイン。そしてすぐに送り犬のマッサージに戻る…。

 あ、あのさ、6億って……。
私、元手900円しか出してないんですよ。
 これで咲夜ちゃんちの借金どころか、お店の再建費用も全額出して、それでもトンデモナク残る…。

「どうしたハルカ。まだ足りんか? あと一つあるから、何とかならんか?
足りんなら、もう一回買いに行くか?」

「ひいいいいいっ! た、足ります、足ります。足り過ぎます! 余っちゃうよ!!」

「なんだ、そうか。余るのは問題なかろう」

 い、いや、そうなんですけどね。すでに鼻血でも吹きそうな額なのに……。
そうなんですよ、あと一つ、一番デカイのがある!!


 取り敢えずですね。必要なお金は用意出来ることになりました。ですので、明日は咲夜ちゃんには相続と借金返済の手続きをしてもらいましょう。
 私がお金を出すことに恐縮しきりの咲夜ちゃんですが…。

 いやいや、遠慮とか、逆にそんなこと許されませんからっ!
全部まとめて、すべて一切合切、何もかもドカーンと、出させてもらいますよ!
 私、こんな大金を得てしまって困ってるんですからね!
 これ、みんな咲夜ちゃんの所為せいですからねっ!



 で…。その「あと一つ」なんですがね……。

 もう外れてくれても良いんですけどね。そう思っていると、そうは行かない…。

 抽選日は翌日の金曜日。
当然の如くに、一等当選。
 ロト7もキャリーオーバーがあり、なんと当選金、10憶円!!!

 あああああああ…、もう、くらくらする……。

 私ってば、一気に超大金持ちになってしまいました。就職し損なった無職だったはずなのに…。

 これが、神様のお世話をする報酬ってやつですかね?

 ううう~。なんだか、胃が痛くなってきたよ……。
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